著者
盛多 亮 鬼沢 武久
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.121-134, 2010-02-15 (Released:2010-05-21)
参考文献数
8
被引用文献数
1 7

本論文では,動きを伴う文字の映像表現であるフレーズアニメーションを,形容詞・形容動詞を用いて生成する手法を提案し,その性能を評価する.提案手法は,印象推定,テンプレート動画選出,ユーザ評価による動画再構成の3パートで構成される.印象推定処理では,入力される形容詞・形容動詞の印象をフレーズアニメーションの印象因子で推定する.テンプレート動画選出処理では,推定された印象を表現するテンプレート動画をデータベースから選出し,ユーザに提示する.ユーザ評価による動画再構成処理では,提示される動画にユーザが評価を与え,評価に応じてフレーズアニメーションが再構成される.被験者実験によって提案手法の性能を検証し,ユーザが満足し,かつ鑑賞者が形容詞・形容動詞の印象を感じ取れるフレーズアニメーションが生成できていることを示す.
著者
小澤 自然
出版者
関西大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、V・S・ナイポールの初期作品に含まれる文化的異種混淆性についての考察を行なった。2008年から2009年度にかけては、彼が作家としての本格的なデビューを飾る前に関わったイギリスBBCの文芸番組"Caribbean Voices"についての調査を行ない、この番組との関係が彼の事実上の処女作Miguel Streetに果たした影響について考察し、学会発表を行なった上で、論文にまとめた。また2010年度には、ナイポールの中期作品群の出発点に位置する旅行記The Middle Passageについて分析し、学会発表を行なった。
著者
関根 順一
出版者
九州産業大学
雑誌
エコノミクス : ekonomikusu (ISSN:13424572)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.39-48, 1997-03-31
著者
松田 徹 是永 美樹 八木 幸二
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.70, no.593, pp.1-7, 2005
被引用文献数
4 3

The objective of this paper is to clarify the hierarchical spatial composition of dead end streets for residential environment in the old district of Macao. It has been developed into high density city where residential and commercial areas coexist. Dead end streets as buffer zone are analyzed focusing on a hierarchical spatial composition with three levels such as urban, building and individual. As the result, four types of hierarchical spatial composition into dead end streets were pointed out.
著者
芦田 昌明 蓑輪 陽介 石原 一 飯田 琢也
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

超流動ヘリウムという極低温かつ粘性が小さい特殊な媒質で満たされた環境下で、高強度レーザーを照射するレーザーアブレーションという手法を用いて、その結晶構造が異方的であるか否かによらず、様々な物質の真球形状を有する単結晶を作製することに成功した。また、その真球性に由来する高効率なレーザー発振を観測した。さらに、上記の特殊な環境である超流動ヘリウム中において、レーザーをナノメートルサイズの微粒子に照射し、その際に生じる輻射力を用いて、微粒子のサイズすなわち(物質の色など光学特性を決定する)エネルギー準位を選別しながら輸送する手法、光マニピュレーションが、様々な物質に適用可能であることを明らかとした。
著者
相知 政司 古川 達也 松尾 匡章
出版者
日本シミュレーション学会
雑誌
シミュレーション (ISSN:02859947)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.43-51, 1995-03-15
被引用文献数
2

According to the rapid progress in the performance of the microprocessors and their cost-down, the Engineering Work Station (EWS) and Personal Computer (PC) have been applied to the various problems in the computational mechanics. The finite element method (FEM) is the relatively popular technique of computational analyses among various numerical methods which are aided by the EWS and the PC. The FEM will require the preprocessing to discretize the analyzed domain into triangles. In the paper, we shall present the development of highly interactive and portable pre-processors for 2-D FEM analysis. The present system works on X Window System Version 11 Release 5 (X11R5) on EWSs. Since that tool makes the best use of Graphical User Interface (GUI), even a novice user can make the mesh data and visualize the calculated results readily. The high portability of this GUI is ensured because we adopted the licensefree Athena Widget set as the fundamental GUI gadgets.
著者
阿部 俊二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ
巻号頁・発行日
vol.110, no.206, 2010-09-14

