著者
Yoshiharu Kawaguchi
出版者
The Japanese Society for Spine Surgery and Related Research
雑誌
Spine Surgery and Related Research (ISSN:2432261X)
巻号頁・発行日
pp.2017-0007, (Released:2018-02-28)
被引用文献数
23

This is a review paper on the topic of genetic background of degenerative disc diseases in the lumbar spine. Lumbar disc diseases (LDDs), such as lumbar disc degeneration and lumbar disc herniation, are the main cause of low back pain. There are a lot of studies that tried to identify the causes of LDDs. The causes have been categorized into environmental factors and genetic factors. Recent studies revealed that LDDs are mainly caused by genetic factors. Numerous studies have been carried out using the genetic approach for LDDs. The history of these studies is divided into three periods: (1) era of epidemiological research using familial background and twins, (2) era of genomic research using DNA polymorphisms to identify susceptible genes for LDDs, and (3) era of functional research to determine how the genes cause LDDs. This review article was undertaken to present the history of genetic approach to LDDs and to discuss the current issues and future perspectives.
著者
Tomoichiro Asano Midori Fujishiro Akifumi Kushiyama Yusuke Nakatsu Masayasu Yoneda Hideaki Kamata Hideyuki Sakoda
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.30, no.9, pp.1610-1616, 2007-09-01 (Released:2007-09-01)
参考文献数
44
被引用文献数
29 56

Inositol phospholipids phosphorylated on D3-position of their inositol rings (3-phosphoinositides) are known to play important roles in various cellular events. Activation of PI (phosphatidylinositol) 3-kinase is essential for aspects of insulin-induced glucose metabolism, including translocation of GLUT4 to the cell surface and glycogen synthesis. The enzyme exists as a heterodimer containing a regulatory subunit and one of two widely-distributed isoforms of the p110 catalytic subunit: p110α or p110β. Activation of PI 3-kinase and its downstream AKT has been demonstrated to be essential for almost all of the insulin-induced glucose and lipid metabolism such as glucose uptake, glycogen synthesis, suppression of glucose output and triglyceride synthesis as well as insulin-induced mitogenesis. Accumulated PI(3,4,5)P3 activates several serine/threonine kinases containing a PH (pleckstrin homology) domain, including Akt, atypical PKCs, p70S6 kinase and GSK.In the obesity-induced insulin resistant condition, JNK and p70S6K are activated and phosphorylate IRS-proteins, which diminishes the insulin-induced tyrosine phosphorylation of IRS-proteins and thereby impairs the PI 3-kinase/AKT activations. Thus, the drugs which restore the impaired insulin-induced PI 3-kinase/AKT activation, for example, by suppressing JNK or p70S6K, PTEN or SHIP2, could be novel agents to treat diabetes mellitus.
著者
加藤 修一
出版者
千葉経済大学
雑誌
千葉経済論叢 = CHIBA KEIZAI RONSO (ISSN:21876320)
巻号頁・発行日
no.56, pp.55-72, 2017-07-18

自然の理解は観察が論理に優先するが、観察が与える"共に生きている"という共感を引き起こすような感動を基調とする行動こそが環境問題を解く鍵である。粘菌博物館は粘菌そのものの理解と、粘菌を通して自然環境を守る意義及び微生物の産業利用の理解が深まる施設として期待が大きい。ここでは粘菌学校を開設してバイオマスや汚染物質除去などの微生物産業に続いて食の安全や、健康への貢献、生命現象の解析などの未来産業が課題として取り上げられている。
著者
井上 勝生
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

