著者
安田 敦 馬場 章 藤井 敏嗣 外西 奈津美
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.83-101, 2019-06-30 (Released:2019-07-06)
参考文献数
52

Gabbroic inclusions newly found in the Yakeno lava flow, erupted about 1300 years ago on the northwestern flank of Fuji volcano, are divided into two groups; one consists of troctolite and the other consists of olivine gabbronorite and gabbronorite. Troctolite fragments are considered to originate from shallow dykes because of their mineral composition and high porosity. On the other hand, estimated equilibrium conditions of gabbronorite and olivine gabbronorite are 1020-1050°C and 250-380MPa, showing their deep origin; probably they had been caught in the Yakeno magma (i.e. the magma erupted as the Yakeno lava flow) at differentiated small magma bodies just above a substantial basaltic magma chamber of Fuji volcano. Pre-eruptive temperature and water content of the Yakeno magma are evaluated by olivine-liquid thermometer and plagioclase-liquid hygrometer to be 1090°C and 2.8wt%, respectively. So the viscosity of the Yakeno magma is calculated to be several tens Pascal second. Therefore the minimum ascent velocity required to lift the gabbroic fragments is ca.10m/h, implying that the Yakeno lava flow had ascent without significant pause en route to the surface.
著者
遠山 敏之
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.310, pp.64-66, 2002-02

大阪の北西部から神戸にかけての幹線道路沿いに、派手な外観とウエイティングの多さで話題のラーメンチェーンがある。「博多ラーメンげんこつ」。創業8年で、現在14店を展開する。 商品構成は、至ってシンプルだ。スープは豚骨に鶏ガラを加えた1種類のみ。ラーメンも「博多ラーメン」(550円)など、8種類あるだけで、定食はなし。メニュー数はわずか19だ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.968, pp.27-29, 1998-11-30

10月に閉幕した「金融国会」では、自民党や民主党の若手代議士が、金融再生関連法案を議員主導で作成し、"政策新人類"ともてはやされた。しかし、与野党協議の舞台裏で1人の元銀行員が政策スタッフとして活躍していたことはあまり知られていない。 民主党政策調査会に務める大滝敬貴氏は、昨年10月に破綻前の北海道拓殖銀行を退職。
著者
KAWAHARA Shigeto
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.102-110, 2016

<p>As a case study of the general theme of this special issue—"different phonetic realizations of different social characters", this paper explores prosodic features of two types of prototypical maid voices, which have been emerging in recent Japanese culture: "moe" and "tsun". Two professional voice actresses read simple Japanese SOV sentences in three types of voices: Moe, tsun, and normal. Acoustic analyses show that the moe voice is characterized by higher f0 and louder voice than the normal voice, whereas the tsun voice is characterized by lower f0 and quieter voice. The current study also finds that the speakers manipulate H-tone targets more extensively than L-tone targets to differentiate different speech styles, which is compatible with some previous studies and models of intonation. In terms of its research value, the current findings may not be ground-breaking; however, an additional value of this research lies in the fact that this sort of material makes phonetic analyses more accessible to the general public as well as to students in undergraduate education. To that end, some sample sounds are made available at http://bit.ly/1WCu5DA.</p>
著者
中道 圭一
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.92, 2004

