著者
中嶋 正之
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.7-14, 1999
被引用文献数
1

今年で26回目となるSIGGRAPH'99は, 8月8日(日)から13日(金)まで, アメリカ合衆国Los Angelsのダウンタウンに程近いコンベンションセンタで行われた。SIGGRAPHはACMに属する一つの研究会であり、CG(Computer Graphics)やInteractive技術に関する国際会議であり、最新のVirtual RealityやMultimediaに関する最新の試みなどが発表される。本研究会ではチュートリアルとしてSIGGRAPH'99の報告を行う。
著者
友田 尋子 山田 典子 三木 明子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.48-54, 2015-01-25

はじめに フォレンジック・ナーシング(Forensic Nursing)は,「司法看護」や「法看護」と和訳されているが,後者の「法看護」は法医学(Forensic Medicine)と対比する和訳として用いられることが多い。本稿はForensic Nursingを,2014年に設立した日本フォレンジック看護学会(http://jafn.jp/)同様に,「フォレンジック看護学」とする。フォレンジック看護学は,イギリス,オーストラリア,アメリカでは1つの確立した看護学分野として位置づけられている。 実は看護場面で出会う対象者と,司法との接点は多い。例えば,DVや虐待を受けた被害者と加害者の両者への看護,交通事故の被害者への看護,現場で患者から暴力を受ける医療職への看護,薬物・アルコールによる中毒死の患者や遺族へのかかわり,虐待などによる脳死者からの臓器移植コンサルテーション,オカルト儀式や宗教団体のなかで宗教の名のもとに行われる人権侵害や身体侵襲,外来受診や手術を受ける受刑者や服役中に病院で出産する受刑者などである。 欧米でのフォレンジック看護は,犯罪を防止し被害者をなくすことを目的とし,被害者と加害者を救済するための看護活動である。日本における現行の加害者支援は,司法精神看護(医療観察法病棟の看護),矯正看護(少年院や刑務所など矯正施設における看護)であり,被害者支援では性暴力被害者への看護としてSANE(Sexual Assault Nurse Examiner:性暴力被害者支援看護師)の育成が,特定非営利法人「女性の安全と健康のための支援教育センター」で行われており,2014年春で330人の修了生がいる。また,フォレンジック看護の視点での教育ではないが,子どもの虐待被害者支援としてけがや病気への看護,DV被害者への早期発見を中心とした看護が存在している。 しかし,日本の大学や大学院では学問的体系がなく,フォレンジック看護学の視点での教育や実践は始まったばかりと言える。その先駆けとしては,2011年4月から甲南女子大学大学院で開講したフォレンジック看護教育や,東京医科歯科大学大学院の司法解剖医学・看護学,2014年3月に設立した日本フォレンジック看護学学会がある。このような動きをとらえながら,本稿ではフォレンジック看護学への期待と展望について考える。
著者
長谷川 みどり 湯澤 由紀夫 外山 宏 市原 隆 小出 滋久
出版者
藤田保健衛生大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

ダイナミックCT撮影による有効腎血漿流量(CT-ERPF)および糸球体濾過量(CT-GFR)の測定法を確立した。腎移植ドナーでは腎皮質深層CT-ERPF2.61±0.87mL/min/cm2 、CT-GFR0.63±0.15mL/min/cm2、表層CT-ERPF2.61±0.88mL/min/cm2 、CT-GFR0.66±0.14であり、敗血症では深層ERPF0.615mL/min/cm2、GFR0.452mL/min/cm2、表層ERPF0.650mL/min/cm2、GFR0.461mL/min/cm2であった。今回の検討では敗血症症例においても皮質表層と深層で差異を認めなかった。
著者
増山 元三郎
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候学会雑誌 (ISSN:03694240)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.147-168, 1942-01-25 (Released:2010-08-06)
参考文献数
53

