著者
井上武宏
雑誌
臨床放射線
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.423-430, 2002
被引用文献数
2
著者
櫻井 広幸 神宮 英夫
出版者
日本官能評価学会
雑誌
日本官能評価学会誌 (ISSN:1342906X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.41-45, 1997-09-20 (Released:2013-07-26)
参考文献数
5
被引用文献数
2

The relationship between olfactory and other four sensations was examined by expressing a perfume material. Sixty-one panels evaluated three perfume (musk,lemon,and rose) and selected some appropriate expressions out of the 32 words. These words consisted of 8 words for each of four sensations. The 8 words were chosen as corresponding with a sensory attribute. The ratios of selected words for three perfume materials were calculated in each of four sensations. The results of the ratios and SURYOKA III demonstrated that the words expressive of four sensations except for olfactory was affected by visual and haptic expressions and especially the relation between olfactory and haptic sensation was strong. It was possible to evaluate a perfume material using a verbal expression due to synaesthesia.
著者
金野 亮太 井上 修平 山本 正嘉
出版者
日本トレーニング科学会
雑誌
トレーニング科学 (ISSN:13494414)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.357-365, 2010

暑熱環境(気温35 ℃,湿度80%)に設定した人工気象室において,8名の自転車競技選手が長時間の自転車ペダリング運動を行い,その運動の途中で全身に冷水をかけて身体冷却を行った場合に,体温をはじめとする生理応答や,主観的な指標にどのような効果があるかを検討した.<br> 被験者は,レースで使用するロードレーサーを用いて,走行速度を40km/h に固定し,90 分間の運動を行った.この運動強度は乳酸閾値を超えないものであり,実際のレースにおける運動強度からみると,比較的弱い部類に属するものであった.被験者は,運動開始から60 分を経過したところで,全身に5 ℃の水をかぶる条件(以下,水かぶり)と,それを行わない対照条件の 2 通りを,ランダムな順序で行った.<br> その結果,水かぶりを行うことによって体温(直腸温度,平均皮膚温度)の上昇は抑制され,その効果は運動終了までの30 分間持続した.また水かぶり後には心拍数や酸素摂取量も低値を示し,運動効率の改善が窺えた.以上の結果から,暑熱環境下で行う水かぶりは,熱中症を予防したり,運動パフォーマンスを維持する上で,実用的で効果の高い手段であることが示唆された.
著者
岡部 幸子 森本 泰宏 田中 達朗 安細 敏弘 高田 豊 竹原 直道 大庭 健
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州歯科学会総会抄録プログラム
巻号頁・発行日
vol.66, pp.9, 2006

高齢者のパノラマX線写真上で検出された茎状突起の長さ及び形状の臨床的意義を検討する。8020データバンク構築の疫学調査で集められた659名の80歳のパノラマX線写真を対象に茎状突起の長さの計測及び形状のパターン分類を行った。被検者の全身状態に関する各種データ(骨密度、血圧、心電図の異常の存在、心拍数、血清カルシウム値及び身体的スタミナ)に関して、茎状突起の長さとの間で関連性の有無を検討した。80歳における茎状突起の長さはパノラマX線写真上0.0 mm から153.0 mmで左右には有意差はなく、男女間では有意差を示した。形状のパターンは、MacDonald-Jankowskiの分類中、パターンEに属するものが、次いでパターンDに属するものが多く認められたが、男女間に有意差はなかった。茎状突起の長さと各種データに関する関連性は、血清カルシウム値と骨密度に関連性を示し、他には明らかな関連性はなかった。高齢者のパノラマX線写真を読影する上で我々歯科医は茎突舌骨靱帯の骨化に伴う茎状突起の変化について把握しておく必要がある。同時に、顕著な骨化を来している症例は血清カルシウム値の上昇を意味する可能性があることを考慮しておくべきである。
著者
城所 博之
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.118-123, 2009 (Released:2016-05-11)
参考文献数
24

過去20年で新生児医療は超低出生体重児の生存率を80~90%にまで上昇させた. 一方で, 脳性麻痺や精神発達遅滞などの後障害は減少したとはいえない. また, 長期追跡することで, 就学後に学習上の, 行動上の, あるいは心理的な問題も高率に発生することが分かってきた. 最近のMRIを用いた研究により, このような高次脳機能障害はすでに新生児期MRIの微細な画像異常と関連し, 青年期のMRIでは海馬や前頭葉の容量減少と関連することが明らかにされた. 新生児期に受ける低栄養や低酸素, 感染・炎症といったストレスが未熟脳の正常発達を阻害し, 将来の構造的ならびに機能的異常をもたらすことが推察される. この点を具体的に明らかにすることが当面の課題である.
著者
北村 達也 伊藤 仁 蒔苗 久則 齋藤 毅 網野 加苗 竹本 浩典
出版者
甲南大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では,話者の声質の多様性を生み出す身体的な基盤について,生体観測技術と数値音響解析技術を用いて検討を行い,以下の成果を得た.(1) 発話運動の形態と動態を3次元MRI同期撮像法により計測し,対応する音声と組み合わせ,データベースを構築した.(2) このデータベースに基づいて発話器官のモデルを開発した.(3) 声質への寄与が大きい鼻腔・副鼻腔の音響特性を解析した.(4) プロの物真似タレントの物真似発話時,および声優の発話時の声道形状を観測し,声質の多様性を生み出す原理を調査した.(5) 磁気センサシステムのセンサを改良し発話への影響を軽減するセンサを開発した.このセンサは市販されている.
著者
松井 正文 富永 篤
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.175-184, 2007 (Released:2008-08-14)
参考文献数
21
被引用文献数
4 4

