著者
高山耕平 HenryJohan 西田友是
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.443-444, 2011-03-02

今日,実際の人物を対象とした顔検出システムは数多くの研究がなされている<br />が,実際の人物でない,アニメやマンガ等に登場するキャラクターを対象とした<br />ものは少ない.そこで本稿ではこのキャラクターを対象とした顔検出手法を提案<br />する.またこれらのキャラクターには著作権が存在するものがほとんどであるの<br />で,キャラクター画像を用いてデータベースを作成しそれを用いて顔検出を行う<br />といったことをせずに,キャラクターの特徴のみを用いて顔検出を行う.具体的<br />にはまず肌の色によって顔の候補を導き出し,それらが顔として確からしいかど<br />うかをあごを中心とした輪郭形状および目や髪の対称性の条件を用いて判断して<br />いく.
著者
野瀬 友裕 横田 裕丈 吉岡 慶
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.A4P2047, 2010

【目的】<BR>足底部の特に母趾はメカノレセプターの分布が豊富であるとされ,体性感覚情報の収集源として重要とされている.足底部からの感覚情報を増加させることで,動的外乱刺激に対して立位姿勢の安定性が増加するといわれている.今回,母趾足底部のメカノレセプターの賦活を目的に触圧刺激を入力し,身体の前方移動距離をFunctional Reach Test(以下,FRT)を用いて検証したので報告する.<BR>【方法】<BR>対象は整形外科的,神経学的疾患の既往のない健常者40名.その内訳は介入群(以下,A群)20名,平均年齢20.8±1.0歳,平均身長168.5±8.8cm.運動学習効果を考慮した非介入群(以下,B群)20名,平均年齢20.4±1.1歳,平均身長167.3±8.7cmである.介入方法は,被検者を背臥位として,左下肢から順に,左右の母趾足底部へ検者の母指腹にて皮膚変異が起こる様に擦り上げ,触圧刺激を1回/秒の頻度で30回ずつ入力した.FRTは試技を2回行った後,休憩を入れずに3回測定し,介入を行った直後に3回測定した.B群には端座位での休憩時間を60秒間設けた.FRTの開始肢位は,裸足で両下肢を肩幅に開き(開扇角は任意),ホワイトボードに体側を向けて立ち,右肩関節90°屈曲位,前腕90°回内位,手指を完全伸展位とした.マグネットにて1mの物差しを被検者の肩峰の高さに固定し,第3指尖位置を読み取った後,合図にてリーチ動作を開始し,最大到達地点を3秒間保持させ,その位置を読み取るまでを1施行とした.また,開始肢位の統一,体幹の回旋を含んでよいこと,踵離地しないこと,目線は手尖とすることを口頭指示して行った.それぞれの試行の最高値を身長で除した値をFRT値として比較を行い,統計処理には対応のあるt検定を用い,有意水準は1%未満とした.<BR>【説明と同意】<BR>被検者全員に対して,実験前に書面にて本研究の目的,個人情報の保護を遵守する旨を伝え,署名にて同意とみなした.<BR>【結果】<BR>A群では,FRT値が増加した者8名,減少した者9名,変化のなかった者3名であった.FRT値の平均は介入前0.219,介入後0.221であり,有意差を認めなかった(P>0.01).<BR>B群では,FRT値が増加した者14名,減少した者4名,変化のなかった者2名であった.FRT値の平均は休憩前0.228,休憩後0.238であり,有意差を認めた(P<0.01).<BR>【考察】<BR>足底感覚と立位安定性との関係は,先行研究において有意な相関があるとの報告がある.今回,休憩前後の試行において有意にFRT値が上昇したB群に対し,A群では介入前後で有意差は見られなかった.これは,A群において母趾足底部への触圧刺激入力によりメカノレセプターの賦活が起こり,姿勢制御中枢への求心性情報の量的増大が起こり,結果として身体の前方向へのモーメントが制動されたと考えられる.本研究では,賦活されたメカノレセプターによる姿勢制御における働きを,FRT値という量的変化のみで検証したが,今後,重心動揺計や三次元動作解析装置などによる質的変化についても検証していく必要があると考える.<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR>中枢神経性・末梢神経性感覚障害を有する疾病や外傷の繰り返し,荷重制限,長期臥床,加齢などにより足底のメカノレセプターは機能低下に陥り,情報の量的,質的低下を招く.その結果,平衡機能障害は誘発される.特に高齢者の皮膚ではコラーゲンが減少して弾性が低下することが報告されており,この現象は刺激に対する閾値の上昇と関連していると考えられている.加齢に伴う,足底感覚の低下は転倒のみならず歩行動作を通じて,関節疾患にも影響を与えると考えられる.今回の研究結果から,対象者は若年成人健常者であるため前述した「高齢者の皮膚」に対する介入は行えていないものの,徒手的な感覚入力のみにおいてもメカノレセプターを賦活でき姿勢制御能力に好影響を与えることが示唆された.臨床場面における介入方法として,母趾足底部に対する徒手的な触圧刺激入力は,患者自身でも行える方法として有用であると考えられる.
著者
陸軍砲工学校 編
出版者
陸軍砲工学校
巻号頁・発行日
vol.平面解析幾何学, 1905
著者
石黒 初紀 阿部 加奈子 辰口 直子 蒋 麗華 久保田 紀久枝 渋川 祥子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.95-103, 2005-02-15
被引用文献数
1

