著者
井関 龍太
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.37, 2021

<p>昔話や民話では,同じようなエピソードがくり返し現れることがある。『三匹の子豚』や『山姥』など,典型的にはくり返しの回数は三回であることが多い。そのようなくり返しは,登場人物による目標達成のための試みのくり返しを表しているとされる。そのような観点から考えると,試みを実行する登場人物が変わる場合(三人の兄弟など)には,同じ人物が試み続ける場合よりも目標達成の試みが最終的には成功したり,あるいは,先行する人物のふるまいを厳密に踏襲しなかったために失敗したりすることが考えられる。口承民話を収集した『ハンガリー民話集』をこのような観点から分析したところ,くり返しに登場する人物の異同と最終的な成果の変化に明確な関連は見られなかった(井関, 2019, 日心大会)。しかし,この結果は分析対象が属する文化に依存する可能性も残る。本研究では『ラテンアメリカ民話集』を分析し同様の結論を得た。</p><p></p>
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.748, pp.12-16, 2011-10
著者
大谷 能生
出版者
出版人
雑誌
出版人・広告人
巻号頁・発行日
vol.8, no.10, pp.70-72, 2020-10
著者
森田 敦郎
出版者
日本文化人類学会
雑誌
文化人類学 (ISSN:13490648)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.33-52, 2011

本論文では、19世紀フランスの社会学者ガブリエル・タルドに着想を得た「モノ」への新しいアプローチを構想を試みる。近年、タルドへの関心が人類学で復活しつつある。この関心は、人間の行為の所与の条件となる単一の「自然」と、人間の創造的行為の産物である多数の「文化」の二項対立という従来の枠組みを乗り越える方法を模索する中から生まれてきた。そこで暗示されているのはモノについての言説ではなく、その構成そのものに焦点を当てた人類学の可能性である。本論文では、「相互所有」というモノ相互の特異な関係に注目したタルドの現代的な意味を確認した後、タイにもたらされた日本製の農業機械の事例を取り上げて、モノの内側にどのような関係が取り込まれており、それが移動の過程をへていかにして展開するのかを考察する。この事例では、設計の段階で機械に刻み込まれた日本の環境との関係が、タイの環境との不適応をとおして人々の前に浮かび上がってきた。このようにモノがその内に含み込んだ潜在的な関係を顕在化するプロセスを考察することは、人類学の鍵概念である比較や文脈といった概念に新しい角度から光を当てることでもある。
著者
坂田 晃一
出版者
尚美学園大学
雑誌
尚美学園大学芸術情報学部紀要 (ISSN:13471023)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.145-156, 2004-03-31

我々の生活の中には音楽が溢れている。音楽はひとにどのように受けとめられているのであろうか。そこには実に多くの要因が関与しているように思われる。今回、私がかつて作曲した「NHK連続テレビ小説『おしん』」のテーマ音楽を取り上げ、聴き手がそれをどのように受けとめるのかを半構成的インタビューによって調査した。半構成的インタビューという方法をとったのは、連想の内容に一切の制限を加えない「自由連想法」による分析を行うためである。本稿では一般的な法則を引き出すのではなく、作曲上の意図が視聴者にどのように伝わっているのかに主点を置いている。聴き手がテレビドラマのテーマ音楽をタイトル・バックの映像と共に聴くことにより、ドラマの内容についてどのようなイメージを持つのか、テーマ音楽の役割がどのように機能しているのか、個々の受けとめ方の違いを調査し、分析、統合した。聴き手として、本学の学生10名(いずれも芸術情報学部音楽表現学科)を選び、個別にタイトル・バックの映像と共にテーマ音楽を聴かせ、その後インタビューを行った。
著者
高木 千恵
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.19-34, 2005-04-01

関西若年層は,カジュアルな場面における方言談話でも標準語形ジャナイ(カ)を使用している。1970年代生まれの男女70人分の談話資料を分析した結果,ジャナイ(カ)が方言形チャウ(カ)・ヤンカと用法を分担する形で受容されていることが明らかとなった。関西若年層が用いるジャナイは名詞・ナ形容詞述語の否定形であり,<否定><同意要求>の用法を担っている。旧形式であるチャウ(カ)は<推測>の,ヤンカは<認識要求>の形式として,棲み分けの形でジャナイ(カ)と併存している。ジャナイ(カ)の受容は標準語との接触によって起きた変化だが,これは方言が標準語に取って代わられる共通語化の一過程ではなく,方言体系の再編成という変化のメカニズムによって説明されるものである。
著者
馬場 伸彦
出版者
甲南女子大学
雑誌
甲南女子大学研究紀要. 文学・文化編 (ISSN:1347121X)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.A75-A82, 2007

雑誌『犯罪科学』において,1930年代に登場した新しい「グラフ・モンタージュ」は,その実践者である堀野正雄,また写真評論家として活躍した伊奈信男や板垣鷹穂らによって,西欧で勃興した「新興芸術」の流れの中に位置づけられている。「グラフ・モンタージュ」と名付けられた一連の作品評を概観してみると,移入初期においては直裁的な翻訳のようであったが,その後試行錯誤を経て次第に独自の表現形式を獲得していったことが分かる。そこには社会の暗部や裏面をメディアの視覚を媒介にして安全かつ刺激的に覗き見たいという大衆の欲望が表象され,また,「シナリオ」を必要としたその構成と形式は,写真報道と映画を架橋する新しい表現であったにちがいない。
著者
三浦 清美
出版者
電気通信大学
雑誌
電気通信大学紀要 (ISSN:09150935)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.77-109, 2012-02-01

The author in this bulletin provides translations and commentaries of four literary works supposed to have been created in various times of medieval Russia.These translations have two different orientations. One of them is that of medieval Russian preaching and we will treat here "The Preach of the metropolitan Hiralion on the Law and the Grace", supposed to have been written <P>The other orientation is that of Russian orthodox legends about the tragically killed princes and we treat here "The legend of saint Vaclav", "The chronicle tale of the murder of Andrei Bogoliubsky" and "'The legend of Michail Jaroslavich of Tver'". This literary tradition began in the latter part of the 11th century with the tales about Boris and Gleb, which we have translated in the precedent number of this bulletin.
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.598, pp.35-45, 2002-07
著者
藤江 里衣子
出版者
名古屋大学大学院教育発達科学研究科
雑誌
名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要 心理発達科学 (ISSN:13461729)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.29-38, 2009

There is such experience as feeling incompetent in spite of one's outstanding accomplishments. Clance and Imes focused on this experience, and proposed a new concept "impostor phenomenon". In this study, researches on the impostor phenomenon were overviewed from the viewpoint of characteristics of the phenomenon, the trends of research before the proposal on it, its background, the relevant variables, and the measurement scales. As a result, it was revealed that there was ambiguity in the definition of the impostor phenomenon, in the significance of proposing this concept, and in the reality of it. In the future research, it is necessary to define the impostor phenomenon and to reveal the reality of it. Moreover, on the assumption that the impostor phenomenon as a state, its generation mechanism model was showed.