著者
西村 義一 魏 仁善 金 絖崙 渡利 一夫 今井 靖子 稲葉 次郎 松坂 尚典
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.244-247, 1991-06-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
14
被引用文献数
4 5

Chitosan derived from chitin which is a cellulose-like biopolymer distributed widely in nature, especially in shellfish, insects, fungi and yeast, is known to be one of the natural chelating agents. The purpose of the present study is to investigate whether chitosan can be applied to the animal and human body in order to reduce the bioavailability of radiostrontium in foods.Chitosan solution was orally given and immediately after then 85SrCl2 was administered to rats using a stomach tube. The whole-body retention of 85Sr determined by in vivo counting was lower than that of control rats which were not given chitosan. The activity ratio in urine and f eces f or chitosan-treated rats was higher than control rats.Ten percent of alginate food was given to rats during 10 days and 85Sr was administered orally. The whole-body retention of 85Sr alginatetreated rats was decreased sharply compared with control rats.These results suggested that chitosan and alginate can be used as a drug to reduce bioavailability from gastrointestine of ingested radio strontium.
著者
宮崎 弦太 佐伯 大輔 矢田 尚也 池上 知子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.50-60, 2018 (Released:2018-04-25)
参考文献数
30
被引用文献数
3

Previous findings regarding the effects of living in urban environments on residents' subjective well-being have been inconsistent. The present study developed a scale to measure the multifaceted nature of urban living environments and investigated the aspects of urban environments that enhance or reduce residents' life satisfaction. We conducted two online surveys in which adults living in urban or rural areas in Japan (1,000 participants for each survey) completed the Multifaceted Urban Living Environment Scale and the Life Satisfaction Scale. Results indicated that urban living environments are characterized by quality of facilities, life convenience, life unpleasantness, and easy accessibility to public transportation. Of importance, each of these aspects affected residents' life satisfaction differently. Specifically, the quality of facilities was positively associated with life satisfaction, whereas life convenience was negatively associated. However, life unpleasantness and easy accessibility to public transportation had no effect on life satisfaction. These results suggest that it is important to measure the multifaceted nature of urban living environments to gain a deeper understanding of the effects of urbanization on residents' subjective well-being.
著者
池田 佳子 荒木 佐智子 村中 孝司 鷲谷 いづみ
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.21-31, 1999-06-25 (Released:2018-02-09)
参考文献数
18
被引用文献数
3

浚渫土中の土壌シードバンクを利用した水辺の植生復元の可能性を小規模なまきだし実験により検討した.水分条件を一定に保つことのできる実験装置「種子の箱舟」の中に霞ヶ浦の湖底から浚渫された底泥(浚渫土)約0.55m^3を1998年3月下旬にまきだし,出現する維管束植物の実生の種を,新たな実生がみられなくなる11月下旬まで定期的に調査した.その結果,合計22種708実生が得られた.また,湖に隣接し,土壌がときどき水をかぶる場所(冠水条件)と,常に水をかぶっている場所(浸水条件)を含む小規模の窪地(10m×5.5m)を造成し,1998年3月下旬に全体に厚さがほぼ30cmになるように浚渫土をまきだし,9月下旬に成立した植生を調査した.窪地の植生には22種の維管束植物が認められた.湿地に特有の植物である「湿生植物」と「抽水植物」は箱舟で5種,窪地で12種出現した.また,出現した帰化種は箱舟で9種,窪地で3種であった.浚渫土の土壌シードバンクは水辺の植生復元の材料として有効であることが示唆された.
著者
松村 俊和
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.595-598, 2001-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
37
被引用文献数
9 9

兵庫県の淡路島北部地域において災害復旧地・非整備地・圃場整備地の水田畦畔法面植生を調査した。種多様性は非整備地, 災害復旧地, 圃場整備地の順で高かった。種組成は圃場整備地で欠落する種があったが, 災害復旧地は非整備地と類似していた。種子散布型では圃場整備地は短距離散布型の種が少なかったが, 非整備地は短距離散布型の種が比較的多く侵入していた。圃場整備では表土を使用せず, 近くに種子供給源は存在していない。一方, 災害復旧地では表土を使用し, 近くに種子供給源が存在している。このように整備方法の違いは, 種多様性の保全に影響を与えていることが示唆された。

1 0 0 0 OA 故実叢書

著者
今泉定介 編
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
vol.武家名目抄(塙保己一), 1906

1 0 0 0 OA 平佐騒動記

出版者
西村光和写
巻号頁・発行日
1855
著者
高橋 愛
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学:美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.219-231, 2006