一般には炭火で調理されたものがおいしいと評価されることは多いがその根拠は明らかにされていない.そこで, 伝熱量および放射の割合を同等にした数種の熱源で鶏肉を焙焼し, 官能検査, においの成分分析を行った.さらに, 試料を焙焼する熱源から発生する燃焼ガスの成分分析を行った.官能検査の結果, においと総合的評価は[炭火焼き]と[ガス網焼き]を比較すると, 有意差は認められなかったが[炭火焼き]が好まれる傾向がみられ, さらにその匂いの差は識別できるものであった.そこで, においについて機器測定を行った.その結果, エレクトロニック・ノーズによる分析結果からセンサーが測定できるにおい成分の量は[ガス直火焼き], [ガス網焼き], [ヒーター焼き]は同等であるが, [炭火焼き]は他の熱源のものより低いことがわかった.このため, 炭火加熱により生じたにおいに何らかの違いがあることが考えられた.また, GC-MSによる分析結果から, 官能検査により炭火加熱をした鶏肉の方が好まれた要因は, 香気成分組成において好ましくないにおいを持つ脂肪族アルデヒド類の割合が焼き網に比べ少なく, 香ばしい香りを有するピラジン類やピロール類の割合が多いためと考えられた.鶏肉の焙焼香の違いの原因は, 燃焼ガスにあるのではないかと考え, 燃焼ガスの測定を行った.その結果, 炭の燃焼ガスには, 焼き網よりも還元性の強い一酸化炭素や水素が多く含まれ, 酸素の含有量が少なかった.なお, この燃焼ガスの組成の違いと香気成分の生成との詳細な関連についてはさらなる検討が必要である.
著者
Paris Basumatary Sangeeta Das John T. D. Caleb Dulur Brahma
出版者
Arachnological Society of Japan
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.127-129, 2020-12-20 (Released:2020-12-24)
参考文献数
6
被引用文献数
3

A new jumping spider species, Chinattus prabodhi sp. nov. is described based on female specimens collected from Assam State of India. Females of the new species can be distinguished from other known congeners by the epigyne lacking a distinctive circular median pocket, the long, narrow and arching copulatory ducts, aligned posteriorly at the copulatory openings, and the oblong spermathecae. With the discovery of the new species, the genus Chinattus Logunov 1999 is reported for the first time from India.
著者
高橋 一生
出版者
日本プランクトン学会
雑誌
日本プランクトン学会報 (ISSN:03878961)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.46-72, 2004-02-25
被引用文献数
2
著者
前田 浩人 林 加織 石毛 崇之 三品 美夏 渡辺 俊文 曽川 一幸
出版者
日本電気泳動学会
雑誌
電気泳動 (ISSN:21892628)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.59-62, 2018 (Released:2018-12-21)
参考文献数
10

近年ネコ飼育頭数の増加傾向に伴い獣医臨床現場においてネコの下部尿路疾患(Lower urinary tract disease (LUTD))を治療する機会が増えつつある中で,原因の特定に至らず治療方針の決定に時間を要する症例も少なくない.中でも下部尿路疾患の2–10%の症例において細菌感染が認められる.MALDI-BioTyper Systemとrapid BACproを応用し,ネコの尿における直接菌種同定を試み,検査の感度及び時間の短縮について検討を行った.本法は,ネコの尿中における細菌種の同定分析を短時間に可能にする方法である.
著者
荒磯 裕平
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.280-283, 2020 (Released:2020-09-30)
参考文献数
15
被引用文献数
1

The TOM complex is the main entry gate for mitochondrial proteins. Recently we determined the Cryo-EM structure of the yeast TOM complex at 3.8 Å resolution. The structure shows the dimeric form consisting of two Tom40 β-barrel channels and α-helical transmembrane subunits. The structure-based biochemical analysis revealed that presequence-containing preproteins pass through the Tom40 channel in the middle of the dimer and are transferred to the TIM23 complex. On the other hand, presequence-less preproteins leave the channel at the periphery of the TOM complex and are relayed to the chaperone proteins. Our results demonstrate the efficient transfer mechanism of preproteins.
著者
羽鳥 隆英
出版者
日本映画学会
雑誌
映画研究 (ISSN:18815324)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.4-27, 2019 (Released:2020-04-09)
参考文献数
37

