著者
永吉 希久子
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.114-126, 2017 (Released:2017-07-19)
参考文献数
26

社会的排除の視点からみれば,社会的ネットワークからの排除は,失業(労働市場からの排除)や貧困(経済的次元での排除)など他の次元における排除の帰結として生じると考えられる.しかし,クロスセクションデータを用いた研究では,個人の観測されない異質性の影響を除外できないため,失業や貧困それ自体がネットワークからの排除を促すのかが明確ではない.本研究ではパネルデータをもとに固定効果ロジットモデルを用いた分析を行い,失業や貧困状態への移行という個人内の状態変化が家族外でのサポート・ネットワークの喪失に与える影響を検証した.さらに,その効果のジェンダーによる差についても分析を行った.分析の結果,失業や貧困による非家族ネットワークの喪失は男性についてのみ生じることが示された.また,加齢によるネットワークの喪失も男性のみにみられた.一方,結婚は男女ともに非家族ネットワークの喪失を促していた.女性のサポート・ネットワークが社会経済的な次元での排除に頑健であるのに対し,男性のネットワークは脆弱であること,また,結婚がネットワークを縮小させる負の側面を持つことが示唆される.
著者
岩居 文雄 原田 亮介
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1210, pp.114-117, 2003-09-29

問 今年1月に経営統合を発表して、8月には持ち株会社方式での統合を実現。10月1日には事業分野ごとの分社化も完了します。ここまで、すごいスピードでしたね。 答 確かに、私もこんなスケジュールでできるのか、最初は半信半疑でした。社内にも「あと1年延ばした方がいいんじゃないか」という声が多々ありましたね。

1 0 0 0 OA 韓非子翼毳

著者
太田方 述
出版者
太田方 [ほか]
巻号頁・発行日
vol.[2], 1808
著者
出口 明子 川島 芳昭 大久保 達弘 相沢 尭和
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.626-627, 2019

<p>筆者らは環境学習のためのデジタルゲーム教材として,里山の植生遷移及びその管理や利活用についての理解支援を目的とした「里山Life・アドミンズ」の開発・評価研究を行っている.本研究ではその機能拡張として,「My里山画面」の実装と「里山シミュレータ」の改良を行った.本稿ではこれらの機能拡張の概要を解説するとともに,大学生を対象とした予備的評価の結果を報告する.</p>

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1904年01月09日, 1904-01-09
著者
Adjie Pamungkas Santika Purwitaningsih
出版者
International Community of Spatial Planning and Sustainable Development
雑誌
International Review for Spatial Planning and Sustainable Development (ISSN:21873666)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.78-92, 2021-01-15 (Released:2021-01-15)
参考文献数
23
被引用文献数
1

Spatial plans are key instruments in directing future developments and reducing a city’s flash flood risk. This study conducts a surface runoff simulation using SWAT analysis in the Kedurus catchment area. SWAT analysis is a hydrological analysis to measure surface runoff from precipitation with consideration of land uses, soil types, climatic data, topography and related infrastructure systems. Based on the simulation, four sub-catchment areas are currently experiencing flash flooding. Surabaya’s detailed spatial plan (RDTR) could reduce the total flood volume in the city by fifty-one per cent if all measures (drainage and other infrastructures) in the plan are implemented successfully. Nevertheless, the implementation of the measures is still questionable due to limited budget and land acquisition. In the case of plan failure, the planned developments will cause higher surface runoff, putting Surabaya is at higher risk of flooding. Therefore, Surabaya needs to diversify its flash flood risk reduction approach to ensure that the plan will achieve a low-risk city in the future.
著者
内藤 游
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
燃料協会誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.334-339, 1924

燃料の燃燒程度及び熟の利用率な的確に表示する機械の具備して居ないことは燃料研究上の大缺點であろ。之がたあ常時使用して差支ない測量機械が發明せらるゝ迄は燃料技師として非常に骨が折れることか覺悟せればならない。尤も燃料の經濟は燃料か焚燒する點に於ての改良もを必要とすうが叉石炭が工場に搬入されて火處に建すろ迄或は火處にて燃焼して廢氣となつて姻突を出つる迄の工程中工揚の經濟に影響する事項の多い事か發見する。故に燃料經濟は焚嶢にのみ窮局せしめずしイ、工場經濟全體の上から考査することに依り著しき効果か牧むることが出來るのである。尚鼓に工場經濟上大に注意な要する事柄は昨年工場衰退の時機に於て我邦の石炭需要が工場衰退の割に減少しない現象である。此等の點を考察する時は工場經濟上石炭の利用には缺點が多々あるのぐある。演者は此等の缺陥は容易に改良し且つ解決せらるべきを論じて工場主並に工場監督者の注意を喚起ぜんとするのである。
著者
福島 可奈子
出版者
日本映像学会
雑誌
映像学 (ISSN:02860279)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.46-68, 2018-01-25 (Released:2018-06-11)
参考文献数
46

