著者
内藤 広志 齊藤 隆 水谷 泰治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.93, pp.81-88, 2008-09-19

JAVA 言語で書かれた GUI プログラムの実行テストを効率的におこなうための方式とその評価について報告する.本方式では,AWT をエミュレーションするために擬似 AWT を開発した.擬似 AWT は,AWT と同様に GUI コンポーネントの内部状態を保持するが,スクリーンへの描画の変わりに要求されたメソッドの名前と引数の値を出力ログへ書き込む.実行テストでは,出力ログを調べることでプログラムが正しいかを検査する.また,本方式の評価のために,類似システムとの機能や実行時間の比較をおこなった.This paper describes a Java GUI program testing method which perform the testing efficiently, and a evaluation of Hercules Computer Aided Assessment (CAA) system with this method. To emulate the Java AWT, a dummy AWT was developed. The dummy AWT maintains internal states of the GUI components like the AWT. When the AWT is requested to draw some objects to a screen by a program, the dummy AWT generates an output log with the requested method names and its arguments values. In the execution test, an assessment of a program can be obtained by examining the output log. To evaluate this method, the function and peformance are compared with related systems.
著者
太田 行紀 脇田 建 佐々 政孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.25, pp.185-192, 1995-03-09

コンパイラをテストする際、コンパイラのすべての機能をもれなくテストするようなソースプログラムを人手によって作成することは非常な労力を要する。このテストは,構文的にも意味的にも正しいプログラムが正しく処理されることを調べる正常系試験と、その一方または両方が誤っているプログラムに対して適切なエラーメッセージが出力されることを調べる異常系試験の2つに分けられる。本論文では、そのそれぞれに対して、属性文法によるコンパイラの形式的定義より自動的にソースプログラムを生成する方法を試みた.その際,属性文法の文脈条件を意図的に真または偽にすることによって,意味的に正しいまたは誤ったプログラムを生成できたことがオリジナルな点である.In testing a compiler, it is very hard to manually generate test programs that cover all functions of the compiler. The test consist of the normality test and the abnormality test. The former checks whether the compiler works for syntactically and semantically correct programs. The latter checks whether the compiler detects errors and gives proper error messages for programs including syntax or semantic errors. In this paper, we try to automatically generate test programs for each of the above cases from formal definition by attribute grammars. The originality of this research resides in that we can generate semantically correct/incorrect programs by making context condition true/false intentionally.
著者
川本 良太 宮崎 伸夫 茂呂 一永 岡崎 大和 田中 数彦 原 誠一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.289, pp.43-48, 2008-11-06

近年,ホームネットワーク分野においてコンテンツを共有するための規格であるDLNA対応の製品が普及してきている.また,センサネットワーク分野においては,低消費電力な無線通信規格であるZigBeeが注目されている.そこで我々は,これら2つの規格を連携することによってサービスの幅を拡大させるため,DLNA/UPnP-ZigBeeゲートウェイの研究開発を行っている.ゲートウェイではブロードキャストクエリにより全センサノードのセンサ情報を一斉に収集しているが,ノード数の増加に伴い,衝突の影響で応答のパケット到達率が低下する.本稿では,ゲートウェイを実装し,キャッシュの利用等によってパケットロスへの対策を講じた.また,オフィスビルのフロアを利用したセンサ情報収集実験による性能評価を行った.本実験により,パケット到達率の評価,及びキャッシュ機構の有効性を検証したので報告する.
著者
小野 友也 岩井 儀雄 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.115, pp.193-200, 2008-11-20

近年,拡張現実感・ロボットナピゲーションなどの分野の研究が盛んに行われている.それに伴い,対象物体とカメラの相対的な位置・姿勢を推定することは重要な課題となっている.本論文では '空間周波数を利用した姿勢推定法を提案する.空間周波数を利用して画像にマーカを埋め込み,空間周波数の変化を観測することで現在の姿勢を推定する. OpenGL を用いたシミュレーションを行い提案手法の有効性を確認した.Recently, fields of the augmented reality and the robot navigation are actively researched. Estimating a relative position and a posture between an object body and a camera has become a more important task. In this paper, we propose a posture estimation method using spatial frequency. We embed markers in an image by using spatial frequency and observe changes in the spatial frequency domain to estimate a current posture of the image. We create an application with OpenGL for simulation and show the effectiveness of our method.
著者
蔵田 武志 大隈 隆史 興梠 正克 石川 智也 タンガマニ・カライバニ 七田洸一 君島 翔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.106, pp.25-28, 2008-10-30

