著者
片山 瑞穂
出版者
電気通信大学UECコミュニケーションミュージアム
巻号頁・発行日
2020-08-20

2020 年4 月に開催の予定だったミュージアム×ライブラリ連続トークイベント第5回「公衆電報の誕生」が、新型コロナウィルスの影響で実施できなくなったため、講演のシナリオを原稿化し、閲覧に供するものである。
著者
内田 智之 髙木 祐希 水野 晃宏 岡村 駿 斎藤 宏紀 井手 史朗 大原 慎 井上 盛浩 萩原 政夫
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.857-864, 2020 (Released:2020-09-08)
参考文献数
10

当院で院内感染として新型コロナウイルス感染症を発症した血液疾患40例と他疾患57例を後方視的に解析した。生存例については60日までを解析期間とした。血液疾患21例(52.5%),他疾患20例(35.1%)の死亡が確認された。血液疾患症例においては高頻度にファビピラビルが使用(21例(52.5%)vs 15例(26.3%),P<0.05)されていたにもかかわらず,生存期間中央値は29日で,全生存率が不良な傾向であった(P=0.078)。血液疾患症例では酸素投与が開始後,急激に呼吸状態が悪化し死に至るもしくは人工呼吸器管理を要する状態に至るまでの日数が有意に短い結果が示された(中央値5日(範囲1~17日),10日(1~24日),P<0.05)。入院中の血液疾患症例が新型コロナウイルス感染症を発症すると極めて短期間に重症化し致死的となる可能性が示唆された。
著者
山口 隆介
出版者
聖泉大学紀要委員会
雑誌
聖泉論叢 (ISSN:13434365)
巻号頁・発行日
no.27, pp.123-140, 2020

本稿は,『 プラウン神父』シリーズに見出される G. K チェスタトン 1874-1936) の思想を読み解く試みの後半である。前半と同じく,短編集のもっとも普及している完訳版である創元推理文庫版に準拠した訳を用いることとした。各作品タイトルも同じくそれに準じるが, 初出に限り原題も併載した。作品本文の訳は主に創元推理文廊版を参照しつつ筆者が新たに訳出した。
著者
山本 龍彦 尾崎 愛美
出版者
科学技術社会論学会
雑誌
科学技術社会論研究 (ISSN:13475843)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.96-107, 2018

<p> 現在の人類は,人工知能(Artificial Intelligence, AI)の技術革新に牽引される,第4次産業革命の時代を迎えていると言われている.わが国では,民間企業による採用場面や融資場面などの「適性」評価にAIが利用され始めており,刑事分野においても,AIを用いて犯罪の発生等を予測するシステムの導入が検討されている.米国では,一部の州や地域で,AIを用いた犯罪予測システムを用いた捜査が既に実施されているほか,刑事裁判における量刑判断にもAIが利用されている.その代表例が,COMPASという有罪確定者の再犯リスクを予測するプログラムである.しかし,このプログラムがどのようなアルゴリズムによって再犯予測を行っているのかは明らかにされておらず,このアルゴリズムにはバイアスが混入しているのではないかとの批判がなされている.このような状況下において,ウィスコンシン州最高裁は,COMPASの合憲性を肯定する判断を下した(State v. Loomis判決).本稿は,State v. Loomis判決を手がかりとして,AIを憲法適合的に"公正に"利用するための道筋について検討するものである.</p>
著者
竹村 和久 村上 始
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.37-50, 2019-02-15 (Released:2019-02-15)
参考文献数
41
被引用文献数
1

本稿では,心理学と行動経済学との歴史的経緯について述べ,次に,両者が関連する現象として,プロスペクト理論にも仮定されている確率荷重関数を心理学的に解釈する研究の試みを例示して,心理学と行動経済学が密接に関係していることを説明する.
著者
大鳥 和子 福島 和代 吉田 浩子 鈴木 はる江
出版者
日本心身健康科学会
雑誌
心身健康科学 (ISSN:18826881)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.33-42, 2014-02-01 (Released:2014-02-21)
参考文献数
31

本研究は,先輩看護師の言動に対する病院勤務看護師の被害認識と被害認識に関連する要因を明らかにするために,20~30歳代女性看護師963人を対象に質問紙調査を行った.有効回答478を被害認識の有無で分類し,関連要因は属性,ローカス・オブ・コントロール,心身不調とした.結果,31.8%が被害認識あり群で,20歳代が30歳代よりも被害認識あり群の割合が高かった.30歳代と臨床経験年数10年以上の看護師は,被害認識あり群がなし群よりも外的統制傾向にあった.心身不調10項目中9項目は,被害認識あり群がなし群よりも「有」の回答の割合が高かった.先輩看護師は,自らの言動が「被害を受けた」と認識されることを自覚し,被害認識を与えない言動を行うことが重要であることと,20~30歳代女性看護師のメンタルヘルス対策には先輩看護師の言動に対する被害認識を考慮した方策を盛り込む必要性が示唆された.
著者
冨永 哲雄
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.144-145, 2013

