著者
八木 浩司 斉藤 宗勝
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
季刊地理学 (ISSN:09167889)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.121-136, 1997
被引用文献数
1 1

ネパールのヒマラヤ前縁帯およびテライ平原において, 天然林 (サラノキ: <i>Shorea robusta</i>) の果実が, カカオ代替油脂 (サルバター) 採取を目的として企業的に利用されている。その利用システムには天然林生産物と地域住民を基層構造とし, 首都カトマンズの企業そして国際市場につながる階層性が存在する。<br>材以外で, サルバターのような国際市場に結びついた天然林生産物利用地域の出現は, <i>S. robusta</i> 林がヒマラヤ前縁帯・ガンジス平原北縁に広大に分布する低価格天然林資源であること, 果実の結実期が乾季でその間農業活動が比較的低調であること, 労働集約型の採取活動が要求されるにも関わらずこの地域の最底辺層に位置する安い労働力が利用できることによって説明される。しかし, サルバター生産地域は, 自然および社会環境の変化に左右される不安定な存在である。さらに <i>S. robusta</i> 林は過度の人為ストレスのため持続可能利用されているとは言いがたい部分も生じている。
著者
水田 孝信
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2002

今年度の本研究の進展状況としてはまず、今まで行ってきた重イオンの加熱・加速メカニズムの理論をさらに洗練化し、このメカニズムが起きるための波動に課せられる必要条件を定量的に導き出した。この初期結果はAdvances in Space Researchに掲載予定であり、詳細な結果はPhysics of Plasmaに投稿準備中である。相対論的効果を入れて、議論することを始めた。これは、例えば、パルサー風中での粒子加速など、応用範囲が広い。相対論的粒子は、円偏波の電磁波と共鳴することができ、今まで議論してきた重イオンの加速と同じようなことが起こると予想される。初めから共鳴している相対論的粒子は、単独の電磁波と共鳴することにより、強く加速することが示されたが、初め、少しでも、共鳴からずれていると強い加速は起きないことが分かった。このため、非相対論の場合と同じように、二つの電磁波がある場合のみ、共鳴速度付近の速度をもつ粒子すべてが、加速することが可能になる。その加速効率を詳細に調べた結果、非相対論のときほど加速効率が良くないことが分かった。しかしながら、重イオンの場合と違い、特殊な状況設定を必要としないため、適応範囲は広いと考えられる。というのも、必要とされる電磁波に波長などの制限はなく、どのような電磁波でも円偏波であれば、二つ孤立的に存在すればこれは、起きるからである。この、結果は、2004年3月の天文学会で発表し、Physics of Plasmaに投稿準備中である。
著者
藤原 文雄
出版者
日本教育経営学会
雑誌
日本教育経営学会紀要 (ISSN:02872870)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.24-34, 2014-05-30 (Released:2017-07-06)

The purpose of this study is to consider new perspectives on education management corresponding to a school's diversification of staff. The following three issues are discussed here: 1) Reasons for increased scholarly interest in such diversification based on the point of view of school workforces and research results from the 1960s through 1970s, 2) Reasons for renewed scholarly interest based on the point of view of school workforces and research results after the 1990s, and 3) School staff diversification in foreign countries and England's Workforce Reform. 1) In the first section, we clarified that the rise in the number of full-time support staff and support staff-teaching staff ratios led to increased interest in diversification based on the point of view of school workforces. Additionally, the most important research results of the period from the 1960s through 1970s were that support staff could improve the quality of education by cooperating with teaching staff. 2) In the next section, we clarified that the diversification of the school workforce advanced after the 1990s. Diversity management emerged as a solution to the problems caused by this increase in diversity. 3) In the final section, we discuss the advancement of school workforce diversification in foreign countries after the 1990s and England's Workforce Reform, which worked toward both staff diversification and improvement of their efficiency.
著者
太田 好信
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.319-319, 2008

本発表は、政治学者と文化人類学者の両者が関心を示してきたテーマとして、先住民運動における政治とアイデンティティとの関係をめぐる議論の整理を目指す。具体的には、グアテマラ共和国の「マヤ民族」というアイデンティティを政治的アイデンティティの一例として再解釈する。最後に、政治的アイデンティティという視点から文化人類学におけるアイデンティティをめぐる一連の議論、文化による政治(運動)の是非などについて再考する。
著者
百渓 尚子
出版者
一般社団法人 日本内分泌学会
雑誌
日本内分泌学会雑誌 (ISSN:00290661)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.207-217,120, 1970-05-20 (Released:2012-09-24)
参考文献数
23