サービスの生産性向上は,経済の持続的発展のために必要不可欠な要素である.従来のように経験や勘だけに頼るのではなく,科学的工学的手法を確立してサービスの生産性向上を達成する枠組みをサービス工学と呼ぶ.筆者らは,拡張現実インタラクション技術により経験と勘を工学的に拡張することで,科学的工学的手法に立脚しながら人間の能力を最大限活用し,サービスの質や生産性を向上できると考えている.本稿では主に科学ミュージアムでの事例研究を紹介し,これまで得られた成果と今後の展望について述べる.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.732, pp.102-105, 2009-06-10

最近では「バズワード」扱いされていた「Web 2.0」が、アプリケーション開発のオープン化の新潮流と結合することで、一気にビジネス化の可能性が見えてきた。「ソーシャル・アプリケーション」である。海外で先行するが、国内でも新たなビジネスが生まれるのか─。最新動向を追った。 2005年11月に設立した米ロックユー。
出版者
京都大学附属図書館
雑誌
静脩 (ISSN:05824478)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.8-11, 1988-07
著者
ザン ドー ヴァン 橿渕 健一 西山 大樹 加藤 寧
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.457, pp.159-164, 2009-02-24

センサノードの電力に限りがあるセンサネットワークにおいては,ネットワークの稼働時間をいかに延長するかが大きな課題である.稼働時間を長くするためには各センサの消費電力を考慮する必要があり,とりわけ通信に伴う電力消費を大きく左右するルーティングアルゴリズムについての検討が大変重要である.これまで,消費電力を考慮した様々なルーティングアルゴリズムが数多く提案されてきたが,いずれにおいてもホットスポット問題が十分に考慮されていない.ホットスポット問題とは,データを集約する役目を負うシンクノードの周辺領域(ホットスポット領域)において,トラフィックの集中に伴う電力消費が激しく,早期に電力が枯渇し,結果としてネットワークが分断されてデータの収集が不可能になる問題である.そこで,本研究ではホットスポット問題を考慮したルーティングアルゴリズムを提案し,これによりネットワーク稼動時間の改善が可能であることを明らかにする.
著者
山本 裕 木下 和彦 戸出 英樹 村上 孝三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.457, pp.327-330, 2009-02-24

近年,ネットワークカメラと無線マルチホップ網を用いた監視システムが注目されている.この監視システムは既存のインフラに依存せず,簡便にシステムを構築することができる一方で,有線網に比べて,通信品質が安定しないという問題がある.そのため,輻輳や電波干渉などの影響による映像品質の低下を考慮しつつ,広範囲に多数配置されたネットワークカメラから効率的に映像を収集することが重要である.そこで,本稿では,映像の優先度と伝送経路の排反性を考慮したカメラ選択スケジューリングを提案し,その性能をシミュレーションによって評価する.
著者
中山 英久 角田 裕 太田 耕平 鈴木 明宏 西山 大樹 永富 良一 橋本 和夫 和泉 勇治 キニ グレン マンスフィールド 根元 義章 加藤 寧
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.4, pp.1-6, 2009-04-09
被引用文献数
3

近年の健康志向の高まりを受け,各種トレーニングの運動効果が多くの人々の関心事となっている.本研究では,フィンランド発祥のエクササイズであるノルディックウォーキングの運動効果の検証を目的とし,ポータブルな屋外無線LANネットワークを用いて運動をリアルタイムにセンシングする,運動計測システムのプロトタイプを構築した.本システムは,無線端末と行動計測デバイスをセットとすることで,設置した無線ネットワーク内をユーザが自由に運動できるため,ネットワーク設備が不十分な屋外における運動でも各人の消費カロリー等を精密に計測できることが特徴である.プロトタイプシステムの有効性をノルディックウォーキングのイベントにおける実証実験を通じて検証し,多くの参加者から同時に運動のセンシングが可能であることを確認した.本稿では,運動計測システムの設計に関する課題を議論すると共に,実証実験の結果を報告する.