大阪市西成区北部において展開される生活保護市場に注目して、社会資源の動向及び、地域のリノベーション過程を明らかにする。
著者
王 少如 藤波 努 Wang Shaoru Fujinami Tsutomu
雑誌
SIG-SKL = SIG-SKL
巻号頁・発行日
vol.23, no.06, pp.31-38, 2017-03-03

二胡演奏の基本的な運弓動作を筋電図にもとづいて分析した.運弓時の各筋肉の役割や活動度を調べて熟練者と初心者の違いを明らかにした.母指球筋,三角筋前部の,橈側手根屈筋(下)の筋活動が初心者と熟練者の主な違いである.熟練者では移弦動作時に母指球筋,三角筋前部,橈側手根,屈筋(下)の順で活性化するパターンが見いだされた.
著者
石井 龍太
出版者
関西大学文化交渉学教育研究拠点(ICIS)
雑誌
周縁の文化交渉学シリーズ6 『周縁と中心の概念で読み解く東アジアの「越・韓・琉」―歴史学・考古学研究からの視座―』
巻号頁・発行日
pp.161-177, 2012-03-01

本稿は琉球諸島の瓦について、考古史料、文献資料に基づき、王権との結び付きと社会認識といった観点から論じるものである。 琉球諸島では瓦は14世紀後半頃には登場していた。発掘調査成果から、グスク時代と近世期以降の大きく二つの時期に分けられ、さらに諸特徴から細分される。またその成立と発展には、韓半島、日本列島、中国大陸部の瓦文化との交渉があったと考えられる。 瓦は沖縄本島南部の首里・那覇を中心とした一帯に偏って分布し、近世期に到っても一般に普及することはなかった。その背景には瓦使用に伴う大きな負担とともに、瓦と王権の結び付きがあったと考えられる。琉球王府は瓦の生産・使用を管理し独占を図っていた。こうした瓦にまつわる制度は瓦の普及を制限し、さらに瓦を巡る思想にも影響していったことだろう。琉球諸島の瓦は、周辺諸地域に見られるような強いメッセージ性を持つものではない。しかし王権と結びつき制度によって管理されたことで、葺かれるだけで所有者の社会的・経済的優位を示す装飾材としての意味合いを強めていった。さらに18世紀後半期を中心に耐火建築材としても注目されていくこととなる。琉球諸島の瓦は、壮麗で頑健な理想的建築物として認識されていたと考えられる。
著者
Sachie Kanada Hidenori Aiki Kazuhisa Tsuboki
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
SOLA (ISSN:13496476)
巻号頁・発行日
pp.17A-007, (Released:2021-06-22)
被引用文献数
3

Torrential rain associated with Typhoon Hagibis (2019) caused extensive destruction across Japan. To project future changes of the record-breaking rainfall, numerical experiments using a regional 1-km-mesh three-dimensional atmosphere–ocean coupled model were conducted in current (CNTL) and pseudo-global warming (PGW) climates. The water vapor mixing ratio in the lower troposphere increased by 23% in response to a 3.34 K increase in sea surface temperature (SST) in the PGW climate. The abundant moisture supply by the westward winds of the typhoon caused strong precipitation from its rainbands for a long period, resulting in 90% increase in total precipitation in eastern Japan before landfall. However, the strong PGW typhoon caused high SST-cooling. Mean precipitation in eastern Japan during the typhoon passage increased by 22% when the SST-cooling east of Kanto was strengthened from 0.11 K to 0.72 K from the CNTL to PGW simulations; the increase was above 29% when the SST-cooling was lowered. Since Typhoon Hagibis accelerated as it traveled northward, the magnitude of the SST-cooling and weakening of the typhoon were suppressed. Consequently, strong precipitation in the inner-core of the strong PGW typhoon caused 30% increase in precipitation in the areas on the Pacific side of northern Japan.
著者
阪本 貞夫
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.29, no.8, pp.548-555, 2007
参考文献数
13

太陽光発電は化石燃料に過度に依存した現在社会のエネルギー構造を変えていく重要な手段である.太陽電池が急速に普及している状況を概観する.一方世界人口66億の1/4は無電化地域に生活しており,太陽電池はそのような地域に文明をもたらすことが出来るものであるが,こちらはなかなか普及が進まない.太陽電池の今後の展望とさらに将来クリーンエネルギーだけで生活していける社会を目指すジェネシス計画についてふれる.