著者
近藤 龍司 土肥 真人 柴田 久
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.669-672, 1999-03-30
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

本研究は,日常から非日常への心理的変化とそれに及ぼす環境の影響を把握する事を目的とする。東京ディズニーランドの来訪者を被験者として,性別,年齢,利用交通機関などの被験者の属性および出発点から終着点までの10の場面毎の日常-非日常の心理的変化を聞き取り,共分散構造分析を用いて被験者属性と場面特性との因果解析を行った。本論の分析,考察より,被験者の約9割がディズニーランドを非日常空間として認識し,被験者の約7割は物理的環境からの直接の影響により非日常への心理的変化が喚起されている事が明らかになり,被験者の個人属性,物理的環境からの影響の有無,心理的変化の場面特性の因果関係を定量的に把握した。
著者
北原 聡
出版者
関西大学
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.399-420, 2005-12-05

近代日本の道路は物資や旅客の輸送など民生目的のほか軍事的にも利用された。陸軍は道路の使用および道路状況の改善に強い関心を寄せており、道路整備の主体であった府県や市町村に対して道路を整備するよう働きかけ、いっぽう、多数の兵士や重量のある兵器が通過する陸軍の道路使用は各地で道路の被損を引き起こし、府県や市町村は道路修繕を余儀なくされた。道路行政を管掌する内務省は、1919年に制定された道路法に陸軍の道路使用に伴う地方の負担を軽減する条項を盛り込み、それは一定の効果をあげたものの、こうした状況の根本的な改善にはつながらなかった。
著者
亀田 菜央子 岡田 佳織 金井 美惠子
出版者
相模女子大学
雑誌
相模女子大学紀要. B, 自然系 = The journal of Sagami Women's University. 相模女子大学・相模女子大学短期大学部ファカルティ・ディベロップメント委員会 編 (ISSN:09167676)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.13-19, 2012

The number of incidents of food poisoning at food service facilities has decreased since the execution of a hygiene control manual for parge-scale food processing facilities in accordance with the HACCP, however the improvement level for sanitary conditions still cannot be deemed sufficient. Especially nowadays where bacteria capable of causing food poising in small numbers are gaining attention, the thorough cleaning and sterilization of kitchen instruments, hands and fingers is extremely important. Here, in order to comprehend the extent of microbial contamination, we conducted an examination of viable count, Escherichia coli and coliform group on the hands and fingers of food processing personnel and kitchen instruments (cutting boards, dish towels, knives, refrigerator, etc.). Results showed the mean values of 10^1 〜 10^2 /100cm^2 prior to usage and 10^2 〜 10^4 / per hand following usage. As the number of viable bacteria increased, the detection rate for coliform group also increased. The degree of viable count and coliform group contamination was especially high in water bowls for placing rice paddles and tongs during usage, used dish towels, hands and fingers during food preparation, and sponges, with more than half of examination targets having results comparable to the degree of contamination for the floor. With the need for improving sanitary conditions of cutting boards, refrigerator handles, hands and fingers, and sponges for washing, the hygiene instruction using the Lumitester PD-20 was carried out. As a result, the degree of contamination for almost all examination targets improved to Rank A, and in the results for examination of viable bacteria counts conducted simultaneously the values decreased to less than 1/10 〜 1/40 in comparison to those prior to instruction. Since the usage of Lumitester makes quick numerical comprehension of contamination possible, it can be deemed an efficient method for improvement of cleaning and sterilization methods at the workplace. The results of this research show that further minimization of secondary food product contamination risk is possible by introduction of the Lumitester into hygiene control.
著者
塚本 友栄 舟島 なをみ
出版者
日本看護教育学学会
雑誌
看護教育学研究
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.22-35, 2008
被引用文献数
1

本研究は、就職後1年以内に退職した新人看護師の経験と、1年以上就業を継続できた新人看護師の経験の比較を通して、退職した新人看護師の経験の特徴を明らかにし、看護基礎および看護継続教育の課題を考察することを目的とする。本研究の第1段階は、看護概念創出法を適用し、半構造化面接法により退職者18名からデータを収集した。持続比較分析の結果、退職した新人看護師の経験を表す60カテゴリからなる15概念を創出した。第2段階も看護概念創出法を適用し、半構造化面接法により継続者20名からデータを収集した。持続比較分析の結果、就業を継続できた新人看護師の経験を表す53カテゴリからなる14概念を創出した。第3段階は、メタ統合を用いて、退職した新人看護師の経験を表す60カテゴリと就業を継続できた新人看護師の経験を表す53カテゴリを比較・統合した。その結果、退職した新人看護師の経験と就業を継続できた新人看護師の経験が、共通する経験、退職者のみに存在する経験、継続者のみに存在する経験の3つに分類できることを明らかにした。考察の結果は、早期退職防止に向けた看護基礎及び看護継続教育の課題として、看護専門職者としての自律的な態度の獲得、自己の客観視、自立した社会人としての責務の理解、問題を解決可能な具体的なレベルで捉えられる能力獲得のための支援が必要であることを示唆した。
著者
生形 貴重
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.32, no.12, pp.p1-12, 1983-12

