著者
中田 誠一
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.181-184, 2008-03-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
3

アメリカは民間の医療保険が発達している. そのため民間医療保険側からの医療に対する制約が多く, 患者側は多大な医療保険を払わされる上に, かつ指定された医療機関しかかかれない保険があるなど負担が大きい. 睡眠医療に関しても夜間の睡眠検査料は日本と比べると法外なものであり, その背景に経済市場原理が働いていると思われる. 睡眠検査は睡眠センターというところで一括して行われ, 診断とともにその治療に関与して, かつCPAP治療はアメリカでは患者本人が直接, 業者からCPAP機器を購入し自分で自己管理という形式をとるため日本とは診療形態がまったく異なっている. アメリカで睡眠にかかわっている実地医家は, CPAP治療に脱落した患者に対してコンサルタント料や手術を希望すれば手術費用などを徴収することによって医療が成り立っていることがわかった.
著者
深川 美也子
出版者
金沢大学大学院人間社会環境研究科 = Graduate School of Human and Socio-Enviromental Studies Kanazawa University
雑誌
人間社会環境研究 = Human and socio-environmental studies (ISSN:18815545)
巻号頁・発行日
no.33, pp.59-69, 2017-03-28

The purpose of this study was to analyze the relationship between the phonological awareness (PA) and the reading of hiragana, by conducting a PVT-R test and PA test, and having each participant read all 46 Hiragana letters, one at a time. Each study participant was of average intelligence. Unlike previous studies,this study only prompted Segmentation, Abstract, Deletion, and Reversal PA tasks in the PA test. The first three PA tasks included words with three to four mora, and the Reversal task words with two to four mora. The results indicated the following three points: 1) The PVT-R test and the Reading of Hiragana are not related. 2) the relationship shown between PA development and reading of Hiragana is statistically weak, and 3) the difference in the number ofmora in words has a strong influence on the reading of Hiragana. There appears to be a relationship between the ability to read one letter at a time in Hiragana and PA development. However, the influence of PA development on the number of letters that can be read does not appear to be strong. As this study only investigated the relationship between PA development and the reading of Hiragana one letter at a time, further studies need to examine this relationship with respect to word-level reading. Additionally in the context of PA development, further studies need to take into consideration not only the four PA tasks mentioned here, but also the number of mora in the words used in the study.
著者
朝長 啓造
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

本研究は、ボルナ病ウイルス(BDV)の病原性を利用してグリア細胞、特にアストロサイトの未知なる機能の解明を行うものである。BDVは、感染によりアストロサイトの機能障害を誘導することが示唆されており、グリア細胞機能異常による神経疾患の発症モデルとして広く用いられている。BDV感染によるグリア細胞の機能異常とその分子機序を総合的に解析することで、新たな視点でグリア細胞機能の本質に迫ることができると考えた。そこで、BDVによるアストログリア細胞の機能障害について詳細な解析を行った。前年度までに、BDVの病原遺伝子であるP遺伝子を発現させたC6グリオーマ細胞において68個の宿主遺伝子が有意な発現変化を示すことを明らかにした。そこで本年度、同定された遺伝子の中で、発現量の上昇が大きく、神経疾患との関連性が示唆されているIGFBP3に注目して解析を進めた。リアルタイムPCRを用いた解析の結果、BDVのP遺伝子をアストログリアで発現するトランスジェニックマウス(P-Tg)脳由来グリア細胞においてもIGFBP3 mRNAの発現が顕著に増加していることが確認された。野生型マウスより分離した神経初代培養に適量のIGFBP3を添加し、抗カルビンジン抗体で染色される神経細胞の生存数について経時的な観察を行った。その結果、IGFBP3を添加した神経細胞では培養10日目において生存数が顕著に減少していることが明らかとなった。また、P-Tg小脳ではインスリン様成長因子受容体のリン酸化が顕著に低下しており、P-Tg小脳におけるインスリン関連シグナルの異常が示された。このことから、IGFBP3には神経細胞脱落を誘導する活性があることが明らかとなり、アストログリア由来のIGFBP3の発現意義について明らかになった。
著者
羽山 裕子 三谷 宣仁 山根 崇嘉 井上 博道 草塲 新之助
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.79-87, 2017 (Released:2017-03-31)
参考文献数
10
被引用文献数
1 9

