著者
近藤 龍司 土肥 真人 柴田 久
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.669-672, 1999-03-30
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

本研究は,日常から非日常への心理的変化とそれに及ぼす環境の影響を把握する事を目的とする。東京ディズニーランドの来訪者を被験者として,性別,年齢,利用交通機関などの被験者の属性および出発点から終着点までの10の場面毎の日常-非日常の心理的変化を聞き取り,共分散構造分析を用いて被験者属性と場面特性との因果解析を行った。本論の分析,考察より,被験者の約9割がディズニーランドを非日常空間として認識し,被験者の約7割は物理的環境からの直接の影響により非日常への心理的変化が喚起されている事が明らかになり,被験者の個人属性,物理的環境からの影響の有無,心理的変化の場面特性の因果関係を定量的に把握した。
著者
横田 俊平 黒岩 義之 西岡 久寿樹
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.288a-288a, 2015 (Released:2015-10-25)

ヒト・パピローマウイルス(HPV)は一般的な感染因子であり,子宮頸部基底細胞への感染は部分的には癌発症の契機になる.子宮頸癌を予防する目的でHPVワクチンが開発され(CervarixとGardasil),約340万人の若年女性に接種が行われた.しかし,HPVワクチン接種後より全身痛,頭痛,生理異常,病的だるさ・脱力・不随意運動,立ちくらみ・繰り返す便秘・下痢,光過敏・音過敏,集中力低下・計算力と書字力の低下・記憶障害などを呈する思春期女性が増加している.「HPVワクチン関連神経免疫異常症候群(HANS)」と仮称し,当科外来を受診した51例の臨床症状の把握とその体系化を行った.すべての症例は,HPVワクチン接種前は良好な健康状態・知的状態にあり,接種後,全例が一様に一連の症候の重層化,すなわち,疼痛性障害,不随意運動を含む運動器機能障害,感覚障害,生理異常,自律神経障害,高次脳機能障害と進展することを確認した.このように幅広いスペクトラムの疾患の記載はこれまでになく,これらの症候を同時に呈する中枢神経障害部位についての検討をすすめ,「視床下部 下垂体病変」と捉えられることが判明した.病態形成にはミクログリアが関わる自然免疫,HPVワクチン抗原のペプチドと特異なHLAが関わる適応免疫の両者が,強力なアジバントの刺激を受けて視床下部の炎症を繰り返し誘導していると考えている.治療にはramelteon(circadian rhythmの回復),memantine(シナプス伝達の改善),theophylin(phosphodiesterase inhibitorの抑制)を用い対症的には対応が可能となったが,病態に根本的に介入できる薬剤はいまだ手にしていない.
著者
足立 邦子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.85-95, 2004-05-31 (Released:2010-10-28)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

なぜ人は錯誤を含む確率判断をする場合があるのだろうか.本研究では確率の概念モデル(Hawkins & Kapadia,1984)に対応するメンタルモデル(伊東,1995)を再検討し,確率判断における思考プロセスを探究する.そのため確率について専門的な知識をもたない学生や社会人を対象に,日常体験すると考えられる状況設定をした課題を提示し,生起確率とその判断理由を自由に記述してもらった.その結果,確率定義運用型・確率定義誤運用型・算術運用型・非算術運用型の4種類の判断タイプがあり,確率定義運用型以外のタイプの判断を行ったときに認知バイアスが生じることがわかった.人は確率判断におけるそれら4つの型の認知的枠組みをもつのではないかと考察された.それら判断型の使い分け方は,アロケーション・システム(allocation system)における機能のしかたと類似するものであることが考察された.
著者
北原 聡
出版者
関西大学
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.399-420, 2005-12-05

近代日本の道路は物資や旅客の輸送など民生目的のほか軍事的にも利用された。陸軍は道路の使用および道路状況の改善に強い関心を寄せており、道路整備の主体であった府県や市町村に対して道路を整備するよう働きかけ、いっぽう、多数の兵士や重量のある兵器が通過する陸軍の道路使用は各地で道路の被損を引き起こし、府県や市町村は道路修繕を余儀なくされた。道路行政を管掌する内務省は、1919年に制定された道路法に陸軍の道路使用に伴う地方の負担を軽減する条項を盛り込み、それは一定の効果をあげたものの、こうした状況の根本的な改善にはつながらなかった。
著者
亀田 菜央子 岡田 佳織 金井 美惠子
出版者
相模女子大学
雑誌
相模女子大学紀要. B, 自然系 = The journal of Sagami Women's University. 相模女子大学・相模女子大学短期大学部ファカルティ・ディベロップメント委員会 編 (ISSN:09167676)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.13-19, 2012