I discuss the basic plot of the story by studying the transmission of the sacred sword which Kiyomori was given by the god of Itsukushima and the arms - a suit of armor named Karakawa and a sword named Kogarasu - which were transmitted from one descendant to another in the direct line of the Taira family, in connection with the descriptive parts of the story. The story of the Komatsu family, which becomes apparent in this text, suggests the tranferring the rein of government from the Taira family to Yoritomo and contains the felicita- tion to the new generation represented by Yoritomo, in which I think lies the essence of this story.
著者
知念 渉
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.102-113, 2014

2000年代以降,「子ども・若者の貧困」に関する研究が数多く蓄積され,貧困家族を生きる子ども・若者たちの生活上の困難を明らかにしてきた.しかし,山田 (2005)が指摘するように,現代社会を生きる人々にとって,家族とは,生活に役に立つ/立たないという観点から理解できる「機能的欲求」には還元できない,自分の存在意義を確認する「アイデンティティ欲求」を満たす関係にもなっている.このような観点に立てば,従来の「子ども・若者の貧困」研究は,アイデンティティ欲求の次元における「家族であること」のリアリティを相対的に看過してきたと言えよう.そこで本稿では,「記述の実践としての家族」という視点から,文脈や状況に応じて流動する若者と筆者の間に交わされた会話を分析し,アイデンティティ欲求の次元における「貧困家族であること」のリアリティを明らかにした.そして,そのリアリティが,流動的で,相対的で,多元的であることを指摘し,その知見がもつ政策的示唆について考察した.
著者
Matsumoto Makoto Nishimura Takuji
出版者
ACM
雑誌
ACM Transactions on Modeling and Computer Simulation (ISSN:10493301)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.3-30, 1998-01
被引用文献数
131 3937

A new algorithm called Mersenne Twister (MT) is proposed for generating uniform pseudorandom numbers. For a particular choice of parameters, the algorithm provides a super astronomical period of 219937 - 1 and 623-dimensional equidistribution up to 32-bit accuracy, while using a working area of only 624 words. This is a new variant of the previously proposed generators, TGFSR, modified so as to admit a Mersenne-prime period. The characteristic polynomial has many terms. The distribution up to v bits accuracy for 1 ≤ v ≤ 32 is also shown to be good. An algorithm is also given that checks the primitivity of the characteristic polynomial of MT with computational complexity O(p2) where p is the degree of the polynomial. We implemented this generator in portable C-code. It passed several stringent statistical tests, including diehard. Its speed is comparable to other modern generators. Its merits are due to the efficient algorithms that are unique to polynomial calculations over the two-element field.
著者
大村 智
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.42, no.10, pp.979-983, 2006-10-01
参考文献数
11
著者
下鶴 幸宏 中野 正博
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.149-158, 2008
参考文献数
5

講義を行っている教員方は後方の座席にいる人ほど「集中力がない」、「やる気が感じられない」と言われることをよく耳にする。一般的に前方の座席の学生は学習意欲が高く、後方の座席の学生は学習意欲が低いと言えるのであろうか.そこで、勉学意識と座席の位置には何らか因果関係があるのかを確かめるために質問紙調査を行い、統計学的に調査し、数量的に比較した.その結果、座席が前方の学生は、座席が後方の学生よりも学習意欲が高く、講義中も講義に関係した私語が多く、講義にも関心を持って取り組んでいる学生が多い.しかし、学習意欲が高いものの、講義のために予習や復習をするといった事前学習を行う学生が少なく、講義に取り組む姿勢があまりできていない.一方、座席が後方の学生は、講義には上の空の学生が多く、講義時間を退屈に感じたり、講義時間を過ぎて講義室に入室してきたり、教員に対して厳しい評価を行っている学生が多いことかわかった.また、現在着いている座席の位置は、学生自らが希望している座席であり、入学してからは座席が固定されていて、講義の度に座席移動は行っていないことがわかった.
著者
上原 雄貴 水谷 正慶 武田 圭史 村井 純
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.461-473, 2012-02-15