ニホンナシ ‘あきづき’ および ‘王秋’ の果実に生じるコルク状果肉障害の発生状況について,果実を5 mm厚に薄くスライスして詳細に調査を行い,成熟期や果実品質との関係を解析するとともに,GA処理の影響について調査した.両品種ともにコルクの発生が認められ,‘あきづき’は成熟の遅い果実に発生が多かった.本試験では,‘王秋’は‘あきづき’ほど成熟時期による違いは明確ではなかった.一方,両品種ともに果実重の大きい果実で発生が多く,特に‘あきづき’では大きい果実ほどコルクの個数が増加し,大きいコルクの発生も多くなった.コルクの発生位置は,果実全体に分布していたが,赤道面よりややこうあ部側に最も多く観察された.GA処理は,両品種ともにコルクの発生個数を有意に増加させ,障害程度を重症化させた.ただし,コルクの発生果率には影響を及ぼさなかった.
著者
森 幹士 本城 昌 茶野 徳宏 福田 眞輔
出版者
医学書院
雑誌
臨床整形外科 (ISSN:05570433)
巻号頁・発行日
vol.31, no.10, pp.1155-1158, 1996-10-25

抄録:異常筋を伴った片側上肢肥大の症例を報告する.症例は20歳の女性である.単純X線,CT,MRI等の検索で,右手手指骨の肥大,示指の尺側偏位および右上肢,特に手部での筋肥大を認めた.示指尺側偏位,片側上肢肥大の特徴より,腫瘍性疾患,RA等の関節疾患,さらにdistal arthrogryposisも考えられたが,臨床所見より上記疾患は否定され,異常筋を伴う片側上肢肥大が疑われた.術中,異常筋の存在を認め,異常筋の切除,中手骨の骨切りを併用した示指尺側変位の矯正術を行った.本症例でみられた異常筋の一つ(短指伸筋)は,分化上の先祖帰り,atavistic muscleと考えられている.他の異常筋も同様に,系統発生学上の進化過程にある不安定な筋群より出現し,筋肥大や片側上肢肥大を起こしたものと考えた.

1 0 0 0 OA 高松市史

著者
高松市 編
出版者
高松市
巻号頁・発行日
1933
著者
吉田, 秀升
出版者
巻号頁・発行日
vol.[8],
著者
半沢 智 藤田 香
出版者
日経BP社
雑誌
日経エコロジー = Nikkei ecology (ISSN:13449001)
巻号頁・発行日
no.213, pp.12-14, 2017-03

なぜ、広範囲かつ高濃度の汚染が検出されたのか。2つの可能性が考えられる。1つは、地下水の採取・保管・分析工程で人為的な作業が影響した可能性だ。
著者
木村 朗 水池 千尋 大城 昌平 吉川 卓司 甲賀 美智子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.D1191, 2005

