著者
高田 順三 Junzou TAKADA 尚美学園大学大学院総合政策研究科
雑誌
尚美学園大学総合政策論集 = Shobi journal of policy studies, Shobi University (ISSN:13497049)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.1-22, 2016-06-30

国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は、パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出した新情報の一部を公開した。今回のパナマ文書の最初の報道は2016年4月3日になされた。この文書はオフショア金融取引文書の機密文書で、アイスランドのグンロイグソン首相を含む多数の政治家周辺・著名人・企業幹部・スポーツ選手などが、タックスヘイブン(租税回避地)を利用していることがわかった。彼らは、アンフェアだか、法を犯しているわけではない。彼らにしてみれば、それを行使することは自由で、何のやましいことがあろうかと思っている。事実それを利用することは法律違反ではないのだか、税の源泉国である彼らの母国に納税すべきところを回避したモラルは問われるのではなかろうか。そして、いまも現実に多くの企業や富裕者がタックスヘイブンの有利さを享受している。これは世界的レベルで悪用されており、今回のパナマ文書はほんの氷山の一角と言えよう。問題は、世界の税秩序を規律するシステムが壊れており、現行の一国一法主義の税制では対応できなくなっていることだ。そこで、この投げかけられたパナマ文書の問題について考えることにする。
著者
タイトラー イズミ
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.371-375, 2005

本稿ではオクスフォード大学図書館の緊急対策を紹介する。当大学にはボドリアン図書館をはじめとして大小さまざまな図書館が存在するが,近年大学の組織改革に伴ってこれら図書館の統合化が進み,2000年よりオクスフォード大学図書館サーヴィス(OULS)の名のもとに,大学組織の一部局として発足した。OULSの緊急対策は,最近再編成された資料保存保護担当部門(OULS CCC)の基盤業務のひとつとして,現在見直し・検討されている最中である。課題への対処の際の基本的姿勢・構想,また緊急対策プランに盛り込まれる項目の実際例を述べる。

1 0 0 0 OA 裁判記録

出版者
巻号頁・発行日
vol.[99],
著者
今田 美郎 川井 健史 平山 鋭 富田 伸彦
出版者
The Japanese Association for Petroleum Technology
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.556-563, 2006
被引用文献数
1

A reservoir modeling using simulation software on the market is popular to evaluate production profile and has specific requirement in an each phase through a project. Generally, a simpler model is preferred to examine many cases about production scenarios for a commercial evaluation in feasibility study phase. So, it is very important how to express subsurface uncertainty in a simple reservoir model.<br>A condensate banking phenomenon which reduces productivity near the wellbore is a typical feature of gas reservoir, especially condensate rich gas reservoir. Evaluation of the condensate banking is an important issue from a viewpoint of production profile evaluation because of requirement from market to maintain plateau of production for the project. One of popular techniques to express the condensate baking is local grid refinement (LGR) method applied around each well in the compositional simulator.<br>However, LGR application may not be a preferable option in the feasibility study phase, because more complicated reservoir model requires more calculation time. So, PI multiplier method was introduced without LGR option to keep simplicity of the reservoir model.<br>An investigation of the PI multiplier applied in the coarse grided full field model without LGR to take into account productivity reduction by condensate baking has been presented in this paper.
著者
重松 裕巳
出版者
俳文学会
雑誌
連歌俳諧研究 (ISSN:03873269)
巻号頁・発行日
vol.1962, no.23, pp.10-15, 1962-07-20 (Released:2010-08-25)
著者
金 敏健 山田 邦博 国尾 武
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.51, no.465, pp.1304-1310, 1985

