著者
江草 由佳 高久 雅生
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.69-74, 2007-05-25
被引用文献数
1

日本語書誌データを対象としてSRU/SRWプロトコルに対応した書誌検索システムを開発した。国立教育政策研究所教育図書館が提供している「教育研究論文索引」の日本語論文書誌データ約12万件を対象とし,さらに同図書館OPACログデータを元にしたテストクエリセットを作成し,これらの検索がSRU/SRWを通じて行えるかを確認するとともに,実運用規模における検索システムの可能性について考察した。
著者
梁 熙俊 嶋田 純 松田 博貴 利部 慎 董 林垚
出版者
公益社団法人 日本地下水学会
雑誌
地下水学会誌 (ISSN:09134182)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.187-205, 2015-05-29 (Released:2015-06-25)
参考文献数
35
被引用文献数
10

沖縄県南大東島における淡水レンズは貴重な水資源として用いられており,その形状と成因を明らかにするため,本研究では,15ヶ所の観測井における電気伝導度の観測結果を用いて淡水レンズの形状を推定し,地形,地質,地下水位の時系列解析によりその成因を評価した。本地域の地下水位は,潮汐の主要5分潮の周波数で高いシグナルを示し,潮位変動の影響を受けることが明らかになり,島の南側に位置する観測井で相対的に高い透水性がみられ,西側と北東側で低い透水性がみられた。本地域における淡水レンズ(電気伝導度2000μS/cm以下)は,西側と北東側で確認でき,淡水レンズの厚さは,中央低地で10~13m,西側で5~8m,北東側で3~6mであった。なお,透水性の違いや島の西側に多くの池沼・湿地が分布する地形的な理由から,西側の淡水レンズにおいて季節変動がみられた。
著者
南 学 MINAMI Manabu
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要, 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学 (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.207-213, 2014-03-31

近年青年の「恋愛離れ」が指摘されている一方で、青年の生活満足度は高くなっている。この現象に関して、古市(2011)は、社会的閉塞感から将来に明るい展望が持てないために、「今、ここ」の幸せに満足しているのではないかという仮説を提唱している。本研究では、この仮説を実証的に検証するため、時間的展望体験尺度と価値観を測定し、検討をおこなう。また、併せて恋愛イメージを測定し、それとの関連を検討した。結果は、「現在の充実感」において女性のほうが高く、「自己沈潜的人生観」において恋愛不要群が高かった。また、恋愛イメージに関してクラスタ分析をおこない、それぞれ2群に分けたところ、恋愛不要低群・男性において「希望」が有意に低かった。これらの結果から、一部の男性においてとくに社会的閉塞感の影響が強いことが示唆された。
著者
並木 禎尚 北本 仁孝
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

従来の簡易診断法の最小検出限界を低減できる超高感度・迅速な磁気バイオセンサチップを開発した。その実現のための要素技術は次の3点に集約され、これらの達成が本申請研究の目的である。1) 一次抗体被覆ナノ粒子・抗原複合体の磁気濃縮(微小空間での磁気分離による、希薄検体からの抗原抗体複合体の高効率捕捉)と、二次抗体によるシグナル増幅。2) マイクロ流路内のブラウン運動活性化と層流による抗原抗体反応の活性化。3) 高い交流磁界応答を示す磁性粒子プローブ、高感度センシング、磁性粒子-免疫複合体の物理的捕捉、トンネル磁気抵抗効果型磁気センサーと駆動回路技術から構成)。・本成果により、新型インフルエンザの超早期診断率の大幅な向上が見込まれる。迅速・適切な対応が可能になるため、重症化・蔓延の防止に大きく貢献する。急増している新型インフルエンザは、従来型よりも致死率が高く、本申請は緊急性の高いテーマである。・日本が世界をリードするナノテクノロジーを応用するため、日本の強みを活かせる。・手のひらにのるサイズのハードディスクドライブのように小型化が可能で簡便なツールとなりうる。量産技術がある程度確立しているので、使い捨てと考えても余りコストがかからない。・他疾患の診断にも応用できるため、大きな波及効果が期待できる。本年度は、抗原抗体反応を迅速・鋭敏に検出できる磁気バイオセンサチップを完成させ、特許出願、論文投稿、学会発表を行っている。
著者
林田 大作 舟橋 國男 木多 道宏
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 第38回学術研究論文発表会 (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
pp.73, 2003 (Released:2003-12-11)
被引用文献数
1