_I_.はじめに<br> 森林には,様々な植物群落が存在するが,気温・水・風・日射量・土壌など,多くの環境要因に対応した植生を持っている.なかでも山地や丘陵地では,斜面の方位,地形などによって地表面での水や熱の配分が変わり,局地的に環境が変化し,植生が変わり,土壌も変わることが知られている(ex.吉良,1983).そこで,山地や丘陵地の植生を明らかにするには,斜面の方位と斜面型の分類を行い,それに対応した植生調査が必要である.<br>_II_.研究地域概要と研究目的<br>瀬戸市南東部「海上の森」は,総面積約540ha,植生の約3分の2がコナラやアカマツなどの二次林で,その他はスギやヒノキの人工林が占める.多様性がある生態系を持ち,名古屋大都市圏で有数の里山である.航空写真判読から,戦中まで海上の森の樹木は,燃料として一様に伐採(丸刈り)され,森林は人間活動の影響を受けていたことがわかるが,その後,約50年間は石油・ガス燃料の普及に伴ってほとんど人為的影響が及んでいない.よって現在みられる森林は,自然の遷移に任された二次林である.<br> しかし,海上の森の植生は砂礫層地域と花崗岩地域で,明瞭に異なっている.砂礫層地域はモチツツジ‐アカマツ群集に属し,樹木の密度が低く,生育が不良な森林である.それに対して,花崗岩地域の植生は非常に豊かで,ケナザサ‐コナラ群集に属する生育の良い森林が広がっている.海上の森は,比較的狭い範囲で二次的遷移のスタートが同時であるのにも関わらず,現存植生に大きな違いが生じた点で重要であり,地質要因が植生の配置構造になんらかの作用をしている事が確認できるフィールドである.これらを踏まえて,海上の森の里山二次林について植生を定量的にあらわし,〔地形_-_地質_-_植生〕の関係性を明らかにすることを目的とした.<br>_III_.調査方法<br> 上記の2つの地質で,田村(1996)に従い,南向きの斜面を上部,中間,下部の3つに分類し,北向きの斜面からも1つ選定し,10m×10mの方形区を設定した.次に設定した計8方形区で毎木調査を行ない,種構成,胸高直径と樹高,材積などを明らかにした.また,ボーリングステッキを用いて土壌層を調査した.<br>_IV_.結果<br> 花崗岩地域は,全斜面型の高木層と南斜面の亜高木層・低木層の種構成に大きな変化はなかったが,北斜面の亜高木層・低木層は,特に常緑樹が多かった.また,全体に高木層と亜高木層の樹高に大きなギャップが見られた.一方,砂礫層地域では,上部斜面において高木層の優占種はアカマツだが,下部斜面に向ってアカマツとコナラの混合林へと変化していった.北斜面は,下部斜面と同様に混合林であった.全体に亜高木層・低木層は,人為的影響を受けた所に生育する種や,乾燥に強い種が見られた.各階層の生長量に差はなく,低木層から高木層まで連続的な生長分布を示した.また,花崗岩地域全体と砂礫層地域全体の材積を比較すると,花崗岩地域は,砂礫層地域の約3倍であり,最も生長のよい花崗岩上部の方形区と最も生長の悪い砂礫層上部の方形区を比較すると約8倍もの差があった.花崗岩地域の材積の大部分は,コナラ・アベマキが占めるが,砂礫層地域の大半は,アカマツが占めていた.花崗岩地域の北斜面は,南斜面に比べて生長が悪く,砂礫層地域の北斜面は,上部斜面に比べて生長が良くなっていた.<br>_V_.考察<br> 同一の気候下で遷移のスタートが同時であっても,約50年間で地形・地質要因の違いにより,植生の生長や種構成に違いが現われることが明らかとなった.それらの原因は,水分・土壌・日照条件などを反映していると考えられる.花崗岩地域の土壌は,岩石の風化により多大な植物有用元素が供給され,土壌層も厚いために保水力が高く,日射量の多い南斜面においては生長が非常に良くなる.北斜面では日射量が少ないので陰樹の生長が卓越する.一方,砂礫層地域の土壌は,チャート主体である為に風化されにくく,植物有用元素の供給が乏しい.その上,土壌中の空隙が多いので,降雨は素早く排水してしまい,土壌は常に乾燥状態であるので,樹木の生長は不良で環境耐性の強い種が多くなる.降雨は,上部斜面から下部斜面に向かって排水するので,上部斜面の土壌ほど水分量は少なく,薄くなることが,樹木の生長や遷移を緩やかにしている.
著者
森山 昭雄 江口 亜希
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.136, 2004

