著者
郡司島 由香
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.281-291, 1997-07-30 (Released:2017-10-20)
参考文献数
36
被引用文献数
2

18歳から31歳までの陸上自衛隊員を対象として,フッ化物を応用した齲蝕予防効果について介入疫学研究を行った。対象者はフッ化物洗口群(洗口群:0.05%NaF,週5回法),フッ化物配合歯磨剤群(歯磨剤群:950ppmF)および対照群の3群に分け,各群の2年間における齲蝕増加量を比較検討した。主な結果は以下のとおりである。1.視診型診査における新生DMFS-indexは洗口群1.96,歯磨剤群2.22,対照群3.17であった。洗口群の新生DMFS-indexは対照群に較べ38.2%小さく,有意な差が認められた(p<0.05)。また,歯磨剤群は対照群より30.0%少なかったが,有意性は認められなかった。2.部位別に齲蝕増加量をみると,臼歯部平滑面において洗口群は対照群に較べ47.5%少なく,その差は有意であった(p<0.01)。3.臼歯部隣接面齲蝕の咬翼法X線評価における新生DeMFS-indexは洗口群0.64,歯磨剤群1.05,対照群1.21であった。洗口群は対照群に較べ47.1%小さく,有意性が認められた(p<0.01)。歯磨剤群と対照群との差13.2%は有意でなかった。以上のことより,成人の齲蝕が増加しているわが国では,成人におけるフッ化物洗口法は非常に効果的な齲蝕予防法であることが示唆された。

1 0 0 0 OA 玉淵叢話

著者
三木佐助 著
出版者
開成館
巻号頁・発行日
vol.下, 1902
著者
松尾 新太郎 常田 明夫
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.637-638, 2010

非同期CDMA通信やスペクトル拡散符号を用いた測位においては,非周期相関関数が重要である.電波を用いたCDMA通信において,2値のスペクトル拡散符号は,通常1と-1のバイポーラ符号として用いられるが,光通信などで用いられるオンオフキーング方式では,1と0のユニポーラ符号として利用する必要がある.ユニポーラ符号でCDMA通信を実現するために,バイポーラ符号の直交性を活かした光CDMA通信方式も提案されている.本稿では,非線形フィードバックシフトレジスタ(NSFR)から生成された直交符号のユニポーラ符号としての非周期相関特性を調べ,評価を行う.

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1901年01月04日, 1901-01-04
著者
宇都宮 浄人
出版者
日本交通学会
雑誌
交通学研究 (ISSN:03873137)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.15-22, 2017 (Released:2019-05-27)
参考文献数
13
被引用文献数
1

地域鉄道にはバスにない存在価値があるとされるが、その定量化は必ずしも進んでいない。本稿では、性格の異なる3つの鉄道を対象に、バスを基準にした鉄道の相対的な割増価値(プレミアム)をCVMにより測定した。その結果、沿線住民は、直接的な利用者以外も含め、富山ライトレール、近江鉄道ではバスよりも2割程度、若桜鉄道では1割程度の鉄道のプレミアムを見出しており、鉄道の存在価値が相当程度あることを示唆する結果となった。また、運行頻度が高まった場合についても、直接的な利用者以外の人も含め、沿線住民は相応の運賃の割増支払いの意思があるとの結果が得られた。
著者
田島 又一
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測 (ISSN:04500024)
巻号頁・発行日
vol.8, no.8, pp.489-495, 1958-08-01 (Released:2009-04-21)
参考文献数
2
著者
金田 由美 岡本 恭明 尾迫 貴章 前田 浩 徳山 正徳 竹中 義昭 服部 益治 谷澤 隆邦
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.49-54, 2002-04-30 (Released:2008-02-29)
参考文献数
14

症例は12歳男児。ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群に対し,シクロスポリンを併用し症状の改善をみたが,白血球減少症という稀な副作用を認めたため減量を余儀なくされた。追加治療としてLDL吸着療法を試み,血中コレステロール値,LDL値が吸着療法前値に戻った約2ヵ月後,ステロイドを再開したところ著効し,完全寛解を得ることができた。LDL吸着療法の効果発現機序は明らかでないが,難治性ネフローゼ症候群において薬剤感受性の改善や吸着療法による未知の物質を吸着除去することによる臨床的改善効果の可能性が示唆されたので,若干の考察を加え報告する。
著者
服巻 繁 野口 幸弘 小林 重雄
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.35-43, 2000-03-30 (Released:2017-07-28)
被引用文献数
1

本論文は、知的障害者通所施設に在籍する一自閉症青年の行動障害の改善への取り組みである。介入に先立つ施設での取り組みとして、まず生態学的調査(家庭での生活範囲や生活スケジュールの調査)と施設内で自由に活動してもらい好みのものや活動、コミュニケーション能力などの行動観察を行った。その結果、好みの活動は洗剤や新聞の折り込み広告を見る、おやつを食べたりお茶を飲むこと、コミュニケーションの伝達方法としては文字が有効であることが明らかとなった。そこで、施設内で作業と好みの活動を交互に組み込んだ一日のスケジュールを作成し、更に生活環境を整えるといった支援を設定した。その結果、対象者の行動障害の多くが徐々に改善していった。しかしながら、自傷行動が残存したので、機能アセスメントに基づきこだわり行動の代替行動の形成を試みた。その形成に伴って、強度の自傷が改善された。また、同じ時期に家庭においても行動障害の改善が見られ、生活の幅が広がった。