著者
半明 敬子 並川 宏英 斉藤 智宏 大上 英夫 田澤 賢次
出版者
富山大学
雑誌
富山医科薬科大学看護学会誌 (ISSN:13441434)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.7-16, 1999-03
被引用文献数
2

大腸癌発癌抑制作用が明らかとなっているアップルペクチンの作用機序の解明を目的に, アップルペクチン由来のオリゴ糖を用いて活性酸素に対する効果を分析し, 市販されている他のオリゴ糖やその関連物質とも比較した.アップルペクチン由来のオリゴ糖は平均重合度により, pos-S, pos-M, pos-L, pos-LLに分け, さらにpos-Sを121℃30分加熱し, pos-Hとした.活性酸素に対する効果はESRスピントラッピング法を行い, その抑制率から検討した.その結果, アップルペクチン由来のオリゴ糖は活性酸素抑制効果を持ち, ・02一に対してはpos-H(82.3%), pos-S(48.9%), ・OHではペクチンオリゴ糖(88.6%), pos-H(87.2%)であり, 加熱すると更に強いSOD様活性(26.7unit/ml)を示した.以上から, アップルペクチンの発癌抑制作用の一端に活性酸素抑制があることが示唆された.
著者
前田 玲佳 門前 達哉 蛯谷 征弘 鈴木 大貴 伊澤 和三
出版者
一般社団法人 日本神経救急学会
雑誌
Journal of Japan Society of Neurological Emergencies & Critical Care (ISSN:24330485)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.86-89, 2021-12-01 (Released:2021-12-01)
参考文献数
5

The case was a 35-year-old man. Mandibular foramen conduction anesthesia using lidocaine was performed at the dental office. After anesthesia, he developed convulsions, stopped breathing, and underwent cardiopulmonary resuscitation by a dentist. Mandibular foramen conduction anesthesia causes the tip of the injection needle to reach the mandibular foramen, or mandibular nerve groove, from the oral cavity where the inferior alveolar nerve enters the mandible. The inferior alveolar nerve accompanies the inferior alveolar artery, which is a branch from the maxillary artery. If a local anesthetic is erroneously injected into the inferior alveolar artery, even a small amount of lidocaine may cause immediate poisoning as in this case.

35 0 0 0 OA Q & A

著者
阿部 信一
出版者
The Japan Medical Library Association
雑誌
医学図書館 (ISSN:04452429)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.387-388, 2004-12-20 (Released:2011-09-21)
参考文献数
3
著者
岡本 健
出版者
北海道大学観光学高等研究センター
雑誌
CATS 叢書 (ISSN:21853150)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.41-76, 2012-03-31

観光資源としてのコンテンツを考える : 情報社会における旅行行動の諸相から = Current Issues in Contents Tourism : Aspects of Tourism in an Information-Based Society
著者
末澤 恵美
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.34-44, 2016 (Released:2019-12-01)
参考文献数
15

2014年3月16日,ウクライナのクリミア自治共和国で,ロシアの一部となるかウクライナに残るかを問うレファレンダムが実施された。ウクライナ政府はレファレンダムを無効としたが,クリミアは9割以上がロシアへの編入に賛成したとして独立決議を採択,ロシアと同国の一部となる条約を締結した。クリミアでは1991年と1994年にもレファレンダムを行っており,ウクライナからの分離運動を展開していったが,その特徴は,ロシアとの「再合同」を最終的な目標としていたこと,ソ連という特殊な国家の負の遺産が介在していたこと,自決権の行使をめぐる問題が「入れ子」のように重層的な構造であること,そして対外的な要因が影響していたことなどである。本論では,これらの点を明らかにすることによって,2014年のクリミア・レファレンダムがもつ意味を考える。
著者
Peng Sun Zhiqiang Wang Bo Li Shanjiang Chen
出版者
International Heart Journal Association
雑誌
International Heart Journal (ISSN:13492365)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.1002-1009, 2023-11-30 (Released:2023-11-30)
参考文献数
47

The relationship between dietary magnesium intake and the risk of stroke is controversial. This study aimed to examine the association of dietary magnesium intake with the risk of stroke among American adults.The relationship between dietary magnesium intake and the risk of stroke was analyzed using the National Health and Nutrition Examination Survey (NHANES) 2007-2018 data with 29,653 adults. The amount of magnesium from the diet was assessed by two 24-hour dietary recalls. Stroke outcomes were defined using the results of the self-reported questionnaires. The association between dietary magnesium intake and the risk of stroke was evaluated using logistic regression models and restricted cubic spline.In our study, an inverse association between dietary magnesium intake and the risk of stroke was found. For the highest versus lowest quartile of dietary magnesium intake, the multivariate-adjusted odds ratio (95% confidence interval) of stroke was 0.56 (0.36-0.86). The magnesium intake of women was negatively associated with stroke risk, but this negative association was not found in men. Then, the inverse association was statistically significant among the 40-59 year-old group. The results from the dose-response analysis show a linear relationship between dietary magnesium intake and the risk of stroke.Dietary magnesium intake was inversely associated with the risk of stroke, especially in women. Therefore, our study emphasizes the importance of appropriately increasing dietary magnesium intake.
著者
藤森 俊明 三角 樹弘 坂井 典佑
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.73, no.6, pp.352-360, 2018-06-05 (Released:2019-02-05)
参考文献数
31

