著者
工藤 文也 吉川 大弘 古橋 武
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

近年,多目的最適化問題(MOPs)に遺伝的アルゴリズムを適用した,多目的遺伝的アルゴリズム(MOGA)が,工学設計分野への応用などが行われ注目を集めている.工学分野では,良い解を得るだけでなく,得られたパレート解の解析を行い,設計者にとって有益な情報を抽出することが重要な課題となっている.本稿では,得られたパレート解の可視化により,設計変数の解析を行う手法を提案する.
著者
植村 寿子 下茂 徹朗
出版者
鹿児島大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1988

南九州一帯に広く賦存するシラスは反応性に富む火山ガラスが8〜9割含まれ、量的にも豊富で、工業材料として極めて魅力のある研究対象である。しかしこれまで主に建築資材としてだけ利用され、高度な利用がなされていなかった。最近シラスが見直され、SPG(シラスポーラスガラス)等その特性を活かした利用開発がなされつつある。我々はシラス中のSiO_2(75%)、Al_2O_3(13%)に注目して、これを原料に安価なゼオライトの合成法の研究を行った。しかしシラスには約3%のFe_2O_3が含まれており、これが製品に混入、着色の原因になる事が分かった。シラスの脱鉄法が種々試みられているが、我々は次の系統的に各種のゼオライトを合成する方法でこの問題を解決した。まずシラス(100g)にNaOHとH_2Oの添加だけでNa-P型ゼオライト(60g、Fe_2O_3=1〜2.7%)を合成した。これは黄色を呈するが、高いイオン交換能を有するので廃液処理等着色が不利にならない分野での用途を考える。次に脱鉄されたケイ酸分に富むこの濾液(P型濾液1lが得られる)から各種の高純度ゼオライトを系統的に合成し、それぞれ適した分野での用途に供するものである。例えばP型濾液1lに120gのNaAlO_2を添加して6時間反応させる(100℃)と190gの高純度A型が得られる。同じくP型は5gのNaAlO_2を添加して5g得られる。X型は生成領域が狭く単一相としては合成し難くかった^<1)>。またP型濾液1lに各種の酸を添加して塩を含むゲル状沈澱物(Aゲル80g)を得た。これは水洗すると35g(Bゲル)に減る。Aゲルからは13〜50g、Bゲルからは25gのモルデナイトが得られる^<2)>。この2段階合成法では多種の製品が得られるので、単品コストが緩和され、また広範囲な用途開発が望めるので有利な合成法と思われる。1.植村、四元、染川、隈元、日本化学会誌、3月号掲載決定(1989)2.植村、村田、染川、日本化学会58春季年会発表予定1989年4月
著者
中村 茂和 松井 繁幸 杉山 典 黒田 博通
出版者
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター
雑誌
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター研究報告=Bulletin of Shizuoka prifectural research institiute of animal indaustry swine & poultry research center (ISSN:18826415)
巻号頁・発行日
no.2, pp.43-48, 2009-02 (Released:2011-03-05)

微粉砕したモウソウチクに乳酸菌を添加してサイレージ化した竹粉サイレージ資材を肉用鶏および採卵鶏の飼料中に所定割合添加し、それら排せつ物から揮散するアンモニア態窒素揮散量や硫黄系化合物濃度について測定した。その結果、竹粉サイレージ資材を添加した試験区の排せつ物におけるpHや水分率等は対照区とほとんど同じであり、資材添加による明らかな違いはみられなかった。更に、排せつ物の主要な臭気成分であるアンモニア態窒素揮散量についても同様、対照区に対する明らかな低減効果は認められなかった。一方、排せつ物のpHとアンモニア態窒素揮散量との関係では、肉用鶏および採卵鶏のいずれの場合においても正の相関関係が認められたことから、供試排せつ物のpHは、揮散するアンモニア態窒素量の多少に影響することが推察された。また。硫黄系化合物の濃度は、いずれも対照区に対する有意な違いは認められなかったが、肉用鶏の場合、竹粉サイレージを2.5%および5%添加した時のメチルメルカプタン濃度や硫化メチル濃度は対照区に比べて低くなる傾向がみられ、採卵鶏の場合、10%添加において、測定した全ての硫黄系化合物濃度は対照区に比べて低くなる傾向がみられた。このことから、肉用鶏の場合、飼料中に竹粉サイレージ資材を約5%添加することにより、また、採卵鶏の場合は、約10%添加することにより、排せつ物から揮散する硫黄化合物の濃度低減の可能性が示唆された。
著者
中村 茂和 松井 繁幸 杉山 典 黒田 博通
出版者
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター
雑誌
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター研究報告=Bulletin of Shizuoka prifectural research institiute of animal indaustry swine & poultry research center (ISSN:18826415)
巻号頁・発行日
no.3, pp.33-38, 2010-03 (Released:2011-07-15)

