著者
鈴木 勉
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.135, no.12, pp.1325-1334, 2015 (Released:2015-12-01)
参考文献数
33
被引用文献数
1

The World Health Organization has reported that when morphine is used to control pain in cancer patients, psychological dependence is not a major concern. Our studies were undertaken to ascertain the modulation of psychological dependence on morphine under a chronic pain-like state in rats. Morphine induced a dose-dependent place preference. We found that inflammatory and neuropathic pain-like states significantly suppressed the morphine-induced rewarding effect. In an inflammatory pain-like state, the suppressive effect was significantly recovered by treatment with a κ-opioid receptor antagonist. In addition, in vivo microdialysis studies clearly showed that the morphine-induced increase in the extracellular levels of dopamine (DA) in the nucleus accumbens (N.Acc.) was significantly decreased in rats pretreated with formalin. This effect was in turn reversed by the microinjection of a specific dynorphin A antibody into the N.Acc. These findings suggest that the inflammatory pain-like state may have caused the sustained activation of the κ-opioidergic system within the N.Acc., resulting in suppression of the morphine-induced rewarding effect in rats. On the other hand, we found that attenuation of the morphine-induced place preference under neuropathic pain may result from a decrease in the morphine-induced DA release in the N.Acc with a reduction in the μ-opioid receptor-mediated G-protein activation in the ventral tegmental area (VTA). Moreover, nerve injury results in the continuous release of endogenous β-endorphin to cause the dysfunction of μ-opioid receptors in the VTA. This paper also provides a review to clarify misunderstandings of opioid analgesic use to control pain in cancer patients.
著者
木地 孝之 水谷 昌紀 伊澤 岳 植野 利隆 江幡 光範
出版者
環太平洋産業連関分析学会
雑誌
産業連関 (ISSN:13419803)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.4-16, 2003
被引用文献数
1

プロ野球日本ハムファイターズが本拠地を東京から札幌に移転することになったが,移転成功の条件は何か,成功すればどの程度の経済効果が期待できるのかを,札幌市産業連関表を利用した生産波及分析を交えて検討する.本稿は,慶應大学の学部学生による分析であり,分析手法は基礎的・一般的なものであるが,福岡ダイエー・ホークスとの徹底比較を行うなど,学生らしい楽しい内容となっている.
著者
棚田 梓
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 日本社会情報学会 第19回全国大会
巻号頁・発行日
pp.191-194, 2004 (Released:2006-02-01)
参考文献数
3

1953(昭和28)年,日本でテレビ放送が始まって50年が過ぎた。テレビは戦前にはなかった,新しいメディアである。テレビ受像機が普及していなかった頃は,街頭テレビの前に集まってプロレスに熱狂した。このように,テレビを無料の娯楽と受けとめていた大衆が,やがてニュースショウを好んで見るようになった。ここ半世紀の変貌を「市民的意識の生成」と捉え,その経過を分析した。 テレビ放送開始から現在までを6つに区切り,テレビ年表でそれぞれの時期の特徴を明らかにする。 ?(前史―1952) テレビ放送前夜 ?(1953―1959) 一億総白痴化 ?(1960―1970) アクセルとブレーキ ?(1971―1984) もうけ主義と合理化 ?(1985―1992) ニュースショウの時代 ?(1993―現在まで)メディアの失われた10年
著者
齋藤勝
雑誌
東洋学報 / The Toyo Gakuho
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, pp.65-90, 2003-06
著者
有賀 暢迪
出版者
京都大学文学部科学哲学科学史研究室
雑誌
科学哲学科学史研究 (ISSN:18839177)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.61-74, 2008-01-31