本研究では,中国文献を基にし,先行研究と兼ね合わせて,未だ日本では広く認識されていない連環画の変遷とその描写方法について考察している。連環画の特徴には,主に文学の発展とともに発達してきたため,描写よりも文が先行する場合があることが挙げられる。それは,国語的な要素が強く,教育性が高いと言えるが,そこに描写された挿絵は,白黒のものも彩色が施されたものも,挿絵の技法として非常に美しい。そういった挿絵は,美術的な流れを汲んでいるため,美的なものとして捉えることができる。こういった流れは,現代の中国の絵本にも共通点として見出せた。そして,このことは今後,中国の絵本を見ていく際の貴重な手がかりとなり得よう。
著者
加藤 美紀 Miki Kato
雑誌
共立国際研究 : 共立女子大学国際学部紀要 = The Kyoritsu journal of international studies
巻号頁・発行日
vol.32, pp.153-167, 2015-03

This paper discusses how to create effective Kambun education in the Japanese elementary school. The school course guidelines which are drawn up by the Ministry of Education, Culture, Sports, Science, and Technology were revised in 2008. One of the remarkable changes in the revision is that classical literature education is stressed. In 2011, elementary schools introduced new content, that is Kobun(classical Japanese literature)and Kambun(classical Chinese literature which is read by a particular translation method called Kundoku). The revision says that the main focus of the classical literature education is reading aloud and feeling the rhythm of the classical sentences. However, it is not clear that what the rhythm is and what students can learn. This paper examines the guidelines and suggests that effective Kambun learning should take a new approach to language education, instead of simply reading aloud.

1 0 0 0 OA 牧民金鑑

著者
荒井, 顕道
出版者
巻号頁・発行日
vol.[19],

1 0 0 0 OA 舶載草木図譜

著者
石崎融済//〔ほか〕画
出版者

25図の植物写生図を貼り込んだ折帖。唐名、阿蘭陀名等を記した図もある。長崎の画家石崎融済(1810-62)、村田宗博(1802-57)および博物画家として知られる服部雪斎(1807-?)の3名の手になる。雪斎の描いた6図はとりわけ精緻な描写である。
著者
水戸 康夫 進本 眞文 内藤 徹
出版者
九州共立大学
雑誌
九州共立大学経済学部紀要 (ISSN:13402641)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.19-33, 2004-06-30

本論は、先手後手のある逐次手番ゲームにおいて、後手番のプレイヤーの選択行動に注目した。「被験者が実際に合理的な行動を選択するのか」について実験を行ない、実験の結果、必ずしも被験者は合理的な選択行動を行わないことを確認した。被験者が非合理な選択を行なう理由として、「負けることの忌避」動機が重要であることを見いだした。これは、「負けることの忌避」動機という感情要因が、より多くのボーナス点という理性要因よりも重視されうることを示唆している。
著者
井川 充雄
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.53-64, 2014-01-31 (Released:2017-10-06)
参考文献数
25

During the 1950s and 1960s, major Japanese newspapers mostly took positions in favor of the peaceful use of nuclear power without raising any questions about such use. Therefore, issues regarding the peaceful use of nuclear power were rarely mentioned in public opinion polls. In the meantime, however, the United States Information Agency (USIA) was conducting public opinion polls in Japan at the time. These public opinion polls reveal that compared to Europeans, a higher percentage of Japanese people tended to regard nuclear power as something that brings "curse" rather than "boon" to humanity. Even in those days, the Japanese were reluctant to adopt a clear-cut attitude that favored the peaceful use of nuclear power over its use for military purposes. What is also important is the fact that even during the 1970s and beyond, when non-academic researchers belonging to electric power companies and affiliated think tanks began to study topics related to nuclear power and public opinion or mass media, such topics were rarely discussed in academia and a few academic studies conducted on such topics had almost nothing in common with non-academic studies. In the future, it will be necessary to enhance research in these fields instead of making it an ephemeral phenomenon after the Great East Japan Earthquake.
著者
濱田 弘潤 Hamada Kojun
出版者
新潟大学経済学会
雑誌
新潟大学経済論集 (ISSN:02861569)
巻号頁・発行日
no.98, pp.1-42, 2015-03