本研究は、働く人が職場周囲に構築する場所を調査・分析し、その都市生活における意義を都市計画的に論述するものである。本研究では、自宅・職場以外に日常生活の中で意味ある場所を「サードプレイス」と呼び、働く人々が職場周囲に構築するサードプレイスに焦点を当てて分析を行っている。調査は、東京の神田地域および品川地域を対照的な都市的性質を持つ地域として取り上げ、神田地域から品川地域へ事務所を移転したある企業の一部署の社員15名に対してヒアリング調査およびアンケート調査を実施した。調査では、神田から品川への移転前後の4年間づつ、計8年間における職場周囲の生活や生活状況の変化等を幅広く調査したが、本稿では、主に両地域におけるサードプレイスの構築自体に関する考察を行い、その結果を報告する。職場周囲のサードプレイスの構築を、「よく行く場所およびその理由」「寄り道する場所」「リフレッシュする場所」「自分の場所」「通勤ルート」「散歩ルート」等の調査結果から考察した結果、以下の知見を得た。_丸1_働く人々が職場周囲に構築する主なサードプレイスは、飲食店、書店、喫茶店等である。_丸2_職場周囲のサードプレイスの量は、品川地域より神田地域の方が多く、サードプレイスの質も両地域で異なっている。_丸3_サードプレイスの構築と職場周囲における散歩には相補的な関係が存在する。_丸4_品川地域のように、高度に計画され、様々な付帯施設が整備された職場環境においては、セカンドプレイスである職場の延長的な性質を持つサードプレイスが職場周囲に構築されやすい。これまで、自宅を「住宅」として、また職場を「事務所」として捉えた多くの建築計画研究の蓄積があるが、都市生活を生活者の一連の活動として捉え、暮らしやすいまちを計画する場合、本研究で得られた知見等も取り入れた、総合的な都市計画が求められる。
著者
中村 陽一
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.395-400, 2014-10-01

本稿では,社会デザインからみた図書館を考察するため,まず,社会デザインのなかでのコミュニティデザインの可能性を探り,そこで行われている「つながりを編み直すワーク,活かすワーク」について,事例とともに考えた。続いて,社会デザインとしての事業取り組みモデルを紹介した後,コミュニティデザインの変容から「サードプレイス」としての場の可能性に言及し,公共ホール・劇場を例にとった。そのうえで,最後にソーシャル・インクルージョン,サスティナビリティ,ソーシャル・キャピタルという3つのキーワードと「野生の社会デザイン」の必要について述べた。
著者
大島 泰 大村 謙二郎
出版者
公益社団法人 都市住宅学会
雑誌
都市住宅学 (ISSN:13418157)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.31, pp.39-44, 2000-10-31 (Released:2012-08-01)
参考文献数
8
被引用文献数
1

This study aims to analyze the role of planning regulations in U.C.A. inTsukuba city. As planning regulations we focus on building permission, system of existing lot and development permission. The result of analysis shows: 1) through deregulation of location condition the area to be developed is expanded; 2) the combination of two regulations promotes the scattered development in a short time. Based on the analysis we propose the unification of system of building permission and existing land lot, and the limitation of the area to apply the planning regulations in U.C.A.

3 0 0 0 京都順覧記

著者
池田東籬亭編 中村有楽圖画
出版者
竹原好兵衛
巻号頁・発行日
1831
著者
山本 明歩 Akiho YAMAMOTO 京都文教大学総合社会学部 KYOTO BUNKYO UNIVERSITY Department of Social Relations
出版者
京都文教大学
雑誌
総合社会学部研究報告 = Reports from the Faculty of Social Relations (ISSN:21888981)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.11-26, 2012

Anabaptists, who reside in many countries throughout the world, include the Mennonites, the Amish, the Brethren and Hutterites. The customs in some of the old-order groups in Anabaptists are distinguishable in many ways from those of the society around them. This difference, along with their religiousness, makes them look fundamentalistic and conservative. In short, they are often viewed as groups of people who restrict personal freedom and resist any changes in lifestyle. In contrast to such observations, this paper argues that Anabaptists actually put emphasis on individual choice and that this leads to the diverse cultural traits and behavior which include what seems to be the resistance to assimilation or acculturation observed in traditional groups.