著者
吉瀬 蘭エミリー 松山 博昭 細谷 知広 小川 哲弘 門岡 幸男
出版者
Japanese Dairy Science Association
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.93-101, 2010

現代,ストレスは大きな社会問題となっており,ストレスによって引き起こされる疲労や免疫力,感染抵抗性の低下が疾患の発症に繋がることも指摘されている。これまでに,ラットの腹腔内に投与したラクトフェリン(Lf)は,精神的なストレスを緩和することが報告されている。そこで本研究では,消化酵素に耐性を示す鉄・ラクトフェリン(FeLf)をヒトに経口投与し,精神ストレスに及ぼす影響について検証した。<br> ストレッサーとして用いた暗算作業負荷によりストレス反応が示された被験者24名を対象に,FeLf 833 mg を単回経口摂取するクロスオーバー試験を実施した。スーパークレペリンを用いた暗算作業負荷によるストレス反応は,心理調査,脳波,唾液中の各ストレスマーカーにより評価した。その結果,FeLf を摂取することにより中枢神経系および自律神経系における一時的な精神ストレス反応が軽減された。これらのことから,FeLf はストレス反応に影響を及ぼし,メンタル状態を改善することが示された。
著者
吉松 博信 坂田 利家
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.90, no.5, pp.902-913, 2001-05-10
被引用文献数
9 3

肥満症や肥満2型糖尿病の治療に食事療法と運動療法は欠かせない.しかし,継続して実行するとなると,多くの患者は治療から脱落し失敗する,肥満症患者特有の認知能,食行動,ライフスタイルと言った壁に阻まれ,患者はそれを凌駕出来ないからである.なかでも,その主体をなすのが食行動の「ずれ」と「くせ」である.栄養学的な知識だけで患者教育をしたり,それで効果がなければ疾患の怖さを武器に説得したり,言い換えると知識量による防御だったり,患者の恐怖感を煽るといった操作では,これらの障害を克服することは難しい.治療者に授けた知識そのものが「ずれ」と「くせ」に取り込まれ,患者の行動変容には結びつかないからである.治療者の役割として大切なことは,自分の食行動の問題点,具体的には「ずれ」と「くせ」に患者が自ら気付き,しかも治療経過の中でそれらを修復できるような治療的枠組みをどのように創っていくか,この一点にある.このような目的のために編み出された治療技法,その一つが「グラフ化体重日記」である.問題になる食行動の抽出,その修復,波形化されて描出される体重減少という報酬,この繰り返しが治療動機の向上とその長期的維持を可能にする.「咀嚼法」は満腹感の形成を促す.その結果,お腹がはち切れる程食べないと満腹出来ないと思い込んでいた患者に,摂取量は少なくても満腹できるのだと実感させることが出来る.つまり,肥満症患者の満腹感覚の「ずれ」を修復するのに有効な手段である.知識量の増加ではなく,患者自身が感じ取る感覚の修復,これこそが逸脱した脳機能を修復する最短距離なのである.
著者
井口 武夫
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
no.2, pp.1-32, 2001-10

Main purpose of this study is to analyze the concept and juridical nature of collective self-defence under the U.N.Charter and customary international law. The analysis covers the formulation of the right of self-defence prior to the establishment of the U.N.Organization and the drafting process of articles relating to collective self-defence in the U.N.Charter. Also the legal position of collective self-defence in the collective security system of the U.N. is analyzed. Important theories and latest practices of collective self-defence are explained and evaluated, including the function of Security Council and the Judgment of International Court of Justice, in Nicaragua's case. The study extends to the difference between individual and collective self-defence, as well as the controversy on legality and legitimacy of humanitarian intervention and of the use of force on the issues of unilateral intervention and armed reprisal Another major theme of this paper is to study Japan's constitutional and political constraints concerning collective self-defence and attitude of Japanese Government is closely observed. It has touched on U.S.-Japan security cooperation and the latest case of Guideline on defence cooperation..
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1302, pp.11-13, 2005-08-01

こんなキャッチコピーとともに、ユニクロの店頭に今、華やかな浴衣が並んでいる。柄は実に30種類。価格は巾着と帯がついて3990円で、7月28日までは2990円の「限定特価」だった。百貨店で購入する場合の半値以下。ブラウスを買うお手軽予算で、夏の夜、花火大会に出かけるための一式が揃う。 この浴衣は中国製だ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.820, pp.163-167, 2002-04-22

会議室の空気は,険悪な雰囲気でみなぎっていた。部屋を埋め尽くした80人もの参加者は,ほとんど口を開かない。延々と議論を続けているのは,テーブルを挟んで向き合った2人だけ。いや,それは議論と呼べた代物ではなかった。何とか逃げ道を見つけ出そうと必死の1人を,いきり立ったもう1人が,情け容赦なく追求する。
著者
和田 重司 ワダ シゲシ Wada Shigeshi
出版者
関東学院大学経済研究所
雑誌
経済系 : 関東学院大学経済学会研究論集 (ISSN:02870924)
巻号頁・発行日
vol.216, pp.90-100,

