著者
根橋 正一
出版者
流通経済大学
雑誌
流通経済大学社会学部論叢 (ISSN:0917222X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.67-93, 2009-03
著者
住谷 昌彦
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.93-100, 2015 (Released:2016-04-15)
参考文献数
49

四肢切断後に現れる幻肢痛をはじめとする神経障害性疼痛の発症には末梢神経系と脊髄での神経系の異常興奮とその可塑性に加え,大脳を中心とした中枢神経系の可塑性が関与していることが最近の脳機能画像研究から確立しつつある.幻肢の随意運動の中枢神経系における制御機構をもとに,我々が行っている鏡を用いて幻肢の随意運動を獲得させることによる臨床治療(鏡療法)についてその有効性と限界,そして今後の幻肢痛および神経障害性疼痛に対する新規神経リハビリテーション治療の可能性について概説する.
著者
倉島 哲
出版者
京都大學人文科學研究所
雑誌
人文学報 (ISSN:04490274)
巻号頁・発行日
no.98, pp.81-116, 2009

身体技法の習得は,身体が社会的位置の刻印を受けることで,社会構造の再生産の媒体として形成されることであると一般的に考えられている。このような理解は,身体技法の概念を最初に提出したマルセル・モースの議論にも,身体をめぐる現代的状況を考えるうえで欠かせない二人の思想家,ピエール・ブルデューとミシェル・フーコーの議論にも認めることができる。しかしながら,身体は,社会的位置の刻印を一方的に受けるだけの,可塑的な素材ではないように思われる。というのも,どのような身体技法であれ,それを身に付けようとするときに,身体が自分の思うままにならない場合があることを,われわれは経験的に知っているからである。このような,意思に対する身体の抵抗(以下,「身体の抵抗」と略記)を認めたならば,身体技法の習得を,身体に対する社会的位置の一方的な刻印として捉えることはできないのではないだろうか。本稿では,身体の抵抗を捉えることで,身体技法の習得と社会的再生産の一見して必然的な関係を解体することを目指す。その方法として,最初に,身体技法の習得と社会的再生産をめぐる理論のうち主要なものを検討し,身体の抵抗を認めることで両者の結び付きを解けることを示したい。次に,イギリスはマンチェスターにおける太極拳教室であるC太極拳センターを考察することで,身体技法の習得過程における身体の抵抗のありようを具体的に描き出すことにしたい。調査の方法としては,16ヶ月間(2006年1月~3月, 2007年1月~2008年3月)にわたって週に二回(火曜日と木曜日)の練習の参与観察を行ったほか,指導員と上級クラスの生徒の大部分(指導員2名,生徒12名)の個別インタビューを行った。The purpose of this paper is to propose a new way to understand the acquisition of body techniques, by way of identifying 'corporal resistance' in the course of the acquisition of Tai Chi techniques in a class in Manchester, UK. Conventionally, acquisition was pictured as the embodiment of the social position occupied by the agent, with the implication that the body is an infinitely plastic object that can be given any form that society demands. This picture can be identified in the theories of Marcel Mauss, Pierre Bourdieu, and Michel Foucault. Contrary to the common understanding, participant observation on the Tai Chi class has shown that agents experience their own bodies resisting their will to acquire certain techniques, and that this resistance plays a key role in the formation of motivation, cognition, and the subject. In order to gather data, I have done participant observation held at the main centre building for 16 months (January 2006 to March 2006, and January 2007 to March 2008), by joining in twice weekly evening classes on Tuesdays and Thursdays. In addition to participating in the training, I have also conducted personal interviews on most of the instructors and the regular students (2 instructors, 12 students).
著者
隈元 晴子
出版者
藤女子大学
雑誌
藤女子大学QOL研究所紀要 (ISSN:18816274)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.25-33, 2016-03-31

地域社会のつながりの希薄化や家族のあり方の多様性などが、個人や家族を孤立させ、健康状態の悪化や孤食、虐待、孤独死などのさまざまな問題をもたらしている。それらを解決するカギとして、家族や地域における「人と人との絆」の再構築が求められており、地域コミュニティの形成や促進の主体として商店街への期待が高まっている。本論文では、商店街振興組合と大学生、NPO法人などが取り組んできたコミュニティカフェを拠点とする「子どもの居場所づくり」事業について、地域における活動の意義や役割を再検討することを目的として、2013年からの実践活動を振り返ることにした。コミュニティカフェの運営は、支援者や地域住民との間に信頼関係が構築され、商店街からの人的および経済的サポートがあることが持続可能性と安定性をもたらしている。そして、この活動が「子どもたちの問題」に目を向けた事業であることから、新たなつながりの拡がりを見せている。子どもたちへの支援を行っている大学生やNPOの活動が、より多くの人々の関心や支援を引き寄せており、今後の事業展開の方向性を示唆している。

