著者
佐野 亘
出版者
關西大學法學會
雑誌
關西大學法學論集 (ISSN:0437648X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2-3, pp.333-358, 2020-09-17

岡本哲和教授還暦記念論文集
著者
栗栖 大司 Hiroshi Kurisu
雑誌
人文論究 (ISSN:02866773)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.131-144, 2003-05-10
著者
野口 法子 窪島 務
出版者
滋賀大学教育学部
雑誌
滋賀大学教育学部紀要, Ⅰ, 教育科学 (ISSN:13429280)
巻号頁・発行日
no.59, pp.163-172, 2009

読み書き困難児のカタカナに関する先行研究がほとんどないことにより、本研究では、まず、通常児のカタカナ書字の習得状況を調査し、その分析を行った。その結果、カタカナ書字は、清書・濁音・拗音ともプロセスに違いはあるが、3年生でほぼ習得され、4年生で完全に習得されることが分かった。次に読み書き困難児のカタカナ書字習得状況を分析してみると、清書・濁音・拗音のいずれかで当該学年に及ばないものが、17名中14名でそのうちの6名がすべてにおいて当該学年よりも2学年以下のレベルであった。また、カタカナとともに平仮名習得度も低い傾向にあり、そして漢字の習得度との関係は、本研究では明確な結果は得られなかった。
著者
野上 建紀
出版者
長崎大学多文化社会学部
雑誌
多文化社会研究 = Journal of Global Humanities and Social Sciences, Nagasaki University (ISSN:21891486)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.103-116, 2023-03-23

This research note examines the distribution route of Hizen porcelain brought to Spain based on Hizen porcelain artifacts found in Spain. The history of Hizen porcelain started in the early of 17th century. And it was began to be exported overseas in the middle of the 17th century, and many products were shipped to Europe. Hizen porcelain was exported to Spain from the late 17th century to the early 18th century. Most of them were Arita porcelain. China's maritime ban policy has greatly affected the overseas export of Hizen porcelain, which has changed the distribution route. Hizen porcelain was most likely transported from Manila via Central America to Spain in the latter half of the 17th century. And from the end of the 17th century to the first half of the 18th century, Hizen porcelain was most likely imported from other countries in Europe.
著者
Jun Akamine 赤嶺 淳
出版者
国立民族学博物館
雑誌
国立民族学博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Ethnology (ISSN:0385180X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.393-461, 2023-03-03

本稿の目的は,かつての世界商品であった鯨油に着目し,水産業の近代化と水産資本の拡大という政治経済的文脈から日本における近代捕鯨の発展過程をあとづけることにある。20 世紀初頭に液体油を固形化する技術が発明されると,固形石鹸とマーガリンの主要原料としての鯨油需要が拡大し,良質な鯨油を廉価に大量生産するため,鯨類資源の豊富な南極海での操業がはじまった。1934/35 年漁期に日産コンツェルン傘下にあった日本捕鯨株式会社が日本初の捕鯨船団を派遣したのは,こうした鯨油需要にわく欧州市場に参入するためであった。第二次世界大戦以前,日本から南極海へ 7 漁期にわたって最大 6 船団が派遣されたが,いずれも鯨油生産を主目的とし,鯨肉生産は副次的な位置づけしかあたえられていなかった。GHQ の指導もあって戦後の南極海捕鯨では鯨油と並行して鯨肉の生産もおこなわれた。しかし,1960 年代に鯨類の管理が強化され,世界の鯨油市場が縮小すると,鯨肉生産の比重が高まっていった。本稿は,こうした歴史をあとづけたのち,今後の捕鯨史研究の課題として,①近代捕鯨の導入過程でロシアが果たした役割,②輸出産業としての捕鯨業の社会経済史的役割,③鯨油とほかの油脂間競争という 3 点を提示する。
著者
大平 晃久
出版者
長崎大学教育学部
雑誌
Bulletin of Faculty of Education, Nagasaki University, Combined Issue (ISSN:21885389)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-15, 2020-03-01

長崎大学教育学部社会科学論叢 通巻 第82号(Bulletin of Faculty of Education, Nagasaki University: Social Science, Vol.82)
著者
趙 思倩
出版者
関西大学大学院東アジア文化研究科
雑誌
文化交渉 : Journal of the Graduate School of East Asian Cultures : 東アジア文化研究科院生論集 (ISSN:21874395)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.147-173, 2015-11-01

