著者
中村 康夫
出版者
一般社団法人日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.140-149, 1979-12-30
被引用文献数
3 3

The prevision or estimation of rock durability is a very important and complex problem in engineering geology and civil engineering. Especially the durability of rocks for use as riprap of fill dams has a close relationship to their safety. the author has been studying on the durability of various rock s for use as riprap of fill dams by means of laboratory freezing and thawing test. As the first step, obtained results are as follows. (1) The deterioration characteristics of rocks are classified into following three types. A: No deterioration occurs in matrix itself. Sudden break to two or more pieces occurs along cracks after repeating certain freezing and thawing cycles. B: Progressive deterioration occurs in matrix itself. Exfoliation from the surface of test pieces occurs at any freezing and thawing cycles. C: Intermediate type between A and B. Type A rocks seem to be durable and no problem will occur for using as riprap of fill dams unless break will occur within the setting cycles. Durability of type and C rock can be estimated by the value of weight loss at the setting cycles. (2) Under freezing and thawing test, changes of saturation moisture content, effective porosity, dry density, coefficient of dynamic elasticity and shore hardness have a close relationship to the deterioration characteristics of rocks and can be classified into several patterns. (3) Freezing and thawing should be repeated at least 100 cycles to estimate rock durability. if it continues extra 100 cycle (i.e. 200 cycles), more precise estimation can be done on many deterioration characteristics of rocks, for example, the rate of deterioration. The rocks that weight loss occur less than 10% at 200 cycles are very durable and seem to cause no problem using for riprap of fill dams. (4) The durability of rocks can be estimated to some degree from initial values of the physico-mechanical properties. bu such method is very rough and sometimes even unreliable. In order to estimate the durability of rocks more precisely, it is necessary to make direct accelerated deterioration experiments such as freezing and thawing test and measure various changes of physical properties.
著者
最所 圭三
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

Webサーバへのアクセス集中により十分な応答ができないとき,クラウド上で提供されるキャッシュサーバをアクセス量に応じて用いてサービスを提供するWebシステムを構築するための機能の開発を行った.具体的には,Webサーバの負荷量を監視する負荷監視機能,アクセスの振り分け先を設定する振分先設定機能,キャッシュサーバの起動・停止を行うキャッシュサーバ管理機能を開発した.これらの機能をソフトウェアロードバランサやDNSと組み合わせることで目的のシステムを構築できる.さらに,キャッシュサーバでのサービスの質を向上させるために,キャッシュサーバからのアクセスをWebサーバで優先的に処理する機能も開発した.
著者
乾 直輝 渡邊 裕司 千田 金吾
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

肺癌患者46名を対象にS-1代謝に関与する薬物代謝酵素CYP2A6の遺伝子多型を検討したところ、CYP2A6*4アレルが17.4%の割合で認められた。CYP2A6*4アレルを持つ患者では、多型を持たない患者に比べ、5-FUの最高血中濃度や濃度曲線下面積が低く、プロドラッグであるテガフールの血中濃度が増加していた。CYP2A6遺伝子多型に関する知見は効率的なS-1の投与法の確立のための有用と考えられた。
著者
大井 信一 赤坂 総一郎
出版者
富山大学
雑誌
富山大学工学部紀要 (ISSN:03871339)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.61-64, 1961-03

