著者
大関 和夫 中島 道紀 八十島耕平
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.33, pp.169-174, 2005-03-22

インターネットで各個人が画像・音声の配布をするにあたり,著作権を確保するため,透かし認証の無料化と耐性を最大化する観点で電子透かしシステムを構成した.従来透かしの埋め込みと検出の方式を秘密にするため,透かしの検証により著作権を第三者に対して主張するためには,透かしを公的機関に登録するなどの手続きが必要であったため,事実上透かし挿入検出のために登録経費等が必要となり,個人レベルでは電子透かしによる著作権の主張をすることが困難であった.これに対処するため,検出プログラムを公開し,任意の第三者が透かしの有無を検出できるようにした.これに伴い公開する検出プログラムを難読化しておく処理を追加することにする.電子透かしシステムにはいくつかの評価基準があるが,耐性を最大化するため,埋め込み情報の種類を最小化し,同じ情報を何度も繰り返し埋め込むことにより,埋め込みの冗長度を最大化することを試みた.埋め込みデータは独立と見なし,多数決原理により,透かしの有無を判定する.DFT領域でのQIM方式に準ずる埋め込みを行い,十分な耐性を確認した.また、難読化の手法を検討し,プログラムの増加量より,複雑度の指標をあげることができた.A new watermarking system which maximizes the resilience and provides authentication method without additional costs for people who distribute their digital image and sound data in the internet. In the conventional methods, embedding algorithm is kept in secret. To insist their copy rights to the others, registering their watermark data to some public institution had been required. this actually charged people registering costs, which made personal watermark embedding difficult. To cope with this, this paper proposes to disclose detection programs. Any third party can detect the watermarks. To carry out this system the detection program is obfuscated. To maximize the resilience, the watermarking system minimizes the embedded information. Assuming the embedded data independent, the majority decision rule authenticates the watermarks. Experiments with the QIM method in DFT region results sufficient resilience and provides higher complexity index than the increasing length of the detection program.
著者
高瀬 柔郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.692, pp.261-266, 2003-02-28

今後恒常化する高齢社会の近隣地域のボランティア活動を支援するために近隣網が提案されている.近隣網では,通信を無料化するためにルータ等の管理サーバを設置せず,各家庭のパソコンをノードとし家庭間をリンクで直結する.そのリンクに光ファイバーを使用するとFiber Among the Homes(FATH)が出現し,集合住宅では立体的な分散網が形成される.立体的な分散網の損失率の下限を提示する.
著者
高瀬 柔郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.694, pp.261-266, 2003-02-28

今後恒常化する高齢社会の近隣地域のボランティア活動を支援するために近隣網が提案されている.近隣網では,通信を無料化するためにルータ等の管理サーバを設置せず,各家庭のパソコンをノードとし家庭間をリンクで直結する.そのリンクに光ファイバーを使用するとFiber Among the Homes(FATH)が出現し,集合住宅では立体的な分散網が形成される.立体的な分散網の損失率の下限を提示する.
著者
大関 和夫 中島 道紀 八十島耕平
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.33, pp.169-174, 2005-03-22
被引用文献数
2

インターネットで各個人が画像・音声の配布をするにあたり,著作権を確保するため,透かし認証の無料化と耐性を最大化する観点で電子透かしシステムを構成した.従来透かしの埋め込みと検出の方式を秘密にするため,透かしの検証により著作権を第三者に対して主張するためには,透かしを公的機関に登録するなどの手続きが必要であったため,事実上透かし挿入検出のために登録経費等が必要となり,個人レベルでは電子透かしによる著作権の主張をすることが困難であった.これに対処するため,検出プログラムを公開し,任意の第三者が透かしの有無を検出できるようにした.これに伴い公開する検出プログラムを難読化しておく処理を追加することにする.電子透かしシステムにはいくつかの評価基準があるが,耐性を最大化するため,埋め込み情報の種類を最小化し,同じ情報を何度も繰り返し埋め込むことにより,埋め込みの冗長度を最大化することを試みた.埋め込みデータは独立と見なし,多数決原理により,透かしの有無を判定する.DFT領域でのQIM方式に準ずる埋め込みを行い,十分な耐性を確認した.また、難読化の手法を検討し,プログラムの増加量より,複雑度の指標をあげることができた.A new watermarking system which maximizes the resilience and provides authentication method without additional costs for people who distribute their digital image and sound data in the internet. In the conventional methods, embedding algorithm is kept in secret. To insist their copy rights to the others, registering their watermark data to some public institution had been required. this actually charged people registering costs, which made personal watermark embedding difficult. To cope with this, this paper proposes to disclose detection programs. Any third party can detect the watermarks. To carry out this system the detection program is obfuscated. To maximize the resilience, the watermarking system minimizes the embedded information. Assuming the embedded data independent, the majority decision rule authenticates the watermarks. Experiments with the QIM method in DFT region results sufficient resilience and provides higher complexity index than the increasing length of the detection program.
著者
高橋 正子 黒川 行治
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.22-48, 1992-12-25

