著者
北川 道成
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.296-301, 2015-07-01 (Released:2017-04-13)

化学分野の出願では重要な技術用語である化学物質はキーワード検索可能な化学物質名や分子式だけでなく分子構造を図で表した構造式で表現される事がある。また化学物質名の表記は揺れがみられる。化学分野の特許調査では他の分野で行う同義語・上位概念・特許分類使用による網羅性確保の他に,化学物質が索引されたデータベースと全文系データベースを併用することで網羅性を上げる事が可能である。一方でこれらデータベースへの収録基準,索引基準を理解し適切な検索を行わないと十分な網羅性を確保できない。本稿では特に侵害予防調査についてプレサーチインタビュー・データベース選択・予備検索・検索式作成・結果出力までのプロセス毎に現状と課題を記載した。
著者
梅野 太輔 田代 洋平 古林 真衣子
出版者
極限環境生物学会
雑誌
極限環境微生物学会誌 (ISSN:13485474)
巻号頁・発行日
vol.7.2, no.1, pp.31-35, 2008 (Released:2011-04-18)
参考文献数
30

The growing body of research reveal that the programmed cell death (PCD) is ubiquitously distributed in microorganisms, plays key roles in developmental processes and inkeeping the integrity of bacterial communities. Inspired by this, bioengineers are making their original version of PCD devices for the temporal and/or spatial control of the bacteria communities. In this review, we discuss how PCD system should be designed and/or implemented into the bacteria to make a faithful and long-lasting &39;robots&39; for the real-world applications.
著者
羽藤 雅彦
出版者
日本消費者行動研究学会
雑誌
消費者行動研究 (ISSN:13469851)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1_2, pp.1_2_1-1_2_22, 2020-03-31 (Released:2021-05-01)
参考文献数
52

本研究は、ブランド・コミュニティに参加する数多くのメンバーをいかに分類すべきかについて検討したものである。コミュニティに参加するメンバーは、当該ブランドを好んでいるという点を除けば多様性に富んでいる。本研究では、彼/彼女らがコミュニティで維持している2つの関係性、メンバー同士の関係性とブランドとの関係性に着目しながら分類を試みた。具体的には、コミュニティとの同一化とブランドとの同一化という変数を用いて分析を行い、メンバーを4つに分類可能であることを発見した。さらに、いくつかの指標から各グループの特徴を検討し、メンバーがコミュニティに参加するなかでどのように変化していくかも考察している。
著者
福岡 達之 杉田 由美 川阪 尚子 吉川 直子 野﨑 園子 寺山 修史 福田 能啓 道免 和久
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.174-182, 2011-08-31 (Released:2020-06-25)
参考文献数
35

【目的】本研究の目的は,舌骨上筋群に対する筋力強化の方法として,呼気抵抗負荷トレーニング(expiratory muscle strength training: EMST)の有用性を検討することである.【対象と方法】対象は,健常成人15 名(男性10 名,女性5 名,平均年齢29.3±4.6 歳)とした.方法は,EMST とMendelsohn 手技,頭部挙上を行ったときの舌骨上筋群筋活動を表面筋電図で測定した.EMST は,最大呼気口腔内圧(PEmax)の25% と75% の負荷圧に設定し,最大吸気位から強制呼気を行う動作とした.各トレーニング動作で得られた筋電信号について,1 秒間のroot mean square(RMS)とWavelet 周波数解析を用いてmean power frequency(MPF)を算出し,それぞれトレーニング間で比較検討した.【結果】舌骨上筋群筋活動(% RMS)は,EMST の75% PEmax が最も高く(208.5±106.0%),25% PEmax(155.4±74.3%),Mendelsohn 手技(88.8±57.4%),頭部挙上(100% として正規化)と比較し有意差を認めた.また,Wavelet 周波数解析から,EMST 時には他のトレーニング動作と比較し,高周波帯領域に持続する高いパワー成分が観察された.MPF は,EMST の75% PEmax が最も高く(127.8±20.7 Hz),25% PEmax(107.6±20.1 Hz),頭部挙上(100.4±19.3 Hz)と比較して有意差を認めた.【結論】EMST は,舌骨上筋群の運動単位動員とtype Ⅱ線維の活動量を増加させる可能性があり,筋力強化として有効なトレーニング方法になることが示唆された.

3 0 0 0 OA 万葉集新講

著者
次田潤 著
出版者
成美堂
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1935
著者
福山 肇 笠井 高明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.1008-1009, 1990-08-20

追記型のレーザディスクを既存のコンピュータグラフィックス装置に組込むことにより, 映像のランダムアクセスとリアルタイムデータの同時表示を可能にして, 選挙報道おいて「ビジュアル開票速報」を実現した
著者
定延 利之
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.29-44, 2004-04-30
被引用文献数
1

