著者
安藤 桂 松崎 圭佑 五明 克規 タ トァン タン 中山 英太 谷藤 正一 亀田 卓 末松 憲治 高木 直 坪内 和夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.307, pp.81-86, 2010-11-18

小型・低コストのミリ波無線端末実現のため,90nm Si-CMOS (Complementary Metal 0xide Semiconductor)プロセスを用いて60GHz帯ブロードバンド通信用パワーアンプ(PA)の設計・試作を行った.現在,日本の60GHz帯特定小電力用帯域では最大10mWまで無免許で送信可能であることから,目標出力はシングルエンドで7dBm,プッシュプルで10dBmとした.またPAの高利得化のため,トランジスタサイズ最適化手法を用いて最終段トランジスタのゲート幅を決定した.この手法により最適ユニットゲート幅は2μm,最適フィンガー数は32本,すなわち全最適ゲート幅は64μmとなった.このトランジスタサイズを用いてシングルエンドPAと,これを差動化したプッシュプルPAを試作した.シングルエンドPAとしてはP_<sat>=10.2[dBm], P_<1dB>=7.3[dBm], Gain=10.9[dB](@63GHz),最大PAE=23.9[%], P_<1dB>で7dBmを超える帯城幅は8GHz以上と,高効率・広帯域な結果が得られた.プッシュプルPAとしては,P_<sat>=12.9[dBm], P_<1dB>=10.2[dBm], Gain=13.1[dB](@63GHz),最大PAE7=25.4[%]となった.また,10dBmを越える帯域幅は61〜71GHzの10GHzとなったことから,日本の60GHz帯特定小電力用帯域の帯域幅7GHzを超えた.以上より,60GHz帯ブロードバンド通信端末用PAとして十分適用可能な特性を得た.
著者
沢 俊行
出版者
日経BP社
雑誌
日経メカニカル (ISSN:03863638)
巻号頁・発行日
no.541, pp.66-70, 1999-10

1990年暮れのことだった。雪が積もる山の中で,川の堰堤(えんてい)工事が進んでいた。材料の生コンクリートは,現場から水平距離にして約451m離れた林道から送っていた。林道から現場までワイヤを張り,そこにバケットを吊るし生コンクリートを詰めて搬送していたのである。ある日,重量約2トンの生コンクリート入りバケットを搬送中に,ワイヤが突然切れた(図1)。
著者
奥野 孝英 小澤 弘和 堀尾 喜彦 合原 一幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.37, pp.37-42, 2003-05-01
被引用文献数
2

最大で1万ニューロン・1億シナプスを有する大規模カオスニューロコンピュータシステムの階層的構成要素である,「ボード」,「ユニット」,「システム」のそれぞれの実現法を提案すると共に,それらのハードウェア実装について詳しく述べる.ボード階層は,ニューロンボートとコントロールボードから成り,さらに,最大10枚のニューロンボードと1枚のコントロールボードによりユニット階層を構成する.システムは,ユニットを最大で100台,特別に設計したバケツリレー式バスにより接続して実装する.次に,2つのユニットから成る200ニューロン・40,000シナプスプロトタイプシステムを構築する.大規模カオスニューロコンピュータシステムの構成が階層的である事に加え,各階層を実装するハードウェアがモジュール化されているため,この2ユニットシステムの動作を検証する事により,1万ニューロンシステムの動作検証に代える事が可能である.2ユニットシステム全体の動作確認は,169個のニューロンから成る動的連想記憶ネットワークにより行なった.その結果,提案したカオスニュ一ロコンピュータプロトタイプシステムの正常な動作を確認した.
著者
小林 千織 堀尾 喜彦 合原 一幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.464, pp.13-20, 2001-11-21
被引用文献数
7

1万個のカオスニューロンを1億個のシナプスで完全相互結合させた, 大規模カオスニューロンコンピュータを構築するためのカオスニューロン集積回路を提案する.この回路はスイッチトキャパシタ(SC)回路技術を用いており, 3つの内部状態を持つカオスニューロンモデルを実装している.ニューロンモデル内の全てのパラメータは, プログラマブルキャパシティブアレイ(PCA)によりディジタル信号で制御可能である.また, ニューロンの出力関数特性は双極あるいは単極のいずれかの特性を選択でき, その伝達特性は外部バイアス電圧により調節することができる.ニューロンのアナログ出力値は軸索伝搬関数回路により2値化し, 外部のディジタルシナプス集積回路へ伝達する.一方, シナプス回路で加算された重み付き加算値は符号付き8-bit信号としてニューロン回路に渡される.このディジタルプロセスを用いてニューロン回路を集積化し, その特性を測定した.その結果, 提案した回路の特性が1万ニューロンシステムに必要な仕様を満たしていることが確認された.
著者
小沢 弘和 中村 俊紀 堀尾 喜彦 合原 一幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.609, pp.45-50, 2001-01-26
被引用文献数
4