本書は,スミス経済学に関して久々に現れた包括的な分析であるだけではなく,経済学史の通説に関しても, わが国のスミス研究に関しても,まことに大きな問題提起をした意欲作である。問題がきわめて広範囲のものであるから,その全体を書評するのは容易な作業ではないし,著者が提起された問題すべてを一編の論考で一気に総ざらいすることはむしろ不可能であろう。しかし以下,前半において星野氏の主張の要点と思われるポイントのいくつかを摘記し,後半においてそれをめぐっての疑問を述べたいと思う。こうした書評を試みること自体が1 つの冒険ではあるが,久しぶりに現れた刺激的な労作にあおられて,評者は本書からより多くのことを学びとり,また今後ともさまざまな教示を仰ぐ期待を込めて,あえて不充分ながらも本書の要点と思われることのまとめとそれに対する疑問とを提示してみることにした。(以下の論述では「付加価値」という用語を著者の用法に従って,主として生産的労働が付加した価値のうち賃金を超える部分と対応させることにする。その場合,おおかた利潤だけを問題にし,地代の問題を度外視させていただく。本書の地代に関する問題点については,渡辺恵一氏の書評,「星野彰男『アダム・スミスの経済思想付加価値論と「見えざる手」』」,『京都学園大学経済学部論集』,第12 巻第13 号,2003 年3 月が,すでに詳しく検討している。)
著者
後藤 泰則 飯野 由香利 八坂 剛史
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.233-236, 2014-11-20

JFA公認ロングパイル人工芝ピッチが160箇所、公認以外を含めると全国に相当数ある。人工芝では、夏期における表面温度上昇による熱中症の問題が懸念される。熱中症対策として体温の上昇を抑える方法が研究されているが、サッカーの公式戦におけるハーフタイムは10〜15分間とされており、短時間で効果的に身体冷却を行う必要がある。本研究では、人工芝上の暑熱環境における試合中の屋外環境と生理的負担度、およびハーフタイムにおける16人の選手の脇の下・股関節・下腿部・足裏冷却前後の体重・心拍数・乳酸値等を測定した。その結果、人工芝の表面温度が高いことによる足裏への伝熱の影響や、脚部への輻射熱による負担度が大きいことが分かった。冷却方法の中でアイスパックによる身体冷却が血中乳酸値の低下においては最も効果的であることを示した。また、水道水による下腿部冷却も新たな簡易的な冷却方法として活用できる可能性を示唆した。
著者
姜 楠
出版者
長崎総合科学大学附属図書館運営委員会
雑誌
長崎総合科学大学紀要 = Bulletin of the Nagasaki Institute of Applied Science (ISSN:24239976)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.38-41, 2015-06-23

Kōfukuji, a temple of the Ōbaku Zen Sect in Nagasaki, Japan, contains a Chinese Cemetery with gravestones dating from 1757 to 1887. Past research indicated the presence of 111 gravestones commemorating the deaths of 128 people, almost all seamen involved in the Japanese-Chinese trade. Previous maps grouped these 111 gravestones in eight sections designated by the letters A to H. The author discovered five new gravestones in the cemetery and added a new section "I" to the map. This is a report on the discovery of the previously unknown gravestones, the information on the deceased gleaned from the gravestone inscriptions, and the significance of the discovery for further studies on the Chinese Cemetery at Kōfukuji.
著者
横井 敏郎
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
no.122, pp.107-123, 2015

This Study aims to clarify the decision process of the local education policy under the post-1955 political system in Japan, focusing on relations between the prefectural governor and the board of education, in the case of Katayama government in Tottori prefec ture. Firstly, we can find that a lot of new education measures got available in Tottori in the 2000s and they were promoted by the governor Yoshihiro Katayama. To the second, we can see that the pressure to the Board of Education from the governor was brought out by the Ministry of Education orientation and the closed organization culture of the Board of Education. The prefecture Board of Education were so poor in the ability for policy making and the resources to build up the education measures to contribute to local development. The governor had to activate the Board of Education through various routs like personnel affairs of the Board of Education, the collaboration in policymaking between the governor's office and the Board of Education. Thirdly, while the independence of Board of Education was expected, it remained at the position of the follower to the end. We found that the menber of the Board of Education could not make policies independently and represent the resident's preference, even if they got the support of the governor. From this case study, we see that it is very difficult for the Board of Education to obtain the democratic legitimacy even under the governor that attached great value to resident autonomy. It is a big challenge for us to explore the way to balance power in the local educational governance and enhance the democratic legitimacy of the Board of Education.
著者
小林 麻里子 奥脇 義行 川井 英雄
出版者
THE JAPAN ASSOCIATION FOR THE INTEGRATED STUDY OF DIETARY HABITS
雑誌
日本食生活学会誌 = Journal for the integrated study of dietary habits (ISSN:18812368)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.211-216, 2006-12-30
被引用文献数
1