共析鋼に脱炭処理を施すことによりフェライトが種々混在する試験片を作製し, 耐久限度の大小に及ぼす限界停留き裂寸法l<SUB>c</SUB>とフェライト体積分率V<SUB>fF</SUB>の関係を調べるとともに, セメンタイトラメラ間隔の変化が耐久限度に及ぼす影響についても検討を加え, 以下に述べる結論を得た. 耐久限度の大小は, l<SUB>c</SUB>がV<SUB>fF</SUB>の減少とともに減少するという現象を通じてV<SUB>fF</SUB>と密接に関連する. また, 耐久限度σ<SUB>woとl<SUB>c</SUB>との間にはσ<SUP>m</SUP><SUB><</SUB>wo</SUB>l<SUB>c</SUB>=Cとなる関係が成立する.
著者
大坪 尚義
出版者
The Imaging Society of Japan
雑誌
日本画像学会誌 (ISSN:13444425)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.630-633, 2012

情報管理サービス業のトッパン・フォームズ株式会社は,DOD(デジタルプリント・オンディマンド)印刷技術のアプリケーション開発に取り組んできましたが,この度,デジタル印刷機を使って日本の代表的な絵巻物を復刻する事を事業化しました.<br>国宝・重要文化財級の絵巻物は,美術館,神社仏閣において貴重な美術品として厳重に保管されており,特別陳列を除けばほとんど公開展示される事はなく,手にとって開き広げ,巻き込んで鑑賞されるべき絵巻物本来の醍醐味を味わう事が出来ませんでした.<br>従来の複製は,高価な愛蔵品か,縮小版,モノクロ版もしくは冊子本の形でなされていますが,今回,最新のデジタル印刷技術を駆使し,日本の伝統技術である巻子(巻物)経師の融合により原本を忠実に再現し,かつより普及しやすい価格で製造する事が出来ました.<br>監修を絵巻物研究の第一人者である東京大学名誉教授 秋山光和先生にお願いし,彩色の再現,装丁の指導,解説書執筆者・所蔵元への紹介等,全面的なご協力をいただいています.<br>特徴は,和紙の風合いを再現するためにバガス紙を使用しました.紙つなぎ無しのロール紙に10mでも20mでも連続印刷出来る事でありますが,所蔵元からお借りするポジフィルムは,1巻12~16枚に分かれているため,まずスキャナーにてポジ同士の色調補正をした後,デジタルデータに変換します.ポジの左右の歪み補正・色補正,各ポジのつなぎは三洋電機との共同開発によるソフトによって印刷データを作成しました.

1 0 0 0 OA 船山遺書

著者
清王夫之撰
出版者
曾氏金陵刊
巻号頁・発行日
vol.第46册, 1865
著者
近藤 進
出版者
新潟国際情報大学
雑誌
新潟国際情報大学情報文化学部紀要 (ISSN:1343490X)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.105-115, 2013-04

地上波テレビ放送がデジタル化された。この機会に、新潟県での、アナログ放送停波の認知、デジタル機器の買い換えを含む普及状況について調査した。当初デジタルへの変更は鈍かったが、アナログ停波が近づくしたがって急速に普及した。
著者
中谷 吉宏 川原 範弘 佐藤 力
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告
巻号頁・発行日
vol.16, no.6, pp.7-12, 1992

Video camera recorders have function of digital title, since we can easily insert hand-made titles in video images. To realize large miniaturization of size of the chip, and decrease in power, we placed the memory (S-RAM), which was out of the chip, in the titler. And we utilized the technology of data compression and interpolation for memorizing data using half as much memory as in the past. In addition, we have developed the digital titler that has the function of shadow title and frame indication.
著者
和田 直之 野地 澄晴 濃野 勉
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.192-198, 1999-11-01 (Released:2016-11-01)
参考文献数
55

脊椎動物の四肢の発生過程は,パターン形成機構解明のための良いモデル系として古くから解析が進んできた.古典的な実験形態学的研究から得られた知見をもとに,位置情報などの概念が提唱され,発生生物学全般に大きな影響を与えてきた.加えて,近年の分子生物学的手法により物質面からの解析が進み,古典的概念をふまえた新たなモデルも提唱されている.最近では肢の形成部位の決定や前肢・後肢の違いなどに関わる分子も発見され,発生生物学の枠にとどまらず,進化論的な視点からの議論も盛んである.本論文では,四肢の骨格パターン形成過程において観察される現象とそこに関与する分子群,およびそれらの相互作用について最近の知見をまじえて議論する.
著者
小池 春樹
出版者
医学書院
雑誌
BRAIN and NERVE-神経研究の進歩 (ISSN:18816096)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.113-120, 2018-02-01

