著者
清家 暁 二本木 俊二 海野 徹也 中川 平介
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
雑誌
生物圏科学 (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.23-29, 2002
被引用文献数
3

島根県江の川において産卵期のアユ42個体の由来判別を耳石Sr/Ca比を用いておこなった。放流実績からすれば江の川水系には天然アユの他,琵琶湖産,人工海産アユが生息している。産卵群42個体の由来を判別した結果,天然アユは13個体,人工海産が26個体となり,湖産アユは皆無であった。したがって,江の川においては湖産アユが海産系アユの産卵行動に関与している可能性は低いと考えられた。Stock separation for spawning population of ayu Plecoglossus altivelis in the Gouno River was conducted using otolith Sr/Ca concentration ratio. Based on stock enhancement record, coexistence of amphidromus, hatchery-reared and landlocked ayu can be expected in the spawning population. In case of stock separation in the spawning population carrying out the otolith Sr/Ca ratio, 29 and 13 out of 42 individuals were categorized as the hatchery-reared and amphidromus ayu, respectively. The result of no landlocked ayu in the spawning population suggests that the contribution of the landlocked ayu to spawning and reproduction can be neglected at the Gouno River.
著者
砂川 亜里沙
出版者
新領域創成科学研究科環境学研究系社会文化環境学専攻
巻号頁・発行日
2008-03-24

学位授与年月日: 2008-03-24 ; 学位の種別: 修士 ; 学位の種類: 修士(環境学) ; 学位記番号: 修創域第2686号 ; 研究科・専攻: 新領域創成科学研究科社会文化環境学専攻
著者
生駒 忠昭 脇川 祐介
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

有機物質からなる薄膜における電気の流れやすさが外部磁場によって変化する現象を磁気伝導効果という。本研究は、磁気伝導効果を利用して有機太陽電池の中でおこる荷電キャリアが関係する反応を明らかにした。電子と正孔の再結合反応・励起子とキャリアの衝突に由来するトラップ反応・一重項励起子解裂の存在を明らかにした。本研究で開発した解析方法は、太陽電池素子を破壊せず動作条件下(室温・太陽光照射・低電圧)におけるキャリア反応を半定量的に評価できる新しいデバイス評価技術である。
著者
伊藤 直之 伊藤 洋一 村岡 登 増田 健一 金井 一享 近澤 征史朗 堀 泰智 星 史雄 樋口 誠一
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.17-21, 2014 (Released:2014-04-26)
参考文献数
14
被引用文献数
1

非季節性の?痒性皮膚炎をともなう犬139頭について,リンパ球増殖反応と定量的血清IgEレベルを検査した。検査した犬の103頭(74.1%)と73頭(52.5%)が,それぞれリンパ球増殖テストおよび血清IgEテストで,一つ以上の食物アレルゲンに対して陽性だった。多くの症例で複数の食物アレルゲンに反応し,しかも,反応しているアレルゲンは,リンパ球増殖テストと血清IgEテストで必ずしも同一ではなかった。これらの成績から,非季節性の?痒性皮膚炎をともなう犬では,食物アレルゲンに感作されている割合が予想以上に高いことが示された。また,非季節性の?痒性皮膚炎をともなう犬の中に、多くの食物アレルギーの症例が含まれている可能性が示唆された。犬の食物アレルギーの診断および治療には,除去食・暴露試験が必要とされることから,アレルゲン特異的なリンパ球増殖テストと血清IgEテストを同時に実施することは,非季節性の?痒性皮膚炎をともなう犬において,除去食および暴露試験における食物アレルゲンの選択に有用であると考えられる。
著者
仙石 新
出版者
日本地図学会
雑誌
地図 (ISSN:00094897)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.25-31, 2003-10-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
7
著者
Evin R. Adolph Danny W. Scott William H. Miller Jr. Hollis N. Erb
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.9-15, 2014 (Released:2014-04-26)
参考文献数
35
被引用文献数
2 9

テトラサイクリンとナイアシンアミドを12例の円板状エリテマトーデス(DLE),3例の肛門周囲/陰部周囲エリテマトーデス(PPLE),1例の水疱型皮膚エリテマトーデス(VCLE)および1例の剥脱型皮膚エリテマトーデス(ECLE)に投与した。DLE 12例中8例(67%)およびPPLE 3例中3例(100%)では十分に制御できた。ECLEでは部分的な反応であり,VCLEでは無反応であった。
著者
大西 雅也
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.100-102, 2002-02-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
15
著者
上出 健二
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.405-407, 2001-06-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
12
著者
中田 裕康
出版者
法曹会
雑誌
法曹時報 (ISSN:00239453)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.577-596, 2014-03
著者
亀山 俊樹
出版者
藤田保健衛生大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

イントロンの長さは100塩基以下のものから数十万塩基にも及ぶ巨大なものまで多様である。従ってスプライシング反応のイントロンが切出される際に生じる副産物<投縄状RNA中間体>の大きさもまた多様である。次世代シークエンサーを用いた癌細胞由来投縄状RNAスプライシング中間体の網羅的な配列決定には、様々なサイズの投縄状RNAから高品質のライブラリー作製が必須である。しかしながら特に巨大な投縄状RNAは生化学的にも物理的にも壊れやすく、高品質の投縄状RNAを精製することが非常に困難であった。様々なRNA抽出法を試した結果、ゲノムDNA抽出操作と同様全ての操作に物理的にマイルドな処理を行うことが重要であった。今回直面し解決した問題点に留意しながら現在高品質投縄状RNA中間体ライブラリーの作製を行っている。
著者
川出 敏裕
出版者
法曹会
雑誌
法曹時報 (ISSN:00239453)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.1-26, 2014-01
著者
小野 美知子
出版者
岩手医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

研究期間内に実施した、ヘンリー・ソローの教育哲学に関する研究及びその成果として挙げることができるのは、子供の頃にソローが経営する学校の生徒でもあった、ルイザ・メイ・オルコットのソロー観、他の哲学者たちとの比較においてソローの自由と教育に関する見解を論じた"Thoreau and Freedom"、「成長」との関連における四季の循環の意義についての論文の三編、および2013年に音羽書房鶴見書店から出版された、ソローの教育哲学と自然観察に関する著書、Henry D. Thoreau: His Educational Philosophy and Observation of Natureである。
著者
中島 江梨香 上野 智永 市野 良一 武田 邦彦
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.159-168, 2014-04-25 (Released:2014-04-25)
参考文献数
34
被引用文献数
2

高分子材料の欠点である燃焼性を克服するために,高分子材料の熱分解と燃焼性について研究を行ってきた.高分子化合物の熱分解は,主鎖のランダムな分解,あるいは高分子鎖の末端で三量体などの化合物を生成する場合,解重合が起きる場合がある.本報では,ランダム開裂とともに末端の特定部位からの開裂が同時に起こる,ポリプロピレンとポリスチレンについて熱分解と燃焼性の関係性を研究した.熱分解生成物ばかりではなく,高分子材料の分子量が大きな影響を与えることを見いだした.分子量の違いによって燃焼状態が異なり,分子量の高い試料と低い試料では熱分解後の分子量分布の変化が異なること,特定の燃焼条件下ではある特定の分子量において燃焼しないということが明らかになった.ポリオレフィン類およびポリスチレンのように社会で大量に使用されているプラスチックにおいて,構造的に燃焼しないものが発見されたことは今後安心安全な社会の進展に大きく寄与する.