量子力学,場の量子論や古典力学で厳密に解ける問題は少ないため,小さな結合定数についてべき級数展開を行う摂動論は極めて有用である.たとえば量子電磁力学の摂動論の結果は驚くべき精度で実験と一致する.しかし,摂動級数は収束しないという問題が古くから指摘されてきた.一方,様々な量子系において,トンネル効果など摂動論でとらえられない「非摂動効果」も存在し,重要な役割を果たす.実際,場の量子論ではインスタントンなどを考慮することによって,非摂動効果が得られる.実は摂動級数の発散と非摂動効果が関係している可能性は古くから指摘されてきた.近年,リサージェンス(resurgence)理論によって,量子論における摂動論と非摂動効果との直接的な関係の理解が進展した.微分方程式や積分の漸近級数解析などの数学的研究で得られた厳密な知見を応用して,量子論におけるリサージェンス理論の理解が進み,新たな結果が次々と得られている.摂動論では,展開係数が次数nの階乗n!程度で発散する.そのような場合,ボレル総和法が有用である.発散する摂動級数からボレル変換という量が厳密に定義でき,これが摂動級数の情報を忠実にとらえる.たとえば,ボレル変換の特異点が摂動級数の発散の仕方を表す.一方,各々の特異点は非摂動効果と対応する.したがって,潜在的にどのような非摂動効果が生じ得るかは,摂動級数のボレル変換の中にすべて記録されている.一般に,摂動級数の発散の仕方に非摂動効果の情報が書き込まれていることをリサージェンス構造と呼ぶ.ボレル変換のラプラス変換をボレル和と呼び,これが摂動級数の総和を表す.ラプラス変換の積分経路は正実軸上だが,その上にボレル変換の特異点が生じると,積分路を変形する(結合定数に虚部を与える)必要があり,その結果ボレル和に不定性が生じる.一方,勾配流(gradient flow)の解析からバイオンと呼ばれるある種のソリトンが非摂動効果を与えることがわかる.バイオンの寄与にも結合定数の虚部の符号に応じて不定性が生じるが,摂動級数のボレル和と同じ符号をとると両者の和に不定性がなくなる.すなわち,両者の非自明な関係によって不定性の相殺が起こるため,物理量全体としての一意性が保たれる.つまり,摂動・非摂動部分はそれぞれ単独では不定で,両者を足し上げて初めて厳密な意味がある.この不定性の相殺から定まる「摂動論と非摂動効果の間の対応」により一方の寄与からもう一方を導き出すことも可能となる.常微分方程式ではリサージェンス構造は完全に理解されており,一般解はトランス級数と呼ばれる複数の形式的漸近級数解のボレル和の足し合わせで表される.パラメーターを変えていくと,個々のトランス級数の係数が不連続に変化するストークス現象が起こる.しかし,真の解は連続なので,ストークス現象によって漸近級数解の間に関係が付くことがわかる.このようにあるセクターの情報が別のセクターに再登場する機構がリサージェンス構造である.量子力学でもこの構造の理解が進展し,さらにQCDやヤン–ミルズ理論,赤外リノマロンなども議論されつつある.

35 0 0 0 世界の艦船

著者
海人社
出版者
海人社
巻号頁・発行日
1957
著者
坂部 裕美子
出版者
日本感性工学会
雑誌
感性工学 (ISSN:18828930)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.148-152, 2022-09-30 (Released:2022-09-30)
参考文献数
4
著者
岩沢 健吉
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.65-67, 1963-10-30 (Released:2008-12-25)
参考文献数
2
被引用文献数
1
著者
樫村 愛子
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.189-208, 2004-12-31 (Released:2009-10-19)
参考文献数
42

グローバル資本主義が社会を脱領土化していく中で, 構築主義理論は, 科学やテクノロジーと結合している資本主義を加速するイデオロギーとなっている.というのも科学は現在構築主義的・自己組織的になっており, これまでは手つかずであった人間の生殖や遺伝子, 環境などを操作し始め影響を与え, その影響の効果を考慮しえないまま人間の生きられる条件を破壊しつつあるからである.構築主義理論は, 人間や社会の構築性を記述したが, 他方でこれまで維持されてきた人間の生きられる条件や構造が実際何であるのかは論じられず, それゆえ現在起こっている人間と社会の解体に対し, 必要とされる社会の再構築を考察できない.構築主義のこの困難は言語至上主義にあり, すでにできあがった言語の共時体系から出発しているため, 再構築可能性と関わる, 言語構造の生成や言語と主体の結合の条件を論じられない.理論的に見れば, 言語の内部からのみ記述するため「自己言及のパラドクス」という難点を抱え, これを脱パラドクス化している身体や主体等を論じられず, 言語化できない身体や主体を唯物化・本質主義化することとなる.バトラーは「唯名論化した精神分析理論」を流用して身体や主体を脱構築し言語化作用を論じたが, そこでも構造の生成は結局のところ論じえない.唯名論的ではない臨床現場から立ち上がった精神分析理論によって, 身体と言語の接合関係を, 自閉症者を参照しながらみていくと, 主体が他者への同化と他者との相互行為から生まれ, それが世界と自己の同一性を生み出し, それによって自律した言語構造が可能となっていることが示され, ここに再構築の理論的可能性があることがわかる.
著者
佐藤 純 稲垣 秀晃 楠井 まゆ 戸田 真弓
出版者
愛知医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

臨床実験:天気の悪化で疼痛の増強を示す天気痛被験者に対して、40hPa分の低気圧暴露を行うと痛みの増強と交感神経興奮,さらに鼓膜温を上昇させた.2015年3月~2018年6月に当科外来を受診した天気痛患者53名について問診調査を行った.受診患者は女性が多く,痛みに加えて,不安・抑うつはそれほど高くないが,破局化思考が高い傾向にあった。動物実験:野性型マウスに-40 hPa分の低気圧暴露を行うと,上前庭神経核におけるc-fos陽性細胞数(すなわち神経細胞の興奮)が有意に増加することが明らかとなり,半規管あるいは球形嚢に気圧を感知する部位が存在することが示唆された.