【要旨】 大正から昭和初期にかけての子供による映画の齣フィルム蒐集とその文化について、従来見過ごされてきたメディア機器とその多様性を実証的に再考する「メディア考古学」の視座から考察する。齣フィルムとは、明治末から昭和初期にかけて映画館や玩具店等、様々な場所で販売されたワンフレームサイズの映画フィルム(18×35mm)のことで、大正期には子供による映画の齣フィルム蒐集が大流行を迎える。その事象についてはしばしば先行研究で言及されているものの、その実情については今までほとんど明らかにされてこなかった。そのため本稿では、当時の子供の齣フィルムコレクションや齣フィルム用の実体鏡や幻燈機等の実物史料を参照しつつ、明治末から昭和初期にかけて販売された齣フィルムについて、販売業者と購入者(蒐集者)双方の視点、あるいはその相互関係から詳細に検証し、当時の日本の映画の二次産業の一端を明らかにする。 戦前日本の映画の大半は、このように劇場公開後に切り売りされたために散逸したが、断片化した無数の齣フィルムの集積は、戦前日本のメディア文化の多様性と裾野の広さを示している。二次利用されたフィルムは、映画や幻燈のメインストリームの映像史にはあらわれない、子供の玩具世界で多彩に混淆した存在を生み出し、派生的に拡散していく。まさにこの流れは、現在加速しているデジタル一元化の流れとは対照的なのである。
著者
Tahara Makoto Yamashita Hiroki
出版者
岡山大学農学部
雑誌
岡山大学農学部学術報告 (ISSN:04740254)
巻号頁・発行日
vol.96, no.1, pp.7-11, 2007-02

Sequence analysis of Rtsp-1, an active LTR retrotransposon in the sweetpotato genome,revealed a possible novel Rtsp-1 RNA/tRNAMet complex for initiation of reverse transcription and the first DNA strand transfer. The Rtsp-1 RNA has a primer binding site (PBS) that is partly complementary to the 3' end of tRNAMet, and possesses an additional sequence complementary to the 5' end of tRNAMet downstream of the PBS. These additional base-pairings might stabilize the Rtsp-1 RNA/primer complex. In the free form, the 5' LTR of Rtsp-1 appears to form a stemloop structure apparently preventing the initiation of reverse transcription. While the stemforming site adjacent to the PBS is complementary to the tRNAMet, the other stem-forming site on the LTR complements a region just upstream of the 3' LTR. Additionally, another region at the 3' end of the Rtsp-1 RNA shows sequence complementarity to the tRNAMet. As the 3' end of Rtsp-1 approaches the tRNAMet bound to the PBS, the stem-forming strands dissociate and basepair with their complementary regions in the tRNAMet and the 3' end of Rtsp-1, respectively. Consequently, the LTR loop opens, allowing reverse transcription to initiate. After the initialreverse transcription stops at the 5' end of the Rtsp-1 RNA, the synthesized minus strand DNA needs to be transferred to the 3' end of the RNA to synthesize internal sequences. The Rtsp-1 RNA/tRNAMet complex may have evolved to facilitate this DNA transfer. Similar RNA/tRNA initiation complexes have been reported from reverse transcription in retroviruses and yeast retrotransposons (Ty1 and Ty3).カルスにおける転移が示されたサツマイモ LTR 型レトロトランスポゾン(Rtsp-1)の塩基配列を調べたところ,逆転写が開始される際,転写された Rtsp-1の RNA と最初の逆転写のプライマーに使われる tRNAMETとの間で,特徴的な逆転写開始複合体を形成し,この複合体が最初の逆転写とその後の過程で必要な逆転写産物(cDNA)の転移などを確実なものとしていることが示唆された.その内容は,1)転写された Rtsp-1の RNA 逆転写開始部位の塩基配列は自身の LTR 配列とステム構造をとること,2)tRNAMETが結合する Rtsp-1の Primer Binding Site 部位には,プライマーの機能を果たす tRNAMETの3'末端の相補配列に加えて,その隣接部位に tRNAMETの5'末端部位と相補的な結合部位が存在するために,tRNAMETの両末端が結合すること,3)Rtsp-1の3'末端側に,tRNAMET及びステム構造に関わる5'LTR の部位との相補配列があり,この3セ末端側が転写開始複合体と結合することにより,ステム構造が崩れて逆転写が開始されると推定されること,4)逆転写が開始された後も,tRNAMETの結合によってRtsp-1の5'末端と3'末端側に近接した状態が保たれることである.Rtsp-1の3セ末端側の転写開始複合体への結合を転写開始の条件とすることにより,最初に合成される cDNA の3'末端への転移が容易となることなどが示唆された.

