著者
寺田努
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2013-EC-30, no.4, pp.1-6, 2013-11-16

近年,ステージパフォーマンスやメディアアートにおいて画像処理や装着型センサを用いたインタラクティブなものが多数登場している.体験型メディアアート等においてはその有効性はすでに明確であると思われる.これは技術が体験者のために利用されており,体験者がどのように動くかはあらかじめ分かっていない状況に対応しなければいけないシステムであるためである.一方,プロフェッショナルなパフォーマにセンサを装着させようという取り組みも起こっているが,この場合,聴衆にとってはパフォーマがインタラクティブに演出を生成していようが,生成していまいが,見た目にはわからない.本稿では,パフォーマンスをインタラクティブにすることのメリットとデメリットについて議論し,インタラクティブな形でパフォーマンスを行う実システムを紹介する.
著者
御手洗 悠紀
出版者
日本農業史学会
雑誌
農業史研究 (ISSN:13475614)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.67-79, 2018

This research focuses on "Natural Agriculture" as organic farming in the early 20th century interwarperiod. "Natural Agriculture," a form of farming believed to have derived from the "Life Reform Movement," isone of the origins of German organic farming.Articles published between 1925 and 1943 in the monthly magazine Bebauet die Erde were reviewedto reveal the theory and practice of "Natural Agriculture" and its historical significance. This magazine was aplatform for communication for "Natural Agriculture" supporters and it published articles about the practiceand theory of "Natural Agriculture.""Natural Agriculture's" distinctive feature is that it attracted city people to settle in the countryside andengage in "Natural Agriculture." Practicing horticulture in the countryside appeared to assure a safe foodsupply and realize the ideals of the "Life Reform Movement." Although the "Life Reform Movement" wasconnected to criticism of the city, "Natural Agriculture" supported new science and technology in the beginningof the 20th century and introduced these for reference and consideration by researchers and engineers.This study describes the "Life Reform Movement's" outlook on nature, focusing on the theory andpractice of "Natural Agriculture." Those who supported "Natural Agriculture" pursued health of not onlyhumans but also that of livestock and soil. They believed that the mutual improvement of all health conditionswas intertwined. They also advocated introducing "small scale horticulture without livestock." As a result, theyaccepted that agricultural practice in eastern Asia, especially China and Japan, realized the ideals of the "LifeReform Movement."The activities of "Natural Agriculture", as a part of the "Life Reform Movement," were only a nicheactivity in Germany. However, it is remarkable that there was a distinct group that paid attention to the relationbetween diet and health, soil conservation, and pursuit of high-quality farm products.
著者
伊藤 栄作 戸谷 直樹 西江 亮祐 村上 友梨 福島 宗一郎 吉田 博 三澤 健之 大木 隆生
出版者
日本脈管学会
雑誌
脈管学 (ISSN:03871126)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.29-32, 2019-05-10 (Released:2019-05-10)
参考文献数
21

下肢静脈うっ滞症状を呈する33例において,血管内皮機能検査(flow-mediated dilation: FMD)について検討した。CEAP分類別のFMD中央値はC1: 4.2%, C2: 3.7%, C3: 4.3%, C4: 3.3%, C6: 2.4%で,C4–6群はC1–3群に比し有意に低下していた(p=0.035)。動脈硬化リスク因子(糖尿病,高血圧,脂質異常症)とFMD値とは関連はみられなかった。下肢静脈うっ滞症状と血管内皮機能障害は関連する可能性が示唆された。
著者
小宮根 真弓 小宮根 真弓
出版者
東京大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1998

マクロライド系抗生物質は、近年、びまん性汎細気管支炎に対する有効性がクローズアップされ、その有用性については既に臨床、基礎研究において実証されている。我々は、今回の研究で、マクロライド剤が,尋常性乾癬に対しても有効であることを、臨床及び基礎の両面より明らかにした。乾癬外来通院患者20名に対し、同意を得た上てマクロライド内服を行い、PASI、掻痒、軟膏使用量に関して評価を行い、マクロライド内服が尋常性乾癬に対し有効であることを確認した。この結果は、98年度の日本乾癖学会、99年度のマクロライド新作用研究会にて発表した。また、マクロライド剤が、培養表皮細胞のGroα、GMCSF産生に対し抑制的に働くことをin vivoで確認し、99年度の日本乾癬学会にて発表した。以上は、現在Journal Dermatologyに投稿中である。さらに、マクロライド剤の表皮細胞に対するサイトカイン抑制作用機序に関して、AP-1、NFkB抑制に関する知見を得た。また、マクロライドのサイトカイン産生抑制がカルシウム依存性であることを確認し、現在発表準備中である。以上の結果は、現在根治的療法の確立されていない尋常性乾癬において、新しい治療法の確立につながる結果であり、館床上非常に有意義である。と同時に、マクロライドという抗生物質が、抗菌作用以外に抗炎症作用を有するという知見をさらに裏付けるものであり、その作用機序を含めた解析において、新たな知見を加えることとなると考えられる。
出版者
外交時報社
巻号頁・発行日
vol.32(4), no.379, 1920-08-15
著者
青木,滋
出版者
土質工学会
雑誌
土と基礎
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, 1985-03-25
著者
国立国会図書館
出版者
国立国会図書館
巻号頁・発行日
no.(20), 1973-11-05