The number of incidents of food poisoning at food service facilities has decreased since the execution of a hygiene control manual for parge-scale food processing facilities in accordance with the HACCP, however the improvement level for sanitary conditions still cannot be deemed sufficient. Especially nowadays where bacteria capable of causing food poising in small numbers are gaining attention, the thorough cleaning and sterilization of kitchen instruments, hands and fingers is extremely important. Here, in order to comprehend the extent of microbial contamination, we conducted an examination of viable count, Escherichia coli and coliform group on the hands and fingers of food processing personnel and kitchen instruments (cutting boards, dish towels, knives, refrigerator, etc.). Results showed the mean values of 10^1 〜 10^2 /100cm^2 prior to usage and 10^2 〜 10^4 / per hand following usage. As the number of viable bacteria increased, the detection rate for coliform group also increased. The degree of viable count and coliform group contamination was especially high in water bowls for placing rice paddles and tongs during usage, used dish towels, hands and fingers during food preparation, and sponges, with more than half of examination targets having results comparable to the degree of contamination for the floor. With the need for improving sanitary conditions of cutting boards, refrigerator handles, hands and fingers, and sponges for washing, the hygiene instruction using the Lumitester PD-20 was carried out. As a result, the degree of contamination for almost all examination targets improved to Rank A, and in the results for examination of viable bacteria counts conducted simultaneously the values decreased to less than 1/10 〜 1/40 in comparison to those prior to instruction. Since the usage of Lumitester makes quick numerical comprehension of contamination possible, it can be deemed an efficient method for improvement of cleaning and sterilization methods at the workplace. The results of this research show that further minimization of secondary food product contamination risk is possible by introduction of the Lumitester into hygiene control.

32 0 0 0 OA 日本歴史文庫

著者
黒川真道 編
出版者
集文館
巻号頁・発行日
vol.〔11〕, 1912
著者
橋詰 秋子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.127-134, 2015-05-01 (Released:2015-05-01)
参考文献数
10
被引用文献数
1 3

図書館のLinked Dataの取り組みに関する意義と背景を,欧米の大学図書館や国立図書館が行っている先駆的な事例を概観することで整理する。図書館による取り組みの背景は,「公共機関のオープンデータとして」の側面と「セマンティックWeb時代の書誌コントロールとして」の側面に分けて考えられる。前者はEuropeanaの取り組みによく表れており,オープンガバメントの流れの中で推進され,その範囲にオープン化したデータの利活用の促進を含むという特徴をもつ。他方,図書館独自の側面である後者は,英国全国書誌のLinked Data化の取り組みや米国議会図書館による各種コード類や典拠データのLinked Data化の取り組みが代表例である。特に,米国議会図書館の取り組みは書誌情報をLinked Dataで作成するためのメタデータ語彙の開発といえる。
著者
千葉 達朗 鈴木 雄介 平松 孝晋
出版者
日本地図学会
雑誌
地図 (ISSN:00094897)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.27-36, 2007-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
8
被引用文献数
7
著者
塚本 友栄 舟島 なをみ
出版者
日本看護教育学学会
雑誌
看護教育学研究
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.22-35, 2008
被引用文献数
1

本研究は、就職後1年以内に退職した新人看護師の経験と、1年以上就業を継続できた新人看護師の経験の比較を通して、退職した新人看護師の経験の特徴を明らかにし、看護基礎および看護継続教育の課題を考察することを目的とする。本研究の第1段階は、看護概念創出法を適用し、半構造化面接法により退職者18名からデータを収集した。持続比較分析の結果、退職した新人看護師の経験を表す60カテゴリからなる15概念を創出した。第2段階も看護概念創出法を適用し、半構造化面接法により継続者20名からデータを収集した。持続比較分析の結果、就業を継続できた新人看護師の経験を表す53カテゴリからなる14概念を創出した。第3段階は、メタ統合を用いて、退職した新人看護師の経験を表す60カテゴリと就業を継続できた新人看護師の経験を表す53カテゴリを比較・統合した。その結果、退職した新人看護師の経験と就業を継続できた新人看護師の経験が、共通する経験、退職者のみに存在する経験、継続者のみに存在する経験の3つに分類できることを明らかにした。考察の結果は、早期退職防止に向けた看護基礎及び看護継続教育の課題として、看護専門職者としての自律的な態度の獲得、自己の客観視、自立した社会人としての責務の理解、問題を解決可能な具体的なレベルで捉えられる能力獲得のための支援が必要であることを示唆した。

32 0 0 0 OA 朝鮮の米

出版者
朝鮮総督府殖産局
巻号頁・発行日
1929