著者
植田 睦之
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.A11-A18, 2007 (Released:2007-03-20)
参考文献数
8
被引用文献数
2

環境省が行なった「ガンカモ科鳥類の生息調査」の結果と気象庁による積雪の深さと最低気温の記録をもちいて北海道,東北地方,中部地方日本海側で越冬するハクチョウ類とカモ類の越冬数におよぼす積雪や気温の影響について解析した.北海道のカモ類を除き,ハクチョウ類もカモ類も年々記録数が増加する傾向があった.気象要因については,東北および中部地方の日本海側の地域では,ハクチョウ類は気温の,カモ類は積雪の影響を強く受けることがわかった.気温は開水面の凍結を通してねぐらや休息地の状況に影響を与え,積雪は水田などの採食地での食物の採りやすさに影響を与えると考えられる.したがって,ハクチョウ類は給餌への依存度が高く,止水域をおもな生息地としているために気温の影響を強く受け,カモ類は,水田などが重要な採食地になっているので,積雪による影響を強く受けると考えられる.

1 0 0 0 OA 遷史戻柁 3卷

著者
皆川淇園 著
巻号頁・発行日
vol.[1], 1000

1 0 0 0 OA 動植名彙 10巻

著者
伴信友 編
出版者
田中尚房 写
巻号頁・発行日
vol.[6], 1861
著者
千島 雄太 村上 達也
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 = The Japanese Journal of Educational Psychology (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.1-12, 2016
被引用文献数
4

本研究では, 現代青年に顕著なキャラを介した友人関係について, 中学生と大学生の比較から検討が行われた。本研究の目的は, キャラの有無による心理的適応の相違に加えて, キャラの受け止め方とキャラ行動が心理的適応に及ぼす影響を明らかにすることであった。中学生396名と大学生244名に質問紙調査を行った。分析の結果, 大学生は中学生よりもキャラがある者の割合が多く, キャラがない者よりも自己有用感が高いことが示された。因子分析の結果, キャラの受け止め方は, "積極的受容", "拒否", "無関心", "消極的受容"の4つが得られた。得点とパス係数の比較を行った結果, 学校段階で違いが見られた。中学生では, 友人から付与されたキャラを受容しにくく, キャラに合わせて振る舞うことが, 心理的不適応と関連することが明らかになった。一方で, 大学生ではキャラ行動と適応には有意な関連が見られず, 付与されたキャラを消極的にでも受け容れることが, 居場所感の高さと関連していた。以上の結果から, 中学生におけるキャラを介した友人関係の危うさについて議論された。
著者
髙橋 牧郎
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.182-187, 2017 (Released:2017-10-14)
参考文献数
18

As the clarification of the nature of Parkinson's disease progresses, many drugs have been developed, and clinicians have been asked to make judgments as to their proper use. Until now, various dopaminergic drugs have been developed against the motor symptoms such as tremor, rigidity, akinesia and postural reflex disturbance as the main therapeutic targets. Recently, due to aging and prolonged disease duration of Parkinson's disease patients, it has become problematic and can not be ignored as a treatment target that includes autonomic symptoms such as constipation and orthostatic hypotension, REM sleep behavioral disorder (RBD), mental disorders such as depression, apathy, delusion/hallucination, performance impairment and cognitive disorders. Moreover, the manifestation of non–motor symptoms such as pain, fatigue, camptocormia, dropped head are focused as the cardinal symptom of Parkinson's complex. Further, these symptoms correlate well with the progression of α–synuclein pathological stage of Parkinson's disease reported by Braak et al. It is awaited to develop disease modifying drugs that suppress not only symptoms but also pathological progress itself. At the same time, it is also required to develop biomarkers that can be accurately used in the preclinical phase from the viewpoint of early detection and early prevention as well as risk factor analysis. In addition, intestinal microbiota dysbiosis and gut–brain axis via the vagus nerve are attracting attention as a new pathogenic mechanism of Parkinson's disease. In this presentation, I will present my personal opinion of various anti–Parkinson's disease treatment based on clinical evidences and its current use, as well as the molecular mechanisms concerning α–synuclein's pathology. Recent trial of immunotherapy targeting α–synuclein proteins and the suppression of the protein aggregation will also be outlined.
著者
関 智史 茂松 直之 白石 悠 深田 淳一 伊藤 公一 高見 博
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.50-56, 2012 (Released:2013-01-31)
参考文献数
23

