著者
坂井 真 井辺 時雄 根本 博
出版者
農業技術研究機構作物研究所
雑誌
作物研究所研究報告 (ISSN:13468480)
巻号頁・発行日
no.4, pp.1-15, 2003-02
被引用文献数
4

「クサホナミ」は、中国農業試験場において交配されたアケノホシ/中国113号の交配組合せの後代より、作物研究所(旧農業研究センター)で選抜・育成されたホールクロップサイレージ用の水稲品種である。2000年に関東飼206号と付名され、地域適応性や飼料適性が検討されてきた。2002年に水稲農林378号として登録され、「クサホナミ」と命名された。この品種の特徴は以下の通りである。1. 出穂期は「日本晴」より9日程度遅く、"晩生の早"に属する。稈長は「日本晴」よりやや長い"長"で、一穂粒数の非常に多い極穂重型の草型を持つ。強稈で耐倒伏性は強く、湛水直播栽培での転び型倒伏にも強い。2. 収量性が高く、育成地での移植栽培では標準品種の「日本晴」より地上部全重で約17%、子実重で約25%多収である。また、ほとんどの試験地、栽培様式において、地上部全重、子実重とも標準品種の収量並かそれを上回り安定して多収を示す。3. ホールクロップ乾物中の可消化養分総量(TDN)含量は60%程度であり、食用水稲品種並みである。ホールクロップサイレージの飼料価値ならびに産乳成績は輸入チモシー乾草にやや優り、粗飼料として適性を持つ。4. いもち病には真性抵抗性を保有し、圃場抵抗性程度は不明である。白葉枯病抵抗性は"中"である。縞葉枯病には抵抗性を示す。5. 以上の多収性、強稈性、直播適性、飼料適性などの特性から、「クサホナミ」はホールクロップサイレージでの飼料利用に適すると考えられる。
著者
山崎 律子 本多 泰揮 原田 潮 鈴木 裕二 大塚 吉則
出版者
日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.165-171, 2007-05

Purpose: Half-body bathing is popular among young women as well as elderly people. As a matter of fact, it is reported that half-body bathing has a smaller burden than whole-body bathing from the point of physical influence. To clarify the relation between bathing habitude and health maintenance, that is, as an approach to general understanding the physiological effects by repeating bathing stimuli, the physiological changes by continuing half-body bathing were studied. Methods: Half-body bathing was repeated for 4 weeks in healthy female subjects (N=10, age:30.1±4.8, height:160.4±6.1cm, weight:55.6±7.0kg, body mass index:20.9±1.6kg/m2, mean±SD). Bathing was performed for 30 minutes and 3times a week, with a level of epigastrium without immersing arms. Changes of blood flow and energy expenditure were measured during bathing at 0W and 4W. Results and Discussion: By continuing bathing, blood flow increased more rapidly and higher during bathing, in addition, resting energy expenditure increased by 200 kcal/day with a significant difference. From these findings, it is assumed that repeated half-body bathing enhances the increase of blood flow through repeating thermal stimuli, which leads to elevated basal metabolism.
著者
谷村 亮介 廣森 聡仁 梅津 高朗 山口 弘純 東野 輝夫
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム(MBL) (ISSN:21888817)
巻号頁・発行日
vol.2015-MBL-75, no.32, pp.1-8, 2015-05-21

冬季に多量の積雪がみられる積雪都市においては,降積雪が交通流に大きな影響を及ぼしている.路面上に雪が堆積することにより,自動車が道路を走行しにくくなるだけでなく,堆積した雪が道路脇に積み上げられることで道路の幅員が狭くなるため,その道路の交通容量は大きく低下する.降積雪が道路交通に与える影響の把握は,積雪都市における交通計画管理上重要な課題である.本研究では,世界有数の積雪都市である札幌市において,ブローブカーデータから得られる道路交通情報,及び降雪量や積雪量などの気象データを収集し,これらのデータを重回帰分析によって分析することで,気象条件の変化に伴う道路交通速度の変動を推定するモデル式を作成する手法を提案する.札幌市内の実道路上のプローブカーデータを用いて提案手法によるモデル構築を行った結果,重相関係数が 0.844 の重回帰式を作成でき,雪道の交通速度の低下は気象データによってある程度説明可能であることを示した.また,複数の路線を対象にしたモデル構築の結果から,ある路線では積雪量以外にも前日最高気温が速度低下に影響を与えていたのに対し,別の路線では前日日照時間が速度低下要因となることなどがわかった.
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1021, pp.78-80, 2014-04-10