研究実績の概要は、次のようである。1)朝鮮に派遣され、農民軍を鎮圧した守備隊史料を、多数収集した。守備隊の史料を所蔵する防衛研究所図書館史料、守備隊が編成された四国四県の新聞史料など、総指揮官の出身地である山口県文書館の史料など、多くの新しい史料を発見した。朝鮮農民の死者、三万人以上の大被害が発生した。朝鮮守備隊は、広島大本営が直轄しており、日朝間の交信記録を分析し、最強硬の弾圧命令が大本営指導部から出たことを明らかにできた(成果報告書)。抗日農民戦争は、大規模になり、ソウルに向かっていた。大本営は、日清戦争を中国領へ拡げるなかで、欧米が、農民蜂起を名目に、朝鮮へ介入してくることを恐れており、朝鮮農民軍の殲滅作戦が着手されたのであった。現地の部隊ではなく、大本営の首相や外相も含んだ戦争指導部が、最強硬の弾圧作戦を指導したことが、後の日本近代史に影響を与えたことも指摘した。守備隊編成地、四国では、農民軍討伐作戦中の、戦死者の個別事例を、新聞史料から掘り起こした。地元部隊が、農民軍大討伐作戦に朝鮮に投入されたことは、今日、知られていない。参謀部日清戦史でも、記述がない。戦死者個別事例を靖国神社の殉難記録でみると、中国軍との、別の戦場での、別の日の戦死に、変えられていることが判明した。記録と記憶の抹殺である。なお史料を探索し、発表する予定である。守備隊の総指揮官は、幕末の長州藩の元志士であった。駐韓公使井上馨と、同じ有志隊に入っていたことも発見した。井上公使は、最強硬な農民軍鎮圧作戦を主導していた。この関係を発見したので、さらに、事実関係を調べて、発表する予定である。
著者
山野 宏章 和田 哲宏 田坂 精志朗 福本 貴彦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1264, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】野球肘は成長期の野球選手に多く,発見が遅れ重症化すると選手生命に関わることから,予防,早期発見が重要視されている。その発生要因としては投球数や練習量だけでなく,肩関節周囲筋の筋力や柔軟性などの身体的要因も関わっているとの報告がされている。しかし,野球肘を発症する選手の身体的特徴は,一貫した報告がされていない。また,スポーツ現場で野球肘の評価をするにはポータブルエコーを用いて医師が行うのが一般的で,理学療法士や指導者が簡易に評価できる指標はストレステストや痛みの問診等しかなく,十分ではないのが現状である。そこで本研究の目的は,エコー診断や各種身体機能検査を含めた評価をもとに,野球肘の発症あるいは重症度に関係する要因を包括的に検討することとした。【方法】奈良県の少年野球選手436名を対象とした野球肘検診において野球歴・投球時痛などのアンケート調査,医師によるエコー検査とストレステスト,理学療法士による柔軟性検査を実施した。そこで得た結果を基に野球肘の重症度を5段階に分けた。統計解析は,5段階の重症度を従属変数,アンケートの結果,エコー所見,ストレステストの結果,柔軟性検査の結果を独立変数とし,重回帰分析(ステップワイズ法)を行った。統計学的有意水準は5%未満とした。なお,統計解析にはSPSS statistics ver. 22(IBM,Chicago,IL)を使用した。【結果】重回帰分析の結果,外側エコー異常所見,内側エコー異常所見,肘関節伸展での違和感,肩関節水平内転テスト(以下:HFT),投球時痛,肩関節外旋での違和感,肘内外側のしびれ感の7項目が独立した因子として抽出された。標準偏回帰係数は外側エコー異常所見0.684,内側エコー異常所見0.331,肘関節伸展での違和感0.268,HFT0.056,投球時痛0.045,肩関節外旋での違和感0.052,肘内外側のしびれ感-0.037であった。自由度調整済み決定係数は0.882であり,Durbin-Watsonの検定は2.134であった。【結論】柔軟性検査のうち唯一抽出されたHFTの減少については,肩関節後方の軟部組織の柔軟性の低下を示している。これは投球動作時に体幹,肩甲帯から受けるエネルギーを適切に上肢に伝えることを困難にし,肘関節の適切な運動を阻害する。その結果,肘関節に異常なストレスを与え,野球肘の発症に繋がると考えられる。本研究の結果から,エコー検査が重症度予測に有用であると考えられるが,通常医師が行うエコー検査と比較した場合,エコー検査以外の重症度に影響する因子である痛みやしびれ,違和感の聴取,HFTの測定は理学療法士や指導者が簡易的に実施できる。そのため,スポーツ現場でこれらの評価を定期的に実施することにより,野球肘の予防や早期発見に繋がる可能性があると考えられる。

3 0 0 0 OA 古事記伝 44巻

著者
本居宣長
出版者
巻号頁・発行日
vol.[4],
著者
瀬川 駿 桝田 秀夫 森 真幸 永井 孝幸
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-40, no.3, pp.1-6, 2018-02-26

DNS サーバは DDoS 攻撃や DNS リフレクター攻撃などの様々な攻撃の対象や,攻撃のための踏み台にしようとする不正通信にさらされている.また,不正通信が行われる際に,特徴的な DNS クエリパターンがみられる場合が知られている.このような不正な通信に繋がるものと正規のもののクエリに対して,レスポンスを適応的に制御できれば,DNS サーバの防御に繋がる.本稿では,DNS サーバの前段に DNS クライアントからの通信を監視するシステムを配置し,攻撃者からのクエリに対してレスポンスを適応的に制御することで DNS サーバへの攻撃を抑える手法を提案する.
著者
霜山 博也 井上 寛雄 曽我 千亜紀 山田 庸介 大澤 健司 米山 優
出版者
一般社団法人社会情報学会
雑誌
社会情報学会(SSI)学会大会研究発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.49-54, 2012-09-14

In this paper, responding to the Heidegger's criticism of information, shows the route which advances informatics further by compensating the definition of the information. Not from the field of a substance or science but from a philosophical field. That is, the information as a difference in Gilbert Simondon which changes both relationship. Furthermore, it is shown that all the information penetrates in various levels in a reverse cone. And it is the ethic and the bond into which a group is united.
著者
ギャスケル アイヴァン 金沢 百技
出版者
東京大学大学院人文社会系研究科
雑誌
死生学研究 (ISSN:18826024)
巻号頁・発行日
vol.12, 2009-10-31

公開・国際シンポジウム 死生と造形文化Ⅱ「礼拝像と奇跡 -東西比較の試み」
著者
増田 理恵 田高 悦子 渡部 節子 大重 賢治
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.557-565, 2012 (Released:2014-04-24)
参考文献数
23

