著者
岡坂 史紀 上野球
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.10, pp.1-8, 2007-01-30

アプリケーション,サーバー,カーネルの開発に統一のプログラミング環境を提供することによって容易に拡張可能なコンポーネントオペレーティングシステムを構築する手法として,システムコールおよびアップコールをC++言語の純粋仮想関数呼出しに基づいて定義し,それらをオペレーティングシステムのカーネルがリフレクションを使って処理する手法を提案する.また,この手法によって,ファイルサブシステムやTCP/IPプロトコルスタックを特定のオペレーティングシステムに依存しないアプリケーションプログラムとして開発した事例について報告する.We propose an extensible component operating system architecture in which an operating system kernel uses reflection to process C++ pure virtual function based system calls and upcalls to provide a unified programming environment for application, server, and kernel development. We found that we could even develop file subsystems and a TCP/IP protocol stack on an existing operating system based on this architecture.
著者
木村 勉 神田 和幸 田中 久弥
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.61, pp.79-82, 2007-05-17

画像認識型の弱点である情報の爆発を押さえ,手話入力装置として情報の爆発を抑えるモールディングによる手話の動作認識ができる装置の開発を提案する.まず,手話の動作学的解析から始め,手話の音韻表記辞書から動きをパターン化,基本パターンを持つ語彙を選択し,それらの語彙の入力・出力の予備実験を行う.
著者
山名 達郎
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.68-75, 2009-12-03

能楽は演劇学,国文学,音楽学,美学,芸術学といった面から研究されてきたが,本論文では室町時代の能楽をメディア論,特にハロルド・イニスのメディアの時間・空間の偏向という考察をモチーフに,室町時代における能楽がどういった特徴や社会的機能・効果があったのかを分析する。能楽の源流は室町時代以前からも存在したが,観阿弥・世阿弥以降ストーリー性を持った歌劇となり,室町幕府の政治や経済と密接な関係をもった文化戦略として全国に広まっていった。能楽というメディアの特性は身体による知識輸送である。身体パフォーマンスは,識字層,非識字層の双方に共通して認識できるメディアである。能楽というメディアは、能楽が行われる場所である能舞台というメディアプレーヤーにおいて、芸能集団がパフォーマンスを行うことで情報が伝達される。どの地方にも知識輸送できる能楽は,集合体としての室町幕府に対応しているのである。
著者
土生 真弘
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.22, pp.266-267, 2006-08-26

2005年から「国連・持続可能な開発のための教育(ESD)の10年」が開始した。ESDとは、持続可能な社会を構成する責任ある個人を育成する教育・学習活動であり、生涯学習の観点から地域全体を動員するものである。UNESCOの国際実施計画などが作成された一方で、ESDの概念や実践の困難さが指摘されている。本稿では、ESDがもたらす「教育」、及び国際協力・国際貢献の事業への関連、並びに情報通信技術(ICT)の応用の可能性について論じる。
著者
中川 哲治 工藤 拓 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.9, pp.77-82, 2001-01-25
被引用文献数
2

品詞タグ付けにおいて,辞書に存在する語と比較して未知語に対する解析精度は低く,品詞タグ付けの全体の性能を左右する要因となる。本稿では,英語における未知語の品詞をSupport Vector Machineを用いて推定する手法を提案する。単語の部分文字列やコンテキストを素性として,高い精度で品詞を推定することができた。さらに同じ枠組みで,SVMを用いて品詞のタグ付けを行ったところ,100 000トークンの訓練データによる学習の結果,95.9%という従来手法以上の精度が得られた。In part-of-speech tagging, the accuracy for unknown words is lower than for known words. In consideration of high accuracy rate of up-to-date statistical POS taggers, unknown words account for non-negligible cause of errors. This paper describes POS estimation for unknown words using Support Vector Machines. We achieved high accuracy of POS tag estimation using substrings and surrounding contexts as feature. Furthermore, we apply this method to a practical POS tagger, and achieved the accuracy of 95.9%, higher than conventional approaches.
著者
壱岐 貞昭 石橋 辰夫 新山祐介 白井 清昭 田中 穂積 徳永 健伸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.53, pp.95-95, 2000-06-01

「傀儡」は、自然言語によって仮想空間上のソフトウエアロボットを制御するシステムである。ユーザは音声により仮想空間上のロボットやカメラに対して指示を与えることができる。システムはその指示を解析し、意図を理解し、その意図に適した動作をソフトウエアロボットに実行させる。また、本システムは照応・省略という言語現象を扱うことができる。これらを解決するために、各ロボットは照応や省略の対象となる名詞句を保持するためのデータベースを持っている。そして、ユーザの指令から発話行為を分析し、対話の主題を推測しながらこれらのデータベースを更新することによって照応や省略を解決する。この際、ロボットやカメラからの視覚情報も用いている。Kairai is a system which controls software robots in a virtual space according to natural language commands. The user can control the robots or camera by voice. The system analyses the command and understand the intention of the command. The software robots executes a set of actions congruent with the command intention. The system can also handle anaphora and ellipsis. Each robot has a database containing noun phrases from the preceding discourse which may form the antecedent of anaphoric or elliptical references, to aid in solving these phemonena. The system extracts the speech act from the user command, and guesses the topic of conversation in the process of updating each robot database, also relying on information on the view angle of the robots and camera.
著者
小坂 守孝
出版者
北翔大学
雑誌
北方圏生活福祉研究所年報 (ISSN:1342761X)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.33-42, 2007