この春の地理学会で,中道 (2004)は,瀬戸市海上の森で,地形地質の立場から花崗岩地域と土岐砂礫層地域において森林植生の違いを定量的に調査した結果,花崗岩地域はコナラ・アベマキが優位な生長の良い森林,砂礫層地域はアカマツが優位な生長の良くない森林にはっきりと分かれ,花崗岩地域は砂礫層地域の3倍もの生長量(材積)の差があることを明らかにした.地質(地形)の違いが明瞭に森林植生に表れることは,他の地質でも起こっているのではないかと考え,今回は中・古生層の上に土岐砂礫層を乗せる濃尾平野北東縁丘陵地において,地質(地形)と二次林植生との関係を明らかにするために調査を行なった. 調査地点は,標標高の増大に伴う気温の低下など気候的影響を少なくするため高300m以下の地域で,斜面の方位により地表面での水や熱の配分が変わるその違いをなくすため,地形的位置は南向きの斜面とした.地質としては,土岐砂礫層地域,中・古生層の主としてチャート地域および中・古生層の主として砂岩地域の3地域とした. さらに,1947年撮影の米軍航空写真を判読し,樹木が一様に伐採されて丸刈り状態になっている場所で,それ以降人為的な手入れが行なわれていない森林とした.これは,遷移のスタートが同じ時期である二次林の,その後の生長を比較するためである.また,現地調査により,新しい崩壊がない二次林で,広い範囲を代表する植生地点とする.本研究では斜面の一連の変化と植生との関係を見るため,上部斜面,中間斜面,下部斜面を選定した. 毎木調査は,方形区内の樹高が1.4m以上のすべての木本について,樹木の種類を同定し,個体数,胸高直径,樹高を測定する.高木層・亜高木層・低木層に分類し,樹冠投影図を作成した. 土壌に関しては,土壌断面形態を調べ,A層厚,貫入深,土壌水分量,土壌pHを計測した.調査地点のA層とB層の土壌を持ち帰り土壌中の養分を蒸留水に溶出させこの土壌水をイオンクロマト法(日本ダイオネクス社製)によりイオン分析を行った. 毎木調査を基に森林植生を定量的に分析した結果,地質別に見ると,土岐砂礫層地域がコナラ・アベマキなどの落葉広葉樹の生長が最もよく,チャート地域ではアカマツ・クリが優勢で生長が悪いこと,砂岩地域ではヤマザクラ・アラカシが優勢である.地形別に見ると,下部斜面が最も生長がよく,上部斜面が悪い.生長量の違いは材積の違いからも明らかである.遷移のスタートが同じであるにもかかわらず,植生に違いが生じるのは土壌の影響が大きいと考えられる.土壌は,岩石の風化によって生成されるため,地質によって土壌の養分量が異なる.また,土壌の粒度の違いにより孔隙量,透水性,水分量が異なる.そのため,その土壌条件に耐えられる根を持つ植物が優先的に生長する.その結果,高木層の樹種が異なり,これが低木・亜高木の植生に影響を与え,全体的な樹種の違い,生長量の違いとなったと考えられる.つまり,地質による植生の違いは,土壌養分量の違いだけではなく,土壌の透水性など性質の違い,樹木の根の性質の違いなどによる影響も受けていると考えられる.地形による植生の違いは地質の影響より小さいが,上部斜面と中間・下部斜面では明らかな植生の違いがみられ,斜面位置の違いにより生長量(材積)も異なっている.上部斜面は排水が盛んであるため,水分量が中間・下部斜面に比べて明らかに少ない.そのため,乾燥に強いアカマツが優先的に生長し,上部斜面では中間・下部斜面とは異なった植生になったと考えられる.また,中間・下部斜面は,A層厚,土壌養分量の違いが生じている.砂礫層地域では根を深く張るコナラの生長が良い.根を深く張るため,土壌が厚く,地上部の生長を促進する窒素やマグネシウムが多く含まれる下部斜面で生長がよい.一方,チャート地域では,根を浅く張るリョウブの生長が良いため,土壌養分量が多く, A層が厚い下部斜面の生長がよい.以上のように,地形による植生の違いも,土壌養分量の違いだけでなく,土壌の厚さや根の性質の違いによる影響を受けていると考えられる.
著者
藤広 満智子
出版者
日本医真菌学会
雑誌
日本医真菌学会総会プログラム・抄録集 (ISSN:09164804)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.46, 2006

演者は流行が確認された2002年より、東海地方の皮膚科医に協力を呼びかけ、疑わしい患者の病巣の鱗屑や毛を貼り付けたセロテープを郵送してもらい、患者の早期発見に努めてきた。その結果58例の検体が集まり、うち41例から <I>T.tonsurans</I> が分離された。そのうちわけは、男性36例、女性5例、高校生30例、中学生以下6例、大学生以上5例であった。競技別ではレスリング21例、柔道19例、柔道部員の母親1例と、レスリングが多いのが東海地方の特徴と思われた。またそのプロトコールにより、1)部内に患者がなく対外試合で感染したケースでは1週間後に発症する。2)再発の多いケースは高校3年間に4回発症を繰り返した。3)頭部白癬は丸刈りにして初めて気づく。4)体部から採取したセロテープに毛内に寄生した胞子を認めた。5)1ヶ月テルビナフィンを内服した後でも培養は陽性になる。6)柔道場の畳に長時間正座した後の下腿の病巣から分離されたのは <I>T.rubrum</I> であった。7)セロテープに貼り付けた毛は1年7か月後に培養できる。という情報を得ることができた。
著者
増田 正美
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
燃料協会誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, pp.986-992, 1989-11-20 (Released:2010-06-28)
参考文献数
19

Antimatter possesses a highly condensed energy and the mass is completely converted to the energy by an annihilation reaction with matter. It has been considered as a science fiction that the space mission using such great amount of energy to other stars within the working lifetime of the crew.The p-p annihilation engine has been studied mainly in Europe and U.S.A.The reactor size is not so different from the main engine of Space-shuttle. At the present moment the antiproton is produced with use of a huge accelerator. In future, however, the optimization of production facilities enables the economical use of antiproton for a space vehicle. Nevertheless only a milligram of antiproton has energy of several-ten times as much as the conventional fuel.