放射線治療は外科手術,化学療法とならぶ悪性腫瘍の治療の一つの柱である。根治治療の他,治癒不能な進行例の場合でも緩和治療として広く用いられる。ここでは甲状腺癌や甲状腺機能亢進といった甲状腺疾患の放射線治療について述べる。甲状腺癌に対する放射線治療は,131Iを用いたアイソトープ内用療法と高エネルギー放射線治療装置を用いた外照射の二つがある。アイソトープ内用療法は,ヨード摂取能のある濾胞癌や乳頭癌に治療適応がある。術後の再発予防や,残存病変の治療,若年者の多発肺転移などに特に有効とされるが,本邦では法的規制が厳しく,実施可能施設が限られる。外照射は手術不能例や術後の高リスク例,緩和的治療に適応となるが,合併症を生じないよう照射法の工夫が必要である。甲状腺機能亢進症に対する放射線治療は,抗甲状腺薬不応例などに131Iアイソトープ内用療法が適応となるほか,甲状腺眼症の緩和目的に放射線外照射が適応となる。
著者
木村 建次郎
出版者
神戸大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

我々は、2013年に波動散乱の計測データから散乱体の構造を再構成する散乱トモグラフィの理論を発明し、それを機にマイクロ波を用いたサブサーフェスイメージング技術の開発を進めてきた。これまで、ファントム実験、動物実験、臨床実験に成功し、量産機の完成に向けた要素技術の開発を進めている。本研究では、マルチスタティック計測用のアレイアンテナの開発、乳房内組織の誘電物性の計測、アンテナのサイズ効果を考慮した散乱トモグラフィ理論の開発を実施した。今後、この成果をさらに深化させ、数年以内に、量産機の実現と、乳癌検出の物性論として基礎固めを目的として基礎研究を進展させる計画である。
著者
董 然 蔡 東生 浅井 信吉
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:21888957)
巻号頁・発行日
vol.2018-CH-117, no.4, pp.1-4, 2018-05-05

ヒルベルトーファン変換(Hilbert-Huang Transform: HHT)は信号処理および解析分野において,高精度の解析性能を見せている.周波数領域における舞踊動作手法として,ヒルベルトーファン変換を用いたスペクトラム解析手法が提案され,その優れる解析精度により,周波数領域における舞踊動作の解析ができるようになった.一方,アジアの日本舞踊はスローテンポであり,規則正しい振り付けされているのが一般的である.それに対して,欧米の舞踊動作はアップテンポであり,リズム中心という特徴がある.本研究では,ヒルベルトーファン変換を用い,手の舞踊動作が特徴で,踊りが難しいと言われている「AyaBambi」の舞踊動作をスローテンポの日本伝統舞踊(能楽),およびアップテンポの日本舞踊(Perfume),欧米舞踊(Madonna)と比べ,その独特な舞踊特徴の解析を行う.
著者
西 利道
出版者
一般社団法人 日本薬剤疫学会
雑誌
薬剤疫学 (ISSN:13420445)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.39-46, 2008 (Released:2008-11-07)
参考文献数
6

