著者
Jin Hee Woo Ki Ok Shin Yul Hyo Lee Ki Soeng Jang Ju Yong Bae Hee Tae Roh
出版者
理学療法科学学会
雑誌
Journal of Physical Therapy Science (ISSN:09155287)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.1260-1265, 2016 (Released:2016-04-28)
参考文献数
39
被引用文献数
8

[Purpose] The aim of this study was to investigate the effects of regular treadmill exercise on skeletal muscle Rictor-Akt and mTOR-Raptor-S6K1 signaling pathway in high-fat diet-induced obese mice. [Subjects and Methods] Four- week-old C57BL/6 mice were adopted and classified into normal diet group (ND, n = 10), normal diet and training group (NDT, n = 10), high-fat diet group (HF, n = 10), and high-fat diet and training group (HFT, n = 10). The exercise program consisted of a treadmill exercise provided at low intensity for 1–4 weeks, and moderate intensity for 5–8 weeks. [Results] The Western blot method was used to measure the expression of mTOR, Raptor, S6K1, Rictor, and Akt proteins in the soleus muscle. mTOR levels were significantly higher in the HF group than in the ND and NDT groups. Raptor/mTORC1 and S6K1 levels were significantly higher in the HF group than in all the other groups. Akt levels were significantly lower in the HF group than in the NDT group. The risk of obesity may be associated with the overactivation of the mTOR-Raptor-S6K1 signaling pathway and a decrease in Akt levels. [Conclusion] This study also indicates that performing aerobic exercise may be associated with the downregulation of the mTOR-Raptor-S6K1 pathway.
著者
大澤 剛士 赤坂 宗光
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.151-155, 2007-11-30
被引用文献数
2

多年生草本植物オオハンゴンソウ(Rudbeckia laciniata L.)の地上部を6月に刈り取ることが、植物体に及ぼす影響を調査した。結果、6月の刈り取りは、当年の開花を抑制するものの、地下部を肥大させている可能性が示された。刈り取りを行っていない場所で地下部サイズと花数の関係を調べたところ、地下部サイズと花数の間には高い正の相関が見られた。このことから、年1回6月に刈り取りを行うと、刈り取りを止めた場合に、大量に開花と種子の生産を引き起こしてしまう可能性が示唆された。以上のことより、オオハンゴンソウに対して年1回6月に地上部を刈り取ることは、当年の開花を抑制させる効果はあるが、駆除を目的とした管理手法としては有効とはいえないと考えられた。

3 0 0 0 OA ハイペシア

著者
チヤルス・キングスレー 著
出版者
春秋社
巻号頁・発行日
vol.上, 1924
著者
クリストファー リン
雑誌
崇城大学芸術学部研究紀要
巻号頁・発行日
no.7, pp.167-174, 2014

精神の概念には、一つの国や地域の人々の思想である。それは、長い時間をかけて積み重ねられた文化の一部である。親や先輩の教え、育った環境の影響、幼い頃から自然に染み込んだ思想概念、倫理と道徳などを含め、多くの人が認める共通の価値観ともいえる。アジア地域には華夏文化の儒釈道を中心にすえた、「五常」「八徳」「四維八徳」などの思想がある。ヨーロッパ地域には、民族の精神の一つ「騎士道」が存在している。他の地域にも多数の精神が存在している。いずれも地域の文化と歴史に沿って、長い年月をかけて育まれた民族精神である。現代社会は、経済的な国の発展を求めている。一方、人々の倫理道徳の欠如が問題になってきている。今後、文化精神を後世に伝達していくことが重要であると考え、民族の精神として人間社会において大切に受け継がれていくべきものである。本研究は同様に日本においては代表的な精神概念の一つとして武士道があげられる。武士道精神は時代の変遷によって、社会に受け取る変容を考察する。メディア技術の進歩が著しい現代、メディアの種類が増えるにつれて表現手段が増え、抽象的な精神概念を表現することが以前より可能になった。ここで映画のメディアを取り上げ、研究の資料として研究を展開する。映画は、芝居、音楽、服飾、照明、背景、映像など、複数の要素を含むメディアである。映画は抽象的な精神概念を具体的に表現することを可能と考えた。例えば、どんなことが起こっても、決して仲間を見捨てられない、ある場面で仲間は握手したり、笑顔で向き合い話したり、合い言葉を言ったりなどの演出で仲間の絆、友情や信頼を表現する。又は、敵討ち場面で登場人物は、敵の前に激怒な表情で叫ぶ、無慈悲なやり方で相手を斬る演出は恨み、憎悪を表現する。この様に映画は抽象的なことを具体的に表現できると考えられていた。武士道精神も抽象的な概念なので、映画のメディアを研究の情報発信メディアとして取り上げる。映画コンテンツにおいては、作品がよくリメイクされている。例えば、シェイクスピアの台本『ロミオとジュリオット』を題材として用いられ、リニューアルやストーリーの再創作などのリメイクの手法を使って幾度も映画化されている。日本映画においても、2000年以降、小林正樹が製作した『切腹』をはじめ、50年代後半から60年代前半に作られた多数の時代劇映画がリメイクされている。リメイク版が製作される理由としては、次のようなことが挙げられる。まず、原作自体が優れた普遍的な価値を持っていると考えられる。その価値を現代及び後世の人々にまで伝えたいと願う製作者もいる。次に、よく知られたストーリーは観客の興味を呼びやすく興行収入が上がりやすい。観客にとっては前作と比較するという楽しみもある。更に製作者にとっては、前作が作られた時代にはなかった映像技術を駆使したり、前作とは違う独自のアイディアを取り入れたりして、前作を超える作品を世に問うことができる。本研究は二本の『十三人の刺客』を取り上げオリジナル版とリメイク版を比較し、武士道精神の時代性の変遷や社会の人々の受け取り方がどう変わってきているのかを映画での表現を通して考察する。
著者
仲 律子
出版者
鈴鹿大学
雑誌
鈴鹿国際大学紀要Campana (ISSN:13428802)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.71-87, 2010-03-20

