著者
的場 幸雄
出版者
The Iron and Steel Institute of Japan
雑誌
鐵と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.20, no.12, pp.837-847, 1934-12-25 (Released:2009-07-09)
参考文献数
38
被引用文献数
3

In the main part, author treats the equilibrium of Fe-C-O2-system at steel making temperatures by melting carbon and oxygen bearing iron in the gas stream of carbon mono-oxide and dioxide mixture. As the results of his experiment, it was proved that the oxygen content of the molten steel in equilibrium with the gas phase, is proportional to the ratio pco2/pco, and carbon content to p2co/pco2. On these accounts, he proposed that the two equilibriums, FeO(Fe)+CO=Fe+CO2 and C(Fe)+CO2=2CO, should be considered simultaneously as the carbon-oxygen equilibrium in steel making process instead of FeO(Fe)+C(Fe)=Fe+CO as was usually accepted. Further he constructed also the equilibrium diagram of Fe-C-O2-system qualitatively in the region of molten steel.As an appendix of his main paper, he described the hydrogen reduction method of oxygen determination in iron and steel. Some remarkable points of his method of determination are in the treatment of reduction products, H2O, CO2 and CO. Here H2O was absorbed by P2O5 and CO2 by soda lime as usually, CO is oxidized by I2O5 to CO2 selectively and after retaining free iodine with metallic copper chips, secondary formed CO2 absorbed by soda lime and weighed.
著者
市川 玲子 村上 達也
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.112-122, 2016-11-01 (Released:2016-09-13)
参考文献数
35
被引用文献数
2 3

パーソナリティ障害(PD)は対人関係機能の障害によって特徴づけられ,その根底にアタッチメント・スタイルの影響が指摘されてきた。先行研究において,境界性・自己愛性・演技性・依存性・回避性PDと不適応的なアタッチメント・スタイルとの関連や,これらの精神的健康への影響について明らかにされているが,媒介プロセスについては検討されていない。そこで本研究は,不安定的なアタッチメント・スタイルが,これと関連するPDを媒介して精神的健康に及ぼす影響について検討することを目的とした。調査対象者は298名の大学生であり,各PD傾向,2次元から構成されるアタッチメント・スタイル,抑うつに関する項目に回答した。共分散構造分析と媒介分析の結果,境界性・回避性PD傾向が2種のアタッチメント・スタイルと抑うつの間を媒介することと,演技性PD傾向は見捨てられ不安と抑うつの間を媒介して抑うつの低さに寄与することが示された。
著者
北川 誠一

課題番号:15310163/平成15年度一平成17年度科学研究費補助金(基盤研究(B))研究成果報告書/<目次>/1 ロシアのイスラーム社会/1)北川誠一「二つの戦争の間のロシア・ムスリム」『中東欧とロシア」東北大学、2003年、39-59頁/2)Magomedov,Arbakhan,Rpssija i musul'manskij vopros:ispytanie islamofobiej(vtoroevvedenie)/2 ウラル浴ヴォルガのイスラームと政治/3)Mukharjamov,Nail'. Islam v Povolzh'e:politizatsija nesosoto jabshajasja ili otlozhennaja?/4)Galljamov,Rushan.Islamskoe vozrozhdenie v Uralo-Povolzhskom makroregione Rosii:sravnitel'nyj analiz modelej Bashkortostana i Tatarstana./5)Magomedov,Arbakhan.Islam i politika na polumusul'manskom evrazijskom pogranich'e:osobennosti lolal'noj transformatsii v Astrakhankoj i Ul'janovskoj oblastjakh./3ダゲスタンとチェチェンのイスラームと政治/6)Matsuzato Kimitaka, Magomed-Rasul lbragimov. lslamic Politics at the Subregional Level, Europe-Asia Studies, 2005, pp.753-780/7)Makarov,Dmitri. Dagestan's Approach to the lslamoc Mega-Area? The Potentials and Limits of Jihadism,Emerging Meso-Area in the Former Socialist Countries, Hokkaido University, 2005, pp.195-220/8)Matsuzato Kimitaka.Magomed-Rasul Ibragimov.Alien but Loyal:Reasons for the Instability of Daghestan,An Outpost of Slavic Eurasia,Emerging Meso-Area in the Former Socialist Countries, Hokkaido University,2005,pp.221-247/9)Matsuzato,Kimitaka.Islam w naturciu od Daghestanudo,Arcana(Krakovo),Vol.66,Nos.6,2005,pp.77-91/10)北川誠一「野戦軍司令官からジヤマーアト・アミールヘ」『東北大学歴史資源アーカイヴの構築と社会メディア』、東北大学、2005年、52-69頁/3 南コーカサスのイスラームと政治/11)Kitagawa,Seiichi.The Nationalization of Islamic Organization in the South Caucasus, The Construction and the Deconstruction of National HIstories in S1avic Eurasia,2003,pp.291-310/12)北川誠一「グルジア・パンキスィ渓谷問題の種族・信仰的背景」『国際政治」第138号、2004年、142-156頁/4中央アジアの政治的イスラーム/13)北川誠一『ウズベキスタンとタジキスタンの政治的イスラーム』東北大学、2004年3月、1-20頁/付記/ 調査記録としては、松里公孝「ダゲスタンのイスラム(前編)『スラブ研究センターニュース」95(2003年秋)号、「ダゲスタンのイスラム(後編)」スラブ研究センターニュース」97(2004年春)号があるが技術的理由とスラブ研究センター・ホームページからの閲覧が用意なので、ここには採録しなかった。アドレスは、http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/jp/news/95/essay-matsuzato.htmlおよび、http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/jp/news/97/essay-97-essay3.htmlである。/ ヴラデイミル・クシニレンコ氏の口頭発表原稿(2004年12月11日、スラブ研究センター、若手研究者国際ワークショップ)「北コーカサス西部中央部諸共和国の政治過程におけるイスラームの要素」は、ここに収録しなかった。
著者
加藤 正春
出版者
日本文化人類学会
雑誌
民族學研究 (ISSN:00215023)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.209-229, 2000-12-30