未利用のまま放置されているモウソウチクの有効活用の一つとして、微粉砕したモウソウチクに乳酸菌を加えてサイレージ化した竹粉サイレージを肉用鶏の飼料中に2.5%添加し、得られた排せつ物の堆肥化について検討した。排せつ物の性状において、竹粉サイレージを添加した場合、水分率やpH、C/N比等は市販飼料のみの場合と同じであったが、ADF(酸性ディタージェント繊維)は竹粉サイレージの添加によって有意に高くなり、堆肥化試験終了後においても同様の傾向がみられた。竹には難分解性有機物の指標と考えられるADFが多く含まれており、このことが排せつ物やその後の堆肥のADFを高めた要因であると推察された。堆肥のADFを除き、品温の推移や有機物分解率は、市販飼料のみの場合とほとんど同じであったため、竹粉サイレージの飼料添加は堆肥発酵に悪影響を及ぼすことはなく、農耕地への鶏ふん堆肥施用は、従来のものと同様に行える可能性が示唆された。堆肥化過程で揮散したアンモニアガス濃度は、竹粉サイレージ添加の有無に関係なく、ほとんど同じ推移を示し、明らかな違いはみられなかった。
著者
百田 真史 井上 隆 川瀬 貴晴 野原 文男 本間 睦朗 横田 雄史
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.120, pp.23-31, 2007-03-05
被引用文献数
1

本研究では,性能検証過程の指針に準じた過程を経て竣工したオフィスビルの熱源系統に対して,受渡し後段階における性能評価の実践的研究として,企画・設計要件書に倣った性能規定に基づき,熱源システムの運用段階における性能評価を行った.その結果,一部熱源構成機器を除いてほぼ性能規定どおりであることと,建物全体のエネルギー消費面でも規定を満たすことが確認でき,充実が望まれる第三者性を確保した性能評価の事例を提示することができた.
著者
桑原 康浩 杉山 浩美 宋 永学 住吉 大輔 黒江 大亮 赤司 泰義
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.124, pp.11-18, 2007-07-05
被引用文献数
1

本研究の目的は,インバータ冷凍機を導入した熱源システムの省エネルギー効果を定量的に明らかにすることである.対象となる熱源システムは主に,インバータ冷凍機,統合型冷却塔,フリークーリングシステムで構成されており,インバータ冷凍機のCOPは部分負荷運転時に最大で18を実現する.本報では対象の熱源システムについて概説した後,実測結果に基づいて,熱源システムの性能評価を行った.その結果,冷凍機単体のCOPは月平均値で最大18.2,熱源システム全体のCOPは9.2という高い値が確認された.
著者
住吉 大輔 赤司 泰義 渡辺 俊行 神村 一幸 西山 紀光 崔 軍
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.70, no.595, pp.73-81, 2005
被引用文献数
2

This paper presents an energy performance analysis of an air-conditioning system with heat pump chillers controlled by inverters. The inverter is attached to the chiller's compressor, and controls the number of revolutions of the motor. As a result, the efficiency of the chiller in a partial load can be largely improved more than in a full load. Traditionally, a chiller in a HVAC&R system is operated at a full load from the viewpoints of the energy much. However, if an inverter is attached to the chiller, there is a possibility that the chiller's partial load operation will make the energy efficiency higher. This inverter utilization is one effective solution to reduce the energy consumption. The energy performance is evaluated by the HVAC&R's measurements and a simulation analysis.
著者
渡辺 健一郎
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.71, no.599, pp.103-110, 2006
被引用文献数
3 1

