著者
伊藤誠悟 吉田 廣志 河口 信夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.3124-3136, 2006-12-15
被引用文献数
13

ユビキタス情報社会の実現に向けて屋内外で利用可能な位置情報システムの構築が求められている.近年の急速な無線LAN の普及により,屋内外のあらゆる環境において無線LAN アクセスポイントが設置され,広い範囲で利用可能な,無線LAN を用いた位置情報システムの実現可能性が高まりつつある.本論文が対象とする無線LAN 位置情報システムでは,アクセスポイントの緯度経度情報およびBSSID(Basic Service Set Identi.er)を位置推定のための基準点情報として収集し,基準点情報を利用して位置推定を行う.広く利用できる位置情報システムを構築するためには,無線LAN 位置情報システムの実現可能性を調査し,基準点情報を広域に効率良く収集することが課題となる.加えて,位置情報システムの性能としての位置推定精度や推定可能範囲と,基準点情報の収集手法との関係を明らかにする必要がある.本論文では基準点情報の収集手法について,「収集地域の違い」「収集回数の違い」「収集経路の違い」「収集手段の違い」といった複数の観点から検討および評価を行った.その結果,名古屋,東京,大阪の都市部において,すべての経路のおよそ半分の経路の収集だけでも,80%程度の位置で30~50m の精度で推定可能となることが分かった.Looking toward the ubiquitous information environment, there are some demands for positioning system which can use both indoors and outdoors. According to spread of wireless LAN, many positioning systems using wireless LAN have been developed. Although many studies have been made on accuracy in indoors environment, little is known about construction method of wide-area positioning system using wireless LAN. The positioning system we assume uses access points database which consist of BSSID (Basic Service Set Identi.er) and location of access point. By using this reference points, the system estimates position. To construct wide-area positioning system, it is important to collect reference point e.ectively. In this paper, we examine construction method of wireless LAN based wide-area positioning system from point of view of collection area, collection route, collection vehicle, and number of collection. We collected reference points in real environment, and conducted evaluation experiments. Our results show, although reference point collectors decrease route in half, it is possible to estimate position with 30~50m accuracy and more than 80% coverage.
著者
堺 拓郎 内山 彰 中村 嘉隆 東野 輝夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.16, pp.83-88, 2007-03-01

本稿では、ユーザが小型携帯端末を保持して移動する状況を想定し、匿名性を保持しながら他者との遭遇情報を保証するための技術を提案する。位置情報を利用したサービスを提供する場合、他者との遭遇情報を用いることで、提供する位置情報の信頼性を高めることができる。一方で各ユーザのプライバシーの問題や小型携帯端末の性能が低いという問題も考慮する必要がある。そこでハッシュ関数を用いることで、単体で個人の特定ができないようにした遭遇情報を交換して、遭遇者同士が互いに遭遇した事実の保証を行う方式を提案した。提案方式は匿名性に加えてリンク不能性を満たすため、あるユーザから送信された複数の遭遇情報を基に、それらの遭遇情報が同一のユーザから送信されたことを特定できないようにしている。ハッシュ関数の有用性および提案方式の実現可能性を調べるため、評価実験を行い、小型端末 MOTE 上にハッシュ関数 SHA-1 を実装し、その計算時間を求めた。また電力消費量について公開鍵暗号と比較を行い、約1/340に電力消費量を抑えられることが分かった。In this paper, we propose a certification technique for anonymous encountering information. In the proposed technique, each mobile user holds a small sensor with a short range wireless device such as RFID tags, and fixed sensors are sparsely distributed in the target area. Each user exchanges and keeps encountering information obtained from the other users or fixed sensors. Encountering information is helpful to enhance reliability of location information for location-based services. However, we need consider privacy of users carefully. For this purpose, anonymity and unlinkability of encountering information is guaranteed by using a hash function. We have implemented the hash function on MOTE and confirmed efficiency of the hash function on computation time and power consumption through the experiments.
著者
篠田 裕之 竹内 亨 寺西 裕一 春本 要 下條 真司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.16, pp.77-82, 2007-03-01
被引用文献数
1

