著者
稲村 勝樹
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.2627-2640, 2016-12-15

近年,パスワードリスト攻撃など,ユーザの安易なパスワード設定を原因とする不正アクセスが多発している.そのため,パスワードとあわせて認証を行う方式の提案・実装が急務となっている.一方,CHAPはインターネット上のサービスにおいて認証方式のデファクトスタンダードの1つとなっている.したがって,CHAPから新しい認証方式に変更することは容易なことではない.そこで,本稿ではサーバやユーザ端末での処理方法を改良することで,CHAPの構造をそのまま活用しながらパスワードとそれ以外の認証を同時に行うことができる新しい認証方式を提案する.これにより,既存の認証プロトコルで多要素認証が実現可能となる.また,サービスの継続性を考慮したプロキシサーバ型改良方式も提案する.さらに提案方式のテストシステムを構築し,パフォーマンス測定による実装評価を行う.これにより,提案方式を使用することで低コストでパスワード認証と他の認証の併用が実現できることを示す.
著者
梅木 義臣 瀬良 敬祐 竹下 豊秋 岩永 博隆 乗松 敏晴 鈴木 良平
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.861-864, 1989-10-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
6

In the past 8 yesrs, the authors have treated 4 cases of traumatic dislocation of peroneal tendons in Nagasaki Mitsubishi Hospital. All of these were old cases, and they were treated by operative therapy with Du Vries' method. Even through a long period of follow-up, there was no evidence of mobile bone fragment absorption. Neither was there a complaint about limited range of ankle motion, nor were the incidents of pain and redislocation observed. With all the cases, therefore, the results were highly satisfactory. Du Vries' method, limiting the dislocation of the peroneal tendon from outside the joint and yet capable of completely preventing the dislocation of tendon, can be said to be an excellent technique.
著者
李 正旭
巻号頁・発行日
2013

筑波大学博士 (文学) 学位論文・平成25年3月25日授与 (甲第6364号)
著者
有賀 豊彦 石井 謙二 桜井 英敏 熊谷 日登美 関 泰一郎
出版者
日本大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

ニンニクを摂取すると,血液凝固系および線溶系には変動はみられないが,血小板機能が特異的に抑制される。私どもは,このような作用をもたらすニンニク成分をその精油中より分離同定し,メチルアリルトリスルフィド(MATS)であることを確認した。MATSは,in vitroおよびin vivoにおいて抗血小板作用を示すが,その作用機構については不明であった。このたびの科研費補助金による3年間の研究プロジェクトは,主としてMATSの血小板内作用点を特定することを目的に計画され,以下のような成績を得ることができた。1.MATSは消化管より吸収され,血中に出現し,尿中に排泄される。血中出現時間は90〜180分で,その後の臓器分布は,肝と腎に多く認められた。血中では,血球成分に移行し,血小板内の存在も確認された。2.血小板に対するMATSの作用は,アラキドン酸代謝系について確認したところ,専らアラキドン酸からプロスタグランジンが生成されるところが阻害されることが確認された。この代謝系に関る諸酵素について,それぞれ活性測定系を確立して検討したところ,cyclooxygenaseとlipoxygenaseの両酵素活性が阻害されることが明かとなった。MATSがこれらの酵素分子とどのようにinteractするかは不明であるが,恐らく酸化反応にMATSの硫黄原子が何らかの影響を及ぼし反応を阻害する結果になっているものと推察している。3.以上の成績に加えて,無臭ニンニクと呼称されている数種のネギ属植物の分類を,それらの成分分析を行うことで試行した。興味ある結果が得られているので,今後その成績をまとめ報告したい。
著者
柴 建次 周 英明 越地 耕二 塚原 金二 土本 勝也 大海 武晴 中村 知道 遠藤 誠子 増澤 徹 巽 英介 妙中 義之 高野 久輝
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.341-346, 1998