かつての沖縄では,若者の死の直後に若者仲間が墓に赴き,歌舞音曲をともなった伽をする習俗がみられた。ワカリアシビー(別れ遊び)などと呼ばれたこの儀礼は,死んだ若者のモーアシビー(野遊び。青年男女の野外交遊のこと)仲間が夜毎に墓前に集い,そこで一時を遊び過ごすものであった。儀礼はほぼ一週間ほど続けられたが,いくつかの報告では,幕内から死者の棺箱を出したり,その蓋を開け,死者を座らせて行われることもあったとされている。また,墓前の仮小屋に短く織った手拭い(いんきや織りの手さじ)を飾って集う例も報告されている。儀礼は昭和時代に入ると行われなくなった。本稿では,19例の報告事例の検討から,この儀礼が野遊びの形態をとって死後に行われる若者仲間の追悼儀礼であり,幕内の死者の霊魂を幕前に招き出して行う,生者と死者との直接交流・交歓であることを明らかにする。若者たちが墓前に集まり,棺箱を墓から引き出すのは,死者に近づいて交流しようとする意図であり,短い手拭いをさげるのはそれを霊魂の依代として用い,そこに寄り憑いた死霊を実感するためである。また,引き出した棺箱を開け,死者を座らせるのは,生前と変わらぬ形で死者と直接に交流しようとする試みである。ただし,このような儀礼行為の前提には死の認識があり,死体の変化に対する人々の知識と経験が存在する。なお,儀礼には死霊の危険性に対する忌避観念が表出されていないようにみえる。これは,若者たちが死んだ仲間を追悼するために,死霊の危険性を受け入れた上で儀礼を行っているからである。それは,若者仲間の同輩結合の強さを示すものである。

3 0 0 0 OA 日本新聞年鑑

著者
新聞研究所 編
出版者
新聞研究所
巻号頁・発行日
vol.昭和9年, 1933
著者
知念 良之 芝 正己
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.101, no.6, pp.266-271, 2019-12-01 (Released:2020-02-01)
参考文献数
18

沖縄県における一般的な住宅構造は,鉄筋コンクリート造であったが,近年は戸建を中心に木造率が増加傾向にあり,1990年代以降は県外産プレカット材を移入する動きが報告されてきた。2015~2016年に,二つのプレカット工場が経済特区へ進出すると,木造建築はさらに活発化した。本研究では,関連事業者に対して,進出の動機や活動実態,県外出荷に係る公的助成制度の利用についてインタビュー調査を行い,沖縄県における木造住宅の拡大とプレカット工場の関係を明らかにした。プレカット工場の進出は,県内の木造需要増加への対応と遠隔地特有の流通に不利な条件を緩和する目的があった。供給する住宅には,主に人工乾燥材または集成材が使用されており,台風対策や耐震性の向上が図られていた。工場には,公的助成制度を利用して県外にも出荷するものと県内専売のものがあり,使用する主な原材料や工場の立地選択に違いがみられた。一方,県内における木材産業に対する認知度の低さや木造関連技術者の少なさから,住宅生産が制限されていた。また,ボイラー燃料需要がなく,産業廃棄物として排出されるオガ粉や端材の処理費用の負担が大きい課題があった。
著者
伊藤 大輔 渡邊 明寿香 竹市 咲乃 石原 綾子 山本 和儀
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.334-338, 2018 (Released:2018-05-01)
参考文献数
18

