著者
中田 裕章 本島 邦行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.622, pp.25-30, 2006-02-22

本論では,有限差分時間領域法(FDTD法)と近傍電磁界データから準遠方界を推定する手法を提案し評価した.本手法では,等価定理を用いて仮想電磁流源を波源とし,ベクトルポテンシャルを考え,グリーン関数を適用して数値計算式を導出した.FDTD法で計算した近傍電磁界データを仮想電磁流源として数値計算を行い,FDTD法で直接計算した準遠方電磁界と比較し,本手法の正当性を評価した.
著者
Estabrook Polly Barbieri Andrea J. Edwards Jr. Charles D. MANNING Robert M. DANOS Monika J. ILOTT Peter A. MAKOVSKY Andre 前田 惟裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.88, no.6, pp.397-406, 2005-06-01
被引用文献数
1

NASAが開発した二つの探査機Spirit及びOpportunityが2004年1月4日, 1月25日に火星に着陸し, 水の存在などにかかわる貴重な科学データを取得した.データ中継には既に火星を周回しているMars Odyssey(2001年4月7日打上げ), Mars Global Surveyor(1996年11月7日打上げ)が活躍した.また, ESAのMars Express(2003年6月2日打上げ)との間で運用の互換性を実証した.地球からの近距離での通信, 深宇宙での通信でのアンテナの切換, 深宇宙通信, データ中継に必要なUHF, Xバンドを用いた通信システムの概要が示された.巡航, 大気突入, 下降, 着陸, 表面活動の複雑なシーケンスの各段階での通信方法が紹介された.
著者
安在 大祐 原 晋介
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J91-B, no.6, pp.666-676, 2008-06-01

センサネットワークでの重要なアプリケーションの一つにセンサノードの位置推定やトラッキングがある.センサネットワークにおける位置推定法として受信信号電力による位置推定法が提案されているが,マルチパスフェージングの影響を強く受ける実環境ではその位置推定精度は低いといった問題がある.そこで,本論文は,従来の受信信号電力を用いた位置最ゆう推定法の推定精度を向上させ,更に,同時にノードの方向も推定する複数送信アンテナを用いた位置・方向推定法を提案する.また,様々な室内での実験による性能評価を行い,本提案法が実環境において有効であることを示す.
著者
佐川 大介 佐川 雄二 杉江 昇
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. C, 電子・情報・システム部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. C, A publication of Electronics, Information and System Society (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.124, no.3, pp.877-882, 2004-03-01
被引用文献数
1 1

In this paper, we introduce a new model for driver's route selection. In the model, a driver can decide a route before driving but may change it dynamically while driving. To decide the route before driving, the driver can use a Q-value map that is a result of reinforcement learning from the road information. Experience of driving the route and information offered from outside (e. g. via car navigation system) can make a driver change the route while driving. From the result of evaluation experiments with a traffic data of real world, the traffic flow simulator with the model works in more than 90% accuracy. To show how the model can process information from outside, we carry simple experiment in which a navigation system tells a driver the fastest route in the course of driving. The simulator produce some reasonable result.
著者
宮崎 俊彦
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, 1999-12-01
著者
伊藤 孝寛
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.670-688, 1999-08-20

異方的超伝導に代表される様々な興味深い物性を示すことで知られる強相関5f電子系化合物UPt_3及びURu_2Si_2について、物性に深く関わるフェルミレベル近傍の電子状態、特にフェルミ面の情報を調べるために高分解能角度分解光電子分光を行った。実験的に直接決定したバンド構造をLDAバンド計算と比較することにより、UPt_3及びURu_2Si_2において価電子帯全体を占めるPt5d及びRu4dバンドについては、バンド計算により定性的によく再現されることを見いだした。それに対し、UPt_3及びURu_2Si_2における物性に深く関わるフェルミレベル近傍のU5f及びU5f-Ru4d混成バンドについては、U5f電子の強い電子相関の効果による繰り込み(renormalization)の効果を受けて非常に幅が狭くなっているため、バンド計算では再現されないことを見いだした。さらに、実験から見積もられたU5f及びU5f-Ru4dバンドの有効質量増強因子は、物性測定から見積もられる値と定性的に一致することを見いだした。また、URu_2Si_2においては、U5f-Ru4d混成バンドによる、dHvA測定ではまだ観測されていなかったZ点の大きなホール面を示唆する構造を見いだした。以上の結果から、高分解能角度分解光電子分光法は、5f強相関電子系化合物において、強い電子相関の効果を受けたフェルミレベル近傍のU5f電子状態、特にフェルミ面の情報を得る上で有効であることが示された。
著者
塚本 浩司 颯々野 学
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. NL,自然言語処理研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.146, pp.81-88, 2001-11-20
被引用文献数
2

本稿では、テキスト分類のタスクに対し、AdaBoostを用いた能動学習の手法を適用した結果を報告する。対象文書としてReutesr-21578コレクションを用いたところ、能動学習なしのAdaBoostの精度を、約1/10の正解データ量で実現できた。また、文書の表現を語の出現回数を特徴値とするベクトルから、語が出現したかどうかのbinary値を特徴値とするベクトルに変えるとにより、能動学習で観察されることのあるサンプル数の増加に伴う精度の劣化について考察した。
著者
白井
出版者
社団法人日本化学会
雑誌
化学教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, 1963-12-20
著者
城市 広大 三好 力
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.184-195, 2006 (Released:2007-04-20)
参考文献数
12

インターネット上のWEBページを検索するには検索エンジンを利用するのが一般的であるが, 検索結果の中にユーザーの求める情報を持つページが高い順位で表示されない問題が指摘されている. この理由の一つとして, ユーザーが入力した検索語を含むページを, 検索エンジンが単純に選択していることが挙げられる. 言葉には意味的な多義性や曖昧性があるため, ユーザーがある検索意図を持って検索語を入力しても, 使用した検索語によっては意図と異なる種類のページが混在した状態の検索結果になりやすい.この様な検索結果を改善する方法として, 検索結果に出力されたページ群を内容別に自動分類する手法が研究されており, その一手法としてベクトル空間法を用いるのが一般的である. ベクトル空間法はページ内容の類似性を, 使用単語を次元としたベクトル空間により求める手法であるが, ベクトル空間法をそのままWEBページ分類に適用した場合, 2つの問題点が挙げられる. 1つはページ中に1回でも使用された単語全てを用いるので次元数が大きくなり, 計算コストが大きくなってしまうこと, もう1つはページ間の類似性だけを計算するのでグループの内容を示す言葉を抽出することができず, ページ分類後に各グループの名前もしくは基準をユーザー側に提示できないことである.我々はこの問題点に着目し, 改善を加えることで検索結果のWEBページ群を内容別に自動分類するシステムを提案した. 次元数が大きくなる問題に対しては, ファジィ推論を用いてベクトル空間に使用する単語を一定数だけ選択することで解決を図る. ページ全体での単語の使用傾向をファジィルールに当てはめることで, 重要な単語とそうでない単語との判別が可能であると考えた. もうひとつの問題である, ユーザーに提示するグループの基準については単語の共起頻度を用いることでグループ名を自動作成し, それを基にグループの代表となるページを選択する手法をとった. また, システムについての実験を行い, 選択する単語の総数が200のときが計算コストと分類精度の点から見て最適であること, システムによる分類結果から人間の感覚に近いWEBページの分類が行われることを確認した.