4 0 0 0 OA ライム病

著者
川端 眞人
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.83, no.7, pp.1206-1211, 1994-07-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

ライム病は野山に生息する大型のダニ(マダニ)によって媒介され,病原体はBorrelia burgdorferiである.本症は全身性感染症で,第I期症状はマダニ刺咬傷部の丘疹が遠心性に拡大し遊走性紅斑を形成する.第II期にはボレリアが血行性に全身拡散して,神経・循環器・関節などに多彩な病変を生じ,神経症状・関節炎など一部の病変は慢性化し第III期へと移行する.ライム病は1970年代にアメリカ合衆国で最初に確認された.ヨーロッパ諸国でもマダニ刺咬傷に続発する(慢性)遊走性紅斑や髄膜炎の出現は今世紀初頭から記載されており,アメリカ合衆国とヨーロッパ諸国が世界のライム病二大流行地である.東アジアも流行地のひとつで,日本にも流行が確認されている.これまでの調査から日本のライム病は臨床的および疫学的特色が次第に解明され,アメリカ合衆国やヨーロッパとの違いが指摘されている.
著者
寺本 憲之
出版者
滋賀県農業総合センター農業試験場
巻号頁・発行日
no.41, pp.32-52, 2001 (Released:2011-03-05)

天蚕の野外における食樹調査と室内における摂食試験による飼料適性調査を滋賀県において実施した. 野外調査によって,ブナ科に属するナラガシワとバラ科に属するカマツカの2種を天蚕食樹として新しく記録した.また,室内調査によって,ブナ科に属するイチイガシ,イタグリ,シイグリおよびブナ,カバノキ科のイヌシデ,クマシデ,アカシデ,サワシバ,ヤシャブシおよびシラカンバ,ヤマモモ科のヤマモモ,ニレ科のムクノキ,バラ科のヒメリンゴおよびアンズ,そしてマンサク科のアメリカフウおよびフウ,合計16種を新室内飼育記録として追加した.今回の新記録を追加して天蚕の食樹記録の整理検討を行ったところ,野外食樹記録が13種,室内飼育記録が19種,併せて,天蚕幼虫が摂食してほぼ正常に成育できる樹種は32種と判断された.摂食試験の結果から,天蚕の最適性飼料樹としてクヌギ,アベマキ,アラカシ,ブナ(ブナ科)およびアメリカフウ(マンサク科)の5種を選定した. 以上の結果と既知食樹記録を総括して天蚕の食性に関する再検討を行ったところ,天蚕はブナ科に属する植物を中心に食するが,植物分類学上から考察すると,ブナ目群(ブナ目ブナ科・カバノキ科,ヤナギ目ヤナギ科,イラクサ目クワ科・ニレ科)およびバラ目群(バラ目バラ科,マンサク目マンサク科,ムクロジ目カエデ科)の2植物目群,すなわち植物分類学上で類縁関係が高い,まとまった植物群に属する植物の葉を食することが明らかになった.また,天蚕の食性には個体あるいは系統変異があり,個体選抜による育成によって,本種の食性は上記の植物科に属する植物の範囲内で拡張できる可能性が示唆された.
著者
川上 直秋 吉田 富二雄
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.318-329, 2013-09-01 (Released:2014-12-05)
参考文献数
29
被引用文献数
1

We examined the effect of subliminal mere exposure on the implicit group evaluation,focusing on the typicality of group members. Recent researches on the mere exposure effects have suggested the important roles of the cognitive factors on preference forma-tion. We considered the exposures to non-typical members in a group as the factor of heterogeneity, investigating the optimum level of heterogeneity to improve the implicit “Otaku” evaluation. We hypothesized that exposure to a few heterogeneous members in a group would have a stronger effect. In the experiment, ten group members were subliminally presented as “Otaku”, and the number of the typical members in the ten members was manipulated. Then their implicit “Otaku” evaluations were measured using the Go/No-go Association Task (GNAT). The results showed that the exposure to the seven typical and three non-typical members produced the most powerful effects in all conditions, whereas the exposures which contained more non-typical members than typical members had no effect. The roles of heterogeneity in mere exposure effect and implications for the unconsciousness of the higher mental processes were discussed.

4 0 0 0 OA 国民思想叢書

著者
加藤咄堂 編
出版者
国民思想叢書刊行会
巻号頁・発行日
vol.民衆篇, 1931
出版者
東京メガネ
巻号頁・発行日
1980
著者
東郷 行紀
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.760, pp.76-83, 2012-05