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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1936年03月30日, 1936-03-30
著者
吉良 貴之
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

本年度は「法時間論」の問題設定を具体化・明確化することに精力を傾注した。これは前年度に主に取り組んだ課題「世代間正義論」において摘出された「時間性」の問題を、法理論一般に応用することを目指すものである。「法時間論」の問題設定は、(1)「法による時間性」、(2)「法における時間性」の2つの柱によって具体化された。(1)は、社会に「時間的秩序」をもたらすものとしての法の役割に着目する。法は、過去および将来の実在論にコミットする必要はなく、あくまで「現在」において時間的秩序を打ち立てる装置として機能する。具体的にいえば、裁判は現在における証拠の整合性に基づいて「法的過去」を構成する営みであり、立法は将来の公共的価値を現在において「先取り」するものである。(2)は、こういった機能をもつ法そのものの内在的な時間構造を問題とする。法は「法的過去」からの一定の一貫性・連続性を保つことを要求されつつ、「法的将来」を規制するという時間構造をもつ。かかる時間性を内在させる一方で、普遍的=無時間的な価値の実現を目指すという、時間性と無時間性が両義的に絡み合った構造を法は有している。時間性と無時間性が絡み合った内在的な時間構造をもちつつ、社会に一定の時間秩序をもたらそうと試みるものが「法」であり、そのようにして捉えられた「法」の姿を、法内容独立的な服従理由としての「正統性」との関係から分析することの必要性が確認された。この問題設定に基づき、論文「憲法の時間性と無時間性」(仲正昌樹編『社会理論における理論と現実』)を執筆した。また、2008年度「日本法哲学会・分科会報告」にも応募し、査読を経た上、受諾された。いずれもいまだ序論的な性格のものであるが、問題設定を具体化・明確化したことによって、次年度以降の研究課題の基盤を構築することができたと考えている。
著者
平川 芳彦
出版者
社団法人 有機合成化学協会
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.325-331, 1977-05-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
10

Sulfur (S) is an element of 15th largely existed in earth's crust, 10th in universe, and 7th in human body. S circulates the environmental sphere in various chemical forms, but SO2 in atmosphere is largely responsible by human burning of S contained fuels and minerals. Underground resources of S and production type of S differ country by country. S content in crude oil varies ranging from less than 0.1% to more than 5% in every oilfield. Large S content unexpected from biological source theory of oil origin might be explained by that melted mineral origin elementary S in underground has met and dissolved into highly aromatic or naphthenic fractions of crude oil and secondarily converted to S compounds. Though supply of S as fertilizer to fields has been decreased, but SO2 has played an important role of natural supply of S to the earth, especially in highly populated metropolitan areas.
著者
伊藤 徹哉 飯嶋 曜子 小原 規宏 小林 浩二 イリエバ マルガリータ カザコフ ボリス
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2011年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.44, 2011 (Released:2011-05-24)

