著者
仙波 由加里 柘植 あづみ 長沖 暁子 清水 きよみ 日下 和代
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.147-153, 2006-09-25
参考文献数
17

2003年、厚生科学審議会生殖補助医療部会の「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療制度の整備に関する報告書」の中では、提供された精子・卵子・胚を利用した生殖補助医療(DC)で生まれた子の福祉を尊重するという姿勢から、DCで生まれた人たちに提供者を特定できる情報をも提供するという方針が提示された。そこでDCの中でも、すでに生まれた人が成人し、自らの経験を語ることが可能なAIDに注目し、この技術で生まれた者5名を対象にインタビューを実施して、彼らがどのような提供者情報を望んでいるかを考察した。結論としては、AIDで生まれた人たちは提供者の氏名や住所、社会的情報や医学的情報のみならず、精子提供者のそれまでの人生や生き方、現在の生活、嗜好、考え方などを含む人間性や人柄を知ることを強く望んでいることがわかった。こうした点から法の中では、将来DCで生まれてきた人たちがその提供者と会うことを前提とした措置についても講ずるべきだと考える。
著者
飯野 友里恵 森谷 友昭 高橋 時市郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 35.14 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.49-52, 2011-03-04 (Released:2017-09-21)
参考文献数
2

モーションキャプチャシステムを用いて取得されたデータを利用して,ストリートダンスの動作解析を行った.ダンス経験者と初心者のモーションデータを取得し,その違いが数値的に表れているか,特徴抽出を試みた.解析結果によれば,上級者との違いを初心者へ伝達し,練習効率を高めるための処理とシステム化を検討したので,報告する.
著者
中村 善行 藏之内 利和 高田 明子 片山 健二
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.577-585, 2014-12-15 (Released:2015-01-31)
参考文献数
24
被引用文献数
7 13

調理後の甘さが大きく異なる多様なサツマイモ品種·系統や育種素材を供試して,塊根のβ-アミラーゼ活性およびデンプンの含量,糊化温度と蒸しいものマルトース含有率との関係を調べた.マルトース含有率はβ-アミラーゼ活性の上昇に伴って増加したが,活性が約0.2 m mole maltose/min/mg proteinを越えると含有率の増加は抑制された.マルトース含有率とデンプン含有率との間には相関が認められなかったが,デンプン糊化温度との間には弱い負の相関が認められた.特に,β-アミラーゼ活性が高い塊根では糊化温度が低いほどマルトース含有率が高い傾向が見られた.また,デンプンの糊化温度が比較的高い品種「ベニアズマ」を本州より気温の低い北海道で栽培すると,糊化温度が有意に低下し,β-アミラーゼ活性は同等かあるいはそれ以下にも拘わらず,マルトース含有率が有意に高くなった.サツマイモの加熱調理に伴うマルトース生成には塊根のβ-アミラーゼ活性に加えてデンプンの糊化し易さも重要であると考えられた.
出版者
一橋閣
巻号頁・発行日
1921
著者
稲木 龍元
出版者
日本デジタル教科書学会
雑誌
デジタル教科書研究 (ISSN:21887748)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-16, 2017-10-27 (Released:2017-10-27)
参考文献数
6

本稿は,A特別支援学校(知的障害)におけるICT活用の事例について,重度知的障害児を対象としたこと,学校における機器整備のプロセスを含めたこと,校務への活用を含めたことを特徴とした報告である.児童生徒に対する指導では,タブレットの導入プロセスから授業活用までの様子を報告した.校務では,アンケートでの活用や校内研究による業務効率化の様子を報告した.最後に,本実践に残された課題と他の特別支援学校に事例を一般化する際の留意点を議論した.
著者
高津 俊司 佐藤 馨一
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
no.39, pp.553-558, 2004-10-25
参考文献数
11
被引用文献数
1

本研究は、開発者負担金による鉄道整備の事後評価を目的として、都市開発と一体的に整備が進められた臨海副都心線(りんかい線)を事例として、開発者負担金について開発者にアンケート調査を行い、開業後の輸送実績を元にして鉄道計画支援システム(GRAPE:GIS for Railway Project Evaluation)を用いて鉄道整備効果を分析し、開発者負担方式の評価と今後の課題を考察した。その結果、次のような知見が得られた。(1)事後アンケート調査によれば、鉄道に対する評価としては、広域、大量、高速などの特性を評価し、約8割の会社が「受益があるのである程度の負担はしかたない」と回答している。費用負担の額についても、計画時点より現時点の方が、「ほぼ妥当である」との回答が増加している。(2)りんかい線の整備による開発区域内の利用者便益(割引後 30年集計)を GREPEで推定すると、開発者の費用負担金の額を上回った。(3)これらの結果から、鉄道整備の財源方式として、請願駅方式で駅周辺の開発者からの負担金を徴収する方式は、一定程度の妥当性があると想定される。
著者
小林 武夫 石毛 美代子
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.158-161, 2012 (Released:2012-06-11)
参考文献数
9
被引用文献数
1

17歳のとき月経痛がひどく,男性化作用のあるダイホルモンデポ®を投与され,音声障害を引き起こした女性を30年間にわたり追跡した.声は翻転し,話声位は低下した.18歳の初診時の話声位はB3で,30歳までこの状態が続き,48歳の現在話声位はF3となっている.この状態を声も相同と考えられる一卵性双生児の妹と比較した.ホルモン投与の当初,話声位は3半音低下を見た.自家で行った音声訓練にかかわらず,声は回復しなかった.

3 0 0 0 OA 日本伝説叢書

著者
藤沢衛彦 編
出版者
日本伝説叢書刊行会
巻号頁・発行日
vol.北武蔵の巻, 1917
著者
岡本 義信 平川 義宏 松野 知宏
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.20, pp.47-52, 2001-02-23
参考文献数
4

中国放送では、雷の発生を早期に知り無線設備の運用で出来る限り雷の被害を防ぐための研究をおこなっている。我々は雷から発生する電磁波と誘起される高電圧を検出する検知機を作り、観測システムを構成して試験をおこなった。その結果、雷の発生を早い段階で知り、親局の商用停電による放送事故を防止することに成功した。
著者
大平 英樹
出版者
日本感情心理学会
雑誌
エモーション・スタディーズ (ISSN:21897425)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.4-15, 2020-03-31 (Released:2020-11-11)
参考文献数
61

Psychological constructivism of affect argues that experienced emotions are constructed through two processes: 1) formation of the core affect on the basis of interoception which is neural representation of bodily signals, 2) categorization of the core affect by using concepts and contextual information. In this article, it is proposed that cultural and historical situations can affect experiences of emotions via revision of concepts and processes of co-construction of affect between individuals. For this purpose, a hierarchical Bayesian computational model of affect is introduced, and the processes of co-construction of affect are examined through computational simulation. Furthermore, importance of culture and history is discussed in the perspective of co-construction of affect.