一万ニューロン一億シナプスカオスニューロコンピュータを構築するため, スイッチト・キャパシタ(SC)カオスニューロン回路一万個を相互結合するディジタルシナプス集積回路を設計製作した.一万個の入力を可能とするため入力には時分割多重を用いた.さらに, 一万入力の重み付き加算を高速に計算するため, メモリベース構成を採用し, これに加算器も併用した.また完全な線形加算を行うため, 内部のデータ表現は22bitとした.さらに, SCカオスニューロンチップの入力仕様を満たすためのデータコンバータ回路を内臓した.また, チップの機能テストを行うための回路も内蔵した.このシナプスチップはVerilog-HDLにより設計し, ASICで実装した.さらにテストベンチを二種類製作し, シナプスチップの検査および評価を行った.
著者
南野 一博 福地 稔 明石 信廣
出版者
北海道立林業試験場
雑誌
北海道林業試験場研究報告 (ISSN:09103945)
巻号頁・発行日
no.44, pp.109-117, 2007-03
被引用文献数
1

北海道美唄市にある北海道立林業試験場光珠内実験林とその周囲の森林において、2003年12月-2004年3月にラインセンサスを行い、センサスルート沿いでみられたエゾシカの痕跡を記録し、冬期間の生息状況を把握するとともに糞の内容物を分析した。さらに、1月下旬から3月下旬にかけて越冬地で発生した樹木の剥皮状況について調査した。エゾシカの痕跡は、12月中旬にはセンサスルートの全域でみられたが、1月下旬-3月中旬まではトドマツ人工林とそれに隣接する広葉樹二次林でのみ確認され、エゾシカはトドマツ人工林を利用して越冬していた。糞分析の結果、12月下旬まではクマイザサを中心としたグラミノイドが大半を占めていたが、積雪が増加するとともに減少した。一方で、積雪が100cmを超えた1月下旬以降はグラミノイドに代わり木本類が大部分を占め、2月-3月は糞内容物の90%以上が木本類で構成されていた。越冬地で発生した樹木の剥皮状況を調査した結果、剥皮木はトドマツ人工林に隣接する広葉樹二次林の約27haでみられ、3月下旬までの累積剥皮本数は310本に達した。剥皮木の発生数は、1月下句から急激に増加しており、糞分析において木本類の割合が増加した時期と一致していた。これらのことから、多雪地においてエゾシカは、常緑針葉樹人工林を利用して越冬しており、積雪のためササ類を餌として利用できない期間が寡雪地よりも長くなることや、行動を阻害されることにより樹木の剥皮が越冬地で集中的に発生することが示唆された。
著者
益村 聖
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.163-166, 1989-12

北部九州には,ドジョウツナギが平地や山間部の湿地にやや普通に産し,ヒロハノドジョウツナギが温帯域の清流沿いにごく希に産する。ところが,暖帯域の山足湿地に,〓生し匍匐枝をもつ点は前者的で,根茎を持ち葉鞘の格子紋が顕著な点は後者に似る中間的な固体群が4箇所で発見された。それでこの度,これら中間形と前二種を改めて入手し,詳細に比較検討した。体細胞染色体はドジョウツナギでは2n=40,ヒロハノイドジョウツナギでは2n=20であったが,中間形では調査した4産地とも2n=30を数えた。その他,花粉はいずれも中空,不定形,染色性(稔性)がなかった。これ等の事実から,この中間形はドジョウツナギとヒロハノイドジョウツナギを母種とする自然雑種であるとの結論に達し,学名:Glyceria×tokitana MASUMURA hybr. nov. 和名:マンゴクドジョウツナギと命名して発表する。
著者
福田 晟 山谷 聡 小葉田 亨 今木 正
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.193-198, 1993-06-05

前報において, 地表にわずかな積雪があり, 気温0〜-4.4℃, 風速4〜7ms^<-1>のもとで葉身に葉枯れ, 落葉が生じ, この時夜間の葉身水ポテンシャル (Ψ_L) が-1.2MPaに, 翌日の昼間ではさらに最低-2.3MPaまで低下したことを報告した. そこで本報告は, 人工的に1年生苗の茶樹に低気・地温, 強風条件を与え, Ψ_Lの低下と寒風による被害発生との関係, 及びΨ_Lの低下の原因を明らかにしようとした. その結果, 低気・地温, 強風の組み合わせに暗黒後照明条件のもとでΨ_Lは-0.7〜-1.8MPaに低下し, 照明条件下で圃場と類似した枯死被害が生じた. また, 低温照明条件下では蒸散速度の増大に伴うΨ_Lの低下が大きいことから, このΨ_Lの著しい低下は低温による植物体内の水の通導抵抗 (R) の増大にもとずくものと考えられた. そこでさらに葉身, 茎, 根各部分への加圧と出液速度との関係を求めて各器官のRを推定したところ, 葉身と根のRは0℃では10℃に比較し約1.6倍, 20℃に比較して約3.2倍大きくなった. 以上から, 山陰地域における茶樹の寒風による被害は低気・地温によって特に葉身と根のRが著しく増大している時に, 強風, 及び翌日の日射により蒸散が促進されて, その結果, 葉身Ψ_Lの著しい低下, 葉身組織の脱水が生じて引き起こされるものと推定された.
著者
野田 由佳里 水野 尚美 荒川 あつ子
出版者
愛知文教女子短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13405225)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.79-86, 2009-03