1 0 0 0 OA 日本官界名鑑

著者
日本官界情報社 編
出版者
日本官界情報社
巻号頁・発行日
vol.昭和12年版, 1936
著者
加藤 茂 酒井 裕司 小島 紀徳
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.305-317, 2013 (Released:2014-09-17)
参考文献数
70

Vegetated coastal habitats - mangrove forests, salt-marshes and seagrass meadows - for blue carbon sink purposes are very important ecosystems. They provide valuable ecosystem functions, including a large carbon sink capacity and very rich biodiversity for human sustenance. Mangrove forests are considered bio indicators among marine-river estuary ecosystems in sub-tropical and tropical regions of the world. It is a unique habitat for several fresh and salt water species. The present research is aimed at studying the carbon accumulation and food cycle system in a rehabilitated mangrove site in southern Thailand. The rehabilitation of mangroves at abandoned shrimp ponds in Nakhon Si Thammarat, southern Thailand, has been taking place since 1998. Almost seven million mangrove trees have been planted over 1200 ha of abandoned shrimp ponds and new mud flats. It is observed that the mangrove plantation increases the population of species like crab, shellfish, shrimp and fish at the rehabilitated mangrove site. The food cycle system of the rehabilitated mangrove site and its surrounding mangrove forests is being studied. Stable isotopes such as δ15N and δ13C are monitored as a primary parameter to study the food cycle system in the mangrove forests and the coast around the mangrove forests. It has been found that the δ15N content in living organisms gradually accumulates from small phytoplankton to large fish in the food cycle system. The δ13C content in living organisms also gradually accumulates from phytoplankton to large fish in the food cycle system. The analysis data reveals that carnivorous fish enter the 12 to 13th stage of the food cycle system, which is triggered by the fall of mangrove leaves in the rehabilitated mangrove forest. Carbon portion of the soil also increased at the rehabilitated mangrove planting site. The rehabilitated mangrove forest will act as a sink source for atmospheric carbon and develop rich biodiversity of a marine-river estuary ecosystem.
著者
城本 修
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.121, no.3, pp.193-200, 2018-03-20 (Released:2018-04-06)
参考文献数
25
被引用文献数
2

音声障害の治療は, 耳鼻咽喉科医による医学的治療と言語聴覚士による (発声) 行動そのものに介入する行動学的治療に大別できる. 音声治療は, 健康行動科学理論を背景とした行動変容法に基づいており,「何らかの働きかけ (音声治療) によって, 望ましい発声行動に修正され, その新しい発声行動が一定期間にわたり維持される行動変容法」とも定義される. つまり, 習慣化した望ましくない発声行動を望ましい発声行動に継続的に変える (習慣化する) ことを目的とした言語聴覚士が実施する行動変容法が音声治療であるとも言い換えることができる. したがって, 発声行動の変容ということなので, 患者のアドヒアランスが訓練効果に影響することはいうまでもない. 音声治療は, これまで言語聴覚士の方法論的観点から, 音声障害患者に実際に発声させながら望ましい発声に修正する直接訓練と音声訓練を全く伴わない間接訓練に大別されてきた. しかし, 音声治療のエビデンスを示すコクランレビューでは, 各訓練単独の治療効果は認められず, 直接訓練と間接訓練の併用訓練のみの治療効果が示されており, 本来は, 両訓練の一体的な治療が必要であることが示唆されている. さらに, 音声治療の頻度に関するレビューによれば, 音声治療は, 平均して1セッションあたり30分か60分が多く, 平均するとほぼ9週で10セッション程度と報告されている. 近年, 声道と声帯振動の非線形性に着目したストローを利用した声道準狭窄という新しい治療技法が報告されるようになった. まだ, 理論的に十分な検証がなされたとはいえないが, 非常に簡便な方法で実施しやすいので今後, 拡大すると思われる.
著者
和田 小依里 佐藤 健司
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

日本食の発酵食品中に抗炎症効果を有する複数のピログルタミルペプチドが含まれていることを明らかにした。これらのペプチドは発酵の過程で生成されていると考えられるが、大腸炎誘発モデルマウスにおいて,微量で腸炎改善効果を示すことを示した。また、ピログルタミルペプチドは腸内細菌叢を正常化させることや抗酸化作用を有することも明らかとなった。一定の発酵条件下でこれらのペプチドを高濃度に含有する米発酵物サンプルを作成することができ、ヒト試験でも腸内細菌叢改善作用を示す可能性が示唆された。これらの結果から日本の伝統的な発酵食品の健康増進作用が期待される。