著者
内田 勝也
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.810-818, 2013

情報システムの重要性は益々増大しているが,東日本大震災後の調査でも万一に備えた対応を考える事業継続計画の策定が必ずしも十分ではない。経営トップの無関心や最初から100%完璧な計画の策定を想定しているためとも思われる。本稿では,守るべき情報資産と事業継続を脅かすリスクについて考察した。主なリスクである大規模地震や台風・集中豪雨,テロ,その他(突発的大規模停電)について,事業継続を考える上で必要な事柄を過去の知見から得られた内容について考察した。事業継続計画の文書化に役立ち,机上や実践的訓練に役立てるものと考えている。文書化と訓練の相乗効果が,事業継続計画策定のキーポイントになる。
著者
小林 龍生
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.802-809, 2013
被引用文献数
1

"本"を"本"たらしめている根幹は,紙葉を一定の順序で並べて固定化する製本という行為にある。EPUBでは,spine情報がこの製本という行為に相当する。本稿では,製本という行為の果たした役割を "本"の歴史と読文行為(文書を読むこと一般)の中で相対化することにより,電子化ネットワーク化された文書一般と電子書籍の関係を考察し,将来の電子書籍の在り方についての1つの可能性を示す。
著者
金山 博
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.791-801, 2013

自然言語処理の技術が盛んに研究されており,検索・翻訳・自動応答・校正など,さまざまな分野での実用化が進んでいる。IBM Research(基礎研究部門)における当分野の取り組みとして,2011年に米国のクイズ番組において人間と対戦した質問応答システム「Watson」のほか,大量の文書からビジネスに有用な知識の発見を補助するテキストマイニング技術「TAKMI」などがある。これらの成功に共通する点は,人間が苦手とする処理をコンピューターに代替させたこと,人間が持つ言語に関する知識をコンピューターに与える手段を確保したこと,そして人を驚かせる結果を出したことである。情報が日々増大する中で,どのような技術を研究開発し,また活用していくべきか,計算言語学の研究者の観点から論じる。
著者
池松 由香
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.251, pp.44-48, 2005-08

5月某日、岐阜市内にあるPEC産業教育センター2階の研修室で、32人の女性達が暗闇の中で息を弾ませていた。年齢も出身も、勤務先も違う彼女達。ただ共通しているのは、「メーカー勤務である」ということと、「女性である」ということだけだ。 固く閉ざされた漆黒のカーテンのせいで、研修室には一筋の光も差し込まない。
著者
中原 淳 西森 年寿 杉本 圭優 堀田 龍也 永岡 慶三
出版者
放送大学
雑誌
メディア教育研究 (ISSN:13441264)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.61-74, 2000

近年、教師教育において情報技術を用いた学習環境が注目されており、その中のひとつの可能性としてCSCL(コンピュータを用いた協調学習支援)がある。本論文では、教師を対象としたCSCL環境を具体的にどのようにデザインすればよいのか、という問いに対して、状況的学習論とCSCLの先行実践、教師教育の知見を理論的に考察することを目的とする。より具体的には、CSCL上で展開されるべき教師同士の相互作用の室と、そうした相互作用を支援するインタフェースの2点に言及する。教師教育を目的としたCSCLは、学習者としての教師が自らの教育実践を他の教師と語り、批評しあい、それをもとに教育実践に対して内省を深めることができる環境としてデザインされるべきである。
著者
佐藤 翔
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.51-56, 2013-02-01

電子ジャーナル等の電子リソースの普及に伴い,そのアクセスログに基づいた研究が増えている。本文へのアクセス状況を包括的に示すアクセスログの分析は利用者行動を知る際に役立つものであるが,その目的や意図はログからはわからないため,その他の手法と組み合わせることが有益である。また,引用データとは異なる傾向を示すものとしてビブリオメトリクスの中でも注目されているが,研究評価に用いるには水増しが容易である等の問題もある。日本においては,海外で行なわれているような電子ジャーナルの大規模ログ分析が未だ行なわれていないことが課題である。
著者
服部 雅一 谷川 均 近藤 雄二
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.62, no.11, pp.466-472, 2012-11-01

