出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1455, pp.136-138, 2008-09-01

食文化が異国で浸透していく過程を目の当たりにし、感慨にふけっていたのは前田英仁、46歳。低価格のセルフサービス式うどんチェーン「はなまるうどん」で讃岐うどんブームを巻き起こした人物である。 「やっぱり俺は立ち上げ屋だ」 前田の目は、生気に満ちていた。 「ウドンヤサン」はMIBという会社が経営する。2006年12月の設立時の社長は前田の妻であるナージェジダ。
著者
中空 萌
出版者
京都大學人文科學研究所
雑誌
人文學報 = The Zinbun Gakuhō : Journal of Humanities (ISSN:04490274)
巻号頁・発行日
vol.107, pp.159-187, 2015-09-30

本論文では,現代インドにおいてアーユルヴェーダが生物医療,代替医療,知的所有権制度 といった異なる知識制度との関連の中でその性質を定義され続けている過程を,接触領域における「翻訳」に焦点を当てながら描く。 インドにおけるアーユルヴェーダと他の知識システムの混交をめぐるこれまでの研究は,「アーユルヴェーダの根底的なパラダイムは他のシステムと接触しても不変のままである」あるいは「生物医療の導入がアーユルヴェーダの身体・人格観を根本的に変容させた」という二極的な立場に収斂していた。これらの議論は両者とも,アーユルヴェーダとその他の知識を首尾一貫した知識=治療パラダイムとして捉えている。それに対し本論文では科学人類学的アプローチに従い,知識を固定的な知識「体系」ではなく,常に生成し続けている不安定な実践と捉えた上で,異なる知識間の接触領域においていかに翻訳可能性が部分的かつ偶発的に見いだされるのか,複雑な交渉と比較の過程を照射する。 具体的には,(1)独立後にアーユルヴェーダの制度化を推進しようとしたmisra 派の知識人たちによる,生物医療概念とアーユルヴェーダの諸概念の翻訳,(2) 1980年代以降のグローバルな代替医療の潮流の中で欧米人患者を受け入れる,アーユルヴェーダ医師の実践,(3) 2000年以降,グローバルな製薬開発をめぐる動きの中でアーユルヴェーダを知的財産化しようとする「国家」研究機関の科学者たちのプロジェクトを取り上げ,それぞれ具体的な翻訳の文脈の中で,「アーユルヴェーダとは何か」がいかに立ち表れているかを素描する。それにより,アーユルヴェーダと他の知識システムとの具体的接触場面で展開している事象とは,「アーユルヴェーダ の本質の残存/喪失」といった一面的プロセス,すなわち知識間の差異の消失ではなく,翻訳可能性と不可能性の間の曖昧な領域において,新たな知識や思想,アイデンティティを生み出すものであると主張する。
著者
戸辺 義人 木村 兼江 中村 明
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第37回, no.アーキテクチャおよびハードウェア, pp.167-168, 1988-09-12

AIPは現在のところ、AS3000をホスト・プロセッサとするAI用バックエンド・プロセッサとして使用される。そのためAIPとホスト間の通信は重要な要素であり、高速性と安全性が要求されていた。開発初期においては、VMEバスをmmapにより割り当て、VMEバス上に接続したAIP主記憶に対してホストが直接アクセスできる方式を採用した。この方法は、ホストとAIP間の通信回数が減り通信オーバヘッドが小さくでき、AIP側のインタフェース・ソフトウェアを小型にできる長所があった。しかし次のような短所も考えられる。 (1)複数のホストがAIPを共有する場合、排他制御を行なうことができない。つまり1台のホストがAIPを使用中であっても、他のホストがAIPにアクセスすることが可能となる。 (2)AIP主記憶へのアクセスは、ホストがバス・マスタとなって行なうので、ホストがAS3000ではなくバス転送能力の低いプロセッサにした場合、通信効率が大巾に低下してしまう。 こうした短所を解消するため、ホストにAIP用ドライバを組込むと共にAIPがバス・マスタとなってデータ転送を行なう通信方式で、今回AIPのホスト・インタフェースを実現した。本稿において、新しく開発した通信手段について報告する。
著者
高田 信敬
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 = The Bulletin of The National Institute of Japanese Literature (ISSN:18802230)
巻号頁・発行日
no.10, pp.1-20, 1984-03-30