近年のユビキタス技術の発展により、空間センサやユーザの携帯端末から、多種多様なユーザの行動履歴が取得・蓄積可能となってきている。そこで、ユーザの行動履歴から、行動パターンを抽出することで、ユーザが興味を持つと考えられる場所を推測し、推薦するシステムが考えられる。本稿では協調フィルタリング手法を適用し、推薦の対象となるユーザと類似の行動パターンを持つ他のユーザの行動履歴を参照することで、ユーザが行ったことのない場所でも効果的な推薦を行ったり、潜在的に興味のある場所の推薦を行う行動ナビゲーション手法の考察を行う。By the development of ubiquitous technology of recent years, we will be able to acquire and accumulate various action histories of users from spatial sensors and mobile devices. Therefore, a system to recommend the interested places of users by extracting action patterns from action histories of users can be developed. In this paper, we propose action navigation method by collaborative filtering, which can recommend potentially interested places or even a place where users have not been by referring to action histories of other users having a similar behavior.
著者
垂水 浩幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.124, pp.15-16, 2007-12-08
被引用文献数
1

本稿では、我々が SpaceTag 概念を提唱して依頼続けて来た位置依存情報サービスとそのエンタテインメントへの応用について概観し、考察を行う。A survey and discussions on our research projects are described. The research has been on the location-based information services for mobile terminals and its applications to entertainment.
著者
苗村 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.396, pp.1-4, 2006-11-23

情報技術の進展に伴い,我々は膨大な情報に囲まれながら生活をするようになってきた.このため,必要な情報にだけ効率的にアクセスできる情報環境を如何にして構築していくかが重要な技術課題になっている.本稿では,実世界中のさまざまなところに,人に見えない形・聞こえない形で情報を宿すことによって,生活環境に密接した情報環境を実現する情報提示手法について検討する.具体的には,超音波を使って空間的な定位が可能な形で音声情報を伝達する方式と,プロジェクタ映像の中に情報を埋め込む方式について紹介する.
著者
高阪 宏行 関根 智子
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地學雜誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.117, no.2, pp.455-463, 2008-04-25
被引用文献数
1 2

The aim of this paper is to review the present situation of business Geographic Information Systems (GIS) in Japan. This paper especially focuses on various geographic information services produced by geographic information technology. Geographic information is defined as attribute data with location and geographic information technology is considered in the second section in terms of software and hardware for manipulating geographic information. The third section reviews location-based services (LBS), which trace positions in real-time using location sensor technology. LBS are classified into six types of service: provision of information specified for a position, tracing service for people, tracing service for vehicles and ships, tracing service for luggage and goods, proximity-based notification, and proximity-based actuation. Spatial analysis on GIS has been applied in business tools to assist sales promotion activities and the posting of handbills in shops and offices. The fourth section presents trade area analysis used to perform effective sales promotion activities. Rating methods and spatial interaction models are also used for location assessments of sites proposed for new shops. The fifth section considers geodemographics as an area marketing tool. The last section presents the outlook for business GIS in Japan.
著者
矢吹 信喜 李 占涛
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木情報利用技術論文集 (ISSN:13491040)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.99-106, 2007

本研究では, 3次元の橋梁プロダクトモデル新IFC-BRIDGE と拡張現実感 (AR) 技術を用いて, 配筋設計協調システム, プロセス表示システム及び配筋チェック支援システムを開発するための基礎的検討を行った. これらのAR システムは室内或は現場の環境に仮想シミュレーションされた対象を重畳し, 実際の配筋と設計配筋を同時に観察することにより, 直観的に操作することを目指した. これら3つのシステムのプロトタイプを開発し, 室内実験及び現場実験を行い, システムの可能性と課題を考察した.
著者
林 建一 加藤 博一 西田 正吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.470, pp.13-18, 2007-01-12

本稿では,拡張現実感におけるトラッキング手法をよりロバストにするためのフレームワークを提案する.従来のトラッキング手法においては,1つの位置姿勢を基にトラッキングを行っていくのが通常であり,一度間違った位置姿勢を求めてしまうと,以降のフレームで正しい位置姿勢を求めることは困難となるとった問題が存在した.提案フレームワークでは,従来のように1つの位置姿勢に依存してトラッキングを続けるものではなく,複数の解の仮説を保持し,それぞれに対して独立したトラッキングを行うというものである.これにより識別性の高い特徴の少なくトラッキングの困難なシーンや,カメラが高速に動くような状況においても,ロバストなトラッキングを実現する.
著者
清川 清 北原 格 天目 隆平 神原 誠之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.470, pp.25-30, 2007-01-12