DC-DCエネルギー伝送効率が86%以上の完全埋込型人工心臓駆動用体外結合形経皮エネルギー伝送システム(ECTETS)のin vitro及びin vivo実験を行った。体内コイル、体内整流回路をヤギ皮下に埋込み、体外に設置された(1)電子負荷装置または(2)電気油圧駆動方式完全埋込型人工心臓をECTETSにより動作させた。その結果、(1)において、DC-DCエネルギー伝送効率は、81.4%(出力電力19.2W)であった。In vitroと比べ効率が低下したのは、体外コイル滅菌のための消毒液の付着により分布静電容量が増加したことが原因であることがわかった。また、(2)人工心臓の駆動(70bpm)においては、駆動電力、拍出流量、DC-DCエネルギー伝送効率、埋込部最高温度はそれぞれ20.7W、6.2L/min、82.1%、40.4℃となり生体に影響がない程度であることが確認された。
著者
西岡 洋 井上 達央 福室 直樹 小舟 正文 田路 順一郎
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第24回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.583, 2013 (Released:2014-01-21)

海水中でのセシウムイオンの吸着率とハンドリング性の向上を目的として磁性吸着材を合成した。本吸着材は単斜晶トバモライトを主成分とするケイ酸カルシウム系結晶であり、層間のサイトにおいてセシウムイオンを吸着する。海水中のセシウムイオン濃度を10mg/Lとした場合、30分程度で80%以上の吸着率を示した。本吸着材の陽イオン交換容量(CEC)は214cmol(+)/kgであり、天然ゼオライトよりも高い値を示した。本吸着材の水熱合成時にマグネタイトなどの磁性体を共存させることにより、簡単な操作で磁性を付与することができた。
著者
能登原 祥之
出版者
中国地区英語教育学会
雑誌
中国地区英語教育学会研究紀要
巻号頁・発行日
vol.44, pp.107-116, 2014

This paper empirically confirms the canonicity and its pedagogical significance of Radden and Dirven (2007)'s eleven constructions (e.g., States / SVC etc.) through a corpus-based cognitive linguistic study on British National Corpus (henceforth BNC) spoken data. First, the representativeness of Radden and Dirven (2007)'s eleven verbs for canonical eleven constructions (e.g., go for Self-motion / SV etc.) are reconfirmed through BNC data. Second, the inheritances of event schemata and their extensive influences are confirmed through FrameNet data. Third, the relationship between twelve constructions and seventeen verbs are statistically examined through correspondence analysis. Results show that think for Mental / SVO and say for Communication/SVO should be added as representative verbs for canonical constructions for their effective instruction.
著者
山本秀煌 著
出版者
洛陽堂
巻号頁・発行日
1922
著者
網谷 夏実 隅 敦
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.93-106, 2014

本研究は,スペインの初等美術教科書における題材の特徴を,主として描画指導に関わる題材の分析を通して,日本の教科書題材との違いに焦点を当てて明らかにしようとしたものである。まず,スペインの初等美術教科書の構成を整理した。次に,教科書の目次から内容の概要を翻訳し整理したところ,主に平面の題材が多く,概ね作品鑑賞から制作に移るという過程が確認できた。一方,日本の教科書においては配当されていない(1)臨画の題材,(2)ぬり絵をする題材,(3)絵の描き始めが示されている題材,(4)背景が既に描かれている題材について,実際に制作を行いながら,詳細な分析と考察を行った。そこでは,発想や構想の能力の育成よりも対象を正確に写し取る技術を重視する特徴が見いだされた。さらに,スペインの教科書で特徴的であったぬり絵に焦点を当て,日本の初等美術教育においてぬり絵が扱われていない理由を考察し,①山本鼎の自由画教育運動の影響,②玩具として認識されていること,③教育的効果に対する否定的な意見,④評価を伴う場合の問題の四点を導き出した。
著者
長山 靖生
出版者
早川書房
雑誌
SFマガジン
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.192-196, 2012-02
著者
堀 桂子 佐藤 由利子 村山 武彦 錦澤 滋雄
出版者
日本観光研究学会
雑誌
観光研究 (ISSN:13420208)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.115-125, 2015 (Released:2016-12-01)
参考文献数
26
被引用文献数
1