In 1956, American meteorologist Norman Phillips published an article entitled "The General Circulation of the Atmosphere: A Numerical Experiment," which is considered a landmark in the history of meteorology as well as in that of computer simulation. In this paper, we present Phillips's numerical experiment as a natural development of a dishpan experiment―a laboratory experiment with rotating fluid. Both kinds of experiments are 'model experiments,' and we can regard their models as a tool for understanding general circulation. In the history of meteorology, computer simulation emerged as a kind of experiment.
著者
田口 飛雄馬 田平 一行
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101113, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに,目的】全身持久力評価は,最も客観的な心肺運動負荷テスト(CPX)やフィールド歩行テストである漸増シャトルウォーキングテスト(ISWT),6 分間歩行テスト(6MWT)を用いられることが多いが,これらの評価法は高価な機器や,広いスペースが必要であり,また高負荷であるためリスクの観点からも通所施設や在宅分野では使用しにくい問題がある.一方,CS-30 はJanesらによって考案された下肢筋力評価法であり,片麻痺患者の最速歩行速度や排泄自立度,転倒予測などとの関連も報告されている.また,試験は椅子から立ち座りを繰り返すことから,全身持久力の評価になり得る可能性がある.そこで今回,健常者を対象にCS-30 とCPXを行い,CS-30 から最高酸素摂取量(VO2peak)を予測可能であるか,またCS-30 の運動強度や呼吸循環器系・筋酸素動態への影響を検証することを研究目的とした.【方法】健常大学生20 名(男性10 名,女性10 名,年齢21.0 ± 1.1 歳)を対象に,2 種類の負荷試験(CS-30,CPX)を実施した.その間,血圧監視装置tango(Sun teck社)を用いて収縮期血圧(SBP),心拍数(HR)を,呼気ガス分析装置(MataMax, Cortex社)を用いて分時換気量(VE),酸素摂取量(VO2)を,組織血液酸素モニター(BOM-L1TRM,オメガウェーブ社)を用いて右外側広筋の骨格筋酸素動態{総ヘモグロビン量(totalHb),脱酸素化ヘモグロビン量(deoxyHb)}を,自覚的運動強度は旧Borgスケールを用い呼吸困難感,下肢疲労感を測定した.またCS-30 は立ち上がりの回数も測定した.負荷プロトコル:CS-30 は高さ40cmの椅子に腰掛け,両下肢を肩幅程度に広げて両腕は胸の前で組ませ,30 秒間で可能な限り立ち座りを繰り返させ,その回数を数えた.CPXは自転車エルゴメーターを用い,ランプ負荷(男性:20W/min,女性:15W/min)で,ペダル回転数60rpmを維持させ症候限界まで運動させた.CPXとCS-30 の測定は1 日以上を空けランダムに実施し,中止基準は目標心拍数・自覚症状などとした.解析方法:1)CS-30 とCPXの各測定項目の比較:安静時を基準とした100 分率を用い,最大値(max),回復1 分(rec1),2 分(rec2)の値を算出した.解析は二元配置分散分析を用い,同時間における比較には対応のあるt検定を用いた.2)CS-30 の回数とVO2peakとの関係:従属変数VO2peak,独立変数をCS-30 の回数とする単回帰分析を行った.いずれも有意水準は5%未満とした.【倫理的配慮,説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言に基づき,対象者の保護には十分留意して実施した.全対象者には本研究の趣旨と目的を説明し,自署による同意が得られた後に実施した.また研究は,事前に本学倫理委員会の承認を得た.【結果】1.CS-30 とCPXの各測定項目の比較:totalHb,deoxyHbを除く全ての指標でCS-30 の方がCPXよりも有意に低値であったが,全てにおいて時間要因との交互作用を認めた.また各時間における比較は,SBP,HR,呼吸困難感,下肢疲労感,VEで,全ての時間帯で有意差を認めた.また,最大値におけるCS-30 のCPXに対する割合は,SBP:83%,HR:84%,VO2:49%,VE:38%,呼吸困難感:74%,下肢疲労感:71%,totalHb:94%,deoxyHb:91%であった.2.CS-30 の回数とCPXのVO2peakとの関係:相関係数0.484(p<0.05)の有意な相関が得られ,VO2peak=-0.58+0.928 ×CS-30(回数)の予測式が得られた.【考察】CPXに対するCS-30の割合では,VO2maxで49%であった.これは運動強度がCPXの49%であることを意味している.また循環器系,呼吸器系の各パラメーター,呼吸困難感,下肢疲労感もCPXに対して有意に低値を示したことより,CS-30はCPXに対して負荷の少ない評価法であることが確認された.一方, deoxyHbは有意差がなく,骨格筋にはCPXと同等の脱酸素化が起こっていると考えられた.更にrec1:129%・rec2:126%と高く,CS-30 で回復が遅延することを示しており,これは骨格筋への負荷はCPX以上であることが推察された.また,CS-30 の起立回数とVO2peakには有意な相関があったが,決定係数は低いため,大まかな予測は可能であるが,精度を高めるには他の要因も考慮する必要があると思われた.【理学療法学研究としての意義】症候限界まで運動を行うCPX に対して, CS-30 は短時間で終了し,安全で理解しやすい利点がある.また本研究から,CS-30 は低負荷であり,全身持久力(VO2peak)との相関が確認された.CS-30 による全身持久力予測が可能となれば,通所リハビリテーション施設・在宅分野など,測定環境が不十分な施設で有用であると考える.しかし,下肢筋への負担は大きいことから実施後の転倒には十分気をつけなければならない.
著者
柏田 祥策
出版者
東洋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