筆者らは, 心療内科クリニックのショートケアにおいて, 主にうつ症状によって休職に至った者を対象に, 職場に焦点化した集団認知行動療法 (WF-CBGT) の効果を予備的に検証した. WF-CBGTは, 職場での問題を積極的に扱いながら, 行動活性化療法, 認知療法および問題解決療法などを含んだ合計8回 (1回150分) のプログラムであった. 参加に同意した対象者16名は, 介入前および介入後に, 抑うつと不安症状, 社会適応状態, 職場復帰の困難感に関する自記式尺度に回答した. 分析の結果, 職場で必要な体力面の困難は有意傾向であったが, うつと不安症状, 社会適応状態, 職場復帰後の対人面の困難と職務に必要な認知機能面の困難については介入後に有意に改善することが示され, 中程度以上の効果サイズが得られた. さらに, プログラムを完遂した多くの参加者が職場に復帰し, 復職3カ月後も就労を維持していることが確認された. このことから, WF-CBGTは, 復職支援に有用な介入である可能性が示唆された.
著者
上谷 香陽
出版者
文教大学
雑誌
文教大学国際学部紀要 = Journal of the Faculty of International Studies Bunkyo University (ISSN:09173072)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.1-16, 2017-01-31

The purpose of this paper is to examine some key concepts of Dorothy Smith’s feminist sociologythrough reading her early study, “Institutional Ethnography: A Feminist Research Strategy” (Smith1987:151-179). In this article she re-raised the classical sociological issue about the relationshipbetween people’s local and particular experience and extra-local and general social relations, andsuggested an alternative sociology that explores how the everyday world of people’s experience isput together by social relations that extend beyond the everyday world. She argued that traditionalsociological method of inquiry translates people’s own knowledge of the world of their everydaypractices into the objectified knowledge to make everyday world accountable within sociologicaldiscourse. On the other hand, her sociology locates the starting point of inquiry within people’s actualexperience and their own knowledge. The key concepts of her sociology, such as ‘the everyday worldas problematic’ ‘standpoint of women’ ‘institutional ethnography’ ‘work knowledge’, make visible howpeople are connected into the extended social relations of ruling from people’s standpoints. Throughexamining these concepts, this paper develops the method of sociological inquiry into knowing thesocial from people’s actual everyday world.
著者
相沢 忠一
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.89-98, 1973-06-30 (Released:2017-02-13)

ひとくちに医学英語といつても, 意味するところは広範にわたるが, 少なくとも専門語いに関しては, ラテン語とギリシャ語によつて支配的な影響を受けていることは論をまたない。この調査は, 極く基本的な医学用語, すなわち身体の主要な部分または器官を表わす用語について, 本来の英語とラテン語とギリシャ語の三者の関連において, 整理・確認しようとするものである。(その1)は, まず基本語いをアングロ・サクソン系の英語によつて見出し語として掲げ, それに相当するラテン語とギリシャ語を併記して, 両古典語から派生した形容詞, 造語要素たる連結形, および連結形を応用した若干の術語例, 等を表示したものである。原語については, できるだけ語源にまつわる資料を呈示するように努めた。このつぎからは, 同様の作業をアルファベット順にwombまで継続したあと, ラテン語・ギリシャ語が, どのような経緯を経て医学英語の語いを支配するようになつたかを, 歴史的に概観して, まとめとする。

3 0 0 0 OA 韓国写真帖

出版者
統監府
巻号頁・発行日
1910
著者
池上 高志
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.435-444, 2010 (Released:2012-01-25)
参考文献数
49
被引用文献数
2 2

Here we will discuss the Self-organization of autonomous embodied motion [5]. Despite being a major characteristic of living systems, Self-movement has never been viewed seriously as a central element of living systems. In fact, most current research focuses on ‘structure’ rather than ‘movement’. The theory of autopoiesis [35] also does not examine biological movement directly. However, Self-movement often appears as a central theme in robotics research, its self-organization has scarcely been studied. Self-organization of Self-motion is important, because We need to understand the natural intelligence of living systems, opposed to artificial intelligence, its diversity and its root in evolution. As a means for approaching these challenges in robotics research, we designed a simple chemical system that synthesizes embodied autonomous motion: a self-moving oil droplet. This chemical system provides a new example of self-movement besides biological systems and mechanical robots.
著者
宮永 孝 Miyanaga Takashi
出版者
法政大学社会学部学会
雑誌
社会志林 (ISSN:13445952)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.304-156, 2014-12
著者
岩本 陽児
出版者
東京都立大学小笠原研究委員会
雑誌
小笠原研究年報 (ISSN:03879844)
巻号頁・発行日
no.43, pp.1-49, 2020-06-30

小笠原諸島の洋名Boninの由来をたずね、外国人への日本語の聞こえがこの語を生んだとの、いわゆる転訛説を批判的に検討しながら、江戸時代後期における小笠原諸島をめぐっての、日欧の知的な交流のなかでこの名称が誕生した歴史的な過程を検証した。1786年刊の林子平の発禁本『三国通覧図説』をオランダ商館長ティツィングがヨーロッパに招来し、これがフランスの中国学者レミュザにより1817年の論文として紹介された際、「無人」の漢字にBo-ninの綴りが与えられ、添付された仏語訳地図でBO-NINが使用された。ロンドンで1820年に刊行された太平洋海図がレミュザ説からハイフンのないBoninの綴りを採用したことで、現在見るBonin諸島の名称が広く普及した。