著者
浜口 恵治
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.103-108, 1997-03-31 (Released:2016-11-16)

The anisotropy of angle illusion is already established. If the Muller-Lyer illusion is caused by angle illusion, it should be possible to observe the anisotropy of the Muller-Lyer illusion. The apparent length of the shaft lines of the Muller-Lyer figures (obliques-in, H-shape, and obliques-out figures) and the control figure, were estimated by twenty-two university students, when the orientation of each figure was varied in eight steps: 0°, 22.5°, 45°, 67.5°, 90°, 112.5°, 135°, 157.5° counterclockwise from the horizontal. The anisotropy of the apparent length of the shaft line of each figure was observed, and these regression curves became quadratic functions. But the anisotropy of the Muller-Lyer illusion was not observed. It was concluded that the relationship between angle illusion theory and the Muller-Lyer illusion was doubtful.
著者
池田 光治
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.114-115, 2006-02-20 (Released:2017-06-30)
参考文献数
4
著者
伊藤 信一 鈴木 智和 小南 陽亮
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.123-131, 2011-07-30 (Released:2017-04-21)
参考文献数
9
被引用文献数
1

陸生のカニ(陸ガニ)が生息地の植物に対して果実採食と種子散布という作用を及ぼすことは熱帯・亜熱帯において数例知られているが、日本のような温帯では報告例が見当たらない。そこで、本研究では、陸ガニによる果実の選好性と採食・運搬行動を明らかにし、その結果から陸ガニが温帯海岸林において種子散布者や種子食者として作用するかを検討した。調査は浜松市にある海岸林とその周辺の竹林で行い、日本に広く分布するアカテガニ、ベンケイガニ、クロベンケイガニを対象に、果実の選好性、種子の取り扱い、果実の採食場所を比較した。飼育下でも野外の生息地においても、3種の陸ガニは多様な果実を好む傾向がみられた。アカテガニでは採食時に種子を破損する頻度が他の2種よりも低く、海岸林の多様な植生で活動し、採食した果実の種子を巣穴から離れた場所にも落としていた。一方で、クロベンケイガニでは、種子を破損する割合が高く、生育可能な植物が限られる湿った環境で主に活動しており、巣穴近くに果実を運んで採食する傾向が強かった。ベンケイガニでも種子を破損する頻度が高かったが、活動する植生は多様であった。これらの結果から、種子散布者となる可能性はアカテガニ、ベンケイガニ、クロベンケイガニの順に高く、種子食者となる可能性はその逆であると考えられた。すなわち、温帯の海岸林においても陸ガニは種子散布者または種子食者となっている可能性が高く、陸ガニの種によってその作用は異なることが示唆された。
出版者
公益社団法人 電気化学会
雑誌
電氣化學 (ISSN:03669440)
巻号頁・発行日
vol.21, no.7, pp.305-317, 1953
著者
生活大学研究 編集委員会
出版者
学校法人 自由学園最高学部
雑誌
生活大学研究
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.112-113, 2019

研究誌『生活大学研究Vol. 4 No. 1 2019』におきまして,誤植と漏れがございましたので,以下の通り訂正させていただきます.
著者
杉原 弘恭 田口 玄一郎
出版者
学校法人 自由学園最高学部
雑誌
生活大学研究
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.42-68, 2018

フレキシブルで多目的なフレームワークとしてのケイパビリティ・アプローチの汎用性を拡張するために,ケイパビリティの概念整理を行った.その際に,ルーツとしてのネガティブ・ケイパビリティを探るとともに,センの提唱したケイパビリティの定義式を基本とし,ヌスバウムとの比較を通じ,これまでケイパビリティを論ずる際に出されたいくつかのキーとなる概念を,(1) Positive-Negative, (2) Active-Passive, (3) Explicit-Implicit (Potential) の3軸として抽出し,その組み合わせによる静学的な8象限のケイパビリティ・キューブを提示した.さらに,システム論による定義式の解釈を行って,動学的能力と構造変化能力を兼ね備えていることを示した.続いて視座としてのケイパビリティに影響を及ぼすネガティブ・ケイパビリティ,ケア(caring)を概観し,加えて教育的なつながりを確認するために,リベラル・アーツとの関係,さらにはその延長線上に位置するマネジメントとのつながりについて述べた.
出版者
巻号頁・発行日
vol.[1],
著者
古川 秀子 佐宗 初美 前田 清一 二宮 恒彦
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.63-68, 1969
被引用文献数
5

