著者
平野 元久 新田 高洋 千石 加奈 西尾 憲侑
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.20130002-20130002, 2013-02-01 (Released:2013-02-01)
参考文献数
12

非線形最小二乗法(マルカート法)とニューラルネットワークの機能を組み合わせることにより, 花粉飛散量を予測する新しい方法を提案した. 花粉飛散量を高精度に計算するには, 発生源であるスギ林での花粉放出量を精度よく推定することが花粉飛散予測の精度向上に必須である. このために, 移流拡散方程式によって計算される空中花粉濃度の計算値が, 生活圏で測定される空中花粉濃度の観測値をよく再現するように, 非線形最小二乗法を用いて最も確からしい花粉放出量を推定する方法を提案した. 花粉飛散量を予測するために, ニューラルネットワークの学習と判断の機能を活用した. 学習機能により関心地域の気象データから花粉放出量を推定するニューラルネットワークを構成した. 予測対象日の関心地域の花粉飛散量を推定するために, 学習したニューラルネットワークを用いて予測対象日の花粉放出量を推定し, 関心地域の花粉飛散量を移流拡散方程式によって予測する手法を提案した. 予測値と観測値はよく一致することを確認した. このようにして, 非線形最小二乗法とニューラルネットワークを組み合わせた花粉飛散量の新しい予測方法を提案しその機能を確認した.
著者
荒又 美陽
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.26-26, 2006

パリのマレ地区は、1962年に制定されたマルロー法によって街区全体が保護の対象となっており、マルロー法後の変化と整備の手法に研究の焦点が当てられてきた。しかし、マレ地区の保存事業は1960年代に初めて手がけられたわけではない。地方行政レベルでは、1940年代から調査や整備案の策定が行われていた。国の事業は、地方行政の政策を引き上げる形で実施されたのである。では、フランスはなぜこの17世紀の街区を選び取ったのだろうか。本報告は、地方行政時代のマレ地区の保存事業に携わっていた建築家アルベール・ラプラドの足跡から、フランスという国家によるマレ地区保存の背後にある思想について考察する。<BR> ラプラドは、1883年に地方都市ビュザンセに生まれ、1907年にボーザールを卒業した。1915年に第一次大戦のなかで負傷して軍隊を離れ、建築家アンリ・プロストについてフランスの保護領であったモロッコの都市計画に携わった。伝説的な総督であるユベール・リオテの下、いくつかの都市の建築を設計したが、特にカサブランカの都市計画に関わったことは、ラプラドのその後のキャリアに大きな影響を与えた。<BR>当時のカサブランカは、近代化の波の中で、内陸部から多くの労働者が集まってきていた。彼らが住むためのニュータウンを設計するのがラプラドの仕事であった。彼は、ラバトやサレの町で「伝統的な」建造物をスケッチし、そのデザインをニュータウンの新しい建造物に採用した。建築家にとってはモロッコの伝統への最大限の敬意であったが、政治的には別の意味も持っていた。リオテはモロッコの「伝統的な」都市を保護しながら、その外側にヨーロッパ入植者用の「近代的」都市を建設する方針を取っていた。ニュータウンに伝統的なデザインを用いることによって、支配・被支配の関係は視覚的に明らかなものとなっていたのである。<BR>パリに戻ったラプラドがパリ中心部の保存を訴えるようになったのは1930年代のことである。当時のパリでは、不衛生な街区を取り壊して再建する政策が進められていた。このうちの一つ、第十六不衛生街区が現在のマレ地区の南部に位置していた。ラプラドをはじめとする一部の知識人はこの事業に反対し、1940年代に入って取り壊しの方針を撤回させた。その後、この街区は保存しながら再生することになり、ラプラドはその計画者のひとりとなった。<BR>ラプラドが担当したのは第十六不衛生街区の一番西側の一部分、サン・ジェルヴェ教会の周辺であった。彼は街区の内部の建造物を取り壊し、ファサードを修復して、古きパリを思わせる区画を作り上げることに成功した。ここから行政の信頼を得、ラプラドはマレ地区全体の調査・整備計画を任されることになった。<BR>彼はマレ地区についても膨大なスケッチを残している。そこにはファサードの形状やスケールだけではなく、階段やバルコニーなどの細かな意匠が描かれている。写真は、主に航空写真が使われている。それは、18世紀の古地図を下に、見えない部分まで含めて街区を修復するための手段であった。ラプラドは、貴族の時代に造られたマレをまさに再現しようとしたのである。<BR>1962年にマルロー法が採択されると、国はマレ地区の整備のために三人の建築家を指名し、行政に一方的に通知を行った。ラプラドは、その後も審議会などに呼ばれてはいるものの、実質的にはマレ地区の整備から離れることになった。しかし、国が指名した建築家は、70年代の半ばまではラプラドの方針をほぼ踏襲していた。彼の街区整備手法や考え方は、マレ地区に大きな影響を残したのである。<BR>ラプラドが手がけた二つの都市計画は、状況がかなり異なってはいるものの、いくつか共通点も見ることができる。それは、歴史性に重点がおかれており、周辺の「通常の」地区とは違うという認識に基づいて整備が行われており、そのなかで無名の職人が作り上げた「伝統的な」デザインに大きく配慮されていたことである。マルロー法の審議の中で、文化大臣アンドレ・マルローは、傑作のみではなく過去の事物全てが国民の遺産だという考えを示した。ここには、国民とその過去が一対一で結びついているという信念が見られる。それを象徴的に表すのが、無名の職人たちが作り上げた街区なのである。<BR>1960年代のフランスは、対アルジェリア戦争によって植民地支配を維持できなくなり、冷戦構造の中でアメリカの側に組み入れられていった。ド・ゴール率いる新政府は、フランスのアイデンティティを強く打ち出す政策を実施していた。ラプラドは、マレを保護するために、「アメリカ人が見たいというのはフランスの建築だ」といっている。カサブランカのニュータウンがフランス入植者地区と対比的な関係にあったように、時代の要請を受けて、パリのマレ地区はアメリカとの対比において「フランス」を示す場となったのである。
著者
竹田 龍兒
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.262-287, 1956-12
著者
水田 哲郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経systems (ISSN:18811620)
巻号頁・発行日
no.205, pp.88-91, 2010-05