第5回複合現実感国際会議(ISMAR06: the 5th IEEE/ACM International Symposium on Mixed and Augmented Reality)が2006年10月22日〜25日に米国サンタバーバラのカリフォルニア大学サンタバーバラ校にて開催された.本報告では,本会議の主要論文について紹介し,複合現実感研究の最新動向を探る.
著者
松田 幸大 池田 聖 佐藤 智和 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.535, pp.5-10, 2007-02-16
被引用文献数
2

カメラの位置及び姿勢を推定する技術は,拡張現実感,ロボットナビゲーションなど様々な分野で応用が可能である.従来提案されている,環境の特徴点の三次元位置や画像テンプレートが登録されたランドマークデータベースを用いたカメラの位置及び姿勢の推定手法は,物理的なインフラの整備を必要とせず,カメラの絶対的な位置及び姿勢が得られるという特長がある.しかし,ランドマークデータベースを用いた手法では,入力画像中の特徴点と登録されたランドマークをテンプレートマッチングによって対応付けることで各フレームのカメラの位置及び姿勢を推定するため,カメラが高速な回転を伴う場合に誤対応が生じ,カメラの位置及び姿勢の推定誤差が増大する問題がある.本稿では,ランドマークデータベースと姿勢センサにより得られる角速度情報を併用したカメラの位置及び姿勢の推定手法を提案する.提案手法では,まず角速度情報を用いてデータベース中の多数のランドマークから推定に用いるランドマークを効果的に選択する.次に,データベース中の画像テンプレートに対してモーションブラーを再現することで,カメラが高速に回転する場合に生じるモーションブラーによる誤対応を防ぐ.
著者
松田 幸大 池田 聖 佐藤 智和 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.537, pp.5-10, 2007-02-16

カメラの位置及び姿勢を推定する技術は,拡張現実感,ロボットナビゲーションなど様々な分野で応用が可能である.従来提案されている,環境の特徴点の三次元位置や画像テンプレートが登録されたランドマークデータベースを用いたカメラの位置及び姿勢の推定手法は,物理的なインフラの整備を必要とせず,カメラの絶対的な位置及び姿勢が得られるという特長がある.しかし,ランドマークデータベースを用いた手法では,入力画像中の特徴点と登録されたランドマークをテンプレートマッチングによって対応付けることで各フレームのカメラの位置及び姿勢を推定するため,カメラが高速な回転を伴う場合に誤対応が生じ,カメラの位置及び姿勢の推定誤差が増大する問題がある.本稿では,ランドマークデータベースと姿勢センサにより得られる角速度情報を併用したカメラの位置及び姿勢の推定手法を提案する.提案手法では,まず角速度情報を用いてデータベース中の多数のランドマークから推定に用いるランドマークを効果的に選択する.次に,データベース中の画像テンプレートに対してモーションブラーを再現することで,カメラが高速に回転する場合に生じるモーションブラーによる誤対応を防ぐ.
著者
岩谷 周 中塚 正之 甲藤 二郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.130, pp.37-42, 2007-07-02
被引用文献数
2

本研究では,今後の発展が期待されるユビキタスネットワーク社会において,ユーザが携帯端末を用いて近辺の環境情報の視覚化を行い,ユーザに対して効果的な提示を行うアプリケーションの設計とその要素技術について検討を行なう.アプリケーション設計に関しては,Webサービスの利用を想定し,汎用的なインターフェースの利用によって,開発を容易にすることを視野に入れている.要素技術に関しては,空間中に配置したマーカーの検出と拡張現実感を活用し,さらに無線技術を併用した混雑表現アプリケーションについても検討を進める.
著者
岩谷 周 中塚 正之 甲藤 二郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.129, pp.37-42, 2007-07-02

本研究では,今後の発展が期待されるユビキタスネットワーク社会において,ユーザが携帯端末を用いて近辺の環境情報の視覚化を行い,ユーザに対して効果的な提示を行うアプリケーションの設計とその要素技術について検討を行なう.アプリケーション設計に関しては,Webサービスの利用を想定し,汎用的なインターフェースの利用によって,開発を容易にすることを視野に入れている.要素技術に関しては,空間中に配置したマーカーの検出と拡張現実感を活用し,さらに無線技術を併用した混雑表現アプリケーションについても検討を進める.
著者
清川 清
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.318-325, 2007-08-15
被引用文献数
2