Before Japanese green tea gained access to the American market, Chinese green tea essentially held a monopoly over the entire U.S market. Without any doubt China at that time was the major exporter of green tea to the U.S., with a market share of more than 90%. However, since the introduction of Japanese green tea into America in 1868, the predominant position of Chinese green tea became weakened. As Japanese tea began to share the market with Chinese tea, the competition between these two countries became more and more fierce, reaching its peak in the 1880s. New York and San Francisco were the largest trading ports in the U. S. and a large amount of imported tea was traded and transferred there. This paper, through examining a report of the Japanese Consul to the U.S., will examine the competition between Chinese green tea and Japanese green tea at these two ports
著者
深田 雅子
出版者
文化学園大学
雑誌
文化学園大学紀要. 服装学・造形学研究 (ISSN:21873372)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.75-80, 2015-01-31

現存するアイヌの衣服の多くには、アツシなどの植物衣や木綿衣の襟ぐり、袖口、裾周りに藍染めの木綿布が使われている。それらは内地で染めたもので、貴重だったと言われている。本研究では、アイヌの衣服に使用された藍染めの木綿布に着目し、なぜ藍染めが多用されたのか、その染色方法と役割、象徴性について明らかにすることを目的とする。研究方法は文献調査と、北海道白老町、登別市、沙流郡二風谷において聞き取り調査を行った。これらの調査から、江戸時代、アイヌは和人との交易や労働の報酬として藍染めの木綿布を手に入るようになり、樹皮衣アツシの補強や、着物に刺繍を施すための土台として切伏せ(アップリケ)のように使用し、その刺繍には魔除けや家族の健康を願う様々な思いが込められていることがわかった。また、藍色そのものも除魔力を持つと考えられており、裾や袖口などの縁に細く切った藍染めの木綿布を縫い付け、悪い神が入らないようにした。布を染めた藍については、内地で染められたという考えのほかに、エゾタイセイ(蝦夷大青)で染めた可能性と、藍以外の草木で彼ら自身が染めた可能性があることがわかった。
著者
樋口 麻里
出版者
北海道大学
雑誌
北海道大学文学研究院紀要 (ISSN:24349771)
巻号頁・発行日
vol.167, pp.31-74, 2022-07-19

身体的または精神的な脆弱性が相対的に大きく労働が困難な人々は,いかにして「社会に必要な成員」として承認されるのか。本稿は,これらの人々に対するケアの保証を主張するエヴァ・F・キテイのケアの倫理を足掛かりに,精神障がいのある人(以下,精神障がい者とする)にケアを提供する専門職スタッフの経験的データの分析から,この問いへの回答を試みる。ケアの倫理は,身体的または精神的な脆弱性を依存の発生源とみなし,脆弱性に留まる人には他者に「お返し」をする能力がないと捉える。そのため,労働が困難なほどの脆弱性をもつ依存者は,ケアの一方的な受け手と位置づけられる。他方,依存者からの「お返し」に焦点を当てた,実証的研究は十分に行われていない。そこで本稿では,労働が困難で様々な社会関係を喪失している精神障がい者へのケアを行う,フランスの専門職スタッフへのインタビュー調査とケア現場の参与観察調査のラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)による分析から,ケアの実践を明らかにすることで,依存者から依存労働者に対する「お返し」の有無を考察する。分析の結果,スタッフは本稿で「ユマニテ」と名づける,社会の規範や制度を反省的に捉え直す哲学をケアのお返しとして,精神障がい者から受け取っていた。ユマニテを受け取ることで,スタッフは精神障がい者が社会的に排除される現状に疑問を持ち,社会の全体的な統合には脆弱性をもつ人々の社会的連帯への参加が不可欠であると認識していた。以上から,脆弱性をもつ人々が社会に必要な成員として承認される可能性として,ユマニテの社会への提供が示唆された。
著者
林 朝子 Hayashi Asako
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学・教育実践 = Bulletin of the Faculty of Education, Mie University. Natural Science, Humanities, Social Science, Education, Educational Practice (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.51-57, 2020-02-28

小学校における平仮名指導では概形を用いた指導が実施されている。今回は小学校教員を目指す学生47名を対象に、アンケート調査と文字データ収集を行い、学生の平仮名概形の把握の実態と実際の書字による平仮名字形と概形との関係について調査を行った。分析の結果、基本的に基準とされる概形を認識しながらも、概形の捉え方に揺れが見られ、書字にも影響があることが明らかになった。