従来二葉のみ知られていた伝後光厳院筆竹取物語に、今回さらに二葉の新出資料を追加、物語断簡の投げかける諸問題についてその一端を明らかにしたい。なお鎌倉後期l南北朝写と思われる延べ書き「富士山記」もあわせ紹介。 Two more sheets of paper of newly found materials were added to “Den Gokogonin hitsu Taketori monogatari”(伝後光厳院筆竹取物語)which only two sheets of paper were known conventionally. I would like to clarify one end about the issues that dankan (fragments) of the story raised. In addition, nobegaki (Classical Chinese texts forms rewritten in Japanese) ”Fuji san ki”(富士山記)that is thought to be copied from the late Kamakura period to the period of the Northern and Southern Courts was also introduced.
著者
髙橋 昂也 前田 幸嗣
出版者
九州大学大学院農学研究院
雑誌
九州大学大学院農学研究院学芸雑誌 (ISSN:13470159)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.27-38, 2015-02

日豪EPAが2014年4月に大筋合意に至り,豪州産牛肉については,セーフガードを設定した上で,冷凍牛肉の関税率は19.5%,冷蔵牛肉の関税率は23.5%まで,それぞれ段階的に引き下げられることが決定した。また,現在,わが国が参加している環太平洋経済連携協定(TPP)交渉では,日米の協議において,牛肉の関税水準およびセーフガードが争点の1つとなっている。以上のようにわが国では現在,関税削減などによる国産牛肉生産への影響が懸念されているところである。そこで,本稿では,わが国における牛肉の貿易自由化に関する計量経済研究のサーベイを行い,牛肉の貿易自由化の影響を計量経済学的に分析する際の課題を明らかにする。
著者
マルハン ラジェシュクマール 原 邦彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.83, no.11, pp.979-989, 2000-11-25
被引用文献数
1

ワイドギャップ半導体であるSiCは, 高速のスイッチング用途における低損失パワー素子として性能向上がなされてきている.SiCのスイッチ素子が実現されれば, モータドライブシステムや高電圧直流送電において, 大きな変革をもたらすであろう.本論文では, 最近のSiCーMOSFETの構造とプロセス技術の進展を述べ, 蓄積層の大きなチャネル移動度を利用するノーマリオフ型エピチャネルトランジスタ設計の考え方を述べる.更にSiC結晶の高品質化からキーデバイスプロセスまで, パワーデバイス開発の取組みについても議論する.
著者
山崎 修
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.6, no.5, pp.360-373,407, 1954

Okino-Shima is a small island, belongs to Kochi prefecture, on the southern part of the Bungo Channel. As this island is on the border line of Kochiand Ehime prefecture, it has been being to keep the peculiar characteristics as the historical, economical and cultural point of contact between the southern power and the northern one. This is also due to the double-sided natural characteristics of the island. The southern part of the Bungo Channel on which the island lies, is the transitional area between the Pacfic and the Seto Inland Sea. Temperature is high in this area, therefore this island has the oceanic characteristics as the wild growing place of the subtropical plants.They got the abundant haul near the island, and fishing was the most important industry with agriculture. But now the main industry is agriculture with few fishing. They cannot extend their farm on the island, population comes also to the maximum. As the island is mountainious, the small terrace farm and the residential land is on the sharp slope. The most houses are low due to many starms.Historically the island was included in the market area of Uwajima before the war, but during the war it was included into that of Sukumo artificially owing to the rationing system. As the sea transportation between the island and Sukumo has been facilitated, their economic relation has been closed. But now it is going to be included into the market area of Uwajima.