ICH E2Eガイドラインは平成17年9月16日付の通知「医薬品安全性監視の計画について」で実装された。E2Eによりその薬剤のプロファイルに応じた市販後の安全対策及び調査・試験が求められているが、E2Eを踏まえて計画した経験が少ないため、具体的な対応策については十分には検討されていない。 抗癌剤TS-1で実施した安全対策および調査・試験を取り上げ、E2Eの観点から説明する。 TS-1の市販後における重要な特定されたリスクとしては、副作用のプロファイルが類薬と大きく異なること、相互作用のため5-FU系薬剤との併用は禁忌であること、腎機能障害により副作用が増大することが上げられる。重要な不足情報としては、他の抗癌剤との併用情報がないこと、術後に使用した場合の有効性・安全性情報がないこと、長期に使用した場合の情報が少ないことが上げられる。これらの課題に対してどのように対応したか説明する。 市販後の安全対策と調査・試験の計画は、画一的に実施するのではなく、その薬剤のリスク等を見極めて実施する必要がある。
著者
山口 和美 石下 真人 鮫島 邦彦
出版者
日本酪農科学会
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.55-59, 2001 (Released:2015-10-31)
参考文献数
13

ホイップクリームの微細構造と安定性について脂肪の種類(動物性・植物性),あるいは糖やスキムミルク添加による影響を検討した.1. ホイップクリームは気泡を取り囲む脂肪球が結合している構造で,ホイップ操作によって脂肪球径が大きくなった.2. 貯蔵弾性率(G′)は温度上昇とともに低下し,40℃付近で最低となった.3. 示差走査熱量分析においては40℃付近に吸熱反応の終了温度(Tc)がみられ,固体脂肪は40℃付近で融解することを示していた.吸熱エンタルピーは乳脂肪クリームが最も小さく,糖類添加,スキムミルク添加,植物性クリームの順に大きくなった.
出版者
宮内省図書寮
巻号頁・発行日
vol.[44], 1931
著者
藤原 英里奈 角井 真名美 小野 陽介
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会
巻号頁・発行日
pp.278, 2013 (Released:2014-02-14)

大分舞鶴高校科学部では,2011年 2月より,高崎山自然動物園のB群とC群を対象に,ニホンザルの餌付け群で観察される「石遊び」行動を調査してきた.2011年度の研究では,「石遊び」行動が餌撒きの直後に頻繁に行われることと,自然餌が採れず餌獲得欲求の満たされない季節に多く観察されることを明らかにした.そこで,2012年度の研究では,「石遊び」行動が餌付け群で行われる原因を探ることを目的に,前年度の調査方法を見直すとともに,新たに個体ごとの行動追跡調査を行い,さらに詳細な行動分析を行った. 「石遊び」個体数の調査では,餌撒き開始時間から1分毎に調査員が担当する区域内を歩いて,そのときに目視された「石遊び」をしている個体の雌雄・年齢・「石遊び」の種類などの情報を記録し,「石遊び」行動のピーク時間を調べた.さらに,同時に調査区域内の総個体数を調べることによって,「石遊び」をする個体数の変動を調べた.また,個体ごとの行動追跡調査では,餌撒きから次の餌撒きまでの時間における子ザルと大人ザルの行動パターンを分析した.「石遊び」と「餌撒き」の関係については,群れのサルは餌撒き時間に合わせて餌撒き場所とその周辺を移動しており,餌拾いと移動にかかった 4分後に「石遊び」のピークがあることがわかった.大人ザルと子ザルの比較によると,大人ザルが餌拾い直後に「石遊び」をするのに対して,子ザルは時間が経過しても「石遊び」をしていることがわかった. s以上の結果から,特に大人ザルは,餌付けによって生じる群れの中のストレスを「石を扱う」行動によって解消していると考えた.この行動によって,特定の地域で餌付けされている群れの個体同士の争いが避けられており,「石遊び」行動は高崎山のような大きな群れを維持するために必要な行動と考えられた.

1 0 0 0 OA 草韻彙編10卷

著者
清陶南望撰
巻号頁・発行日
vol.[8], 1000
著者
水野 俊誠
出版者
慶應義塾大学倫理学研究会
雑誌
エティカ (ISSN:18830528)
巻号頁・発行日
no.8, pp.45-89, 2015

はじめに第1節 功利主義とは第2節 ヒューム道徳論の功利主義的解釈第3節 ヒューム道徳論の非功利主義的な解釈第4節 ヒュームの道徳論の功利主義的・非功利主義的側面