著者
白石 進 磯田 圭哉 渡辺 敦史 河崎 久男
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林学会誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.175-182, 1996-05-16 (Released:2008-05-16)
参考文献数
29
被引用文献数
1

カラマツ(ニホンカラマツ)の天然分布の北限は,福島県蔵王山系馬ノ神岳とされている。馬ノ神岳のカラマツは,外部形態的にはグイマツに類似しており,近年,ニホンカラマツとして分類することに対し疑問が呈されてきた。本研究では,DNA分類•系統学的な観点から,馬ノ神岳のカラマツの分類上の位置付けと遺伝的多様性の評価を試みた。馬ノ神岳のカラマツと分布中心地域のニホンカラマツ,グイマツ,チョウセンカラマツの葉緑体DNA(rbcL遺伝子)の塩基配列を比較した結果,馬ノ神岳のカラマツはニホンカラマツと完全に一致し,進化系統的にグイマツよりもニホンカラマツに近いことが明らかとなった。また,RAPD分析による核ゲノム組成の比較においても,同様の結果が得られた。しかし,馬ノ神岳のカラマツとニホンカラマツの核ゲノム組成には大きな差異が認められた。馬ノ神岳のカラマツは,ニホンカラマツとの遺伝的分化がかなり進んでおり,形態的にも大きく異なることから,ニホンカラマツの変種として分類するのが妥当である。
著者
田近 淳 大津 直 乾 哲也
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.122, no.1, pp.23-35, 2016
被引用文献数
12

北海道,厚幌1遺跡で発見されたマウンドについて,トレンチ壁面の観察・記載から地すべり移動体であることを示し,その運動過程を検討した.マウンドは,主に樽前d降下火砕堆積物(Ta-d:8-9ka)起源の軽石層・岩片層・腐植層から構成され,Ta-d上位の腐植層を覆い,樽前c降下火砕堆積物(2.5-3ka)に覆われる.縦断方向の壁面では,マウンド堆積物の下底に腐植およびそれとロームの混合層からなる非対称変形構造やデュープレックスが認められた.また,堆積物にはリストリック正断層に類似した非対称伸長構造が見られた.これらのセンスはマウンドが背後の山腹から移動して定置したことを示す.このような未固結で成層した火砕物の地すべりは地震動によって引き起こされたと考えられる.<sup>14</sup>C年代と層序関係から,このマウンドを形成した地すべりの発生は補正年代で約4,600yBP以降から約2,500yBP以前までの間である.この年代は石狩低地東縁断層帯馬追断層の最新活動期と重なる.
著者
大嶋 えり子
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1_290-1_309, 2014 (Released:2017-07-01)

The memories of French Algeria and the Algerian war of independence had been forgotten by French government for decades. Since the 1990's, however, monuments, laws and speeches began recognising memories related to that period. This article aims to understand why this change occurred.   First, we will delve into the French context and examine how the memories of the Holocaust have been connected with those related to Algeria. The 1990's have also been a period during which immigrants became a “problem”: the “integration” of immigrants appeared as a solution.   Secondly, we will study the case of the Cité Nationale de l'Histoire de l'Immigration, a museum devoted to the past of immigrants. By doing so, we will be able to understand that the recognition of memories does not necessarily involve the recognition of identities and that French government attempts to promote integration by recognising the memories of immigrants.
著者
小玉 重夫
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.412-423, 2009

1990年代以降の教育改革において「説明責任」とならんで重要な概念として浮上してきた「遂行性」は、学校や教師をアイデンティティの不安へと追い込み、シニシズムをもたらしつつある反面、多様なアイデンティティの構築可能性を含む「転用戦の場」でもある。さらに、遂行性にはらまれている「アイデンティティの固定化」という限界を超えるためには、遂行性を宙づりにしつつ、廃棄、刷新することを可能にする遂行中断性が重要である。この遂行中断性に、新しい教育政治学の条件を見いだすことができる。
著者
岡村 廸夫 浅見 直樹
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.861, pp.184-186, 2003-11-24

2003年10月初旬。新聞報道をきっかけに,電子機器メーカーである日本電子の株価が5日連続でストップ高を記録した。同社が発表した画期的な電池技術が注目を集めたわけだが,その技術のオリジナルなアイデアを生み出したのは個人発明家,岡村廸夫氏である。同氏の教えを請おうと,ホンダや日産ディーゼル工業などのメーカーの技術者が,研究所に日夜集う。
著者
大庭脩著
出版者
創文社
巻号頁・発行日
1982

3 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1898年06月29日, 1898-06-29
著者
井上廉平 輯
出版者
大野木市兵衛
巻号頁・発行日
1872