現在は富山市で活動する濱田氏だが、1993年に事務所を設立してからの約1年半の間は東京・池袋の小さなワンルームをオフィスにしていた〔図1〕。8畳程度(約14m2)の面積で間に合ったのは、「下請け仕事からコツコツ始めよう」と考え、オフィスは実務作業を行う…
著者
杉浦 宣彦
出版者
中央大学
巻号頁・発行日
2004

博士論文
著者
人見 光夫
雑誌
DAシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.1-2, 2014-08-21
著者
中山 恵二 三神 寛 濱松 優 青木 雅子 西 原潔 中村 進一
出版者
The Japanese Skin Cancer Society
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.297-299, 1991
被引用文献数
1

75歳女性の腹部に発生したエックリン汗管癌の1例を報告した。数年前より毎年暑くなると腹部に紅斑が出現。涼しくなると, 軽快することを繰返していた。初診時, 腹部に27×36mmの中心に潰瘍を形成する楕円形の結節を認めた。病理組織学的所見: 腫瘍細胞は表皮直下から一部脂肪織にかけて充実性に増殖しており, 細胞の大小不同, 核の異型性など悪性像を示し, 小管腔構造を伴って小胞巣を形成しながら増生していた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1156, pp.27-29, 2002-09-02

東京駅から丸の内側の改札を出て足早にコンコースを抜けると、丸の内のビル群の姿がゆらゆらと水面に映っていることに気づく。駅前のロータリーを流れる水の上には、ゴンドラ船のタクシーが客待ちをしている。都心部の主要な道路がすべて水路に変わる——。 東京の夏は、ヒートアイランド現象が進んで年々暑くなる傾向にある。
著者
菅野 洋光
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.83, no.2, pp.241-249, 2008-02
被引用文献数
1

東北地方では、梅雨季から夏にかけて「やませ」と呼ばれる低温の東よりの風が吹く。やませは、日本の北にオホーツク海高気圧が出現し、本州南岸付近に低気圧や前線が停滞するような気圧配置で発生する。また、やませは平年でも15〜30日程度は吹走して、主に東北地方太平洋側に低温をもたらすが、夏の太平洋高気圧の勢力が十分に強ければ、盛夏期にはほとんど吹かず、東北地方も関東地方並みに暑くなる。ところが、太平洋高気圧が弱く、梅雨前線を十分に北まで押し上げられない夏もある。そのような場合、オホーツク海高気圧の勢力が強く、やませが10日以上も吹き続ける。そして、8月になっても梅雨が明けず、冷夏が決定的になる。さて、このような不安定な気象条件下では、的確な気象予測に基づいた早期の被害軽減策を施すことが有効であると考えられる。そこで、2003年冷害を受けて発足した、先端技術を活用した農林水産研究高度化事業プロジェクト「やませ気象下の水稲生育・被害予測モデルと冷害回避技術の開発(2004〜2006年)」で、気象予測データを基にした農作物被害軽減情報のウェブサイトを作成し、冷害などの異常気象による被害軽減の支援を開始した。
著者
星野 晴彦 高木 誠 土谷 治久 高木 康行
出版者
The Japan Stroke Society
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.480-488, 1998-10-25
被引用文献数
2 1

1年間に入院した急性期のアテローム血栓性脳梗塞28例,ラクナ梗塞57例,心原性脳塞栓25例,分類不能の脳梗塞11例,脳出血31例を対象に,初期治療までに要した時間を検討した.睡眠中発症例は25例(16.4%)あり,アテローム血栓性脳梗塞とラクナ梗塞で多かった.発症からCT撮影までの平均時間は,心原性脳塞栓症が2.06時間,脳出血が6.84時間,アテローム血栓性脳梗塞が20.78時間,ラクナ梗塞が38.69時間であった.CT撮影までに要した時間は,救急車で来院,救急外来を受診,他院受診せずに直接来院,臨床病型で心原性脳塞栓症と脳出血が有意に早かった.発症3時間以内にCT撮影が終了しているものは36例(23.7%)あり,心原性脳塞栓症が15例(60.0%),脳出血が15例(48.4%),ラクナ梗塞5例(9.1%)であった.しかし,抗血栓療法が開始されたのは発症3時間以内は1例もなく,6時間以内でもラクナ梗塞の2例と心原性脳塞栓症1例にすぎなかった.早期初期治療のためには,脳血管障害が疑われたならば救急車を呼ぶことの啓蒙と,来院後の早期治療開始の院内のシステム作りが必要と考えられた.