In this research, aiming to get the suggestion about fruitful tourism revival, semi-structured interview survey was conducted. Focusing on the collaboration between tourism-related administrations, tourist association, tourism-related organizations and others, this research examines tourism-based community development of Beppu city which was formerly flourished as a big hot spring destination. As the result, it is revealed that the effectiveness of connection between mass tourism and new tourism is starting to be recognized by some organizations, though the local government does not adopt positive policies heading towards the collaboration. Preparing the place of exchange information between organizations under tourism-based community development as a policy seems important.
著者
前田 啓朗
出版者
日本言語テスト学会
雑誌
日本言語テスト学会研究紀要
巻号頁・発行日
no.6, pp.140-147, 2004-08-30

This paper presents 1) what limitations causal analyses have, 2) how causal analyses are conducted in English language education research in Japan, 3) what problems are seen in those causal analyses, then, 4) how the problems can be improved for further research. A Causal analysis, especially an analysis according to Multiple Regression Model, is originally a powerful tool for predicting a dependent variable by some independent variables. However, when the degree of causal effect by each independent variable is focused, the problem of multi-collinearity, which is provided by correlations among dependent variables, arises. On the other hand, when stepwise method is adopted in deciding which dependent variables should be included, the problem of multi-collinearity may cause again by deleting the dependent variables which reasonably seem to contribute to independent variables. After reviewing those limitations of Multiple Regression Models, eleven articles in English language education research in Japan were reinvestigated in terms of those problems. Then, some suggestions, such as using a correlation analysis, are presented instead of regression models.
著者
デューク ベンジャミン
出版者
国際基督教大学
雑誌
国際基督教大学学報. I-A, 教育研究 (ISSN:04523318)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.33-41, 2002-03

合衆国憲法修正第一条には,アメリカ型民主主義の原理として,教会と公共機関の分離という意図が込められていた.ジェファーソンによって憲法に組み込まれたこの条項は,他の条項と共にホレース=マンによる公立学校でも生かされ,南北戦争の頃から各地に浸透していったが,ここで言う教会はキリスト教の一宗派のことであった.しかし,公立学校で行われていた聖書の郎読や主の祈りが,この修正第一条に抵触するという訴訟が児童の母親から出され,1963年,連邦最高裁はこれまでの認識を覆えす判決を出すことになった.この際,原告側は憲法修正第十四条をその根拠として争うことになったが,各種人権を保証したこの修正第十四条は,南北戦争後に自由の身となった黒人の基本的権利を保証するもので,本来宗教とは無関係のものであった.最高裁は原告側の訴えを認め,その後修正第一条はマン以来の公立学校の有り様を否定する法的根拠へと変容していった.
著者
西澤 正己 柿沼 澄男 孫 媛 矢野 正晴
出版者
国立情報学研究所
雑誌
学術情報センター紀要 (ISSN:09135022)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.179-196, 1999-03
被引用文献数
1

なぜ米国は情報技術/情報科学の多くの面で世界をリードすることができたのか。そのなぞを解き明かすことは、我が国が情報技術/情報科学において優位性を確保するための必須条件となる。そのためには、米国と日本との比較研究をすることにより、その違いを明らかにすることが重要であると考え、本稿では、人的資源、研究費、論文数等の情報科学研究を取り巻く実態を比較研究した。その結果、日米両国の情報科学研究について以下の点が明らかになった。 (1)大学院生数及び研究者数では、日米の人口比を考慮すると、大学院生の数については日米ほぼ同じ水準にあるが、研究者の数については日本の研究者数は米国の半分以下の水準である。 (2)研究費では、中央政府による大学への研究助成金の比較を行った。日本政府が大学へ助成している金額は、GDP比を考慮すると米国の約5分の1である。 (3)論文数の比較では、米国Institute for Scientific Information(ISI)社が作成した文献抄録データベースScience Citation Index(SCI)を用いて分析を行った。その結果、「情報システム」、「ハードウェア/アーキテクチャー」、「理論/方法論」の分野では、日本の研究は相対的に盛んであるが、「ソフトウェア/グラフィクス/プログラミング」の分野は相対的に盛んでない。

3 0 0 0 OA 鳥辺山

著者
富崎 春昇
出版者
ビクター
巻号頁・発行日
1954-12