著者
井上 慶太郎 峯崎 俊哉 成嶋 弘
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.17-18, 1993-03-01

40人程度の従業員が勤務する24時間営業のコンビニエンスストアの勤務表を設計/調整する支援システム(エキスパート・システムのプロトタイプ)を開発した。勤務表設計問題は、「ある従業員とその勤務時間を別の従業員で代行する。必要ならば勤務時間を複数の時間帯に分割し、それぞれの時間帯を別の従業員で代行する。」というような従業員の配置換え問題(部分問題)に変換され問題解決される等の問題の性質から事例ベース推論(以下、CBRと略す)を適用している。本システムは、事例の修正/修復に他の推論系を併用せず、事例にのみ依存することを考えた。そこで事例をその機能的役割に応じ3種類に分類した。更に、対話型CBRシステムの形式を取ることで、設計者の介入を随所で許し各種事例の自動獲得を実現している。本稿では、このシステムにおける事例による推論制御を考察する。
著者
鶴 清 広瀬 茂男
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.639-647, 2012 (Released:2012-08-15)
参考文献数
12
被引用文献数
2 3

Wall-climbing robots having holonomic and omni-directional mobility would enhance the manipulation performance of the mounted arm and enable it to execute various tasks on the surface of large structures. This study focuses on the wall-climbing robots having permanent magnet attractive units to stick to the surface of iron structure such as atomic reactors and discuss the development of a specific holonomic and omni-directional wall-climbing mechanisms. Basic driving mechanism of the wall-climbing robot is based on our former invention named Omni Disk which consists of multiple rollers attached to one side of a rotating disk and having a mechanism to direct the rollers to the same direction. We firstly discuss about the mechanical improvements of the Omni Disk to make it lightweight and low cost. We next discusses about four types of methods to attach permanent magnets to the wall-climbing robot and generates attractive force on the iron wall and select the best type based on the motion experiments about the constructed models. As the result of these considerations, we developed a holonomic and omni-directional wall-climbing robot named Vmax III which consists of three Omni Disks having permanent magnet at their center having the function to change the magnetic attractive force. By using the Vmax III, we studied about the relation among the magnetic attractive force of three Omni Disks, posture of the Vmax III and inclination angle of the iron wall and clarified the optimized distribution of the magnetic attractive force of the Omni Disks in different inclination of the iron wall.
著者
大崎 紘一 〓 恰虹 李 貞子
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.365-373, 1999-02-15

本研究では, 地域の活性化に重要な役割を果たしている地域産業の経済的意義を定量化するため, 基本となる地域産業構造, 産業および住民の納税額, そして, 自治体からの地域社会への歳出額を基本要素とし, それらの間に対数線形関係を仮定した地域産業-生活関連モデルを提案する.まず, 地域に立地する製造業の基本特性は, 業種の多様性および業種別の従業員1人当たりの付加価値額を用いて示す.次に, 産業の地域社会への経済的貢献の程度は, 3大産業, 10大産業分類の従業員数と市町村税との間の対数線形関数で示す.さらに, 地方自治体の地域への施策が地域社会に直接関係していることから, 歳出項目と歳入項目との関係を対数線形関数で示す.そして, 中国地方と四国地方9県のデータを用いて提案しているモデルの妥当性を明らかにする.
著者
呑海 沙織
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.190-197, 2004-04-01

長年その必要性が説かれてきたにもかかわらず,日本の大学図書館において,サブジェクト・ライブラリアンは未だ根付いているとはいいがたい。本稿では、主として英国の図書館員およびサブジェクト・ライブラリアンを概観することによって,日本の大学図書館におけるサブジェクト・ライブラリアン確立への課題と可能性について考察する。
著者
尾崎 和洋
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, 2005-04-20

【はじめに】平成15年4月より「支援費制度」が開始された。そのねらいは、障害者の自己決定を尊重し、自らがサービスを選択、事業者と契約しサービスを利用するものである。当センターでは、その制度に対応すべく自己選択、自己決定を容易にする目的で「コース」を設定し社会生活力サポートプログラムを提供しているので報告する。<BR>【コースの紹介】1)仕事に就くコース。2)家庭で暮らすコース。3)ひとり暮らしコース。4)生活と身体を活性化するコース。5)これから考えるコース。6)その他のコース(職業訓練校、療護施設、老人施設など)<BR>【症例】脳卒中左片麻痺(54歳)男、糖尿病:Hba1c9,3%。高次能機能障害(左半側空間失認、注意障害)Br、stage:上、下肢―3、趣味:プラモデル作り。<BR>【経過】平成12年4月入所。FIM:84点。歩行:平行棒内歩行、通常移動車椅子。平成13年2月:歩行約300m可能。7月:室内歩行自立、約1km可能。Hba1c:6,3%。8月:在宅生活希望、オープンカンファレンス開催。平成14年1月:家庭外泊し問題点の把握を行う。3月:ひとり暮らし支援プログラム開始。地域への「外出自立度評価」条件付き自立。8月:歩数計を付け一万歩以上歩行可能。10月:個別浴室で自立入浴開始。12月:JRを利用し姫路へ外出可能。平成15年6月:ひとり暮らし時の糖尿病食の取り組み開始。10月:建て替え中の県営住宅完成、入居可能。12月:JRを利用し尼崎まで外出。平成16年2月:要介護度1が決定。6月:家屋調査、用具(レンタル、購入)居宅介護支援事業所と調整。7月:ひとり暮らし開始。FIM:118点。Hba1c:7,1%。8月:退所後の支援を行う。<BR>【各部署の取り組み】SW:ひとり暮らしについて尼崎市とオープンカンファレンス開催。県住入居手続き。在宅サービスの確認。<BR>PT:歩行能力の向上。JRを利用する外出。糖尿病に対する運動療法と自主トレーニングの定着。個別入浴動作の自立。<BR>OT:生活に必要な物品、糖尿病食、買い物の仕方、ATMの使用、ヘルパー、デイケアの利用内容の検討。<BR>NS:健康状態の定期検査。糖尿病教室。服薬管理。<BR>CW:日常生活、入浴時の援助。調理実習。金銭管理。<BR>【まとめ】1)社会生活力サポートプログラムを提供するには、アセスメントの充実、各部署の役割分担の確認と調整。利用者、家族への説明と同意、契約。<BR>2)今後の課題は利用者のニーズと状況に合わせたプログラム内容の工夫である。他部署との更なる連携。
著者
上田 真由美
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.237-237, 2017-02-15