【目的】近年、生活習慣病を有す高齢片麻痺患者の維持期では新たに動作障害に応じた身体活動量の増加が求められている。生活習慣病は生理学的指標のバイアスになる。そこで、本研究は、生理学的指標を用いずに動作の加速安定性から定常状態を評価するための条件を探った。リズムに合わせた動作指導時の時間要因と、3方向の動作軸の空間要因が動作時間と加速度へ及ぼす影響を明らかにすることを目的として調べた。<BR><BR>【方法】介護老人保健施設に通所する測定協力に同意が得られたCVA発症後5年以上経過した年齢が70歳から83歳の片麻痺患者5名(男性3名、女性2名)をランダムに選んだ。ステージは上肢4、手3、下肢4。手順は被験者にイス座位で加速度センサー(microstone、MVPA305)を正中位に両手保持し、肘を90度屈曲位にしたまま左右に体幹を回旋するよう指示した。次いで、ラルゲットテンポ(66Hz)の <I>リンゴの唄</I>を頭部後ろから聞き取らせ、60秒間、唄のテンポに合わせ左右に最大回旋するよう指示した。5ms時からの最初の5動作と最後の直前の5動作49510ms時までのxyz軸方向の反復動作時間(加速度のピークからピークまでの時間:PPD)とピークの加速度を測定した。初期vs定常期(時間要因:TF)と前後-上下-水平:xyz方向要因(空間要因:SF)がPPDおよび加速度に及ぼす影響をANOVAで調べた。<BR><BR>【結果】開始初期のPPD(平均±SD単位はms)、 前後:1047.5±105.2、上下:2076.2± 54.5、水平:2071.2±59.7定常状態期のPPD前後:1072.5±441.9、上下:2093.7±45.8、水平:108.70+/-51.2。開始初期の加速度(平均±SD単位はm/sec<SUP>2</SUP>)前後:5.7±.6、上下: 8.8±.9、水平:14.6±.9定常状態期の加速度、前後:6.7±.9、上下:8.7±1.2、水平:15.0±1.0。ANOVAの結果:PPDのTF:ns、SF:p<0.001。Tukeyは95%CIがx-y:-1268.0から-781.9、y-z:-248.0から238.0(ns)、x-z:-1273.0から-786.9であった。加速度のTF:ns、SF:p<0.001。Tukeyは95%CIがx-y:-3.6から-1.4、y-z:-9.6から-7.4、x-z:1.4から3.6。nsを除き、p<0.01。<BR><BR>【考察】被験者は意識的に体幹の回旋とリズムを合わせようと指示され、肘が体幹に固定されているため上下の動きで随意的努力が少なく済み、水平の動作では四肢の片麻痺でも体幹が両側支配で、座位での体幹回旋は、四肢に比べ麻痺の影響が少ないためにリズムに合わせることが可能であったと考えられる。注意を促さない前後の動きで加速が定常期に増えるのは動作の継続を可能にするための身体効率を高める何らかの自動制御機構の関与が加わる可能性が考えられる。<BR><BR>【まとめ】座位体幹回旋エアロビクス運動では定常状態に至るにつれ前後方向の加速度はリズムを反映しないで増加する。この<B>揺れ増加現象</B>に注意して指導する必要があろう。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1110, pp.6-8, 2001-10-01

9月11日に発生した米国での同時多発テロ事件は世界経済の状況を一変させた。17日に再開されたニューヨーク株式市場ではダウ工業株30種平均が取引中断前の9605ドルから1000ドルを超える大幅下落を記録。日本でも景気後退懸念に拍車をかける格好となり、日経平均株価は1万円を下回る水準で推移している。

1 0 0 0 OA 扶桑名画伝

著者
堀直格
出版者
巻号頁・発行日
vol.[27],
著者
小林 久幸
出版者
帝塚山大学
雑誌
帝塚山大学短期大学部紀要 (ISSN:13459732)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.68-74, 2003-02-01

2001年8月の暑熱環境下において開催された第15回全国少年少女草サッカー大会(清水市)の試合会場での環境温度を,暑熱環境計を用いて午前7時より午後5時まで1時間間隔で測定した。結果は以下の通りであった。(1)大会期間中の環境温度WBGTの平均では,第1日目28.3℃,第2日目28.1℃,第3日目25.5℃,第4日目25.0℃であった。(2)大会期間中の気温および湿度などの平均では,第1日目31.0℃(湿度56%),第2日目31.3℃(54%),第3日目29.8℃(44%),第4日目29.4℃(45%)であった。(3)第1日目および第2日目は熱中症予防のための運動指針による厳重警戒(厳重注意,激しい運動は中止)WBGT28℃〜31℃の範囲内で試合が行われていた。

1 0 0 0 OA 刑事判例研究

著者
小棚木 公貴
出版者
北海道大学大学院法学研究科 = Hokkaido University, School of Law
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.184-138, 2018-09-28

1 0 0 0 OA 屋敷書抜

出版者
巻号頁・発行日
vol.第58冊(安政5-万延1),
著者
仲井 まどか 高務 淳
出版者
東京農工大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

1)日本で見つかったアスコウイルス分離株には寄生蜂致死タンパク質(PKT)のホモログが複数存在していた。2)日本産アスコウイルスのベクター(伝播者)は、ギンケハラボソコマユバチであることが明らかになった。3)日本産アスコウイルス感染虫よりギンケハラボソコマユバチは、脱出できたので、このウイルスのゲノムにPKTがコードされている理由は、「ベクター自身の排除ではなく、ベクターの競争相手となる寄生蜂を排除することによりウイルスの適応度を上がるため」という仮説が考えられた。