近年,インターネットを介した各種サービスにおいて,ユーザごとの行動履歴や趣味趣向に応じた最適化されたサービスを適時に提供することで,新たな付加価値を生み出すための取組みが行われている.実際にこのようなサービスを利用するためには利用者が専用のアカウントを登録するといった特別な操作が必要である.また,従来ホストの識別にIPアドレスやMACアドレスが利用されているが,IPアドレスはネットワーク環境によって変化し,MACアドレスは詐称可能であるため,継続的にホストや所有者を特定できない.そこで本研究では,特定のユーザが利用するデバイスごとに,ユーザの利用形態によって特徴的なトラフィックパターンが現れるかを事前に調査した.そして,その結果を用いてネットワーク上に発信されているパケットのヘッダ情報を収集,解析することでホストおよびユーザを特定する手法を提案した.本提案手法において,ユーザが発信するパケットのペイロード情報はプライバシ侵害の懸念があるため,パケットヘッダ情報のみを収集することでホストおよびユーザを特定することを目的とする.そして,200人ほどが参加するカンファレンスや学術ネットワークにおいてユーザの許諾を得たうえで実験を行い,ホストやユーザを本手法によって特定可能であることを示した.これよって,サービス提供者はユーザに特別な操作や設定などを求めることやデバイスの制約などを受けることなく,ユーザごとに特化したサービスを提供できる可能性を示した.As demand for internet services specifically customized for each user increases, service providers make effort to build extra value on their services by providing useful services, based on personal action history and personal interest. However, in order to use these services, they require users to install specific application. IP addresses and MAC addresses are being used for host identification, but IP addresses vary as the hosts' network environment change, and MAC addresses are deceivable. Therefore, continually specifying hosts and users is impossible. In this paper, we propose a method to identify and track users by collecting and analyzing network traffic, which enables users to receive customized services without installing special application nor user of specific devices. Payloads of packets, transmitted by users, are subjected to privacy, so in the method, host and user identification is performed by collecting information from packet header. This methods' practicability has been verified through experiments, performed on a conference and an academic network. Through the experiment, possibility for service providers to offer users user specific services, without requiring users to perform particular actions nor setting, nor limiting users to use specific devices, has been shown.
著者
丹野 貴行
出版者
三田哲學會
雑誌
哲學 = Philosophy (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.142, pp.9-42, 2019-03

特集 : 坂上貴之教授 退職記念号#寄稿論文
著者
小澤 京子
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要 = The journal of Wayo Women's University (ISSN:18846351)
巻号頁・発行日
no.61, pp.35-48, 2020-03-31

「レトロブーム」とともに人気を博した丸田祥三の廃墟・廃線写真集『棄景』シリーズ、最終戦争後の荒廃した未来都市を舞台とする大友克洋の漫画『AKIRA』(1982年〜)、根岸競馬場跡の廃墟での撮影を含むミュージックビデオ『A Y.M.O. FILM PROPAGANDA』(1984年)、廃工場を舞台背景とした東京グランギニョルやBIS-SEAL-PISHOPの演劇(1985-87年)、都市の中の廃墟とそこに集う「棄民」的な人々を描いた映画である山本政志監督『ロビンソンの庭』(1987年)や松井良彦監督『追悼のざわめき』(1988年)、取り壊し中の建築物を被写体とする宮本隆司『建築の黙示録』(1988年)、スクラップと身体が融合するイメージを扱った三上晴子の作品群や塚本晋也監督『鉄男』(1989年)など、1980年代の日本では、とりわけサブカルチャーの領域を中心に、「廃墟」、「遺棄された場所」、「スクラップ」というテーマが特徴的に現れ出る。そこには、長い伝統を持つ西洋の廃墟愛好や廃墟表象とは異なる時代性が刻印されている。それは、1980年代における核戦争の脅威、高度経済成長終了後の産業構造と労働市場の変化、バブル期の開発による都市のラディカルな変貌、それらがもたらす人間の棄民化、身体の廃墟化である。本稿では、1980年代の「廃墟、遺棄された場所、スクラップ」の系譜をたどりつつ、1980年代固有の都市の態様と、人間の身体が置かれた状況とを明らかにしてゆく。