声質は話し手の気持ちと対応するが,両者の対応は単純な形ではつかみ難いとされている。本稿は,この対応の複雑さを多少とも解きほぐすには何が有効かという問題を検討するために,「りきみ」と呼ばれる現代日本語の一つの声質を考察した。自然対話と母語話者の直観を併用した観察の結果,以下の結論が得られた:第1点,りきむとは,何らかの気持ちを「表す」ことではなく,何らかの気持ちに「なってみせる」ことである。そう考える方が実態(たとえば,その気持ちになった体験を持つ者しかりきめないということ)に合致する;第2点,りきむ話し手が「なってみせる」気持ちとは,基本的に,苦しみか感心である。苦しみや感心と関わらず,強調を表すかに見える場合は,りきみの生起環境が修飾構造内に限られており,「修飾構造内での態度的意味の抑制」という文法現象として理解できる;第3点,以上の2点が正しければ,声質と気持ちの対応の複雑さを解きほぐすには,文法,情報,コミュニケーションを統合した観点が有効である。
著者
石田 大典 大平 進 恩藏 直人
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.6-18, 2021-01-07 (Released:2021-01-07)
参考文献数
29

過去のクラウドファンディング研究によって,多くの成功要因が明らかにされてきている。しかしながら,先行研究で効果的とされたAll-or-Nothing形式があまり使われていないこと,クラウドファンディング市場を取り巻く環境の変化,日本における実証研究の少なさなど,いくつかの課題も残されている。そこで本研究では,シグナリング理論に基づいて仮説を導出し,日本の大手購入型クラウドファンディング・プラットフォームで実際に取り組まれた336のプロジェクトのデータを用いて成功要因の効果を検証した。分析の結果,クラウドファンディングの成功要因として,プロジェクトの説明文が長いこと,GIF動画を利用すること,All-in形式のプロジェクトにすることの3つが浮かび上がった。また,プロジェクト情報を頻繁に更新したり,動画を用いたり,人数限定の先着割引のプロモーションを用いたりすることで,より多くの支援額を獲得できることが明らかとなった。
著者
野崎 晃市
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.73-96, 2005-06

平井金三(一八五九-一九一六)は明治における仏教教育運動の先駆的な役割を果たしながらも、後にユニテリアンや松村介石の「道会」などへ加わった思想遍歴の故に日本の仏教研究においてほとんど注目されてこなかった。しかし近年になって、一八九三年万国宗教会議での平井の講演が海外の研究者より注目され、アメリカにおける仏教の紹介者として再評価が進んでいる。一八九三年にシカゴで開催されたコロンビア万国博覧会では並行して万国宗教会議が開催された。この世界で最初に開かれた万国宗教会議は比較宗教学の成立と、それまでキリスト教中心であったアメリカにおける東洋宗教の導入の契機となったという意味において宗教史上画期的な位置を占めている。万国宗教会議において平井金三は「ナショナリズム」からキリスト教批判を行って注目を浴びた。一方、フェノロサ(Ernest Francisco Fenollosa一八五三-一九〇八)はコロンビア万国博において「ジャポニズム」から日本美術の紹介を行った。両者の言説はコロンビア万国博という場において共鳴し合い、その触れ合いのなかから「オリエンタリズム」の一端を形成したのである。
著者
中岡 暖 後藤 春彦 山村 崇
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.235-242, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
15

昨今、就業者の精神的疲労は深刻な問題であり、その疲労の蓄積が健康を損なうことが懸念される。就業者の健康と生産性を下支えする労働環境への関心の高まりから、オフィス内部空間の環境改善を中心として研究が進められているが、外部環境のありかたについての議論は不十分である。本研究では、業務市街地のオープンスペースに着目し、利用者の精神的疲労度に与える影響を明らかにすることに加え、精神的疲労を低減させる歩行空間の環境特性を記述することを目的とした。その結果、オフィス足元のオープンスペースが一般的な業務市街地とは異なり、精神的疲労を低減させることが明らかになった。また、被験者が知覚した空間構成要素に対する評価理由から、歩行空間の一体的な整備が高い評価を得ていること、またベンチやその利用者の様子を知覚することで、自らの利用シーンを想像し、歩行空間への評価を高めていることも伺えた。
著者
Ko Tomikawa Norio Kobayashi Hiroshi Morino
出版者
The Japanese Society of Systematic Zoology
雑誌
Species Diversity (ISSN:13421670)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.55-64, 2016-05-25 (Released:2017-02-01)
参考文献数
26
被引用文献数
1

The taxonomic subdivision of certain Japanese freshwater amphipods into Jesogammarus jesoensis (Schellenberg, 1937), J. hokurikuensis Morino, 1985, J. fujinoi Tomikawa and Morino, 2003, and J. shonaiensis Tomikawa and Morino, 2003 was reassessed using both morphological and molecular data. Putative diagnostic morphological characters did not exhibit consistent geographic distributions, but eight geographically consistent monophyletic clades were detected based on COI and COI+12S rRNA sequence data. Uncorrected COI nucleotide divergences between the clades ranged from 7.0% to 16.4%, a level usually considered to represent inter-specific differences in crustaceans. No morphological features that differentiate the molecular clades were found. While the formal nomenclatural handling of these findings remains a problem for the future, for now we suggest the use of the term “J. jesoensis complex” to represent taxonomic entity consisting of the nominal taxa J. jesoensis, J. fujinoi, J. shonaiensis, and J. hokurikuensis, and potentially a number of hitherto cryptic taxa as well.

3 0 0 0 OA 磁場と中性子

著者
国富 信彦
出版者
社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会会報 (ISSN:00214426)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.185-189, 1983-03-20 (Released:2011-08-10)
参考文献数
8