著者
村山 千代子 村山 知子 尾崎 邦夫 関根 顕
出版者
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
雑誌
日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学 (ISSN:13468111)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.65-74, 2013

<b>日常の歯科臨床において,心地よく咬めることは歯科治療の最終到達地点であり,そのために「咬合」が重要なテーマとなる.咬合の診査は模型診断,エックス線写真等の画像診断・キャディアックスなどの下顎運動診査機器による診査など多岐にわたるが,体表診査は特別な機器を必要とせず,患者の負担が少ない.術者の解剖学の知識と観察眼があれば診断が可能なため,咬合診査のベースとして体表診査を行うことが重要であると考える.表情筋・咀嚼筋・顎顔面骨格の対比と下顎偏位の関連性について考察し,矯正治療と下顎位の修正を含む咬合治療を行い良好な結果が得られたので報告する.【顎咬合誌 33(1・2):65-74,2013】 </b>
著者
大杉 尚之 河原 純一郎
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

頷きと首振りは自分の態度を相手に伝える上で重要な動作である。これまでの研究では,視線や表情は,相手に接近したい(接近動機),または回避したい(回避動機)というサインを発信するため,顔の印象形成に影響すると考えられてきた。同様の接近&minus;回避動機は,頷きや首振りによっても発信される可能性がある。そこで本研究では,3DCGモデルが頷きまたは首振り動作をすることがその顔の主観的印象(好ましさ,近づきやすさ)に及ぼす影響を測定した。実験の結果,頷き条件は好ましさ評定値と近づきやすさ評定値が首振り条件や静止(統制)条件に比べて高い値となった。また,この頷きへの選好効果は,外見上の好ましさや顔の魅力評定を行わせた場合には十分ではなく,内面の好ましさ評定を求めた場合に顕著に示された。このことから,頷き動作は接近動機を相手に示すことで,人物の内面的な印象(性格等)を良く見せる効果があることが明らかとなった。
著者
松本 睦子 俵 由美子 濵井 和子 齋藤 愛 大田 奈緒 島谷 智彦
出版者
広島国際大学看護学部
雑誌
広島国際大学看護学ジャーナル (ISSN:13495917)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.3-17, 2017

我々は、笑顔での介護介入後に対象者のLF/HF(交感神経活動)が有意に抑制され、HF(副交感神経活動)が有意に増加することを報告した。本研究では、SC(皮膚コンダクタンス)を分析に加え、LF/HFとSCが同様の反応を示すかどうか検討した。さらに、笑顔での看護介入がもたらす自律神経活動の変化に男女差があるかどうかを明らかにする目的で、対象者34名(男性18名 ,女性16名)の心拍変動とSCのデータを男女別に比較した。安静時のLF/HFと心拍数は、男性が女性より有意に高値で、HFは男性が女性より有意に低値であった。LF/HFとSCは看護介入時に一過性上昇を示したが、ベースラインに戻るまでの時間に違いがあった。笑顔介入後のLF/HF,SC,心拍数,呼吸数は、男性より女性が有意に高値であり、HFは男性より女性が有意に低値であった。これらのことから、心拍変動とSCの応答には男女差があり、男性のほうが笑顔の介入でリラクセーション効果を得やすいことが示唆された。 We reported that LF/HF ratio (the index of sympathetic nerve activities)was significantly decreased by the nursing intervention with expression of smile,and HF(the index of parasympathetic nerve activities)was significantly increased by nurse's smile.In this study,we analyzed the skin conductance (SC) to determine whether the response in SC shows a similar time course to that in LF/HF. In addition,to clarify the relationship with gender differences and the changes in autonomic nerve activities caused by nurse's smile,the data of heart rate variability (HRV) and SC were evaluated in 34 healthy subjects(18 men and 16 women).The baseline value of LF/HF and heart rate (HR) in men were significantly higher than those in women,and the value of HF in men was lower than that in women.LF/HF and SC showed the transitory increase during nursing intervention .After the intervention ,LF/HF recovered quickly to the baseline level while SC returned slowly to that level.LF/HF,SC,HR,and respiration rate in men were significantly lower than those in women after the nursing intervention with smile.On the other hand ,the value of HF in men was higher than that in women.The responses in HRV and SC were different between men and women.The nursing intervention with smile may produce an effect on the relaxation in men rather than women.
著者
茶谷 研吾
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, 2017

微表情 (micro expression) は持続時間が500ms以下で顔の変化が微細または部分的な表情である。嘘を見抜く手がかりになると考えられ効果的な検出方法が模索されてきたが,観察者の認知に及ぼす影響は解明されていない。本研究では微表情を後続の表情で隠蔽する状況を想定し,脅威関連微表情が人物の信頼性判断に及ぼす影響を検討した。実験では真顔から強度100%の表情 (怒り・恐怖・幸福・驚き) へ変化する11枚1組のモーフィング画像を,先行 (4枚目以前) と後続 (5枚目以降) の表情を組み合わせ参加者に連続呈示し,信頼性を判断させた。実験の結果後続表情が幸福の時先行表情間で信頼性評定値に差があり,先行表情の認識が比較的正確である場合に,先行表情が怒りの条件で評定値が低いことが明らかになった。これは脅威と関連する微表情による信頼性判断への影響を示唆するものである。
著者
井上 清子
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.183-194, 2014-03

