著者
Tadashi Nakamura Tadasu Urashima
出版者
FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
雑誌
Trends in Glycoscience and Glycotechnology (ISSN:09157352)
巻号頁・発行日
vol.16, no.88, pp.135-142, 2004-03-02 (Released:2010-01-05)
参考文献数
51
被引用文献数
19 34

乳は新生児にとって唯一の食糧であり、そのため多くの栄養素とともに未成熟な新生児の健康や恒常性の維持に必要な生物学的機能性成分が含まれている。ヒトはウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマと言った様々な家畜から乳を採取し、市乳または乳加工品として利用している。乳成分の1つであるミルクオリゴ糖には、近年、新生児に対する栄養源としてばかりでなく感染性のウイルスや細菌に対する抗感染物質としての意義が認められてきている。また、ミルクオリゴ糖は乳児の体内複合糖質、とくに神経系の複合糖質の生合成に必要な物質でもある。家畜の乳は各種の生理活性物質の分離源として有用である。これらの家畜の乳、特に初乳中には数多くの中性オリゴ糖のほか、大量のシアリルオリゴ糖が含まれている。したがって、家畜の初乳はミルクオリゴ糖を大量調製するための原料として適している。分離技術の向上により、製薬や食品産業へのこれらミルクオリゴ糖の利用が可能となるであろう。多種多様なオリゴ糖からなる「オリゴ糖ライブラリー」の構築は、様々なタイプのレクチンや抗体のエピトープ解析や、糖転移酵素や糖加水分解酵素の研究にも有用であろう。
著者
牧田 実
出版者
コミュニティ政策学会
雑誌
コミュニティ政策 (ISSN:1348608X)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.156-173, 2006 (Released:2013-03-28)
参考文献数
24

本稿は、沖縄県宜野湾市を事例に、地域共同管理と「公共性」の関係を考察することを目的とする。那覇市の北部に位置する宜野湾市は人口約9万の地方都市であり、市域の中央部には普天間飛行場、北部にはキャンプ端慶覧があり、これら軍用地の面積が市域の3割以上を占めている。またインテンシブな事例調査の対象とする宜野湾区は、行政区でありまた自治会の範域でもあるが、戦前の集落をほぼ全面的に普天間飛行場に接収され、戦後あらたに集落を再建した地区である。宜野湾市とりわけ宜野湾区の住民は、いまも基地と隣り合わせに住み、基地という日常的なリスクと向き合って生活する一方、基地雇用や軍用地料に生活を依存する状態にある。ここにみられるのは、基地に象徴されるグローバルおよびナショナルなレベルの「公共性」の論理の地域社会への浸透であり、宜野湾市および宜野湾区の地域共同管理の課題は「公共性」問題と不可分に結びついている。本稿では、普天間飛行場の返還が日程にのぼりつつある宜野湾市の事例をとおして、地域共同管理と「公共性」の重層的関係について考察する。
著者
當山 冨士子
出版者
医学書院
雑誌
保健婦雑誌 (ISSN:00471844)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.474, 2003-05-01

本書は,私が琉球大学精神衛生学教室で助手をしていたときの主任教授であった佐々木雄司先生が,「メンタルヘルス実践36年間」の集大成として,ようやく世に出した力作であり,地域活動のハンドブックとして活用してほしい一冊である。 二十数年前,保健師活動に行き詰まりを感じていた私は,地域活動における最も基本的な姿勢や考え方を“佐々木メンタルヘルス”に学び,保健師活動の奥深さを認識させられた。迷いに迷った挙げ句の,現場から助手への転職であったが,これまでの疑問が面白いように解かれていくなかで,その迷いは一時で吹っ飛んでしまった。あれから二十年あまり,待ちに待ったこの書は,地域で悪戦苦闘している保健師の疑問にこたえ,ニーズを満たしてくれるものと信じている。

1 0 0 0 OA 国基

著者
紀維貞 著
出版者
横堀療眼院
巻号頁・発行日
1923

1 0 0 0 OA 国民道徳叢書

著者
有馬祐政, 黒川真道 編
出版者
博文館
巻号頁・発行日
vol.第1篇, 1911

1 0 0 0 OA 国民思想叢書

著者
加藤咄堂 編
出版者
国民思想叢書刊行会
巻号頁・発行日
vol.國體篇 中, 1931
著者
宇野 公一郎
出版者
東京女子大学
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.143-181, 2017-09