The author has intended to investigate the pathogenetic mechanism of the so-called meteorotropic diseases, particularly that of the cyclonopathia, and this is the second paper on this line. In order to analyse the pathogenesis of these diseases, he compares the prefrontal states of patients (not necessarily weather-hypersensitive patients!) with the postfrontal ones.At first he has studied statistically the characteristics of the depression near Japan. The main results obtained from over 2000 cases may be summed up as follows;1) there are at most 29% frontless depressions, 2) there are 96% frontal lines of the straight line type and only 4% those of λ type, 3) the mode of the angle between frontal line and parallel is nearly equal to 40 degrees.Thus it would be sufficient for the present purpose to determine the spatial distribution of the biological measure of autonomic regulation around the moving center of depression. He applies here the spatial n-method introduced in his previous paper (this journal vol. 6) to get quantitatively the statistical law of the autonomic regulation caused by the passage of depression.He obtains the following results:1) the imidazol bodies contained in the urine increase postfrontally, 2) the volume of urine decreases prefrontally, 3) the specific gravity of urine increases prefrontally, 4) the body temperature increases prefrontally, 5) the Biernaeki's reaction is acceralated prefrontally, 6) the negativity of the Citochol reaction increases postfrontally.The figures Nos. 4-11 show that there is a prefrontal extremal zone which is nearly parallel to the frontal line and the distance between them is equal to ca. 500km. This suggests us that there exist the extremal biological states in the body ca. 12 hours before the passage of frontal line, which would correspond to the weather forecasting of some weather-hypersensitive patients.
著者
飯田 紀彦 井上 澄江 畑 律江 増田 浩二
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.87-111, 2001-10-31

「未来の高齢者」である若年者を調査することによって、任意後見制度をより有効に活用するための必要な情報を得る目的で意識調査を行った。対象者は、K大学の学生で男性79名(平均年齢22歳)、女性70名(平均年齢22歳)であった。われわれの先行研究である中高年齢群(平均年齢男性67歳、女性60歳)の任意後見制度に関する意識調査のデータを比較対照とした。任意後見制度の利用に否定的な回答をした人は、学生群3.4%、中高年齢群16.9%であった。学生群は、任意後見制度の利用の可能性を考えている人が多いことが分かった。痴呆症の病名告知を希望する人は、学生群は82%、中高年齢群は87%であり、学生群も大多数が告知を希望していることが分かった。学生群で、将来の仕事として成年後見人を考えている人は男性4%、女性10%であった。任意後見制度の利用は、今後増加することが予想され、制度のさらなる充実が望まれる。
著者
佐藤 康弘 福土 審
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.26-30, 2020 (Released:2020-01-01)
参考文献数
13

神経性やせ症, 神経性過食症に代表される摂食障害は, 多様な合併症状を呈し, 治療をさらに困難にしている. 神経性やせ症患者では, 極度の栄養不足と脱水から, 肝機能障害, 腎不全, 便秘, 脱毛など, 全身に多様な症状が出現する. 中でも低血糖, 電解質異常に起因する不整脈, 治療介入初期の再栄養症候群は死につながる危険性がある. 成長期における身長増加の停滞, 骨粗鬆症は体重回復後も影響が残る可能性がある. 過食排出型患者では自己誘発嘔吐によるう歯や, 嘔吐, 下剤, 利尿剤乱用による電解質異常が深刻な問題となる. 一方精神面では神経性やせ症でも神経性過食症でも不安, 抑うつなどの精神症状や, パーソナリティ障害の合併を認めることは多く, 治療上の障害となっている. ED患者の治療には, 心身にわたる合併症状への適切な対処が求められる.
著者
髙梨 知揚
出版者
日本保健医療社会学会
雑誌
保健医療社会学論集 (ISSN:13430203)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.32-42, 2019-07-31 (Released:2020-07-31)
参考文献数
26

数が少ないながらに鍼灸師ががん緩和ケアに関与しているという報告が散見されるようになった。しかし通常医療とは医学モデルを異にする鍼灸師という職種が、医師や看護師らが中心となって構築する緩和ケアの場においてどのように他職種と関係を構築しながらケアを実践しているかは明らかになっていない。そこで本研究では、6名の鍼灸師と5名の他職種を対象として、チームでの緩和ケアの実践経験を有する鍼灸師と他職種の職種間連携の実態を明らかにすることを目的にインタビュー調査を行った。本研究結果から、病院における緩和ケアの「場」において両者が「繋がる」ための「障壁」が存在することが明らかになった。こうした「障壁」の存在に対して鍼灸師は様々な「戦術」を駆使し、一方で他職種も多様性のある医療を実践するために「小さな戦略」を展開しながら、ケアの「場」における相互の「繋がり」を構築する様が明らかとなった。
著者
好井 裕明
出版者
三田社会学会
雑誌
三田社会学 (ISSN:13491458)
巻号頁・発行日
no.19, pp.70-79, 2014-07

1. はじめに2. 当事者「運動」について3. 当事者「運動」主体のありようを見つめる必要性4. 当事者「研究」における「主体」とは?5. 当事者「研究」は何をめざすのか?特集 : 生きられる経験/当事者/当事者研究