バーチャルリアリティ(VR)における代表的な視覚提示装置としてヘッドマウントディスプレイ(HMD)と没入型投影(IPT)ディスプレイを取り上げ,それらの特徴を概説する.HMDは装着して持ち運べ,透過型にすれば実物体への重畳表示が可能であるなどの利点があり,VRだけでなく関連の深いウェアラブルコンピューティングや拡張現実感分野に最適である.ただし,人の視覚能力に匹敵するHMDの製作は極めて困難であり,視野角,解像度,重量,許容する光学歪み等に関するトレードオフを考慮する必要がある.一方IPTディスプレイは視野角や解像度の点で費用対効果に優れ,プロジェクタの低価格化等により急速に普及している.周壁面スクリーン・曲面スクリーンや前面投影・背面投影などを用途に合わせて選択するのが一般的であるが,近年は複雑な起伏や模様のある壁面に対し歪みや色ムラのない映像投影が可能になり,設置場所の制約が緩和されつつある.
著者
中里 祐介 神原 誠之 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.242, pp.73-78, 2007-09-27
被引用文献数
1

ウェアラブルコンピュータを用いた拡張現実感(AR)ではユーザの位置・姿勢を正確に計測する必要がある.そこで我々は再帰性反射材からなる不可視マーカを赤外線カメラで撮影することにより,景観を損ねることなく画像マーカを環境中に設置し,ユーザの位置・姿勢を推定する手法を提案している.このような手法で精度良くユーザの位置・姿勢を推定するためには,あらかじめ位置を計測した画像マーカを環境中に多数配置する必要がある.しかしながら,実際に広範囲においてマーカを多数設置し,その位置を精度良く計測するには多大な労力を要する.そこで本研究では,あらかじめ不可視マーカが密に印刷された壁紙を利用し,位置・姿勢推定可能な環境を構築することにより,ユーザの位置・姿勢を推定するシステムを提案する.また,提案システムの実証実験として解像度の異なる2種類の赤外線カメラを用いて,それぞれの精度を評価する.
著者
濱口 光孝 加藤 博一 西田 正吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.242, pp.67-72, 2007-09-27

拡張現実感において現実空間と仮想空間の位置合わせは重要な課題とされている.我々は室内環境において,大きさ,形状が既知のマーカを用いずに位置合わせを行う手法として事前に取得しておいた対象の3次元線分情報を利用した位置合わせ手法について検討を行っている.ただ,位置合わせに用いる3次元線分情報を手動計測によって取得する場合,非常に煩雑な作業となる場合も多い.そこで上記作業の簡素化を目的とした,対象の複数画像を用いた3次元情報取得方法について検討を行っている.特に室内のような人為的な環境においては線分の平行,直交,交差などの幾何的な規則正しさが多々存在し,これらを利用することにより,効率的かつ高精度な3次元線分情報取得が可能になると考えられる.以上より我々は線分の平行,直交,交差を利用した3次元線分情報の取得手法について検討を進めており,本稿では線分の平行,直交,交差を利用した3次元線分情報の取得手法について述べる.
著者
牧田 孝嗣 神原 誠之 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.242, pp.79-84, 2007-09-27

ウェアラブル拡張現実感(AR)を用いて注釈を提示する場合,合成画像上における描画方法の工夫(ビューマネージメント)を行うことで,ユーザがより直感的に情報が理解しやすい注釈付加画像を作成できる.本研究では,従来対象とされていた静的物体のみならず,移動する注釈対象物体を対象とした注釈のビューマネージメント手法を提案する.移動体に付与する注釈のビューマネージメントを行うには,計算機がカメラで取得した画像中に存在する注釈対象の存在領域を把握する必要がある.提案手法では,ネットワークを介して獲得した注釈対象物体の位置を利用して注釈対象の存在領域を推定し,注釈と他の注釈対象との重なり及び注釈同士の重なり合いを避けるビューマネージメントを行う.
著者
本多 充知 加藤 博一 中川 隆志 山口 喜久 河合 克哉 西田 正吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.242, pp.115-120, 2007-09-27
被引用文献数
3

実写画像を用いたカーナビゲーションシステムにおいて,車載カメラから得られた画像上にさまざまな案内情報を違和感無く重畳表示するためには,現在の位置姿勢データを高い精度で計測する必要がある.しかし,従来の位置姿勢計測技術のみでは,実写画像を使用したカーナビを実現するために十分な精度を得ることは難しいと考えられる.我々は,ビデオフレームレートの車載カメラ映像から横断歩道を検出することで自車位置補正をする手法をこれまでに開発したが,現状のカーナビの性能においては,負荷が高すぎた.そこで本論文では,低フレームレート画像においても安定して動作するような,横断歩道をランドマークにした位置補正手法を提案する.