In this article, I have translated and annotated the "Path of Drought (Inzira ya Rukungugu)", the "Path of Inundation (Inzira ya Kivu)", the "Path of Bees (Inzira y 'Iinzuki)", and the "Path of Cattle Sickness (Inzira ya Muhekenyi)", from the esoteric royal ritual code (ubwiru), in which are prescribed the rituals curbing drought, inundation, honey bee swarming, and cattle sickness. These rituals are to purify the pollution caused by the natural calamity. The participation of the king is kept to the minimum and a drum made specially for the ritual is used in place of the royal drums, in order to safeguard the kingship against the pollution.本稿はルワンダの王朝秘典から「旱魃の道」(Inzira ya Rukungugu)、「洪水の道」(Inzira ya Kivu)、「蜜蜂の道」(Inzira y 'Iinzuki)、「牛疫の道」(Inzira ya Muhekenyi)に訳・注をつけた。これらの儀礼は穢れを浄化することによって災害を鎮めようとする。宮廷祭祀の中でも王の関与が最も少なく、「旱魃の道」「蜜蜂の道」「牛疫の道」では儀礼に特化した太鼓が作られる。これは恐らく王と王権太鼓を災害の穢れから離して温存するためあろう。
著者
河崎 和明 菊池 一雄 和田 充和
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.71, no.7, pp.647-650,a3, 2003

第3回世界水フォーラムにおいて, 水田の多面的機能やかんがい農業の多様性・地域性等について, 一般市民に対してもできる限りわかりやすく, 楽しく理解してもらうことを目的として, 農業農村整備事業関係11団体で組織する「水と食と農フェア実行委員会」の主催により, 3月21-23日にかけて, 京都市左京区岡崎「みやこめっせ」においてフェア (展示) を実施した。<BR>3日間で約3万人の見学者があり, 大盛況のうちに一般市民に対し, 水田の多面的機能等について効果的なPRを行った。
著者
村松 茂美
出版者
熊本学園大学
雑誌
熊本商大論集 (ISSN:04510585)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.25-46, 1989-09
著者
栗原 光規 久米 新一 高橋 繁男 相井 孝允
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.375-382, 1991
被引用文献数
4 1

高温時における乾乳牛のエネルギー代謝に及ぼす給与粗飼料の影響を検討する目的で,ほぼ維持量のイタリアンライグラス乾草(IH区)あるいはトゥモロコシサイレージ(CS区:大豆粕150g追加)を各2頭のホルスタイン種乾乳牛に給与してエネルギー出納試験を行った.環境条件は,相対湿度を60%に保ち,環境温度を18,26および32°とした.その結果,1) 体温および呼吸数は,環境温度の上昇とともに有意に上昇,増加したが,飼料間に有意な差は認められなかった.2) 総エネルギー摂取量に対する熱発生量の割合は,32°で増加する傾向にあり,その増加量はIH区の方が高い傾向にあった.3) エネルギー蓄積量は,CS区と比べてIH区の方が有意に少なく,また,環境温度の上昇とともに減少する傾向を示した.4) 摂取代謝エネルギー量に対する熱増加量の割合は,IH区では環境温度の上昇にっれて,CS区では32°で増加する傾向を示した.5) 維持に要する代謝エネルギー量は,IH区では18°と比べて26および32°でそれぞれ約6および11%,CS区では18および26°と比べて32°で約10%増加した.
著者
山田 豊大 阿原 一志
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.128-132, 2018-11-09

不完全情報ゲームの1種であるトレーディングカードゲーム (TCG) は,デッキ(ゲームに使用するカードセット)をプレイヤーが選択できるなど,囲碁や将棋,その他ボードゲームにはないゲーム要素が特徴であり,強い,又は人間らしいエージェントの作成等の研究には意義があると考えられる.本稿は,単純化されたTCGで,デッキ作成,またエージェントの構築に関する知見を得ることを目標とし,その第一段階としてランダムに与えられたデッキに対してニューラルネットワークを用いた強化学習の有効性について考察した.