DNAマイクロアレイの結果,118の遺伝子が発現上昇,117の遺伝子が発現減少した。そこから形態形成に係る5つの遺伝子を選び,qRT-PCR解析を行った結果,ctslおよびtpm1は発現抑制,atp2a1およびhoxb6bは発現昂進, rbpでは顕著な差は見られなかった。発現抑制した遺伝子において,RNAiを行った結果,頭部および眼の形態形成異常,脊索の湾曲,血栓および虚血の個体を得た。ctsl,tpm1およびrbpの3遺伝子がSNCsの標的遺伝子である可能性が明らかになった。SNCsの毒性影響は,解離した銀イオンが高く寄与していることも明らかにした。

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1922年03月18日, 1922-03-18
著者
磯村美友 熊谷菜津美 村瀬勉 小口正人
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.475-476, 2013-03-06

近年、モバイルルータやテザリングなどを用いたパーソナルな移動無線LANシステムが利用される機会が増えている。人間と一緒に移動する移動無線LANは、会議などの場合、1カ所に多くの無線LANが集中するというケースが発生する。そのような場合、無線LAN電波の影響が互いの無線LANのスループットなどのQoSを低下させる恐れがある。特に、多くの無線LANが近接すると、近隣のチャネルを使わざるを得なくなるため干渉による大きな影響が想定される。さらに、同じチャネルを共有せざるを得なくなる無線LAN同士が帯域を取り合い競合するため、ますますQoSが劣化してしまう。このような、QoS低下のメカニズムの解明と基本的なQoSを実機を用いて定量的評価を行った。
著者
丁 偉偉 テイ イイ Ding Weiwei
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Social science review (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.116, pp.41-71, 2016-03

論文(Article)本稿は,1972年から2012年までの尖閣諸島問題に関する朝日新聞と読売新聞の社説を対象とし,内容分析と併せて計量テキスト分析を用い,質的・量的分析の組み合わせから検討したものである。両新聞のスタンスによって,関連社説における報道の重点および論調の相違があることが明らかになった。一方,尖閣諸島問題の顕著化とともに,尖閣諸島を自国の領土として定着したものとして報道する傾向は両新聞の関連社説に一致していることが読み取れた。In this paper, I analyzed the editorials of the Asahi Shimbun and Yomiuri Shimbun from 1972 to 2012 by using content analysis and quantitative content analysis. It became clear that the difference between the two newspapers' stances on the topic resulted in a difference in the emphasis of reports and the tone of the editorials. On the other hand, as the dispute over the Senkaku/Diaoyu Islands became more intense, the editorials of both Asahi Shimbun and Yomiuri Shimbun started showing a clear tendency towards portraying the Senkaku/Diaoyu Islands as "Japanese Territory".p.50 下から11行目と10行目に誤りあり (誤)②尖閣諸島を日本の固有領土とする記述, ③尖閣諸島の枕詞(補充表現)に関する記述 → (正)②尖閣諸島の枕詞(補充表現)に関する記述, ③尖閣諸島を日本の固有領土とする記述 p.51 表4の表記に誤りあり (誤)②=尖閣諸島を日本の固有領土とする記述;③=尖閣諸島の枕詞(補充表現)に関する記述 → (正)②=尖閣諸島の枕詞(補充表現)に関する記述;③=尖閣諸島を日本の固有領土とする記述