SEC連結基準採用会社をサンプルとし,産業効果モデルによって推定した残差リターンに基づく累積平均残差CARを計算し,決算発表された会計情報の内容とCARとの関係を分析することにより,会計情報の有用性の有無・程度を検討する。会計情報としては,(1)連結利益,(2)個別利益,(3)連結営業キャッシュ,(4)個別営業キャッシュ,(5)連結投資キャッシュ,(6)連結財務キャッシュ,(7)個別投資キャッシュ,(8)個別財務キャッシュの8種類である。なお,すべて1株当たりの数値に換算し,また対前期比を計算することにより実際値と予想値との乖離を求め,期待外の結果とする。分析は4つのパートから構成されている。(1)利益情報と営業キャッシュ情報との比較 上記(1)〜(4)の4つの情報について,対前期比がプラスの場合,その情報内容が好材料(good news)と判断し,逆にマイナスの場合,悪材料(bad news)と判断して,情報の好悪とCARとの関係を月毎の変動の形にグラフ化する。その結果,利益情報の好悪は,営業キャッシュ情報の好悪よりもCAR(株価)との関連性が強い。とくに,連結利益情報がもっとも顕著であり,逆に,個別営業キャッツュ情報の好悪は株価に関して殆ど差異をもたらしていない。(2)投資キャッシュと財務キャッシュ情報の有用性 上記(5)〜(8)の4つの情報について,対前期比が増加であるか減少であるかを当該情報の情報内容として,CARとの関係を月毎の変動の形にグラフ化する。その結果,連結または個別の投資キャッシュが増加する場合,-3月まではCARは殆ど上昇しない。また,連結または個別の財務キャッシュが減少する場合,-3月まではCARは殆ど上昇しない。連結財務キャッシュが減少する場合,+1月から+3月までのCARの上昇が顕著である。(3)数量化I類モデルによる会計情報の有用性の分析 数量化I類モデルにより,総合的に会計情報のCARへの影響を検討する。その結果,-3月で決定係数が最大となり,情報の好悪(増減)に対するCARの反応差が最も大きくなる。また,資金情報の利益情報に対する追加情報の有用性についてみると,営業キャッシュにはそれほど大きな追加情報内容がないが,投資キャッシュには連結・個別ともに追加情報内容がある。また,個別財務キャッシュには追加情報内容がないが,連結財務キャッシュには追加情報の有用性がある。(4)回帰モデルによる会計情報の有用性の分析 分析(1)〜(3)までは,会計情報の内容を名義測度でとらえ,当期の会計数値を予想(前期値)と比較し,それの好悪あるいは増減としての情報の有用性を分析したが,ここでは,会計情報の内容を比例測度でとらえ,対前期比の数値そのものあるいは対数変換するにとどめた会計情報を扱う。その結果,連結利益は決算月前および決算発表月前に有用で,CARに対して+にはたらく。営業キャッシュ情報には,連結・個別ともに有用性が低い。また,投資キャッシュ,財務キャッシュ情報は,連結・個別ともに有用であり,とくに,連結財務キャッシュ情報が決算月以後および決算短信発表月以後のCARに対して影響が最も有意で,分析(2)と同様マイナスにはたらく。最後に,日本基準の連結会計制度上,作成・開示が義務付けられていない連結キャッシュ情報は有用であることが判った。
著者
梅澤 俊浩
出版者
早稲田大学
雑誌
産業経営 (ISSN:02864428)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.37-51, 2003-12-15

本稿は,日本固有の決算発表の集中日周辺における投資家の意思決定に焦点を当てている。Schroder et al.(1967)の概念モデルに基づくと,決算発表の集中日には,情報のオーバーロードのため,投資家の意思決定は影響を受けると予測される。それゆえ,本稿は決算発表の集中化が取引量に及ぼす影響を実証している。その結果,その他の条件を一定としても,短期的には,集中日ダミーと取引量との関係は弱いながらも有意に負であった。この結果は,Schroder et al。(1967)の概念モデルと一致して,集中日の決算発表直後,投資家は認知限界のためすべての情報は認知できないが,時間をかけて認知できかなった情報を処理する,ことを示唆している。すなわち,集中化は,投資家の決算発表に対する速やかな反応を阻害していると考えられる。よって,よりいっそうの分散化が必要である。
著者
黒川 行治 高橋 正子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.41-51, 1992-08-25