2006 年に義務教育段階での特別支援教育が本格導入されたが、大学における発達障害学生への支援はまだ始まったばかりである。わが国の約3割の大学に発達障害のある学生が在籍し、学業上の問題や大学生活上の問題を抱えている。米国では法律によってほとんどの大学に障害学生支援システムが整備されるようになったが、日本には大学で障害児・者をどのように支援するのかを規定した法律はない。発達障害をもつ学生が入学前にすべきことは、高校と大学の違いを理解し、将来の夢に学士号が本当に必要かどうかを検討することである。また、支援を求めるために自らの障害を表明するかどうかも考えておくといいかもしれない。しかし、診断を持つ学生の割合が約16%と、生活をする上で困難を抱えていたとしても、医療機関を受診していなかったり、診断名を持っていなかったりする学生が大半という事実がある。したがって、入学時の健康診断の際にメンタルヘルスを測る心理テストを実施している大学もある。入学後の支援については、講義、定期試験、学内生活、安全対策、就職支援など多岐にわたる領域での支援が求められる。さらに、成人生活に必要なスキルを身につけ、インターンシップ等に参加することで、就労に向けて準備できるような支援システムを作っていくによって、発達障害学生の自己実現に近づけるのではないかと考えている。

3 0 0 0 OA 独唱:乾杯の歌

著者
三浦 環[作詞]
出版者
コロムビア(戦前)
巻号頁・発行日
1938
著者
稲増 一憲 池田 謙一
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.103-112, 2009

In this research, the effects of interpersonal relationships, psychological intimacy, and frequency of conversation on the motive to share new information or refer to shared information were examined by means of a survey using topic selections of conversation. There are contradictory findings in previous research on whether intimacy promotes referring to shared information or unshared information, as the studies confuse psychological intimacy and frequency of interaction. The results of our sampling survey showed that psychological intimacy increased topic selection based on the motive to share new information while frequency of conversations increased topic selection based on the motive to refer to shared information. In addition, psychological intimacy and frequency of conversations had an interaction effect on topic selection based on the motive to share new information. The results indicate that psychological intimacy and frequency of interaction should be distinguished, as this will assist in eliminating the confusion in previous studies.

3 0 0 0 時間の向き

著者
戸田 盛和
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.168-175, 1972-03-05

時間は一様に流れるとはニュートンの言葉です. その流れは過去から未来に向けて, 一方向きに流れています. なぜ逆転しないのでしょうか. 時間と共に考えられる空間は一方通行ではありません. タイムマシンは実現不可能でしょうか. 力学の可逆性と, 熱力学の不可逆性との関係はどうなのでしょうか. 生物の進化を含めて宇宙の物質の進化の向きとの関係, 記憶と時間, 予測と考えていくと, 科学自身の発達の向きにも関係があるようです.
著者
小原秀雄著
出版者
明石書店
巻号頁・発行日
2007
著者
近藤 敬比古 小林 富雄
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.907-915, 2007-12-05
被引用文献数
2

CERNで建設中のLHC加速器はもうすぐ完成し物理実験が始まる.これにより人類史上で初めて1 TeVのエネルギー領域を探索することが可能になる.素粒子のより基本的な姿を研究する上で,この1 TeV領域を探索することが特別に重要であるとする明確な理由が存在する.標準モデルの中で唯一の未発見の粒子として残っているヒッグス粒子はほとんど確実にLHC実験によって発見される.さらに超対称性粒子の発見など,標準モデルを超える新しい素粒子物理の兆候を捕らえる可能性も非常に高い.暗黒物質の発見もありうる.ここでは小特集のイントロダクションとして,LHC計画の目的や経過を概説した上で,LHC加速器と四つの実験の紹介,および日本によるLHCプロジェクトへの国際協力参加の現状を述べる.
著者
下司 晶
出版者
教育思想史学会
雑誌
近代教育フォーラム (ISSN:09196560)
巻号頁・発行日
no.15, pp.203-219, 2006-09-17

しばしば評価の分かれるJ・ボウルビィの説に、私たちはいかに接したらよいのだろうか。支持と批判の二者択一に代わる第三の選択として、本論では、彼の理論の成立過程と、その思想史的基盤の解明を試みる。その際に特に着目するのが、精神分析から自然科学(行動生物学)へと至る彼の理論枠組みの変遷である。各章では、それぞれ以下の内容を検討する。(一)精神分析家として訓練を受けたボウルビィが、病因として外的<現実>を重視するようになる過程。(二)母性剥奪論の登場と受容を準備した思想史的背景。(三)母性剥奪論から愛着理論への道程においてボウルビィが精神分析を離れ、自然科学(行動生物学)への依拠を強めていく様相。(四)ボウルビィ理論および彼が構想した「自然科学としての精神分析」というヴィジョンの妥当性と、フロイトからの距離。