著者
松本 亮介 川原 将司 松岡 輝夫
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.31-38, 2011-11-24

近年,AmazonEC2 に代表されるクラウドの台頭に伴い,ホスティングサービスの低価格化が進んでいる.そこで,我々は限られたリソースから大多数のホスト (約 12000 ホスト) を処理するための Web ホスティング基盤を開発した.リソースを必要最小限に抑えるために Apache の VirtualHost 機能を用いて,アクセスのあったホスト名でコンテンツを区別し,単一のプロセスで複数のホストを処理する方式を採用することにした.本稿では,VirtualHost 採用と大規模対応に伴って生じる運用面とセキュリティ上の課題を明確化し,新しい Apache モジュールの開発と suEXEC の改修によって,それらを解決する手法を提案する.その結果,信頼性と運用性の高い大規模 Web ホスティング基盤を構築できた.
著者
菊地章太
出版者
日本流体力学会
雑誌
ながれ
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, 2009-12
著者
後藤 由夫
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.71-78, 1984-03-30 (Released:2009-11-24)
参考文献数
22

肉眼視できる最も少ない光量の100万分の一ほどの極く弱い光を検出する装置が開発され,その医学分野への応用も可能になった. このような弱い光では光子の流れは不連続で計測結果は電流としてではなく, 単位時間当りの光子数として表わされる.微弱な発光としては, 古くからホタルなどの luciferin-luciferase 反応によるものや, 発光蛋白質の分解により発光する生物種などが知られ, 生物発光と呼ばれている. 他方, luminol に代表される化学発光がある. 両者は励起分子が発光する点において同一である.この化学発光に属するものに一重項酸素の発光がある. 即ち, 励起状態の活性酸素である一重項酸素が基底状態の三重項酸素に遷移する時に光子を放出する. この性質を利用し生体試料中での一重項酸素の存在を知ることができる. ただし, 他にも発光種はあるので注意を要する.生体試料中での一重項酸素などによる発光は肉眼視できぬ極く微弱なもので極微弱発光と呼ぼれ, その中でも血液の発光のように極端に弱い発光を超微弱発光と称している.われわれは人の血液の超微弱発光の計測を行ない, 主として血漿に関して, 糖尿病や諸肝疾患で発光量が高いことを認めた. scavenger や発光スペクトルの分析からこれらの発光に一重項酸素の関与が示唆された.正常人でも喫煙すると血液の超微弱発光が増加することが見い出された. この現象は禁煙により消失することも判明した. また, タバコの煙自体も強い超微弱発光を示し, 一重項酸素がその発光に関与すると推察された.free radical や活性酸素は老化や疾患と関連して注目されているが, 臨床的には扱いにくい. その中で一重項酸素を超微弱発光として把える手段は有用であり, その実用例を紹介した.

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著者
集英社
出版者
集英社
巻号頁・発行日
vol.3, no.6, 1980-06
著者
猪子 誠人 稲垣 昌樹
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.524-533, 2013-08-01 (Released:2014-08-01)
参考文献数
46
被引用文献数
1

一次線毛(primary cilia)は細胞膜上に生じる小さな不動性の突起物である.しかし一次線毛には細胞増殖を休止させる作用があり,増殖中はつとめてその組立が抑えられていることが培養細胞実験からわかってきた.この新たな仕組みの一つが,われわれの報告したトリコプレイン・オーロラAキナーゼ経路である.さらに一次線毛は,細胞種によっては多彩な機能をもつ.本稿では,一次線毛による新たな細胞増殖制御機構に重点を置きつつ,これまでの関連事項についても概説する.
著者
高橋 陽子 玄田 有史
出版者
東京大学社会科学研究所
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.29-49, 2004-01-31

20万人に達する高校中退者および中学卒非進学者の労働市場には,高校卒以上に就業環境の悪化が予想されるものの,その実像は明らかでない.本稿では35歳以下の無業者に関する調査を用いて実証分析し,高校中退者は卒業者に比べて,明らかに学校をやめた直後に正社員となる確率が低いことを確認した.ただしそれと同時に,中退だから正社員になりにくいという傾向は,年齢を経るに従って解消されていくこともわかった.さらに中退者は学校をやめた直後に正社員となりにくいが,正社員となった後の就業継続でみれば,高校や中学の卒業者との違いは存在しないことも発見された.中退者が正社員としての就業が困難なのも,継続志向の弱さや認知能力といった資質のせいではなく,高卒以上に本人能力や志向に適った就業機会に出会いにくいことの結果である.
著者
村田 敏 松岡 孝尚 宮内 樹代史
出版者
The Society of Agricultural Structures, Japan
雑誌
農業施設 (ISSN:03888517)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1-6, 1992-07-30 (Released:2011-09-05)

この研究は, 複数個採取した場合の重量和を一定にして包装する装置の確率論的考察とシミュレーションである。対象を既に実用化されているピーマンの包装装置にとり, まず, 採取されたピーマンの重量分布を詳しく測定し, それと確率計算に基づいて, 目的重量和Wが包装条件150 (g)≦W<152 (g) を満足する装置側の条件を明かにした。次に一つの選抜システムを提案し, それに基づいて実行シミュレーションを行い, 選抜が円滑に行われることを証明するとともに, 選抜精度の評価を行った。
著者
南 雅文 金田 勝幸 井手 聡一郎
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

脳内分界条床核において、神経ペプチドであるCRFとNPYによる神経情報伝達が、痛みによる不快情動生成において相反的な役割を果たすことを明らかにした。また、これら神経ペプチドが分界条床核II型神経細胞に選択的に作用し、その活動をCRFは促進し、NPYは抑制することを示した。さらに、組織学的解析により、分界条床核II型神経細胞の活動亢進が、腹側被蓋野ドパミン神経の活動を抑制することにより不快情動を惹起する可能性を示し、痛みによる不快情動生成の神経機構を明らかにした。
著者
渡辺 学
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.785-804, 2008-03-30

宗教における修行と身体の問題は、さまざまな形で論じられてきた。本論では、これらの問題を信と知、信と行、精神と身体などの枠組みにおいて概観してから、湯浅泰雄の修行論としての身体論を取り上げる。湯浅の修行論の特徴は、東洋的修行の本質を身心一如に見出していることである。このような観点を一つの準拠枠としながら、修行の視点から西行の釈教歌の分析を試みる。そして、心と月と西の概念を手がかりとして、西行の宗教的な自然観を浮き彫りにする。西行は、桜の花と月に魅了された生涯を送ったが、月には仏教的な意味づけの世界があり、とりわけ月輪観という密教的な瞑想法と密接な関係がある。本論では、このような月のイメージがさまざまな釈教歌においてさまざまな展開を見せていることを明らかにする。
著者
山内 利秋 増田 豪 ヤマウチ トシアキ マスダ ゴウ Toshiaki YAMAUCHI Gou MASUDA
雑誌
九州保健福祉大学研究紀要 = Journal of Kyushu University of Health and Welfare
巻号頁・発行日
vol.8, pp.95-104, 2007-03-25

The damage by typhoon "NABI" in 2005 was greater in Miyazaki Prefecture than elsewhere. Cultural properties in museums and various other places suffered. We rescued heavily damaged photographs from two homes in Nobeoka City. While such photographs document individual life stories, they are also a resource that enables us to reconstruct local history. Such reconstruction of the past may help strengthen both individual identities as well as the regional cultural identities. Our conservation of the photographs involved various processes including using a freeze-drying machine. In carrying out these conservation efforts, we designed a workflow procedure for cultural resource disaster relief.