The growing energy consumption of commercial buildings in the field of civilian sector strongly requires to take effective energy saving measures. Especially as the energy consumption of heat source system in office buildings occupies as high as about 30% of the total building energy consumption, the efficiency of the heat source system should urgently be upgraded. For this purpose, it is essential to grasp the annual thermal load fluctuation and corresponding operation status of the heat source system for analysis. At present, however, the examples of measurement survey of the energy efficiency ratio of the system in commercial buildings can scarcely be found. Backed by such circumstance as above, this study conducted actual measurement on the heat generation and energy consumption of the heat source system in three typical commercial buildings to grasp the operation status and energy efficiency ratio by employing the system COP as a performance index.
著者
坂本 雄児
出版者
北海道大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

1. 目的多視点画像の撮影システムや、3Dディスプレイなど、3次元画像の様々な収集、表示システム間の3次元データを正規化する方法の一つである波面記述法において, 以下の点を明らかにする. (1)データ間の変換法のより深い理解 : 特に、多視点画像より波面記述データへの変換, (2)実空間への応用 : 実写多視点画像より波面記述データへの変換法の検討2. 平成19年度の研究実績開発した多視点画像撮影システムにより撮影された3次元画像より任意視点画像およびホログラムによる3次元像の表示を行い、変換法が有効であることを示した。3. 平成20年度の研究実績(1)多くの視点での撮影が必要とされていた従来のアルゴリズムを発展させ、撮影点数が少なく, かつ高分解能な立体画像の波面記述データに変換する新アルゴリズムを開発。(2)撮影位置に自由度が無かったものを, 比較的自由な位置からの撮影が可能な新アルゴリズムを開発。(3)上記, (1)(2)のアルゴリズムについてホログラムによる立体表示により有効性を確認。4. 今後の課題(1)連続的な視差と奥行き情報の内在が理論的にどう解釈されるべきか。(2)提案したアルゴリズムの特性や適応限界等の理論的, 実験的検討が必要。
著者
緑川 知子 山下 協子
出版者
四條畷学園大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

肢体障害者に運動機能の補助増進を目的に用いられる補装具の着心地改善を図り、肢体障害者の生活の質向上に貢献することを目的として本研究を企画した。平成19年度に行った身体障害者の補装具着用実態と着用感に関する調査により使用者が最も多かった短下肢プラスチック補装具について足底土踏まず部に孔をあけた着心地改良品を平成20年度に試作した。これを用いて平成21年度には着用実験を行い、装具内温湿度を測定した。平成21年8月に研究室のエアコンを30℃に設定して実験を行った。研究室に到着した被験者は1時間の安静後、半袖Tシャツと短パンの実験着に着替え、センサー添付部位(足底土踏まず部,下腿後面部,胸部)をアルコールで清拭した後、センサーを貼付し、実験中の衣服内温湿度を連続測定した。3種の補装具について装着前椅座安静20分、装着後椅座安静20分、歩行運動20分、回復期椅座安静20分の間、5分間隔で5分間ずつ口腔温(精度0.5℃の婦人体温計)と着心地アンケートを測定記録した。1)プラスチック補装具で被覆されると、足底と下腿の衣服内温度・湿度は上昇した。温冷感・湿潤感は装着後上昇し歩行運動により一過性に下降したあと上昇し、運動終了20分後も高いレベルにあった。2)皮膚に密着するプラスチック面に吸湿素材を貼付すると装具内湿度は改善する傾向が認められた。そこで、次に模擬皮膚を用いて発汗無し,少量発汗,中量発汗について、4条件((1)孔無しプラスチックプレート(2)孔有りフ°ラスチックプレート(3)ライナー+孔無しプラスチックプレート(4)ライナー+孔有りプラスチックプレート)で検証実験を行った。今回用いた吸水性能のライナーでは,発汗が少量時には衣服内湿度の上昇が抑えられるが,中量時にはその効果は認められなかった。プラスチックプレートの孔の有無による衣服内温湿度の違いは認められなかった。
著者
リナート キャロル 小林 ひろ江
出版者
広島市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、過去の研究に基づき構築された「言語間のライティング能力双向性モデル」が多言語学習者によるテキスト構築を説明できるかどうかを検証した。ケース・スタディの方法を使い、母語を含む3カ国語による29篇の作文、思考発想法プロトコール、インタビューデータを収集し、分析した結果、このライティング・モデルの有効性を確認し、また多言語学習者が既習言語知識をテキスト構築プロセスに使うライティング方略も明らかにした。
著者
岡田 博 森 康子
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類,地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.1-9, 2000
参考文献数
8
被引用文献数
2