甲状腺機能亢進症では筋肉量の減少があるのではないかと考え, 体重補正上腕囲 (体重増減度を0としたときの上腕囲) を筋肉量の指標として用いて本研究をおこなつた.対象は甲状腺機能亢進症患者男109例, 女292例で, 各々の患者と身長, 体重, 年令のほぼ見合う健常者男109例, 女292例と体重補正上腕囲の比較をおこなつた.また治療により機能の正常化を認めた時, その後3~4ケ月経た時の体重補正上腕囲を, 治療前, 健常者などと比較した.亢進症男子の治療前の体重補正上腕囲の平均は25.4cm, 女子25.4cmで, 健常男子26.7cm, 女子26.0cmと比べ男女とも亢進症患者が有意に小さく (p<0.001), 機能の正常化を認みた時点でもなお健常者より小さく, その後3~4ヵ月を経て初めて健常者との差がほとんどなくなつた.以上のことから「甲状腺機能亢進症患者では筋肉量の減少があり, その回復は甲状腺機能の回復よりおくれる」という結論が得られた.
著者
神馬 征峰
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.171-176, 2013 (Released:2014-06-11)
参考文献数
2

背景:論文査読は論文の質を上げるために有効な手段である.査読をめぐるやり取りのポイントをあらかじめ知ることによって,投稿者は投稿原稿の小さなミスを避けることができる.本稿では本誌への投稿者のために,査読をめぐる主要な疑問や指摘を示すことを目的とする.内容:タイトルとキーワードは,自分の論文を他の研究者に読んでもらうための入り口である.投稿者は読者の目をひきつけるような魅力的なタイトルをつけ,自分の論文が共通のキーワード検索によって見つかりやすくなるように出来る限りMeSHキーワードを使用すべきである.和文抄録に関しては執筆要領にある小見出しをつけ,方法には研究デザインを示すこと,結果にはできるだけ主要データを示すこと,そして最後に結論ではその内容が引用されることを意識して記載することが重要である.また英文抄録は文法の修正だけでなく読みやすさにも気をつけて仕上げるべきである.最後に本文に関しては,諸言では総論から各論へ,考察では各論から総論へというストーリー展開をするとよい.また方法は専門家に読まれることを意識すること,結果に関しては図表の数を増やしすぎないようにし,結論につながるデータを明快に示すべきである.結論:基本的なミスを事前に防ぐことによって,論文の本質に関わる査読が可能になる.そのような査読をしてもらえるように,ぜひ基本的なルールをマスターし,明快で説得力のある論文作成にとりかかっていただきたい.
著者
山下丈太郎 編
出版者
魁文堂
巻号頁・発行日
1902

1 0 0 0 OA 日露会話

著者
三余学寮 編
出版者
田中宋栄堂
巻号頁・発行日
1904
著者
佐藤 守弘
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.37-48, 2000-09-30 (Released:2017-05-22)

Edo doro-e is defined as a group of landscape paintings which were produced in the late Tokugawa period using Western linear perspective and pigments called doro-enogu, especially the newly imported Prussian blue. The object of representation was mainly various famous places of Edo, especially feudal lords' residences (daimyo yashiki). The aim of this paper is to analyze the function of doro-e and locate it as a form of visual culture in the social context of the period. Through the iconographical and formal comparison with topographical representation of ukiyo-e landscape prints by Utagawa Hiroshige, the characteristics of doro-e can be defined as images that macroscopically portray the city's eternal and physical aspects with a rational gaze. Based on this definition, the function of doro-e is understood as the representation of the city of Edo as the capital of warriors, an image of the city in the imagination of lower-status warriors who came to Edo through the system of alternate attendance of feudal lords.
著者
松本 光人 浜田 龍夫
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.689-693, 1985

ウィスター系雄ラットを,1日の明暗サイクルのみが異なる,暗期に給餌するD群と明期に給餌するL群とに分けた. D群では午前3時から午前9時,午後3時から午後9時までを明とする, L群では午前9時から午後3時,午後9時から午前3時までを明とする6時間交代の明暗条件下,両群とも午前9時から正午まで高蛋白質食(HPD)を,午後9時から午前0時まで高炭水化物食(HCHD)をそれぞれ給与した.<br> D群の心筋グリーゲン量は,骨格筋,肝臓グリコーゲン,血糖値と同様, HPD摂取により減少し, HCHD摂取により増加した.<br> L群の心筋グリコーゲン量は, HPD摂取後増加し, HCHD摂取後減少し, L群の全平均値はD群に比較し有意(<i>P</i><0.001)に低かった.肝臓グリコーゲン,血糖値の変化はD群と同様であった.<br> 血漿遊離脂肪酸は両群とも採食により低下し,心筋グリコーゲンとの間に正の相関は認められなかった.<br> 心筋グリコーゲン量は,餌の摂取とその組成に加え,給餌期の明暗条件が関与し変動することが示唆された.
著者
厚生省公衆衛生局 [ほか]編
出版者
新日本法規出版
巻号頁・発行日
vol.(2)II 公衆衛生編(下), 1949