I. はじめに 1989年以降のいわゆる「東欧革命」を通じて,中・東欧各国は経済的には市場経済へと移行し,価格の自由化や国営企業の民営化が推し進められた。これに伴って物不足の解消や物価上昇といった経済的変化や失業者の増加などの社会的変化が生じ,また地域的な経済格差も拡大していった。農業経済を中心にする地域,とくに大都市から遠距離の農村では工業やサービス業の大規模な開発が困難であり,これらの地域は後進地域として社会的・経済的課題を抱えていることが指摘されている。 研究対象のブルガリアでは,現在も就業構造において農業経済への依存がみられる一方,「東欧革命」以降,首都ソフィアとその近郊をはじめとする大都市での経済開発も進展しており,農業地域と大都市との経済格差が拡大しつつある。本研究は農業経済を基盤とするEU新規加盟国のブルガリアを対象として,国内の地域的な経済発展における格差を国内総生産(GDP)と平均年間賃金に基づいて明らかにし,人口分布や人口移動などの社会的特性と,産業別就業者数と海外からの直接投資額などの経済的特性から経済格差の背景を考察することを目的とする。分析に用いた資料は,2008年9月,2009年9月および2010年8~9月の現地調査によって得られたブルガリア国立統計研究所 (National Statistical Institute) が刊行した統計年鑑や統計資料である。 II. 地域的経済格差 国内6つの計画地域Planning RegionごとのGDPに基づいて地域経済の変化を分析した。その結果,首都・ソフィアを含む南西部では活発な経済活動が認められる一方,その他の地域,とくに北西部と北中央部が経済的に低迷しており,しかも1999年以降においては南西部とその他の地域との差が拡大していた。 また,国内に28設置されているDistrict(以下,県)ごとの平均年間賃金(以下,年間賃金)に基づいて経済上の地域的差違を考察する。まず,全国平均の年間賃金は2009年において7,309BGN(レバ)であり,2005年における数値(3,885BGN)と比較すると,4年間で約1.9倍上昇した。県別にみると,南西部の首都・ソフィアの賃金水準が極めて高く,2009年では全国第一位の9,913BGNに達している。この値は全国平均(7,309BGN)の約1.4倍であり,全国第二位(7,696BGN)と第三位(7,602BGN)の県と比較しても突出している。首都・ソフィアの年間賃金は,もともと高水準であったが,近年さらに上昇している。また首都を取り囲むように広がるソフィア県の年間賃金も7,026BGNと全国平均には届かないものの,相対的に高い水準となっている。このように首都・ソフィアとその周辺部の一部では所得水準がもともと高く,それが近年さらに上昇している。一方,北西部と北中央部での年間賃金の水準は低く,2009年における年間賃金の最下位県の値を首都・ソフィアと比較すると,その2分の1の水準にとどまる。また2005年からの変化も小さく,賃金水準が低い状態におかれている。 III. おわりに-地域的経済格差の社会・経済的背景 地域的な経済格差の背景を人口分布や人口移動などの社会的特性と,産業別就業者数と海外からの直接投資額などの経済的特性から考察する。ブルガリアにおける地域的な経済格差の背景として,次の3要因との関連を指摘できる。第一に人口集中に起因する首都・ソフィアの消費市場と労働市場としての突出である。人口は首都・ソフィアが含まれる南西部に集中しており,2006年において総人口(769.9万)の27.5%を占める211.8万が南西部に居住する。とくに首都・ソフィアの人口規模は大きく,総人口の16%を占めている。第二に首都・ソフィアへの企業や主要施設集中に起因する資本集中であり,首都・ソフィアでの事業所数や就業者数の多さや,海外からの直接投資の集中傾向などが認められた。第三に農村と都市部での就業構造の差違と関連した農村地域での失業率の高さと首都への人口流出であり,賃金水準の高い業種である専門サービス業をはじめとする部門が首都や一部の大都市に集中しているため,農村からそれら都市への人口流出が著しい。加えて,農村でも耕地面積の拡大や機械化を通じた経営効率の向上が図られており,余剰人口の都市部への移動を加速している。
著者
西村 啓造
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.593-598, 1942-05-25
著者
坂口 尚史
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶応義塾大学日吉紀要 ドイツ語学・文学 (ISSN:09117202)
巻号頁・発行日
no.47, pp.135-150, 2011

小林邦夫教授 退職記念号 = Sonderheft für Prof. Kunio KOBAYASHIはじめに1. 「戦時の断想」にみられる, ドイツ文化のあり方2. 「第三の国」について3. 創作ノート「精神と芸術」
著者
大村 朋彦 小林 憲司
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.190-195, 2011-04-15 (Released:2011-10-08)
参考文献数
63
被引用文献数
1 4

高強度低合金油井管ならびにラインパイプの水素脆化現象および近年の開発状況を概説した.油井環境では硫化物応力割れ(Sulfide Stress Cracking, SSC)が硫化水素含有(サワー)環境からの水素吸収と引張負荷応力の元で発生し,このSSCが高強度油井管にとっては主要な問題となる.高強度油井管の耐SSC性の改善のため,様々な冶金的改善が取り組まれてきた.1990年代には110 ksi(降伏強さ758 MPa) 級の耐サワー油井管が結晶粒微細化とP, S, Mnなどの偏析元素の低減により開発されている.2000年代には,介在物の微細化,転位密度の低減,炭化物の形態制御により125 ksi(降伏強さ862 MPa)級の高強度耐サワー油井管も開発されている.水素誘起割れ(Hydrogen Induced Cracking, HIC)は低強度鋼と高強度鋼いずれにも負荷応力無しで起こり,ラインパイプにとって主要な問題となる.HICは伸延されたMnSなどの硫化物や板厚中央部の偏析硬化帯に沿って発生・進展する.65 ksi(降伏強さ448 MPa) 級の耐サワーラインパイプが介在物球状化ならびに加工熱処理(Thermo-Mechanical Controlled Process, TMCP)により広く商用化されている.さらに近年ではこれらの技術の進展により70 ksi(降伏強さ483 MPa)級の耐サワーラインパイプが開発されている.
著者
朝日 均
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.201-208, 2000-04-15 (Released:2011-12-15)
参考文献数
48
被引用文献数
1 9

OCTG (Oil Country Tubular Goods) and line pipes used for production and transportation of oil and gas are the major steel products which suffer hydrogen embrittlement (HE) because they are often exposed to wet hydrogen sulfide (sour) environments, where a lot of hydrogen enters the steel. Typical damage types of HE are hydrogen induced cracking (HIC) and sulfide stress cracking (SSC). First, hydrogen uptake behavior of the steel in sour environments are explained. Concerning HIC and SSC, their mechanisms and metallurgical controlling factors are outlined. Finally it would be understood that developments of OCTG and line pipes resistant to sour have promoted steel production technology for these several decades.