本論文は,混合寡占市場の下で公企業と私企業がそれぞれ,生産量を決定する時期を内生的に選択する状況を考察し,各企業の生産量決定の時期に関するサブゲーム完全均衡について再検討を行う.Pal(1998)により,混合寡占市場の下での生産量決定のタイミングが初めて内生的に分析された.それ以来多くの既存研究が,公企業と私企業の手番の内生化について研究を行っている.しかしPal(1998)が導出した均衡結果に対して,その後Jacques(2004)とLu(2007)により,内生的タイミングの均衡に記載漏れが存在することが示されている.均衡の記載漏れが生じた理由は,内生的タイミングに関して起こり得る全てのケースを,網羅的・包括的に検討しなかったためである.本論文では,内生的タイミングで起こり得る全てのパターンを網羅的・包括的に分類した上で,各ケースで公企業と私企業がそれぞれ逸脱するか否かを分析し,全てのサブゲーム完全均衡を導出することを試みる.結論として以下の点が示される.第一に,私企業数が1社の場合の起こり得る全ての状況を記述し,私企業リーダーのシュタッケルベルク競争と,公企業が第1期,私企業が最終期を選択するシュタッケルベルク競争の2つが,サブゲーム完全均衡になることを確認する.第二に,私企業数が2社の場合の起こり得る全ての状況を記述し,全私企業が先手同時手番,公企業が後手番となる逐次手番競争のみがサブゲーム完全均衡になることを確認する.第三に,私企業数が一般的なN社のケースで全私企業が同じタイミングを選択する対称均衡を考察し,起こり得る企業の逸脱を全て検討することにより,全私企業が先手同時手番,公企業が後手番となる逐次手番競争のみが,対称均衡における唯一のサブゲーム完全均衡となることを確認する.
著者
設樂 律司
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.4, 2004

<b>1.はじめに</b><br>近年、中心商店街では停滞、衰退化が問題となり、様々な活性化策が講じられている。従来の中心商店街の活性化では、ハードが重視される傾向があったが、次第にソフトが重視されるようになり、地域イベントなどが広く行われるようになった。本研究は商店街の活性化を目的とする地域イベントを多面的な視点から評価し、また、地域イベントが効果を挙げるプロセスを明らかにする。<br>本研究は江戸期以来、西多摩地域の中心都市として栄えたが、現在は中心地機能が衰退している東京都青梅市のJR青梅駅周辺の商店街を対象とし、そこで行われている地域イベントを主とした商店街の活性化策を取り上げた。既存の統計や文献資料、現地調査結果を用いて商店街の特徴を把握した後、地域イベントの運営主体と商店会および市役所への聞き取り調査および現地での地域イベントと景観の観察の結果から、地域イベントとその主体および地域がどのように関わるのかを時間的に把握し、それら3者の関係の中から内発的な地域イベントによる商店街の活性化の構造を明らかにした。<br><br><b>2.青梅宿アートフェスティバルによる街おこし</b><br>商店街が衰退する中、青梅駅周辺の商店街では、各商店会が単独で、あるいは共同で独自の地域イベントなどの活性化策を講じてきたが、効果は上がらなかった。そのような中、商店街の経済的な活性化を目的として1991年に始められた青梅宿アートフェスティバルは商店街を観光地化させる大きな契機を生み出した。青梅宿アートフェスティバルは青梅宿アートフェスティバル実行委員会と各商店会によって運営され、毎年設定されるテーマに沿って市民参加的なアートが街全体を舞台にして行われている。テーマは1993年から大正・昭和をコンセプトとし、1998年頃からノスタルジィーをキーワードとするようになった。青梅宿アートフェスティバルが継続されていく中で、様々な地域資源が掘り起こされ、新たな地域資源が生み出されるなかで、街おこしが始まっていった。街おこしが始まっていくとマスコミによって青梅にいくつかの地域イメージが与えられた。それらの地域イメージに合わせて、掘り起こされた地域資源を活用した街づくりが展開された。それらの結果、青梅は映画の街、怪傑黒頭巾生誕の地、猫の街、雪女縁の地、昭和レトロな街として街づくりがされた。<br><br><b>3.青梅宿アートフェスティバルの効果</b><br>青梅宿アートフェスティバルの経済効果は当日も期間外もあまりない。しかし、青梅宿アートフェスティバルを通して形成された人的ネットワークが多様な効果をもたらした。青梅宿アートフェスティバル以前は、各商店街で閉じていたネットワークが、青梅宿アートフェスティバルの継続とともに、青梅宿アートフェスティバル実行委員会のネットワークと接続し、開かれた2段階のネットワークを形成するようになった。この結果、青梅宿アートフェスティバル実行委員会内のコミュニティが強化された。このネットワークは青梅駅周辺の商店街に共同の意識を持たせ、各商店会単独ではできないような事を実現した。開かれたネットワークは街おこしのきっかけとなった地域資源の掘り起こしを可能にした。開かれたネットワークはさらなる街おこしを可能にした。また、開かれたネットワークを通して、地域外交流が生まれた。ネットワークがさらに広がったところでは、マスコミによって地域イメージが創成された。