要件定義の会議で、1人の参加者が出した意見に誰からも異論が出なかったからといって、合意形成ができたと考えるのは早計です。実は、その場で納得している参加者はほとんどおらず、要件定義フェーズの終盤になって反対意見が噴出し白紙に戻るというケースは決して珍しくないのです。
著者
秋田 直繁 森田 昌嗣 椎塚 久雄
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
pp.TJSKE-D-17-00019, (Released:2017-07-20)
参考文献数
30
被引用文献数
1

To create innovative ideas, it is important for designers to monitor thought patterns by reflecting upon their thought structure and then control thought. In this study, we visualized the inference process, which includes deduction, induction, and abduction, as well as the associative process. Subsequently, by connecting them radially along the flow of thought, we employed a method of visualizing the inference process of designers on a two-dimensional plane. We conducted an experiment to visualize a part of the thought of designer using the “inference mapping method.” Consequently, we found out that different cognitive biases occurred in designers' deductive, inductive, abductive, and associative thinking processes. From the technical viewpoint of cognitive science, we studied the phenomena and clarified the structure of bias in each thought process. Finally, we proposed a way to visualize cognitive biases and to consciously eliminate them when designers engage in the creative process.

1 0 0 0 OA 理髪衛生

著者
古瀬安俊 著
出版者
南山堂書店
巻号頁・発行日
1917

1 0 0 0 OA 皮膚の衛生

著者
古宇田傚太郎 著
出版者
実業之日本社
巻号頁・発行日
1914
著者
KM
出版者
日本幼稚園協會
雑誌
幼兒の教育
巻号頁・発行日
vol.23, no.8, pp.25-25, 1923-08

1 0 0 0 OA 御普請書留

巻号頁・発行日
vol.14, 1800
著者
朝井 佐智子
巻号頁・発行日
pp.1-207, 2013-03-14

授与大学 : 愛知淑徳大学 ; 学位種類 : 博士(学術) ; 授与年月日 : 平成25年3月14日

1 0 0 0 OA 鹿島郡史談

著者
下生成安 編
出版者
柳沢平
巻号頁・発行日
1892
著者
工藤 光昭
出版者
東北職業能力開発大学校付属 秋田職業能力開発短期大学校
雑誌
東北職業能力開発大学校附属秋田職業能力開発短期大学校紀要
巻号頁・発行日
vol.14, pp.14-18, 2009-03

ダイオードの順方向電圧降下は直接電力損失に影響を与えるため注意することがあっても、逆回復特性(逆回復時間など)には通常関心を払うことが少ない。逆回復特性はデータシートに記載されていないことも多く、記載されていても測定条件が明確でない場合がある。同期整流を用いた電力変換回路では、ダイオードの順方向電圧降下よりも逆回復特性が電力変換効率に与える影響は少なくないとの指摘もある1)。さらに逆回復時間の短いダイオードは逆電力損失だけでなくノイズ面でも有利とされている2)。しかし、逆回復特性を測定するための機器(標準逆回復時間測定器、trrテスターなど)は整備されている環境にない。そこで同期整流の電力変換回路に用いるダイオードを最適化するためには、逆回復特性を測定する必要があるため測定器具を製作することにした。ここでの測定器具は順電流を5A、電流減少率を50A/μsと設定している。測定では逆回復時間だけでなく逆回復電流、逆回復電圧の測定もできる。このように逆回復特性を測定するための器具は逆回復特性全般と順方向電圧降下を比較評価できる状況にある。

1 0 0 0 OA 諸修覆記録

出版者
巻号頁・発行日
vol.[4],