近年,ジカ熱の世界的な流行に伴いジカウイルスとギラン・バレー症候群(GBS)との関連が注目されるようになった。日本においてはジカ熱の流行は確認されていないものの,海外渡航からの帰国後に発症した患者が報告されている。ジカ熱に関連したGBSは脱髄型の病型を呈する場合が多く,治療は一般的なGBSに準じて行われている。発症の誘因となる自己抗体が明らかになっておらず,病態に関しては今後の研究課題である。

1 0 0 0 OA 賀茂社記録

出版者
巻号頁・発行日
vol.第93冊,
著者
内田 奈津子
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.268-271, 2018-02-15

プログラミング教育は現在大きな注目を集めており,これからの社会の構成員は,単にソフトウェアを使うというだけでなく,ソフトウェアを作りその原理を知るという形での知識や技能が求められている.しかし,文系大学においては,こういった学びの場を提供することは難しい.しかし,文系・理系に関わらず,卒業後はSE以外のさまざまな職場でもグループで作業し,進捗を管理するなど,プロジェクトマネジメントに相当する能力が求められる.このような考えから,プログラミング初学者がプログラミングとプロジェクトをともに学べるようにすることを考え授業デザインをした.本稿では,その授業デザインと試行について紹介する.
著者
藤野 博
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
口腔外科学会雑誌 (ISSN:04541693)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.1-20, 1966-04-01 (Released:2011-07-25)
参考文献数
52
被引用文献数
1
著者
木下 一雄
出版者
名寄市立大学
雑誌
名寄市立大学社会福祉学科研究紀要 (ISSN:21869669)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.25-39, 2016-03-31

ここ最近、施設内における介護職員による利用者に対しての虐待行為の増加が目立ってきている。新聞やテレビで介護職員の施設内で起こした凄惨なニュースを見ない日はないほどの状況になっている。平成25年度に行った厚生労働省の調査結果によると、高齢者虐待の原因となっている要因として、介護職員の教育や知識、技術に問題があったとされるケースが調査全体の総数の66.3%を占めており、いかに介護職員に対する教育力が現場で低下しているのかが、数字として目に見える形として表れてきている。つまりは、今の介護職員にとって倫理観、想像力の欠如、利用者が今まで歩んできた人生を含め、包括的にとらえていくアセスメント能力が欠如してしまった結果が、このような不祥事につながってきているのではないだろうか。今回の実践活動報告において、自身が勤務していた認知症専門病棟の精神科病院において20代男性介護職員に対し、利用者と関わる上で著者自身が考案した面接指導プログラムに添った支援を通して、いかにその指導プログラムを受けたことにより、対象者自身が利用者に対する関わり方の変化があったのかについて報告していく。そして凄惨な状況が繰り返されている状況において、利用者に対する想像力を豊かにし、言葉で表現できない表情やしぐさなどに意識を向け、様々な思いをアセスメントしていくことの重要性について示唆していく。
著者
大村 壮
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.406-412, 2010 (Released:2011-04-20)
参考文献数
36
被引用文献数
1

The present study examined the gap between ideal and actual images about the elderly with regard to the occurrence or repetition of elder abuse. Semantic differential (SD) data for ideal and actual images were collected from 267 staff members in nursing care facilities. A factor analysis yielded three factors: “familiarity,” “sadness,” and “selfishness.” A logistic regression analysis was conducted to examine the influence of the gap between ideal and actual images with regard to elder abuse. The results indicated that the gap score for “familiarity” had an effect on the occurrence and repetition of violent actions, abusive language, and use of imperative words.