国立情報学研究所は、日本全国の大学・研究機関等の学術情報基盤である、「学術情報ネットワーク(SINET: Science Information NETwork, サイネット)」の構築・運用を行っている。本講演では、2011年4月から運用開始を予定しているSINET4で提供するサービス並びにネットワーク構成について概説するものである。現在運用を進めている学術情報ネットワークはSINET3と呼称しており、2007年4月から稼動した。SINET3では、一般の研究・教育用のネットワークと高速大容量のデータ転送を必要とする研究プロジェクト用のスーパーSINETと統合すると共に、マルチレイヤでのVPN、QoSやマルチキャストなどの多様なサービスの提供を行っている。SINET4では、これまでの多様なサービスの提供を継承しつつ、以下の点を重点目標として構築・運用を進めていく予定である。(1)ネットワークの経済的高速化、(2)エッジノードの高安定化、(3)加入機関間の通信環境の格差解消、(4)各種学術アプリケーションの支援と展開。
著者
フォレスト アリスター
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

本研究は「挑戦的萌芽研究」の助成金で実施。目的は各遺伝子のプロモータ領域を標的とする合成短鎖RNA分子を用い、遺伝子上方制御を誘導する設計ルールを発見することでした。上流アンチセンス転写物を標的とする合成RNAを設計し、2つの細胞株で合計25個の遺伝子をテストしたところ、EGR2、NANOG、SPI1、MAFBに対する潜在的な低分子活性化RNAを特定しましたが、効果は小さく、一方の細胞型でしか作用しませんでした。残念ながら本実験は発表には至りませんでした。
著者
渡邊 郁夫 井汲 芳夫 大塚 紘雄
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.363-368, 2002-11-30
被引用文献数
1 1

産業廃棄物としての石炭灰を,未利用資源の有効活用の観点から,農業,緑化分野へ利用することを目的として,クリンカアッシュ(以下Cアッシュ)を用いた樹木による播種試験および苗木植栽試験を行った。樹木は,マテバシイ,アラカシ,ウバメガシ,シャリンバイ,トベラの5種,試験に供した用土は,対照区(赤玉土50%+ピートモス50%),試験区-1(Cアッシュ50%+ピートモス50%),試験区-2(Cアッシュ50%+赤玉土20%+ピートモス30%)の3区分である。播種試験では,樹種間にはバラツキが見られるものの,試験区-1<対照区<試験区-2の順に発芽率が高く,用土のpHの影響が考えられた。苗木植栽試験は,試験区間の成長率から,対照区<試験区-2<試験区-1の順に好生育を示し,特にD^2Lにおいてその傾向が強く現れた。また,Cアッシュ添加区では葉色の良化が認められ,微量要素の効果が示唆された。しかし,発芽に及ぼすpHの影響,一部のアラカシの葉に見られたホウ素過剰障害,土壌へのホウ素溶出の問題もあり,利用に際し,配合・施用量,化学組成および土壌中でのその動向について,更なる検討が必要である。
著者
草野 完也 浅井 歩 今田 晋亮 塩田 大幸 三好 隆博 簑島 敬
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

太陽フレアの発生機構について3次元電磁流体シミュレーションと太陽観測衛星「ひので」およびSDOによる観測データの解析を通して研究し、磁気中性線近傍に現れる2つの特徴的な構造を持つ比較的小型の磁場構造が太陽フレア発生のトリガとしての役割を果たすことを見出した。この小型の磁場は次期中性線上における平均場のポテンシャル成分と非ポテンシャル磁場成分に逆行する磁場成分を持つ。これらの結果は精密な磁場観測に基づいて太陽フレアの発生を決定論的に予測することが可能であることを示唆している。しかし、その予測時間は小スケールの磁場構造の変動によって数時間程度に制限されるであろう。
著者
根岸 理子
出版者
国文学研究資料館
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

本研究は、マダム花子(1868-1945)の活動を明らかにすることを目的として実施した。マダム花子は、20世紀初頭、20年近くにわたって欧米を巡演した日本女優であり、彫刻家オーギュスト・ロダン(1840-1917)の唯一の日本人モデルでもある。花子に関する資料は、海外に点在している。それらを現地調査し、花子一座の活動の実態を一部明らかにすることができた。特に、アメリカ議会図書館やニューヨーク公共図書館で、花子の写真や図版入りの記事や劇評を新たに収集できたことは、学界への大きな貢献であった。この成果は、2013年6月22日に開催される日本演劇学会において発表する。