株式投資決定を前提として,会計情報の有用性を問題とする場合,連結会計が主である米国では,発生主義にもとづく連結利益情報と現金主義にもとづく連結キャッシュ・フロー情報とが比較の対象となってきた。一方個別会計情報と連結会計情報とを併用して利用できる状況にあるわが国においては,個別利益情報,個別キャッシュ・フロー情報,連結利益情報,連結キャッシュ・フロー情報の4つが情報の有用性の比較対象となりうる。しかし,現在のところ,個別利益情報および連結利益情報の有用性が若干確認されたにとどまり,キャッシュ・フロー情報とくに連結キャッシュ・フロー情報の有用性の検証は行われていない。そこで,本研究の目的は,株式投資決定問題を前提として,上記の4つの情報の有用性を比較検討することである。なお,わが国固有の連結基準では,連結キャッシュ情報公開が要請されていず,上記4つの情報がすべて利用できるのは,SEC基準によって連結有価証券報告書を提出する会社だけなので,SEC連結基準適用会社をサンプルとする。分析方法としては,産業効果モデルによって推定した残差リターンにもとづく累積平均残差CARを計算し,決算発表された会計情報が好材料(good news)であるか,悪材料(bad news)であるかによって,決算発表前後でCARの動きが異なるか否かを検討するものである。ただし,会計情報としては上記の4種類があるので,好材料か悪材料かはそれぞれの情報毎に識別される。
著者
大河内 暁男
出版者
大東文化大学
雑誌
経済論集 (ISSN:02874237)
巻号頁・発行日
vol.86, pp.1-15, 2006-03-25
著者
大河内 暁男
出版者
大東文化大学
雑誌
経営論集 (ISSN:13462059)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.107-115, 2008-02
著者
羅 攀柱 篠原 武夫
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.1-10, 2004-11-01

中国南方集体林区における林業各戸請負制の実行は山林経営管理の混乱を招き,森林資源を破壊することとなった。そのため,造林資金が不足し,立地条件も劣る地域では,大面積の荒山を対象とする森林の造成,保育及び保護管理が益々困難となった、,この問題を解決する1つの方策として湖南省では,工程封山育林林業株式合作制度が地方政府の主導下で作られ,一定の広がりを見せている。この制度は,株式制度を活用したものであり,自由加入の原則に則って同・地域内の農民を組織し,郷,村行政の下で,林業各戸請負制によって各農家に請負わせている山林を林場に出資させ,複数の山を一団とした林場単位で封山育林を実行する。そして山林,資金,労働力等の生産要素を株に換算し,株に応じて利益を配分する。森林が育成途上にある工程封山育林株式合作制度は,地方政府及び自治組織の資金助成の下で,零細性を克服した林業経営を実現し,森林造成を推進すると同時に,森林の乱伐を減らす等森林資源の保護を可能にしている。しかし,経営資金の不足,制度の不備等のため,自立的経営を実現している林場は殆どない,工程封山育林林業株式合作制度は注目される制度であるが,現状では改善すべき点も多い。
著者
中根 周歩 山崎 裕実 根平 邦人 福岡 義隆
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.111-118, 1988-03-01
被引用文献数
3

最近2年以内に山火事が発生した, 広島県芸南地方の宮島等の5カ所で, 1986年4〜11月に, 焼止まり線(山火事の延焼が止まつている部分)の植生およびその構造を各層(I〜IV層)の植生とその被度(5段階)によってタイプ分けし, 全焼止まり線と地表火跡地の林分を類別化した。また, 焼止まり線の地形を調べるとともに, 出火時の気象も考察した。山火事の発生しやすい気象条件として実効湿度とともに土壌含水率を目安とするとよいことがわかった。一方, 全焼止まり線のうち, 85%が森林で, 残りの15%が川, 道路や農耕地であった。焼止まり線になっている林分の98%はシダ(コシダやウラジロ)の植被率(C_S)は25%以下, さらに同林分の94%はI〜III層の被度の合計(C_H)に占めるアカマツ・スギの被度の割合が30%以下であった。また, 地表火跡地でもC_Sが25%以下であったが, A_O層中のアカマツ葉の割合が高く, そのため地表を火が走ったものと思われた。地形的には焼止まり線は谷部が最も多い(56%)が, 尾根や斜面上部(合計24%)でも見られた。さらには, 焼止まり線はこれらどの地形でも常緑広葉樹が優先する林分の頻度が高かった。