目的 肥満は心血管系疾患等のリスク要因となるが,地域で生活する成人知的障害者には肥満が多いことが指摘されてきた。本研究の目的は,地域で生活する成人知的障害者の肥満の実態および肥満をもたらす要因を明らかにすることにより,肥満予防に向けた実践への示唆を得ることである。方法 A 市における 5 つの通所施設•相談施設に通う男女39人を対象に,BMI,食事,活動についての面接調査を行った。対象者の基本属性について,項目別の単純集計を行った。BMI については平成19年版「国民健康•栄養調査」における20~59歳の一般成人の平均値と t 検定を用いて比較した。エネルギー摂取については,対象者の摂取エネルギー,摂取エネルギーと推定必要エネルギーの差,および食品群別摂取量を算出した。またエネルギー消費については,消費エネルギー,身体活動レベル,エクササイズ量を算出し,身体活動レベルについてはカイ 2 乗検定により一般成人と比較した。食習慣については 7 つの質問項目の和(食習慣得点)を算出した。さらに対象者の BMI について,対象者の属性,エネルギー摂取に関連する項目,エネルギー消費に関連する項目,食習慣得点,および食品群別摂取量との相関分析を行った。結果 対象者の BMI の平均値は一般成人と比較すると男女とも有意に高かった(P<0.001)。摂取エネルギーと推定必要エネルギーの差の平均値は男性で396±503 kcal,女性は569±560 kcal であった。BMI との有意な相関(P<0.05)がみられたのは摂取エネルギー,摂取エネルギーと推定必要エネルギーの差,消費エネルギー,穀類摂取量,菓子類摂取量,食事制限の有無であった。対象者の身体活動レベルは,一般成人に比べて低い者の割合が有意に高かった(P<0.001)。結論 対象者の BMI の増大をもたらしている要因は,主には過剰なエネルギー摂取であり,その背景には間食で菓子類を多く摂取するなど不適切な食習慣がある。また,一般成人に比して著しく低い身体活動レベルが対象者の生活上の特徴であることが明らかとなった。成人知的障害者の肥満対策として,過剰なエネルギー摂取,不適切な食習慣,低い身体活動レベルのすべてに対し,包括的に介入する必要がある。
著者
高橋 幸司 高畑 保之 今井 敏彦 志斎 金一
出版者
The Society of Chemical Engineers, Japan
雑誌
化学工学論文集 = Kagaku kogaku ronbunshu (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.479-482, 2011-11-20
被引用文献数
1

持続可能な開発が望まれている近年,バイオマスエネルギーはカーボンニュートラルであるため環境負荷が少なく,注目を集めている.その中で最も実社会への普及が進んでいるのがBDF(バイオディーゼル燃料)であろう.BDFは植物油を原料として製造され,廃棄の面倒な廃食油からも製造可能である.加えて軽油に比べ硫黄酸化物の排出が少なく,環境に優しい.このようにさまざまなメリットを有することからも,より一層の利用の拡大が望まれている.日本では近年小型のBDF製造装置が開発され,企業だけではなく自治体や学校,福祉介護施設などで導入され,BDFがその団体のバスやトラック,公用車などに使用されている.しかしながら市販されている装置は液体混合に基づいた最適化が成されているとはいえず,操作性が悪いことに加え価格が高く,普及のための大きな障害となっている.<br>本研究ではBDF製造工程に配慮して装置を見直し,すでに市販されているものよりも高性能な装置の開発を目的に種々の検討を加えた.実験結果よりBDF製造においては円錐底円筒槽よりも四角錐底角型槽の方が撹拌状態において有効であることを明らかにし,このことにより操作時間の大幅な軽減と,装置の小型化に成功し,低価格の実現を可能とした.さらに,本研究成果に基づきBDF製造装置を開発し市販するに至った.
著者
河田 聡 波多野 洋
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
BME (ISSN:09137556)
巻号頁・発行日
vol.11, no.5, pp.3-11, 1997-05-10 (Released:2011-09-21)
参考文献数
25
著者
宮本 大輔
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第14回大会
巻号頁・発行日
pp.33, 2016 (Released:2016-10-17)

近年、コンピュータシステムではなくコンピュータを利用するエンドユーザを対象としたサイバー脅威が報告されている。とりわけ、金融機関などに似せて作られたウェブサイトを用いてユーザを騙すなどの攻撃の被害は増加している。従来、サイバーセキュリティ分野ではユーザが偽サイトを見分けるためのサポートが研究課題であり、教材の開発やインタフェースの改善、検知して知らせるソフトウェアといった対策が行われている。ここで、サイバー脅威に対するエンドユーザの思考を、コンピュータシステムがエンドユーザから観測される情報から推測できると考える。我々は被験者を集めて実験を行い、ウェブサイトの真贋判定を行う際の眼球運動から被験者がどのような意思決定を行うかを予想する研究を行った。この先行研究を紹介するとともに、認知心理学の知見をサイバーセキュリティ分野に応用できるかを議論する。