三重県伊賀市の前深瀬川水系,前深瀬川と川上川にはオオサンショウウオが生息している.しかし,この2河川の合流部にはダムの建設が予定されている.このために水系内の地域個体群間で分断,小集団化が生じた場合,遺伝的多様性が減少し絶滅に至る可能性がある.そこで,水系内のオオサンショウウオの核DNAに見られる遺伝的多様性の現状を把握するため,AFLP法を用いて調査した.その結果,この方法が近縁種やミトコンドリアDNAで区別される個体群との相違の検出に有効であることが分かった.しかし,この方法では前深瀬川水系内部と,その近傍の河川に生息する個体間で特定の遺伝的集団のまとまりを検出することができなかった.今回の結果から,この水系内に生息するオオサンショウウオの遺伝的構成は特定の地域集団ごとに決まっていない一方で,地域集団間で絶えず交流が保たれているのでもなく,出水による流下や,人為的な移動を含む極めて複雑なものと考えられたが,今後,より解明度の高い手法を用いた検討が必要である.
著者
圓通 茂喜
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.542-547, 1989-06-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
17

牛の視力検査法を開発する目的で,試視力用のランドルト環を用いた牛の図形識別学習を,左右に飼槽が配置されたY字型迷路で実施した.学習させた図形は,ランドルト環とその「切れ目」を無くした図形である.前者を正のパネルとして餌の摂取できる飼槽に,後者を負のパネルとして餌の摂取できない飼槽に,それぞれ配置した.ただし,左右の飼槽の正負は,どちらか一方に中蓋をするという方法で無作為に変化させた.選択反応は,10試行を1セッションとして正反応数と誤反応数を調査した.識別の判定は,連続した3セッション(30試行)における正反応数が24回(適合度の検定,p<0.01)以上であることを基準にした.ただし,学習では,この基準が3回以上連続して連成されるまで訓練を続けた.まず,正のパネルのみを配置して予備学習をさせたのち,正と負のパネルを対比させた学習を行なった.その結果,供試牛は正のパネルの飼槽を識別するようにこなった.この学習が図形の「切れ目」以外の刺激によるものでないことを確認するため以下の実験を行なった.パネルを全く配置しない場合の実験においては,供試牛は餌の摂取できる飼槽を識別できなかった.今までのパネルを正から負,負から正に相互に改造したパネルでの選択反応の実験では,供試牛は改造後のパネルの図形に対応して正しく飼槽を選択した.これらの結果は,供試牛が「切れ目」を識別の刺激として受けとめていることを示していた.最後に,視力検査で「切れ目」が見分けられなくなった状況を想定して,いずれの飼槽にも「切れ目」の無い図形を配置したところ,供試牛は餌の摂取できる飼槽を選択できなかったが,追われなければ,なかなか選択路に進入しないという問題が生じた.この問題を避けるためには,「切れ目」の無い図形を正刺激として学習させるべきであると考えられた.
著者
今村 敏英 中山 達雄 池田 克巳 嶋田 公
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.187-193, 1978

アスファルト舗装体の耐久性向上のためにアスファルト中に種々のポリマーを添加して, その粘弾特性を改質することが一般に行われている。SBRラテックスを原油や製造方法の異なった各種のアスファルトに添加したものを試料として, 伸度型わくを用いて一定伸長速度で引張りテストを行い, 試料の伸びとそれに伴う引張り応力の関係から, CGS単位による絶対粘度, 瞬間, 遅延各弾性おのおのが簡単に測定できることがわかった。さらに, ポリマー添加による粘度, 瞬間, 遅延各弾性おのおのの増加率は試料中のマルテンの粘度が低いものほど大きいことがわかった。また, ベンソン法による引張り試験の代りに伸度型わくによる方法が応用できることがわかった。
著者
橋元 祥一 河野 通昭
出版者
九州病害虫研究会
雑誌
九州病害虫研究会報 (ISSN:03856410)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.167-171, 1984
被引用文献数
1

1) ハウス栽培の早生温州に対するマシン油乳剤の実用性を,低粘度タイプのラビサンスプレー油乳剤と非鉱油のKI-30油乳剤を中心に検討した。<BR>2) ミカンハダニに対する密度抑制期間はハウスではラビサンスプレー油乳剤で,30日程度である。<BR>3) 果径が1.0~1.5cmの時期にマシン油乳剤を散布すると,糖度の低下,着色の遅延と果面に薬斑が発生する等の薬害がみられた。<BR>4) ラビサンスプレー油乳剤の場合,炭酸カルシウムを加用すると薬害を軽減できたが,必ずしも十分とは言えなかった。<BR>5) 現在ハウスでマシン油乳剤をあえて実用化する必要はないが,将来ミカンハダニの防除に必要となった場合は,炭酸カルシウム加用の低粘度タイプのマシン油乳剤が無難と思われる。この場合でも,散布条件等に細心の注意を払って,薬害回避を図る必要がある。