大学生の退学防止や就学継続のためには,大学生が体験するストレッサーの把握が重要である。ここ10年あまりの間に大学生に普及したインターネット・携帯電話によるコミュニケーションについては多くの研究者が問題点を指摘している。しかし,それらのストレッサーとしての位置づけについては十分検討されていない。また,従来のストレッサー尺度にも反映されていない可能性が高い。本研究では,大学生におけるインターネット・携帯電話関連のストレッサー尺度が開発され,個人特性(ハーディネス)とストレス反応との関係が検証された。2つの大学に所属する大学生234名(男性50名,女性184名)からデータが収集された。新たに開発されたストレッサー尺度の因子分析により4つの因子(ネットコミュニケーション,匿名ストレス,情報漏洩,経済的圧迫)が抽出された。ストレッサーの合計得点そして4因子を反映したその下位尺度得点は,ストレス反応の合計得点や下位尺度得点とは弱い正の相関を示した。一方,個人の性格のたくましさを示すハーディネスとは一部の弱い相関を除きほとんどがほぼ無相関であった。分散分析においては,身体的反応に対するストレッサーの主効果と,ストレス反応の合計得点・全ての下位尺度に対するハーディネスの主効果のみが見られた。ハーディネスの3つの要素(コミットメント・コントロール・チャレンジ)が全て高い群と全て低い群におけるストレッサー合計得点の高/低群ごとのストレス反応得点を比較した結果,高ストレス下においてハーディネスの高い群は低い群よりもストレス反応の下位尺度である身体的反応は低いものであった。ストレッサー尺度に関して,今後の尺度の改良の可能性や従来の総合的なストレッサー尺度との関連性などについて討論された。
著者
松村 真宏
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

ちょっとした仕掛けがちょっとした意識や行動の変化を生み、それが大きな社会的インパクトを及ぼすことがある。「フィールドマイニング」は、そのような社会現象、具体的には、人の意識や行動を変えるための仕掛けとその効果を体系的に明らかにすることを目指す新しい研究分野である.本発表ではフィールドマイニングの取り組みと課題について述べる。
著者
堀口 利枝 宮崎 清
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.89-98, 2009-09-30
被引用文献数
1

本研究は、平安時代から室町時代までの約400年間に描かれた絵巻物に登場する傘の意匠について、観察・解析したものである。絵巻物に登場した傘の図像は303点であった。それらより、傘の意匠の特質を次のように導出した。(1)絵巻物を通してみられる傘の多くは開閉可能で、平安時代には覆いが大型であったが、鎌倉時代以降に小型の覆いをもつ傘が現れる。それに呼応し、短柄の傘が出現する。(2)覆いが小型の傘の登場により、鎌倉時代以降、傘を使用する階層が拡大するとともに、差しかけられる形態から、傘の柄を自ら保持する形態に変化していく。(3)階層ごとに、使用する傘の形状、覆いの大きさ・色彩・材質に一定の関係性がみられる。(4)祭りに使用される傘には、神を迎えて時間空間を同一化する意匠がうかがえる。(5)往時の人びとの傘の使用には、陽よけ・雨よけの物理的機能に加え、傘によって表象的・結界的な時空間を演出・創出する企図がみられる。
著者
加島 幸 渡部 広一 河岡 司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.480, pp.69-74, 2008-01-31

記述された1枚の文書が与えられたとき,文の内容から,人間はそれが単なる情報文なのか試験問題のような問題文なのかを常識的に判断し,問題文であった場合には,文章の指示に従い問題を解き答えを出す.本稿では,人間と同じように,コンピュータに記述文章が問題文であることを判定させ,記述された指示に従い解答を出す文書問題解決システムを提案する.このシステムは,問題文の文法的な観点での意味理解部と,コンピュータのもつ算数知識や国語知識を概念連想や常識判断で整合させ,問題の解答を求める意味解釈部により構成している.
著者
岡田 信一郎
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.28, no.331, pp.342-353, 1914-07-25
著者
Maree Claire
出版者
青土社
雑誌
現代思想
巻号頁・発行日
vol.26, no.10, pp.122-135, 1998-08
著者
Ryan Kevin
出版者
昭和女子大学
雑誌
學苑 (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
vol.834, pp.28-37, 2010-04-01

As the Internet progresses from version 1.0 through 2.0 and now onto 3.0, we are seeing ease of access steadily increase. The primary movement in the last year or so has been toward access from any place, at any time; or ubiquitous computing. To accomplish this, technology has become portable. The form factor of such portable technology, whether it be a laptop, a cell phone or something in between, such as the iPad computer from Apple, determines in many ways how it is used. This paper looks at how the form factor of portable technology affects language learning in general and EFL (English as a Foreign Language) specifically.
著者
竹内 卓哉 渡部 広一 河岡 司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.20, pp.13-18, 2008-03-05

人間をサポートするような知的なロボットが活動するためには,人のパートナーとして人間の命令を理解するコミュニケーション能力や自律行動能力が必要と考えられる.人間が得る情報の内,視覚による情報は 7~8 割を占めると言われている.そのため,自律行動能力を実現するためには,視覚から得た画像を理解する能力が必要である.例えば物体を把持するときには,視覚によって得た情報から物体がどのような位置にあるか,大きさはどのくらいであるか,向きはどのような方向を向いているかなど様々な情報を理解する必要がある.そこで,本研究では,物体を把持するという行為に着目し,境界評価値、遺伝的アルゴリズムを用い,把持に必要な物体情報を導き出す手法を提案する.In daily life, a communication skill to understand person's instruction and the autonomous action ability are necessary to achieve an intelligent robot that supports person. It is said that information from the sight will account for from 70 to 80 percent in information that man obtains. Therefore, the ability to understand the image obtained from the sight is necessary to achieve the autonomous action ability. For example, to hold the object it is necessary to understand various information by the sight, the size of object, the direction of object etc. Then, in this research, it pays attention to the act of holding the object, and it proposes the method for extracting object's information necessary for the holding.