電子政府をはじめとして,電子取引,事務データ,新聞記事など様々なデータを汎用的に表現する仕組みとして,データ構造の柔軟性を特長とするXML(eXtensible Markup Language)の活用が進んでいる。企業内においても,XMLの活用範囲が広がるにつれ,XMLデータをそのままの形式で管理し利活用したいというニーズが高まっている。そのニーズに対応できるのが「XMLデータベース(XMLDB)」である。本稿では,XMLが持つ高い柔軟性を活かしたXMLDBについての基本思想や操作方法を述べるとともに,ドキュメント管理アプリケーション開発の事例を通してXMLDB活用のメリットについて議論する。
著者
近江 美保 Omi Miho
出版者
神奈川大学大学院法務研究科
雑誌
神奈川ロージャーナル
巻号頁・発行日
vol.4, pp.87-89, 2011-07-31

レイプ事件の裁判におけるジェンダーに基づく神話や誤解に依拠した無罪判決は、法的その他の差別をなくす締約国の義務に違反するという申立が受理され、通報者への補償と一般的措置の実施が勧告された事例〈連載〉国際人権先例紹介(4)
著者
田中 正明
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2011-07-25

新制・課程博士(経済学)
著者
曽野 裕夫
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究の目的は、一般的な契約法理として、契約プロセス(契約の締結交渉から履行、さらに履行後の関係にかかわる一連の過程)における「交渉力濫用」を規制する民事法上の法理の可能性をさぐることにある。具体的には、3つの視点から検討を進めた。1 交渉力濫用規制の意味の明確化--民事規制と行政規制の同質性と異質性独占禁止法上の「優越的地位の濫用」規制は、行政による交渉力濫用規制である。この問題が、民事規制としてはどのように扱われるかを検討するための基礎作業として、コモンローにおける《既存義務の準則pre-existing duty rule》の沿革について検討を行い、民事規制の独自性についての試論をまとめた。2 交渉力濫用規制の理念的基盤となる契約法パラダイムの検討交渉力濫用の民事規制とは、当事者の私的秩序形成(private ordering)に国家法がいかに対峙すべきかという問題でもある。その観点から、private ordering論についての基礎的・比較法的考察としてUCC第2編にみられる契約法パラダイムの検討を行った。3 交渉力濫用法理の比較法的・法技術的検討(1)著作権ライセンス契約における著作権の譲渡、または、ライセンサー倒産時に生じうる、新たな著作権者による交渉力濫用に対応するための法制度のあり方を検討した。(2)売買契約において物的瑕疵のある商品が引渡された場合の、買主の救済過程において生じうる交渉力濫用(機会主義的行動)の規制について、CISG、UNIDROIT国際商事契約原則と日本法との比較法的考察を行った。(3)いわゆるADR法の制定に関連して、ADR係属中の時効完成を阻止するための法制度のありかたについて検討を行った。この成果は研究発表という形では公にできなかったが、パブリックコメントとして司法制度改革推進本部に提出した。
著者
本山 美彦
出版者
長崎大学
雑誌
經營と經濟 : 長崎工業經營専門學校大東亞經濟研究所年報 (ISSN:02869101)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.1-22, 2002-06

This paper, devoted to late Mr. Yasuhiko Hakui who was a excellent scholar in the field of monetary theory and history, intends to succeed to his scholarly achievement of endogenous money. Throughout the economic history, money has been created inside economic process, not been injected from outside. Various financial instruments other than cash have covered defict of money itself. Exchange letter and giro were those kinds of instruments. In many cases money itself was controlled by official power whilst other instruments belonged to privare sectors. And conflicts between public and private money promoted financial sys-tem. This article tends to illustrate that point by analizing the exchange letter and giro in medieval western Europe.