インドネシア東カリマンタンおよび西カリマンタンからサトイモ科の3新種,Aridarum incavatum, Bucephalandra magnifolia, Hottarum brevipedunculatumを記載した。これらは全て渓流沿い植物である。体細胞染色体数はいずれも2n=26であった。
著者
夏目 敦至 千賀 威 宇理須 恒雄
出版者
名古屋大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

ストレス顆粒はRNAと多くのタンパク質からなる凝集体であり、熱や活性酸素などのストレスにより形成される。その形成メカニズムは不明であり、RNAの翻訳停止やタンパク質の修飾が関与していると考えられている。また、ストレス顆粒の構成タンパク質の異常は神経疾患の発症と関連している。我々は分子生物学的手法とイメージングの手法を用いてストレス顆粒形成のメカニズムを解析した。ストレス顆粒の新たな構成因子を同定し、そのダイナミックな細胞内局在と複合体形成を解析し、関連する病態の解明をした。
著者
山名 早人
出版者
早稲田大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

2010年度は、2009年度に開発したシステム自動最適化アルゴリズムの実機評価を目指した。本アルゴリズムはProducer-Consumer型のモジュール群で構築されたアプリケーションにおいて、メニーコアCPUを最大限に利用できるよう各モジュールに割り当てる計算機やスレッド数を自動で決定し、アプリケーションの性能を最適化することが目標である。研究には我々が開発している分散処理フレームワークであるQueueLinkerを用いた。2010年度は、まず、自動最適化アルゴリズムの評価用アプリケーションとしてWebクローラを開発し、QueueLinkerのプロトタイプにより動作を確認した。本クローラを構成するモジュールは全てProducer-Consumer型であり、QueueLinkerにより分散実行できる。実験に先立ち、本クローラがWebサーバにかける負荷を軽減するために、同一Webサーバに対するアクセス時間間隔の最小値を厳密に保証するクローリングスケジューラを開発した。本スケジューラは、時間計算量が0(1)であり、空間計算量の上限がクローリング対象のURL数に依存しない。本アルゴリズムはDEIM 2011において発表した。そして、開発したWebクローラをアプリケーションに用い、QueueLinkerの自動プロファイリング機能を開発した。本プロファイリング機能は、モジュールが使用するCPU時間や、ネットワーク通信量をプロファイリングできる。その後、昨年度開発したシステム自動最適化アルゴリズムを実際のプロファイリングデータを利用して動作するよう設計を修正した。本アルゴリズムは、各モジュールが使用するリソース量に基づいて、アプリケーションの性能が最大になるように、モジュールに割り当てる計算機やスレッド数を自動で決定するものである。
著者
山路 稔 岡本 秀毅 久保園 芳博
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

ベンゼン環同志が隣り合ってたくさん繋がった縮環化合物と呼ばれる分子は有機化学的の作成する事は大変手間と時間がかかる。本研究では、1)光を当てるだけで環縮環生成する反応機構を解明する、2)この反応機構を応用し、従来の有機合成では生成困難な多環芳香族化合物や窒素、酸素、イオウなどの原子を含む複素環芳香族化合物を新たに創成する、3) 作成した多環縮環化合物を電子・発光デバイスや超伝導材料としての可能性、について研究を行った。