かつて初等教育では「読み書きそろばん」の能力獲得が目指されていた.現在では,これらに加えて,コンピュータ活用力とコミュニケーション能力が必要不可欠であり,これらの能力獲得を目指した教育が初等教育だけでなく,高等教育でも行われている.近年,企業等からはデータサイエンティストを求める声が聞かれる.また,大学等でデータサイエンス教育も行われ始めている.しかし,「読み書きそろばん」と並ぶコンピュータ活用力は,もう少し基本的で,一般教養ともいえる必要最低限のコンピュータ活用力ではないだろうか.本コラムでは,高等教育機関で行う「コンピュータ活用力」とはどのようなものか考えていきたい.
著者
戸江 哲理
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.319-337, 2016

<p>家族社会学では, 家族を構造 (であるもの) としてではなく, 実践 (するもの・見せるもの) として捉える研究の道筋が切り開かれつつある. 他方で, 家族とは何かという問いを研究者にとっての問題である以前に, 市井の人々自身にとっての問題と捉える研究も登場している. 両者が合流するところに, 人々の立場からその日々のふるまいを検討するという研究課題が生まれる. 会話分析はこの研究課題に取り組む術を提供する. そこで本稿では, 親をすることや親だということを見せることが可能になるしくみのひとつを解明する. そのために本稿は, 母親が同じ場所にいる自分の幼い子どもを「この人」と呼ぶ発言とそれをふくむやりとりを検討する. この呼びかたは, 母親が子どもを子どもとして捉えていないように思えるだろう. だが, 分析の結果, そうではないことが明らかになった. 「この人」は, 近くにいる (「この」) 人物 (「人」) であること以外に, そう呼ばれた人物についていっさいの特徴づけを行わない. それによって, 「この人」はそう呼ばれた人物をめぐる隔たりを刻印する. 母親は, 自分の子どもを「この人」と呼ぶことによって, 普通の子どもとの隔たりを刻印する. あるいはその例外性を際立たせる. 子どもを例外扱いできる人物は, その子どもをよく知っている人物である. 母親は子どもを「この人」と呼ぶことによって, 自分がそんな人物であることを打ち出せる. 子どもを「この人」と呼ぶことは母親としての特権なのである.</p>
著者
廣本 由香
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.267-284, 2016
被引用文献数
4

<p>本稿の目的は, 福島原発事故を起因とした自主避難をめぐる「不条理な選択」の問題が, 自主避難者の生活を脅かす「広義の被害」 (舩橋1999) になりうることを明らかにすることである. 本稿では, 佐賀県鳥栖市の自主避難者を事例に, 避難の選択過程における経験世界の諸相を‹ゆらぎ›という概念で記述する. ‹ゆらぎ›は, 選択過程の動揺, 葛藤, 不安, 戸惑い, ためらい, わからなさなどが混在する心理的状況や自己認識であり, その変化をさす.</p><p>政策・法制度的な「加害―被害関係」では把握できない領域を‹ゆらぎ›という概念を用いて記述することで, 原発事故による生活の被害が, 損害賠償制度で認められる領域よりも広範で深刻であるとともに, 長期にわたり生活世界に潜在化・重層化することを示す. すなわち, 生活者の生活の視座から被害を考えたとき, 自主避難の‹ゆらぎ›は生活やそれを下支えする社会関係を揺るがす「広義の被害」となりうることを実証する.</p><p>今後, 政府の避難指示解除による「『強制避難者』の『自主避難者』化」 (除本2013) が加速する. 社会的制約を受けながら行われた自主避難も, 個人的選択の結果であるとみなす社会規範のもとで自己責任の問題として受け止められてしまう. こうした被害の個人化に陥らないためにも, 「広義の被害」の視座が自主避難者当人の「被害非認識」や「被害の潜在化」による被害の矮小化, 加害者側の「被害放置」を防ぐ手立てとなる.</p>
著者
西川 登
出版者
神奈川大学
雑誌
経済貿易研究 (ISSN:03865193)
巻号頁・発行日
no.17, pp.p35-45, 1991
著者
神保小虎 著
出版者
開成館
巻号頁・発行日
1902