1 0 0 0 OA 伊藤公全集

著者
伊藤博文 著
出版者
伊藤公全集刊行会
巻号頁・発行日
vol.第二卷, 1927
著者
TSUJITA Daisuke KASAI Toru UEMATSU Hirohiko HARADA Masayuki FUKATSU Tsutomu SASAKI Hiroshi
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
TRANSACTIONS OF THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES, AEROSPACE TECHNOLOGY JAPAN
巻号頁・発行日
vol.12, no.29, pp.Tg_1-Tg_4, 2014
被引用文献数
4

The H-II Transfer Vehicle (HTV) is a Japanese unmanned cargo transfer vehicle developed for the International Space Station (ISS) re-supply and waste disposal purposes. HTV1 through HTV3 completed the mission successfully, and HTV4 through HTV7 are planned to be launched once a year continuously. Under the circumstance that the achievement is evaluated highly and the expectation for the new usage of HTV is increased, we have prepared a new platform and report some experiments plan with using it in the paper.
著者
生雲 晴久 吉田 実
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.155-166, 1975-07-20 (Released:2008-11-12)
参考文献数
102
被引用文献数
2 4
著者
永田 晟 磯川 正教 金本 益男 酒井 誠 品田 めぐみ 小椋 博
出版者
東京都立大学都市研究センター
雑誌
総合都市研究 (ISSN:03863506)
巻号頁・発行日
no.7, pp.p35-46, 1979-10

都市生活者の健康状態を疾病という顕在化された状態より,潜在的な健康度に重点を置いて,健康,身体運動という立場から現在の集合住宅をめぐる諸問題の解決を図るための基礎的資料を得ることを目的とした。調査方法は,A) 健康・体力の意識と実態,B) スポーツ・身体活動について,C) 生活意識や近所づきあい,D) 居住環境の4つの柱からなる質問紙法による調査を行った。調査対象は,墨田区の文花団地,多摩ニュータウンの都営住宅,都内の一戸建住宅の居住者である。その結果,以下のことが明らかとなった。1) 神経的症状,呼吸循環器系の症状を訴えることが特徴で,特に女性において顕著であった。2) 健康についての諸問題の関心度は,"運動不足"に強い関心を示し,次いで"睡眠不足""ストレス過多""スタミナの衰え"に対する意識と関心が高くあらわれた。3) 健康法の実施では,加齢とともに実施度が高くなり,高齢者の強い健康意識を裏づけるものである。4) スポーツ,身体活動に対して好意的態度と関心を示しているが,スポーツ参与の形態としては見たり,聴いたりする消極的な第二次的関与の仕方であった。5) スポーツ,身体活動の実施度は著しく減少の傾向を示し過去の経験よりも現在おかれている環境や生活上の意識に強く影響されていると考えられる。6) 生活の中で切実に要求しているものは,健康,教育,幸福な家庭,土地・住宅,等であった。7) 居住環境の便宜性,安全性,健康性,快適性の面に対する意識,評価は多摩住宅居住者が最も低かった。The purpose of this investigation is to gather information on how to solve problems concerning urban bwellers' health. In this investigation,urban dwellers' health includes not only chronic diseases but also their active involvement in physical activites and their active interests of their own health. The investigation was conducted by distributing questinaires,which dealt with four main points : A) actual conditions of urban dwellers' health and physical fitness and their consciousness of health,B) actual participation in sports and physical activities,C) present association with neighbors and their sense of social life and healthful living,and D) their physical environment. For the purpose mentioned above,people were selected from three areas; a) Bunka residental quarter in Sumida-Ward in Tokyo,b) Tama New Town districts in Kanagawa,and c) other residental areas in Tokyo's 23 Wards. As a result,the following points were clarified. 1. Urban dwellers,especially house wives have been suffering from neuroses and cardio-respiratory diseases. 2. They have strongly indicated a "lack of exercise","over-stress" and"decrease of stamina" among their health problems. 3. In older persons,the tendency of having a stronger interest in their own health conditions than in younger persons was shown. 4. Though they have been interested in sports and physical activities,their forms of involements in sports have been "spectating","watching TV" and "listening to radio",rather than active participation. This is secondary involvement in sports. 5. As they get older and cities have become more urbanized,the frequency of participation in sports and physical activities becomes fewer. In fact,they heve complained of the lack of space to engage in their physical activities. 6. They have strongly required promotion of health,progress of education,maintenance of a happy family,and having their own land and house, etc…… 7. People living in Tama New Town have shown a lower appreciation for transportational conveniency,safeness from troubles,healthfulness and comformity of their life environment.