Sour taste is mainly associated with the hydrogen ion concentration, and to a lesser extent, with the degree of dissociation. From the results of P.S.E. determined by taste tests on nine organic acids, the sourness was more intensive in fumaric>tartaric>malic>acetic>succinic>citric>lactic>ascorbic and>gluconic acids.
著者
前田 清一 中尾 俊
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.149-154, 1963
被引用文献数
1

酸類の酸味としての閾値(Stimulus Threshold Value)と最低閾値(Minimum Threshold Value)、及び酸類間の酸味の強さについて、味覚試験を用いて測定をおこなった結果 : -<BR>(1) Panelの識別能力は非常に優秀なものであり、なかでも、女性Panelは男性のそれよりも全般によい様である。<BR>(2) 平均最低閾値は、塩酸、アスコルビン酸、グルコン酸では1×10<SUP>-4</SUP>M(各0.0004、0.0019、0.0020%)、ベタイン塩酸塩では2×10<SUP>-4</SUP>M (0.0027%) であり、クエン酸、酒石酸、乳酸等その他有機酸では5×10<SUP>-5</SUP>M(各0.0010、0.0008、0.0005……%)かそれ以下である。<BR>(3) 酸味として感じる閾値は、正確には極限法によっておこなわねばならないが、本実験資料から大略次の値であろうと推定される。<BR>クエン酸、酒石酸、フマール酸、グルタミン酸塩酸塩については1×10<SUP>-4</SUP>M(各0.0019、0.0015、0.0013%)、アスコルビン酸の4×10<SUP>-4</SUP>M(0.0076%)を除いて他の本実験試料酸類は、同一モル数すなわち、2×10<SUP>-3</SUP>M(塩酸の0.0008、乳酸の0.00018、酢酸の0.0012、コハク酸の0.0024、グルタミン酸の0.0030等の各%)である。<BR>(4) 閾値におけるpHは必ずしも同一ではなかった。
著者
橋谷 元由
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.300-301, 2018

<p>反応によって化学製品を製造する場合,反応器からは求めようとする製品の他に副生物や未反応の原料が出てくる。したがって,製品を得るためには分離精製が必要になる。分離操作の中で工業的に最も使用されている蒸留について,そのしくみと蒸留塔について概説する。</p>
著者
速水 敏彦
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
no.50, pp.176-186, 2011
被引用文献数
1

ここでは現代の若者の心性を表現する概念として我々が創出した「仮想的有能感」に関する約 10 年間の研究を概観した。まず, この概念に関わる重要な3つの問題について触れた。第1に仮想的有能感に自尊感情を組みあわせ, 4つの有能感タイプをつくることで, 本来の概念規定により近似した個人の選択を可能にした。第2に本来無意識的な仮想的有能感は他者軽視の傾向を測るACS-2 によっているが, その尺度に潜在的自尊感情が反映されていることを潜在連合テストを使った研究で実証した。第3に仮想的有能感が若者だけのものなのかについても横断的研究により明らかにしようとした。<br> 他に様々な領域で展開した研究をまとめた。仮想的有能感の高い人の特徴として, (1)日常的に負の感情を持ちやすいこと, (2)負の対人感情を形成しやすいこと, (3)受容的な養育を受けず, 勤勉性も発達していないこと, (4)競争的ではあるが, 努力志向でなく, 学習を嫌うこと, (5)問題行動を生じやすいこと, (6)就労への意欲が希薄なこと, (7)外国と比較すればアメリカや韓国では仮想的有能感も自尊感情も我が国より高いこと, などが示された。最後に問題点や今後の研究の必要性について討論された。