<I>Staphylococcus</I>属菌及び<I>Streptococcus</I>属菌はPETボトル入り清涼飲料水中でも長時間の生存が可能な場合がある。そこで,これらの中で口腔内に常在していることの多い<I>S.aureus</I>と<I>S.pyogenes</I>の一定濃度の菌液を調製し, 菌数の変動を検討した。<BR>(1) <I>S.aureus</I>と<I>S.pyogenes</I>を接種した実験において, スポーツ飲料と乳酸菌飲料では<I>S.aureus</I>では菌数の変化が見られなかったが, <I>S.pyogenes</I>は5時間後までに死滅した。<BR>(2) むぎ茶飲料では<I>S.aureus</I>は増加し, <I>S.pyogenes</I>はわずかな減少を示した。<BR>(3) 紅茶飲料 (ミルクティ) は両菌種ともに増加した。<BR>(4) スポーツ飲料と乳酸菌飲料はpH3, むぎ茶飲料と紅茶飲料 (ミルクティ) はpH6程度であるため, 細菌の生存には成分も影響するが, pHの方がより強く影響することが示唆された。<BR>(5) むぎ茶飲料と紅茶飲料 (ミルクティ) との比較では, むぎ茶飲料はタンパク質, 脂質, 炭水化物を全く含まず, 原材料が麦の浸出液のみである。これに対し, 紅茶飲料 (ミルクティ) は乳成分 (牛乳, 脱脂粉乳など) や砂糖を含むため, 細菌の増殖に適した条件であると言える。<BR>(6) 黄色ブドウ球菌食中毒が発症するエンテロトキシン量は平均100~200ngとされる。これは, 食品中における<I>S.aureus</I>が10<sup>6</sup>cfu/g以上と同レベルの増殖である。本研究の紅茶飲料 (ミルクティ) では, 接種24時間後でもっとも増殖した試料でも10<sup>4</sup>cfu/mL程度である。このためエンテロトキシンが産生される条件に満たなかったと考えられた。
著者
小林 麻里子 奥脇 義行 川井 英雄
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 = Journal for the integrated study of dietary habits (ISSN:18812368)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.211-216, 2006-12-30
参考文献数
10
被引用文献数
1

&nbsp;&nbsp;<I>Staphylococcus</I>属菌及び<I>Streptococcus</I>属菌はPETボトル入り清涼飲料水中でも長時間の生存が可能な場合がある。そこで,これらの中で口腔内に常在していることの多い<I>S.aureus</I>と<I>S.pyogenes</I>の一定濃度の菌液を調製し, 菌数の変動を検討した。<BR>(1) <I>S.aureus</I>と<I>S.pyogenes</I>を接種した実験において, スポーツ飲料と乳酸菌飲料では<I>S.aureus</I>では菌数の変化が見られなかったが, <I>S.pyogenes</I>は5時間後までに死滅した。<BR>(2) むぎ茶飲料では<I>S.aureus</I>は増加し, <I>S.pyogenes</I>はわずかな減少を示した。<BR>(3) 紅茶飲料 (ミルクティ) は両菌種ともに増加した。<BR>(4) スポーツ飲料と乳酸菌飲料はpH3, むぎ茶飲料と紅茶飲料 (ミルクティ) はpH6程度であるため, 細菌の生存には成分も影響するが, pHの方がより強く影響することが示唆された。<BR>(5) むぎ茶飲料と紅茶飲料 (ミルクティ) との比較では, むぎ茶飲料はタンパク質, 脂質, 炭水化物を全く含まず, 原材料が麦の浸出液のみである。これに対し, 紅茶飲料 (ミルクティ) は乳成分 (牛乳, 脱脂粉乳など) や砂糖を含むため, 細菌の増殖に適した条件であると言える。<BR>(6) 黄色ブドウ球菌食中毒が発症するエンテロトキシン量は平均100~200ngとされる。これは, 食品中における<I>S.aureus</I>が10<sup>6</sup>cfu/g以上と同レベルの増殖である。本研究の紅茶飲料 (ミルクティ) では, 接種24時間後でもっとも増殖した試料でも10<sup>4</sup>cfu/mL程度である。このためエンテロトキシンが産生される条件に満たなかったと考えられた。
著者
吉水 守 木村 喬久
出版者
The Japanese Society of Fish Pathology
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.243-261, 1985
被引用文献数
4

特異抗体感作 staphylococci を用いた coaggulutination test の細菌性およびウイルス性疾病迅速診断への応用について検討した。病魚の腎臓あついは患部の加熱抽出液を抗原とする coagglutination test によりサケ科魚類の細菌性腎臓病, セッソワ病, ビブリオ病およびコイ科魚類の"穴あき病"の迅速診断が, また病魚の内臓ホモゲナイズ濾液を抗原としてIPNの迅速診断が可能であった。さらに本法により自然凝集性 A. salmonicida の血清学的識別, V. anguillarum およびIPNの血清型別も可能であった。

1 0 0 0 OA 特殊部落史

著者
高橋貞樹 著
出版者
更生閣
巻号頁・発行日
1924