06/02/02 08:09ウラン光度定量において,過酸化水素,チオシアン酸塩,黄血塩その他の無機試薬を用いる方法は一般に簡便であるが,鋭敏度はわるい。有機試薬は一般に選択性に乏しいが鋭敏警はすぐれているものが多く例えば,ジベンゾイルメタン,2-アセトアセチルピリジン,オキシン,1-(2-ピリジルアゾ)-2-ナフトール等がある。更に菅野によりケルセチンスルホン酸,フラボノール等のすぐれた試薬が報告された。之等有機試薬は妨害元素の分離又は隠ぺいの適当な方法を併用すれば,すぐれたウラン定量用試薬であり今後ますますこの種の有機試薬が見出されることと思われる。著者等はウランと錯化物をつくる事が報告された2,2'-ビベンズオキザゾリン,(以下BBOと略記する)およびビスサリチリデンエチレンジアミン,(以下,BSEと略記する)について光度定量用の試薬としての適用性について検討した。これらの試薬は何れも中性ないし弱アルカリ性においてウランと反応しBBO錯化合物はイソアミルアルコールに抽出されて青紫色,BSE錯化合物はクロロホルムに抽出されて黄色を呈しそれぞれ溶剤5ml中前者は2μg,後者は4μg迄のウランの定量が可能であることがわかった。鋭敏度はかなり良いが,鉄,コバルト,マンガン,ニッケル等とも反応し妨害をうけるのでこれらのイオンは予め除いておぐか,隠ぺいしなければならない。
著者
重田 眞義 伊谷 樹一 山越 言 西 真如 金子 守恵 篠原 徹 井関 和代 篠原 徹 井関 和代 峯 陽一 西崎 伸子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究プロジェクトは、エチオピアにくらす人々によって絶え間なく創り出される様々な知(=在来知)の生成過程をこれまで認識人類学がふれなかった「認識体系と社会的な相互交渉の関係」と、開発学が扱わなかった「有用性と認知の関係」の両方を射程に入れて、グローカルな文脈に位置づけて解明した。さらに、この研究であきらかになった点をふまえて、研究対象となる社会への成果還元に結びつくような研究活動を展開した。
著者
中山 祐一郎 梅本 信也 草薙 得一
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.97-106, 1997-08-30
被引用文献数
2

オオバコ種内2型の生活史特性とその成立過程を検討するために, 京都市北東部の8集団を供試して栽培実験と発芽試験を行い, さらに, 自生地での季節消長を調査した。1) minima 型は普通型よりも全乾物重が小さく, 早く出穂し, 繁殖分配率が大きかった(Fig. 1, 2およびTable 2)。また, 年間の種子生産数は, 栽培1年目では2型間に差異はなかったが, 栽培2年目では普通型がminima型を大きく上回った(Table 2)。2) 普通型では, 明条件下で20℃から30℃までのいずれの温度区でも高い種子発芽率が得られた。一方, minima型では25℃で種子発芽率が最大となり, 20℃では発芽速度が顕著に遅かった(Fig. 3)。3) 普通型が生育する畦畔や農道では, 植生が密で, 成熟個体の死亡することが少なく, 競争が激しかった。一方, minima型が生育する神社の境内では, ストレスが大きく, 乾燥した夏の掃き掃除や不定期な除草, 改修工事などの攪乱が予測不能な死亡要因として作用していた(Fig. 4)。また, 出芽の時期は2型間で異なった(Fig. 4)。以上のことから, オオバコ種内2型の生活史特性は, ストレスや攪乱, 競争の質や程度が異なるそれぞれの自生地の環境に適応して成立したものと推定された。
著者
梶谷 桂子
出版者
広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

我々は、浸潤生乳管癌178例に対して免疫組織化学的染色によってWnt5aの発現とER, HER2などの臨床病理学的因子との関連性を検討した。その結果(1)全178例中、Wnt5a陽性乳癌は69例(39%)であり、Wnt5a発現とERは有意に相関していた。(2)ER陽性乳癌153例におけるWnt5a発現の意義を検討したところ、リンパ節転移、核グレード、リンパ管侵襲、脈管侵襲との間に有意な相関を認めた。(3)無再発生存期間を比較すると、Wnt5a陽性乳癌はWnt5a陰性乳癌よりも短かった。以上より、Wnt5aはERの発現と相関が強く、ER陽性乳癌においては予後予測因子になることが明らかになった。
著者
鳩貝 太郎
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.115, no.1, pp.56-60, 2007
被引用文献数
2 1

わが国では法的な根拠を持った学習指導要領が教科・科目の内容等を定め,それに沿った教科書が発行されている。現行の高等学校学習指導要領では理科は11科目からなり,それらから必要な科目を数科目選択することになっている。そのため,生物Iの履修率は約67%,生物IIは約18%である。現状では生物に関する基本的な内容を学ばないまま高等学校を卒業する生徒が少なくない。高校生の3分の2ほどが選択している生物Iの内容にはヒトの遺伝,変異,進化,生態に関する内容及び生命現象の仕組みを分子レベルで扱うことなども含まれていない。学習指導要領で生物の内容を充実させることと,生物の基礎・基本の定着を図る指導の充実が求められている。<br>
著者
牛島 光一
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

