著者
梅本 貴豊 中西 良文
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要 (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.353-358, 2012

本研究は、方略保有感、方略の認識と、主観的ウェルビーイング(自尊感情、学校生活満足感)との関連を検討することを目的とした。216名の大学生に対して、質問紙調査が行われた。相関分析の結果、方略保有感は自尊感情、学校生活満足感との正の関連がみられたが、方略の認識については関連がみられなかった。次に、方略保有感と方略の認識のそれぞれの高低の組み合わせから4群を構成し、その4群を独立変数、自尊感情と学校生活満足感を従属変数とした一要因分散分析を行った。その結果、方略保有感と方略の認識がともに高い群は、高い自尊感情と学校生活満足感を示した。これらの結果から、方略保有感と方略の認識が、主観的ウェルビーイングに与える影響について議論された。
著者
工藤 栄 田邊 優貴子 内田 雅己 掘 克博
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.226-235, 2010-11-30

南極湖沼中に設置し,湖底の植物群落の1年にわたる映像記録を捉える目的で水中ビデオシステムの開発を行った. システムはビデオカメラ,制御部,レンズ汚濁防止ワイパー(水中モーター),照明用LEDとリチウム電池から構成されたものである. 市販のハイビジョン方式のビデオを採用し,レンズ汚濁防止ワイパーの動作を簡潔化して,以前試作したビデオシステムよりも消費電力を増やすことなく記録感度を向上させることができた. この機材を第51次日本南極地域観測隊夏行動期間中に,宗谷海岸のスカルブスネス「長池(仮称)」湖底に潜水作業により設置し,一年間の湖底のインターバル撮影を開始した.
著者
坂崎 俊介 若原 俊彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.395, pp.1-6, 2005-11-07

画像検索は, ユーザの目的とする画像を画像情報自身または関連するメタデータを用いて検索し求めるものである.しかし, 近年のハードディスクの大容量化とPCの低価格化によって今までよりも多くの画像が蓄積されつつあり, 膨大な画像情報の中から目的の画像情報を抽出することが難しくなってきた.そこで, この画像検索を効率よく行うためのさまざまな研究がなされている.その一例として個人が画像を選択する際の傾向を画像内から色情報として取り出し, その情報を使って絞込みを行う事で検索時の効率化を図るという手法がある.本報告では, 洋服のデザイナが新しい洋服をデザインする時に, 画像を選ぶ場合の個人的な趣向を画像の中の色情報から抽出し検索して利用することにより, デザイナやその洋服を実際に着用するユーザの好みにあった洋服のコーディネートをアシストすることを狙いとし, 画像の中よりユーザの好みにあたる情報の抽出方法とその利用方法について述べる.
著者
茂木 清夫
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.401-428, 1986-02-07

過去数10年にわたる大きい地震及び近年の徴小池震の線状配列から,男鹿半島と牡鹿半島を通って東北地方を横切る北西-南東の活構造線の存在が推定される.海底地形や地殻変動のデータもこの存在を示唆する.1983年の日本海中部地震は,この構造線が日本海東縁の構造境界に会合するという特異な場所で起ったもので,その余震の分布の特徴もこのことを示している.日本海溝,男鹿半島-牡鹿半島構造線,日本海東縁の構造境界及び北海道と本州の間の境界によって囲まれた地域が一つのブロックを形成し,これが東西圧縮応力場にある.日本海中部地震はこの東西圧縮応力が特に集中しやすい所に起った地震であり,ここでは日本海側としては例外的に大きい地震がくり返し起ってきた.1978年宮城県沖地震の震源域では大地震が頻繁に繰返し発生しているが,ここも男鹿半島-牡鹿半島構造線が日本海溝沿いのSubduction Zoneに達したという構造的に特異な所である.
著者
小林 三世治
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.101, no.1, pp.61-66, 2003-03-17
被引用文献数
1