The Preceptor system on the nursing site doesn's establish compared with the nursing education, and have the reality of which the work that original Preceptor bears doesn's consist. Because the participant's consideration investigation of the Preceptor training association is done, and the ideal way of Preceptor in the future was examined, it reports.
著者
依田 恒之
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.191-203, 2004-11-30
被引用文献数
1

第43次観測隊の建設部門として,二人(依田恒之と富樫幸一)が越冬した.昭和基地では,2001年12月19日から夏期作業を開始し,63日間で1110人日の建設作業を行った.第2廃棄物保管庫兼車庫の建設は,297人日で作業日人員の1/4以上の人員が掛り夏期建設作業のメイン工事となった.昭和基地越冬中はメンテナンス作業を行い,2002年10月12日からドームふじ旅行隊に参加し,ドームふじ観測拠点でボーリング用トレンチ掘削場の建設を11月14日から2003年1月23日まで実施した.当初の設定雪面より多く雪が積もっておりトレンチ掘削では,予定量より大幅に作業人日が増え,掘削には大変苦労した.
著者
浅野 光紀
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.109, pp.23-46, 2003-03

投稿論文1. 問題の提示 : 二つのパラドクス2. 心の分割論について : 若干のコメント3. 自己欺瞞の具体例と論点の整理4. メレの解決法とその問題点5. 信念のパラドクスの解決6. 意図のパラドクスの解決In this essay, I shall deal with self-deception in its most literal sense, namely "to deceive oneself intentionally into believing what one knows to be false". Admittedly, this phenomenon has long been recognized to be psychologically perplexing and philosophically paradoxical. How could one person knowing the truth get himself to believe the opposite and, as a result, simultaneously hold the contradictory beliefs ? Moreover, the knowledge of one's own intention to deceive oneself should make the project self-defeating because no one can be deceived if he knows the deceiver's intention and motives whether or not they are one and the same person. What follows is an attempt to resolve these problems and clarify the nature and etiology of self-deception. Examining carefully a variety of ways in which desire can influence beliefformation by biasing our cognitive processes, I propose a coherent description of self-deception which is real and common in our daily life. In due course it will be shown that our ability to know our own mental states is limited and we can be mistaken about and unaware of the reasons on which we act.
著者
須永 和之
出版者
沖縄国際大学
雑誌
沖縄国際大学総合学術研究紀要 (ISSN:13426419)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.21-34, 1997-11-25

The 18th century public libraries in Ireland were different form modern public libraries. Marsh's library in Dublin, built by Archbishop Narcissus Marsh in 1701, was a sort of parochial libraries. However, Marsh's library was considered as modern public library. Because the government of the library was vested in Governors and Guardians under a act for public library, passed by the Irish parliament. The Linen Hall Library established in Belfast, a industrial town in northern Ireland. The Linen Hall Library has its beginning in a subscription library of the Belfast Reading Society founded in 1788. At first, it was the library of artisans and manufacturers who lived in the city. In spite of temporary crisis caused by the rebellion of the United Irishmen, it became a academic institution in Belfast.
著者
北方 雅人
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.273, pp.96-99, 2007-06

老舗塗料メーカーが多大な開発費を投じて、新塗料を開発した。開発は成功したが需要は伸びず、赤字が続いて債務超過に陥る。苦しい資金繰りが続き、仕入先を巻き込んで融通手形に手を出した。融通手形は雪だるま式に膨れ、そして仕入先ともども倒れた。
著者
島岡 まな
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法學研究 : 法律・政治・社会 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.84, no.9, pp.447-479, 2011-09 (Released:2011-00-00)

宮澤浩一先生追悼論文集論説 一 はじめに二 児童ポルノ禁止をめぐる日本の状況三 児童ポルノ(及び一定の成人ポルノ)禁止をめぐるフランスの対応四 おわりに - フランス刑法から学ぶべきこと
著者
澁谷 正子
出版者
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学
雑誌
日本赤十字秋田短期大学紀要 (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.73-79, 2000-03-31

本学介護福祉学科の1年次生に対して,老人に対するイメージと自身の老後観の調査を行った。その結果,老人に対して好意的・プラスイメージを持っている者が多かった。要因として,学生の約7割が祖父母との同居経験を有している。親の介護は自然なこととして,負担・迷惑とは思っていないが,自分の老後については,子供に負担・迷惑をかけることと考えており,自活生活が困難になったら施設入所を考えている。現制度の老人施設に対しては,介護側にとっては良いが,介護される立場なら生活の場としても好ましくないと思っている。学生は,入学を機に「老い」を真剣に考え,超高齢化社会を現実的なものとして受けとめている。将来を,充実した楽しみな老後にしたいと考えており,自分たちの老後のためにも社会的サービスの充実を自ら参画して築こうという気概をよみとれる。