本研究プロジェクトの目的は健康と教育間の因果関係を明らかにすることである。平成24年度は本研究フロジェクトの第二年目であり、教育が健康に与える影響について研究を進めた。この研究では、親の教育水準が高いほど子供の病気を正確に評価できるという仮説を、二つの自然実験的状況((1)医療保障制度改革、(2)教育制度改革)を利用することで検証する。現在、親の教育水準と子供の健康間の除外変数(遺伝的な健康状態、時間選好など)を考慮した研究の蓄積は進んでおらず僅かに、母親の教育水準と乳幼児の健康の因果関係が明らかになりつつある状況である。本研究の分析方法を用いることで、これまで因果関係が明らかになっていない、母親の教育水準と小児の健康の因果関係を明らかにすることができる。本年度は、前年度にタイの家計調査データ(Health and Welfare Survey、2000、2003、2004、2005)から構築したデータセットを用いて分析を行った。このデータセットを用いて、観察された子供の入院率の医療保障制度改革前後の変化と親の教育水準の関係について分析を行った。分析の結果、以下の4点が明らかになった。(1)就学前の子供は、母親の教育水準が低い場合のみ制度導入によって、他のグループよりも入院率が有意に高くなった。(2)この入院率の上昇によって、就学前の子供の入院率は、就学後の入院率と同程度なったので、就学前の子供が過剰な医療サービスを受けたわけではない。(3)父親の教育水準は子供の入院率の変化とは、有意な関係ではなかった。(4)全国レベルの死亡統計によると、制度改革によって、就学前の子供の死亡率のみが減少していた(約43%減少)。従って、分析の結果より母親の教育水準が低いほど子供の健康評価能力が低く、その結果として、子供の健康資本の蓄積が阻まれることが示唆される。
著者
伊藤 友孝 谷 重喜 鈴木 みずえ
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は,高齢者の転倒予防を目的に,(a)個々の歩行状態を定量的かつ的確に診断できる手法の開発と(b)屋外の不整地でも安心して使用できる受動アシスト杖の開発の二点を重点課題とした.課題(a)に関しては,歩行を簡便に計測して個々の歩容の特徴量を自動抽出し,歩行タイプやバランス状態などの診断を行える「歩行計測・診断システム」を開発した.実際に72名の診断を行い,高齢者の歩容の実態や転倒の要因を把握することができた.課題(b)に関しては,伸縮式の支持脚を有し不整地での段差吸収とバランス制御機能を併せ持つ「ロボット杖」の開発に成功した.本研究により今後の高齢者の転倒予防に関する重要な知見が得られた.
著者
荻野 和郎
出版者
放送大学
雑誌
MME研究ノート : multi media education (ISSN:02891220)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.23-76, 1985

電々公社の技術局で画像通信システムの開発実用化を担当しています荻野と申します。直接の仕事は画像関係のメディアの開発ですが、今日は、INSについてお話をさせていただきます。まず、現在の電気通信サービスの現状と動き、次いで、新しいメディアを開発をしていく上で社会の発展と電気通信が、どのように関係し合っているのかということを踏まえつつ、INSが出てくる背景をお話します。それから、将来に向けてどういうステップでINSが構築されてゆくのかをお話しし、最後に社会的に見た場合の問題点等にも触れさせていただきたいと思っています。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1318, pp.142-144, 2005-11-28

今年8月、ローソンは鳥取県のある店舗で、新たな取り組みを開始した。狙いは「常連客の満足度を高める」こと。といっても、パッと見て、店舗の外観や品揃えなどは通常のローソンと何ら変わりない。 それもそのはず。この試みは、常連客がいつも購入する商品は必ず店頭に並べておくという、商売では至極当たり前と思われることを実践するのが目的だからだ。