大学生100名(男女各50名)、社会人90名(男女各45名)を対象に、同一人物(大学生女性)の微笑み顔(口を開けない笑い)・笑い顔(口を開けての笑い)・真顔・しかめ顔(眉間にしわを寄せた顔)の4種類の顔写真を呈示し、写真に抱く印象8項目について5段階で回答してもらい、各表情がどのような印象を与えるのか、また受け手の性別や年齢の違いによって抱く印象にも違いが見られるのかについて調べた。大学生・社会人とも、「笑い顔」「微笑み」などの笑顔からは、明るく親しみやすく親切な印象を受ける者が多く、笑顔が初対面の相手に好印象を与えることがわかった。一方、「しかめ顔」からは、暗く親しみづらく不親切な悪い印象を受けることがわかった。学生と社会人とでは、「しかめ顔」に対して学生の方が敏感で悪い印象を持つ者が多かった。性差では、大学生では、男性より女性の方が「笑い顔」により好感を持ち、社会人では「しかめ顔」に対して女性の方が悪い印象を持つ者が多かった。
著者
松名 隆
出版者
室蘭認知科学研究会
雑誌
認知科学研究
巻号頁・発行日
no.5, pp.11-29, 2007

本稿は、イオル(iwor)というアイヌ語について、その意味するものを先ず文献的に辿り、さらにそれが今日の私たちに提起する問題を、二風谷ダム訴訟を提起した故・萱野茂氏( 2006 年逝去) と故・貝澤正氏( 1992 年逝去)( 以下敬称略) の言説を踏まえながら考察したものである。最初にイオルの概念について、アイヌ- カムイという対照概念が示すアイヌの世界観を踏まえて、その意味を諸文献の検討から確認し、次に、北海道におけるイオル解体の歴史的検討を行い、それと関わるニ風谷ダム裁判判決において認定されたアイヌの文化享有権について、イオルの視点からその問題点を指摘し、さらに上記のお二人が遺した言説を取り上げつつ、イオルの新しいあり方についての筆者の提言を表明する。
著者
中本 達夫
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.780-787, 2014 (Released:2014-10-25)
参考文献数
15
被引用文献数
1

人工膝関節手術の施行症例数は,わが国においても年々増加の傾向にある.術後鎮痛法としての末梢神経ブロックの有用性については多くの報告があるが,人工膝関節手術には全置換術と単顆型置換術の違い以外にもアプローチ法によって皮膚や筋膜の切開創の違いがあり,最良なブロックの種類や組み合わせは必ずしも一つではない.さらに,リハビリテーションの実施計画によっても術後鎮痛に求められる条件は異なる.持続大腿神経ブロックは良好な鎮痛の反面,大腿四頭筋の筋力低下が問題となりうる.近年,内転筋管ブロックや局所浸潤鎮痛の有用性も報告されており,施設ごとの手術に適したオーダーメイドの術後鎮痛メニューの構築が重要である.
出版者
巻号頁・発行日
vol.[280],
著者
彭 柯然 ホウ カゼン Peng Keran
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学社会文化研究 (ISSN:1348530X)
巻号頁・発行日
no.15, pp.330-320, 2017

This paper is intended to discuss the features of novel in the Tang dynasty, which were translated by Kawabata Yasunari in 1926. Previous research focused on the translations by Kawabata is rather limited, so will be explored in this paper. Broadly there are three direct approaches: analysis by narration, conversation, and poetry. Finally there will be farther analysis, revealing the background of the translations by Kawabata Yasunari.

1 0 0 0 OA [師守記] 64巻

著者
中原師守 [著]
巻号頁・発行日
vol.巻42 紙背, 1339
著者
村田 昌富
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.42-49, 1978

国税庁における電算機システムは,HITAC-Mシリーズを導入し,税務の電算処理(Automatic data processing:ADP)を行なっている。紹介するシステムは,ADPセンター(東京,大阪,名古屋)を中心とした集中型バッチ処理システムであり,全国506税務署のうち164署で実施されている国税システムである。この内部事務システムは,所得税内務事務システム,法人税内部事務システム,債権管理事務システムの3つから構成され,税額の計算と納税者の管理等を行なっている。
著者
松岡 優 吉村 栄子 伊勢 正夫 久保 雅宏 山下 和子
出版者
徳島医学会
雑誌
四国医学雑誌 (ISSN:00373699)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4-5, pp.244-249, 2003-10-25

We studied the onset of allergic diseases and allergy march in 1,029 children aged from 3 months-old to 18-years old.A clinical study showed the close relationship between atopic dermatitis and asthma,and between asthma and allergic rhinitis. Specific IgE to house dust, mites, pets and pollen was recognized to be positive in early infants aged 4- or 5 months-old.This finding is earlier than the previous report, indicate the recent increase of allergic disease. Allergy to food allergens, inhalanted allergens and contact allergens are linked each other, and tend to be IgE-mediated sensitization to multiallergen.

1 0 0 0 OA 時憲紀要 2編

著者
(朝鮮) 南秉吉 撰
巻号頁・発行日
vol.[1], 1860