1 0 0 0 判例

出版者
巖松堂
巻号頁・発行日
1916
著者
高橋健二著
出版者
河出書房
巻号頁・発行日
1940
著者
秋山 雅彦
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科学 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.3-8, 2009-01-25 (Released:2017-05-16)
被引用文献数
3

古気候の解析は,現在の気候を理解し,未来の気候を予測するために重要な役割を果たすことになる.後氷期とされる完新世は,間氷期とも位置づけられることから,現在の気候を理解するためには,間氷期の中で最もデータの多い最終間氷期の気候と比較することが重要である.それらの記録から,太陽の放射量のわずかな変動が地球の気候を大きく変化させることがわかってきた.そうなると,IPCC第4次評価報告で重要視されていない太陽由来の放射量の変化という自然要因を改めて検討し直す必要がある.太陽放射の周期的変化は,基本的には太陽活動そのものとともに,地球軌道によって規定されている.いわゆるミランコビッチ・サイクルである.現在の地球軌道は最終間氷期のそれとは異なり,約40万年前のMIS11ステージに類似しているという.したがって,太陽からの放射強制力という自然要因については,12.5万年前の最終間氷期だけではなく,MIS11ステージの気候変動と比較する必要があろう.
著者
斎藤 民 近藤 克則 村田 千代栄 鄭 丞媛 鈴木 佳代 近藤 尚己 JAGES グループ
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.62, no.10, pp.596-608, 2015

<b>目的</b> 生きがいや社会的活動参加の促進を通じた高齢者の健康づくりには性差や地域差への考慮が重要とされる。しかしこれらの活動における性差や地域差の現状は十分明らかとはいえない。本研究では高齢者の外出行動と社会的・余暇的活動の性差と地域差を検討した。<br/><b>方法</b> Japan Gerontological Evaluation Study (JAGES)プロジェクトが2010年~2012年に実施した,全国31自治体の要介護認定非該当65歳以上男女への郵送自記式質問紙調査データから103,621人を分析対象とした。分析項目は,週 1 日以上の外出有無,就労有無,団体・会への参加有無および月 1 回以上の参加有無,友人・知人との交流有無および月 1 回以上の交流有無,趣味の有無を測定した。性,年齢階級(65歳以上75歳未満,75歳以上),および地域特性として都市度(大都市地域,都市的地域,郡部的地域)を用いた。年齢階級別の性差および地域差の分析にはカイ二乗検定を実施した。さらに実年齢や就学年数,抑うつ傾向等の影響を調整するロジスティック回帰分析を行った(有意水準 1%)。また趣味や参加する団体・会についてはその具体的内容を記述的に示した。<br/><b>結果</b> 年齢階級別の多変量解析の結果,男性は有意に週 1 回以上の外出や就労,趣味活動が多く,団体・会への参加や友人・知人との交流は少なかった。ほとんどの活動項目で都市度間に有意差が認められ,郡部的地域と比較して大都市地域では週 1 回以上外出のオッズ比が約2.3と高い一方,友人との交流のオッズ比は後期高齢者で約0.4,前期高齢者で約0.5であった。性や都市度に共通して趣味の会の加入は多い一方,前期高齢者では町内会,後期高齢者では老人クラブの都市度差が大きく,実施割合に30%程度の差がみられた。趣味についても同様に散歩・ジョギングや園芸は性や都市度によらず実施割合が高いが,パソコンや体操・太極拳は性差が大きく,作物の栽培は地域差が大きかった。<br/><b>結論</b> 本研究から,①外出行動や社会的・余暇的活動のほとんどに性差や都市度差が観察され,それらのパターンが活動の種類によって異なること,②参加する団体・会や趣味の内容には男女や都市度に共通するものと,性差や都市度差の大きいものがあることが明らかになった。以上の特徴を踏まえた高齢者の活動推進のための具体的手法開発が重要であることが示唆された。