本論は橋本忍の脚本を岡本喜八が監督した映画『日本のいちばん長い日』における昭和天皇表象の研究である。初めに 2019年現在の研究状況や岡本の作家的な経歴における天皇の問題を確認した上(第 I節)、劇中に張り巡らされた様々な水準のコミュニケーションに着目しつつ『日本のいちばん長い日』の長大な物語を整理した(第II 節)。次に映画大詰の玉音放送の場面を構成する映像=音響の相関性を精査し、先行の玉音放送表象などとも比較しつつ、『日本のいちば ん長い日』が試みる二重の異化と一重の相対化を指摘した(第III節)。さらに映画半ばの天皇による「大東亜戦争終結ノ詔書」の署名、玉音盤の吹込と特攻出撃の並行編集に焦点を絞り、第一に「サウンド・ブリッジ」を活用した音響設計(第IV節)、第二に天皇役の 8代目・ 松本幸四郎と特攻基地の指揮官・野中大佐役の伊藤雄之助の関係に着目しつつ(第V節)、天皇表象に暗示的に仕掛られた価値転覆性を指摘した。
著者
村上 千鶴子
出版者
学校法人 開智学園 開智国際大学
雑誌
日本橋学館大学紀要 (ISSN:13480154)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.3-19, 2010-03-01 (Released:2018-02-07)

近年、卑近なものを題材にしながら大胆な構成、目を見張る色彩で装飾的にも芸術としても高い評価を得ている伊藤若冲作品の特徴を色彩、題材、作者の生き方などから分析する。若冲作品はその成立から250 年を経て現代もなお斬新な驚きをもって広く受け入れられている。主に、若冲作品の初期の代表作「動植綵絵」の分析によって見えてくるものについて、分析心理学、禅宗、華厳教の視点からその作品創造の原点を検討する。それによって、芸術の専門家とは異なった視点からその作品の意義、美しさの意味、および作者の深層の心情を明らかにすることを意図した。結果として、若冲の動物綵絵は、決して派手な色彩で彩られているわけではなく、地味な背景に輝く白が特徴的であった。題材は、卑近な生物の緻密な描写から想像上の生き物の模写まで幅広く、構図はむしろ抑制と熟慮の利いたものであった。その緻密な描写による生命の迸りには、臨済禅宗徒の絵師伊藤若冲の心の深い境涯への没入と見性が示唆された。彼こそは真の芸術家と呼ばれるに相応しい稀有な存在であることが示唆された。
著者
朝倉 俊成 影山 美穂 清野 弘明
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.877-882, 2007 (Released:2009-05-20)
参考文献数
9
被引用文献数
2

インスリンカートリッジに針を装着したまま保管したときの空気混入,およびインスリン製剤の品質に対する影響を検討した.4種類のインスリンプレフィルド製剤を用いて,注射針を装着したまま19日間20°Cの温度変化を与えて保管した.結果はどの注入器もインスリンカートリッジ内に空気混入が認められ,気泡の大きさは経時的に増加した.さらに懸濁インスリン製剤では,空気混入のほかにインスリン濃度の濃縮化が見られた.したがって,注射後に注射針を装着したままインスリン注入器を保管すると,注入精度の低下などから血糖コントロールに対して悪影響をおよぼす可能性が高いといえる.患者へはセーフティーマネジメントの一環として,注射針は使用後すぐに取りはずすことと注射前にカートリッジ内に混入した気泡を「空打ち(試し打ち)」で抜くよう指導する必要がある.
著者
野口 佑太 伊藤 卓也
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.69-71, 2019-01-10

はじめに 現在の診療報酬において,退院支援の1つとして退院前訪問指導がある.2018年の診療報酬では退院前訪問指導料は,入院期間が1月を超えると見込まれる患者の円滑な退院のため,患家を訪問し,当該患者またはその家族などに対して,退院後の在宅での療養上の指導を行った場合に,当該入院中1回(入院後早期に退院前訪問指導の必要があると認められる場合は,2回)に限り算定する1)と明記されており,580点の診療報酬が算定可能である.また,最近ではケアマネジャーなどの介護保険サービスにかかわる職員も同行し,意見交換を行う機会も増加している. 退院前訪問指導の際,住環境の状況を記録するための用紙として家屋環境チェックリスト2)や住環境整備のための記録用紙3)などが存在し,活用されている.そのほかに住環境を記録することを目的にデジタルカメラを使用して写真撮影を行うことがあるが,訪問する職員の意向により撮影箇所が限られることや,経験が浅いと撮影に多くの時間を要することが課題として挙げられる.今回,Virtual Reality(VR)の活用として,退院前訪問指導の際に全天球カメラを使用した動画撮影を行い,主体会病院(以下,当院)の職員と動画の共有を行ったため,取り組みと共有結果について報告する.