脳出血後に失語症および要終身介護状態になったとして高度障害保険金の請求が被保険者(62歳男性)からなされた。診療録等を精査した結果,約款に定めた失語症・要終身介護状態にはあたらないとして,保険者は高度障害保険金の支払を拒否した。争いは法廷に持ち込まれたが,保険者の勝訴で判決が確定した。
著者
尾暮 拓也 高松 悠 古田 一雄
出版者
Sociotechnology Research Network
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.389-398, 2004
被引用文献数
1 2

原子力の是非について社会的に合意形成するためには社会全体によるリスク理解の醸成が必要である. 技術的な知識あるいは問題意識を技術者コミュニティと市民コミュニティで共有するためにはインターネットにおいてはディレクトリ型検索サイトの整備などが急務であると考えられるが, ここで用いられるオントロジーは十分に吟味されて設計されなければならない. 本研究ではまず市民コミュニティのオントロジーをテキストマイニングの概念マップ作成技術を応用して分析し, 原子力工学科カリキュラムから推定される技術者コミュニティのオントロジーと比較して両者の違いを明らかにする. 次にこれらの違いを踏まえて技術的な知識あるいは問題意識の共有のためのオントロジー設計方法について提案する.
著者
土井 真一
出版者
THE JAPAN ASSOCIATION OF LEGAL PHILOSOPHY
雑誌
法哲学年報 (ISSN:03872890)
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.30-41,199, 2006

In this article, the difference between the <i>Recthsstaat</i> principle and rule of law is clarified through analyses of the administrative and judicial law-making processes. Based on such analyses, pros and cons of the <i>Rechtsstaat</i> and rule of law are compared, and the conclusion is drawn that a way to unite the two law-making processes to work together in a balanced manner should be sought, and that reinforcement of the judicial law-making process is indispensable for rooting the rule of law in the Japanese society.
著者
御手洗 一而
出版者
佐伯史談会
雑誌
佐伯史談
巻号頁・発行日
no.104, pp.37-39, 1976-01
著者
海老原 史樹文 鍋島 俊隆 髙田 耕司 阿部 訓也 間宮 隆吉
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

抗うつ薬の評価法として用いられる尾懸垂試験における無動行動を制御する遺伝子Usp46を中心として、マウスの行動障害に関わる遺伝要因及び遺伝と環境との相互作用について分析し、その生理生化学的メカニズムを解明することを目的とした。その結果、Usp46は脳の様々な領域で発現し、GABA神経系を介して多様な行動に影響を及ぼすことが示された。また、Usp46変異マウスはストレスに対して脆弱であり、養育活動も低下するが、適正な養育活動を受けて成長すると、正常な養育行動が発現することが明らかになった。
著者
今井 知正
出版者
理想社
雑誌
理想 (ISSN:03873250)
巻号頁・発行日
no.556, pp.p95-107, 1979-09
著者
曾 碩文 浅川 昭一郎 遠藤 寛
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.703-708, 2004-03-31
被引用文献数
3 3

In order to explore children's consciousness of the changes in winter play spaces during the past 12 years, a questionnaire was delivered to elementary school students in Sapporo, in 2002. Our aim was to understand the reasons for the decrease in the frequency of outdoor play activities in winter. The results were as follows: (1) The frequency of outdoor play activities decreased during the past 12 years, as well as the willingness to play outside in winter. (2) In the case of positive parents attitudes towards outdoor play activities in winter, the frequency of outdoor play activities of their children was higher compared to parents with negative attitudes. (3) Compared to 12 years ago, the frequency of playing on roads and barren grounds decreased, and the mostly used play spaces in winter were parks and dwelling surroundings. (4) There were no changes in the frequency of playing in parks during the past 12 years, therefore availability of parks proves to have an important role even during the winter season. According to the results, for the future planning of winter playgrounds, we have to consider not only the facilities (tangibles), but also the management (intangibles) of these spaces.